「人の役に立ちたい病」
九州の自転車旅で、何をしようかな、どこへ行こうかな、と思いを巡らせているとき、
いつの間にか、
「何をしたら喜ばれるかな」「どこへ行けばおもしろがってもらえるだろうか」と、意識が外に向いてしまっていることに気づきました。
しかも、この無意識の思考はかなり強力で、
「自分の行きたいところへ行く、やりたいことをやるのが旅じゃないか」
と思い直しても、また次の日には、
「何をしたら喜ばれるかな」
と考えてしまっているので、これはもう
「人の役に立ちたい病」です。
これでは主体性がフルに発揮されないし、人の目に踊らされて、自分を見失ってしまいます。
海外添乗員という職業柄、「人を楽しませよう」という気持ちが働くのは仕方がないのかもしれませんが、
仕事の外では、自分が楽しむことを優先したいものです。
「原点は何だったか」
ともう一度考えることにしました。
ぼくがブログを始めたきっかけは、
両親を安心させるためでした。
大学3年生のとき、初めての一人旅で「自転車で九州まで行ってくる」と言った息子に、両親は心配していました。
でも、毎日メールで「今◯◯にいます」と無事を報告するのは嫌だったので、ブログを開設して、
「このブログに毎日旅の経過を書いていくから、勝手に読んで」
ということにしました。これなら、両親だけでなく友人への報告にもなるし、日記代わりにもなるし、一石二鳥だと思いました。
ちなみにこれが生まれて初めて書いたブログ記事です。
続きを読む「ツール・ド・九州」に向けて、「五郎丸」復活も・・・
自転車で九州一周の旅「ツール・ド・九州」に向けて、準備を始めました。先週の水曜日、思いつきで決めたものの、スタートまでもう1ヶ月ありません!
ホコリを被っていた愛車(五郎丸)を、1年半ぶりに外に出し、二子玉川のスタバまで走ってみました。5年前、ヨーロッパの舞台でともに戦った五郎丸。今回の舞台は九州。まぎれもなく、「ジャパン・ウェイ」です。
早朝のランニング後に平井さんのグラノーラを食べたけど、
10時頃、またお腹がすいてきたので、
二度目の朝ごはんを食べるため、「すき家」へ寄り道。
ここで五郎丸のオフショットを。
しかし残念ながら、
絵になりませんでした。
まるで「自転車とおしんこがセットで490円」みたい。
これがスタバだと、マッチング。
うーん、やはり「ワールドクラス」です。
Instagramで「roadbike」って画像検索してたら、
素敵なお姉さんの写真が出てきました。
か、かっこいい!
即、真似しました!
即、プロフィール写真を変更。我ながら、意気込みが感じられます。いいね!
スタバで原稿を書き終えたあと、ロードバイク乗りの友人から教えてもらった、おすすめの自転車店へ行きました。
なんと家の近所に有名店があることを、まったく知りませんでした。
「ABOVE BIKE STORE」です。
なんでも、今年のシクロクロス全日本選手権で、このお店のチームが優勝したそうです。
「レース会場でメカニックやってるくらいなんで技術力は間違いないです」
という友人情報を頼りに、伺ってみました。
いらっしゃったのは、店主でありメカニックの、須崎さんでした。
「来月このロードバイクで、九州を一周しようと思っていまして」
自転車をジロリと眺めた須崎さん。
「タイヤ、チェーン、それから、あれにこれに・・・・全部とっかえですね」
即、入院決定。
五郎丸ーーーー!!
「うちのチームが世界選手権に出るので、年始はかなり忙しいんですよ。ですが、出発までにはなんとか間に合わせます」
「ありがとうございます!」
頑張れ、五郎丸!ともに戦おう!スクラム組もうぜ!
その後、渋谷のカフェにて、旅の計画を。6年ぶりの九州。楽しみです。
飛行機も予約完了。
1/23福岡IN、1/30福岡OUTです。
九州のおすすめ情報や、福岡、熊本、鹿児島、宮崎で泊めてくださる方など、
募集しております。
ぼくが毎朝走る理由は、「もうひとりの自分」に会うため
スマホの登場によって、生活習慣は随分変わりました。電車で周りを見回していても、本を読んでいる人は少なくなりました。かつては本を読んでいたであろう年配のおじさまも、結構スマホをいじっています。もちろん、自分もそのひとりです。
毎日毎日、情報のシャワーを浴びています。SNSのタイムラインには無数の記事が流れてきます。家に帰ればテレビがあるし、とにかく無意識に情報が飛び込んでくるこの時代では、よっぽど意識的にならないと、内省の時間を確保できません。ぼくは、自分と対話する時間、自分と向き合う内省の時間が、生きるうえでとても大切だと思っています。
たくさんの話を聞いて、たくさんの情報を浴びて、寝て、起きて、翌日もまた同じことの繰り返し。これでは、自分の思考をまったく整理できません。ただ、情報に流されていくだけになってしまいます。なんのための情報か、本質をよく考える必要があります。行動のための情報であり、行動のための知識であるはずです。ただ知っているだけで、その情報を活かさないのであれば、百科事典と変わりません。百科事典は知識を得るためには素晴らしいものですが、それ自体は、世の中に何ひとつ生み出しません。
ぼくにとって、ランニングの時間は、自分と向き合う時間です。ひとりでいると、すぐにパソコンやスマホをいじってしまう人間だから、半ば強制的に走りにでも行かないと、ダメになってしまうんです。好きな音楽を聴き、ゆっくりとしたペースで走りながら、いろいろなことを考えます。
「失敗したな。あのとき、こうすればよかった」
「まあ次から気をつけよう。切り替え、切り替え」
走っているとき、頭の中には「もうひとりの自分」がいます。
「あのサービス、これと組み合わせたらいけるんじゃない?」
「おもしろいかも!あとで◯◯さんに相談してみるか」
もうひとりの自分は、常に味方です。ぼくがヘコんでいても、励ましてくれます。
「また怒られた~、ヘコむ。。。」
「お前は偉いよ。みんなが寝てるこんな朝早くから、ランニングしているんだぞ。努力家だ。自信を持て」
いろんな悩みを持って家を出るのですが、走り終えたときには、悩みは汗とともにどこかへ飛んでいます。
「よし、今日も頑張ろう!」
という気持ちになれるのです。もうひとりの自分のおかげです。失敗したり、ヘコんだりすることも多いけど、走っていると、自分の生き方が肯定されている感覚を得られます。
この前、赤塚不二夫さんと谷川俊太郎さんのコラボ作品を目にしましたが、谷川さんの詩は、まさに同じようなことを言っていました。
自分トフタリッキリデ暮ラスノダ
自分ノパンツハ自分デ洗ウノダ
自分ハ自分ヲ尊敬シテイルカラ
ソレクライナンデモナイノダ
自分ガニコニコスレバ
自分モ嬉シクナッテニコニコスルノダ
自分ガ怒ルト自分ハコワクナルノデ
スグニ自分ト仲直リスルノダ
自分ハトッテモ傷ツキヤスイカラ
自分ハ自分ニ優シクスルノダ
自分ノ言ウコトサエキイテイレバ
自分ハ自分ヲ失ウコトハナイ
自分ハ自分ガ好キデ好キデタマラナイ
自分ノタメナラ生命モ惜シクナイ
ソレホド自分ハスバラシイノダ
もうひとりの自分は、スマホの中にはいないんです。情報の中にも、友達の中にもいないんです。自分の中にしか、いないんです。だから、もうひとりの自分に会いに、毎朝ランニングに出かけます。
早朝ランニングを始めて、今日で一週間が経ちましたが、本当に素晴らしい時間です。06:00の空はまだ暗く、星も見えていますが、徐々にグラデーションが濃くなっていきます。葉が落ちた木の枝、澄んだ空気、シーンと冷たい風、静けさ。まるで、旅をしているようです。06:50くらいに日の出。太陽のエネルギーを全身で感じます。毎日写真を撮っていても、同じ景色には出くわしません。曇りの日にも曇りの日の良さがあります。
自分と向き合う、神聖な朝の時間。これからも大切にしていきたいです。
「最近の中村さんから『悔しい!羨ましい!』とは感じない」
今日の夕方、珍しい方からメッセージが届きました。
「お久しぶりです。
覚えていますか? 2009年の夏、長崎のユースホステルで同室になったバイク乗りです。
また自転車旅に出るということで、思い立ってこうしてメッセージを書いています。
実際に会ったのはあの一度きりで、それ以降特に連絡を取る事も無かったのですが、 あの時からブログ、FBをずっと見てきた人間の1人として、今回の中村さんの(自転車旅をするという)決断を嬉しく思います。
正直な話、ここのところの中村さんは、端から見て「悔しい!羨ましい!」と思わせる部分が無かったので・・・。あの頃と全く同じように、と言うのは当然出来ないでしょうが、 あの頃「は」良かった、から、あの頃「も」良かった、の気持ちに切り替えて、また「悔しい!俺も!」と思わせてくれる中村さんの復活を期待しています」
ずっと昔から応援してくれていた分部くんからも、メッセージをいただきました。
「さっきの投稿読みました。ちゃいにー(ぼくのあだ名)の文章で久しぶりに心を持ってかれました。
ツール・ド・ヨーロッパの時のちゃいにーは、あこがれのスターだったのです。いずれは自分もこんなすごい人になりたいと。例えるなら、サッカー少年が本田に憧れるように。
そんなちゃいにーが復活するきっかけになることを心から願います。あの頃のちゃいにーのブログには本当に、読んでる人が明日も頑張ろうとする勇気を貰えたのです。迫力があったとか、そんなもんじゃないです。あのブログはちゃいにーの命そのものでした。
あああああ悔しいな、僕もくすぶってる場合じゃない!」
はっきりと言ってくるのはまさやさんだけかと思っていたけど、きっとみんな、ぼくに対して同じことを感じていたのでしょうね。「最近の洋太はつまらない」「何してるんだこいつ」と。自分が思っていた以上に、堕ちていたようです。
「5年前よりも面白い旅ができるか、過去の自分に勝てるか不安」
と書いた昨日の投稿に対しても、みんなから同じことを言われました。
「旅に失敗もクソもないでしょうが。自分の思うままやるだけ。過去より面白くないかもしれない?何だそれ。中村さんのありのままをみなさんみたいだけなのではないかな」
「人にウケるかどうかとか過去の自分に勝てるかどうかとか小難しいこと考えながら旅してもちゃいにー自身がその旅を楽しめないだろうから行くだけ時間とお金のムダなんじゃないかなと思いました個人的には」
「1番最初に自転車旅を決意した時、「やってみたい!」の一心では無かったですか??
「ただやってみたい!」それだけでも十分な理由です。
人に「ウケそうな」理由探しはダメです。自分を見失ってはいけません!
人を喜ばせたい!と人にウケたい!は違うと思います!
人を喜ばせるには、自分がしてほしい事を相手にしてあげる!
まず中村さんが、楽しまないと!
中村さんは、中村さんを楽しませてください!」
今のぼくに自慢できることは、こうして道を踏み外しそうになったときに、指摘してくれる人がこれだけいる、ということです。すでに道を踏み外していましたが。。
もう28だけど、至らない点はたくさんあるし、「そうじゃないだろ」と何度も言われるし、やってはいけないようなミスも犯します。ごめんなさい、自分が間違っていました、と言うしかないです。そのうえで、そのつど反省して、前に進んでいきます。
言われたときは落ち込むことも多いけど、今受け取っている全ての言葉は、応援のメッセージだと思って頑張っていきます。
過去の自分と比較するのもやめます。過去は過去、今は今。難しいことは考えずに、ありのままの自分を出したいと思います。
「やってみたい」「行ってみたい」「なんか楽しそう」
最初の動機は、そんな純粋な気持ちだったんですよね。ただ、自分が旅を楽しんで、それを素直に書いていたら、結果として喜んでくれる人がいた、というだけでした。それなのに今の自分は、どうしたら人にウケるかとか、人を感動させたいとか、そんな余計なことを考えてしまっていました。本当に、考えすぎでした。
今度こそ、純粋に楽しみます。ありのままに生きます。しばらく、一人でいる時間を増やします。
最後は永松さんからのメッセージ。
「やっぱり、中村さんは、走り回っていてくれた方が、周りの人も勇気や元気をもらえるような気がします。社会の常識とか、いろんな制約にとらわれて私たちが中々できないことを実現して見せる中村さんに、見ている人は自分の夢を重ねているのだと思います。できる限りの準備と、安全にだけは注意して下さい。応援しています」
みなさま、本当に、ありがとうございます!目標に向かって動き出した自分に、なんだか懐かしい感覚を抱いています。もう一度、精一杯生きます!
今後とも、よろしくお願いいたします!
自分の限界への挑戦は美しい
すごく考えさせられたのは、昨日書いた記事が、今までで一番アクセス数の多い記事になったことです。
これまで、たくさんの魅力的な人たちにインタビューをして、記事にしてきたのに、どうして自分の素直な感情を話した方が、読み手に喜ばれるのでしょうか。
ただ読まれるだけでなく、いろんな人が応援のコメントやメッセージをくれました。
ぼくは素直に、周りにいる人たちの活動に素晴らしさを感じているから、インタビューして紹介しています。でも、自分の想いを綴った文章が一番読まれたという事実は、
「インタビューするのもいいけど、他人の人生を追いかけてばかりいないで、自分の人生をもっと主体的に生きなよ」
というメッセージなのではないかと思いました。まさやさんが言ったとおり、「聞き手ではなく、話し手になるような生き方をしろよ」ということです。
インタビューもできます。でも、ぼくの主戦場ではないのかもしれません。
それで、何かヒントを掴めるかもしれないと思って、もう一度自転車旅をしてみよう、と決意したのですが、正直なところ不安でいっぱいです。果たして5年前の自分よりも、面白い旅ができるのか、面白い文章が書けるのか、人に対して何かを与えられるのか、まったく自信が持てないからです。
全てを投げ出してチャレンジしていた当時の自分は、荒削りな部分も多かったけど、そんなの気にならないくらいのエネルギーがありました。今頑張っても、「昔の方が面白かったよね」って、やっぱり言われてしまうかもしれません。
失敗するリスクはある。自分に負ける怖さもある。カッコ悪い自分をさらけ出す恥ずかしさもある。それでも、それでも挑戦しない限り、過去の自分には勝てません。
だけど、不安の中にも、不思議なワクワク感があります。失敗するかもしれないことに挑戦するのが、きっと究極のエンジョイなのでしょう。
その感覚を思い出すためにも、ぼくは5年前の自分に勝負を挑みます。挑戦した先に待っているのは、きっと勝ち負けや成功・失敗を超える楽しさであり、美しさだと思います。
「今の君は全然おもしろくない。会うのは時間の無駄」今朝、千代田線で泣いた話
「これからのインタビュー記事は、聞き手が表に出る時代」
そんな内容の記事のリンクを、今朝、家を出る頃に投稿したところ、すぐにコメントがつきました。
「お前、聞き手なんか。さぶ」
一瞬、「はい?」と思いながらも、気楽に受け流せなかったのは、相手がまさやさんだったからです。彼はいつも思っていることをズバッと直球で言ってくるので、ぼくはたびたび胃が痛くなるのですが、彼の言うことには耳を傾けます。ドイツで一度しか会ったことはないけれど、ぼくは彼のことを尊敬しているし、何よりも「戦友」のような存在だからです。
クラウドファンディングがまだ一般的ではなかった5年前、「スポンサーを集めて自転車で西ヨーロッパを一周します」というぼくの宣言は、「2ちゃんねる」で叩かれたり、批判も多かったです。「頑張ってね」と応援してくれる人はいても、多くの人は、ぼくが実際に成し遂げるなんて、半信半疑だったでしょう。
そんな状況の中、誰よりも早く協賛者になってくださったのが、時計職人になるためドイツのボンで修行していたまさやさんでした。面識はなく、彼はたまたまぼくのブログを読んで、応援してくれたようです。
そして、その後実際に旅の資金を集め切り、旅が始まり、完結するところまで、リアルタイムで全てを見てくれていました。実は、今も付き合っている友人の中で、そのときのことをリアルタイムで見てくれていた人は、そんなに多くありません。
仲の良い友人の多くが、2011年以降に知り合った人たちなので、ぼくがそういうことをしていたという「結果」は知っていても、その「過程」を深くは知りません。ブログには記録を残していますが、「生の過程」を知っているか知らないか、その違いは大きいと思っています。そういう意味で、まさやさんは、ぼくと同じ風景を見てきた貴重な戦友でした。
この5年間、ぼくは何をしていても、自分のポテンシャルのMAXを出し切れた感覚がありません。今の生活でも「そのバイタリティーはどこからくるんですか?」と聞かれることがありますが、自転車旅のときのバイタリティーに比べたら、正直カスみたいなものです。でも多くの人はぼくのMAXを知らないから、今の活動でも十分「すごいね」「頑張ってるね」と言ってくれ、ぼく自身それに甘えていた部分があります。
でもまさやさんは、今朝ハッキリと言ってくれました。
「今僕は君にあって話したいとは全然思わないわ。面白くなさそうだし、時間の無駄だな。申し訳ないが」
この言葉は、心の奥深くに刺さりました。もしかしたら、このコメントを見て、「この人は何言ってるんだろう。中村さんかわいそうに」と思った人もいるかもしれません。でも、まさやさんが正論なのです。
京大の分部くんも、やはり同じことを何度もぼくに言ってきます。
「最近の洋太さん、つまらなくなりましたね」
って。当時のぼくのブログをリアルタイムで読んでくれていた人にとっては、本当にそうなんだと思います。
無名の大学生が、SONYやCASIOに協賛してもらったり、毎日のように奇跡的なことが起きました。でもその裏側には、やはり猛烈な努力と行動がありました。「情熱大陸」に取り上げてもらいたくて、大阪の毎日放送を自転車で訪ねたこともありました。そんなバカみたいなことを大真面目にやっていて、そのうちぼくを批判していた人も、「批判したことを謝ります」と言って、本気で応援してくれるようになりました。それくらい、汗で人の心を動かしていました。必死だったけど、とにかく痛快な毎日でした。そのときの半端ないバイタリティーに比べたら、やっぱり今の自分はヌルい。ヌルすぎる。
イタリアでは、大手自転車メーカー「BASSO」の社長の携帯にいきなり電話をかけて、
「あなたが作った自転車で、西ヨーロッパを一周しています。あなたに会ってお礼が言いたいから、会いに行ってもいいですか?」
と片言の英語で伝えて、本当に会いに行きました。今考えたらゾッとするけど、それを生で見ていたまさやさんからしたら、「中村、お前何してるんだ。もっと頑張れ」となっても当然です。
「とにかく汗かけ。君らしさはそこじゃないの。ごめんなさい、なんか上から目線で。でも、つまらんというか、君らしくないね。君のマックスの面白さ、いや、お笑いとかではなく、素直にすげーと思える行動力。君のポテンシャルをなんとなく感じている外の支援者は、そんなんじゃないのでないの?と思ってしまうのよね。
僕は少ししか会ってないけども、君の存在感は今でもあるね。あのとき出会っての。完璧でないにしろ、こいつはなんかやりおるなというね。おまえは、インタビューされてなんぼ」
ぼくは、ふと思ったことを言いました。
「来月の長期休暇、自転車旅しようかな」
普通に旅行しようと思っていたけど、自転車旅をすれば、何か、ぼくにとって大切なものを思い出せる気がしました。
「いけいけ。あてもなくさまよえ。動いているときに考える。これおもろいこと生まれると思うよ。温暖化で暖かい冬だぞ。行くしかない」
決めました。1ヶ月後、自転車で九州を一周します。
「ツール・ド・九州」で、ぼくの汗と情熱を伝えたいです。魂に火がつきました。
朝の千代田線の車内、心から背中を押された嬉しさと、復活できそうな予感に、涙しました。
「よし、自転車旅したら、何か見えてくれるかもしれない」
「うん、動け。でないと中村でなくなる」
「感謝です!」
「感謝じゃないよ。僕が感謝だね」
雲の隙間から、青空が見えました。