合格、そして伝説へ……

まあわが家では伝説扱いみたいになったわけですが、次の日が発表でした。この日はお母さんは仕事に行っていて、お父さんが休みを取ってくれました。ふうこちゃんが朝早くから来ていて「やっとビール飲めるわ」と言ってお父さんと乾杯してました。お昼過ぎの発表を待ってても仕方ないので3人でドラクエです。4カ月我慢してきたドラクエ。でもみんな気もそぞろで、なんかグレンの酒場の前で寝転がってだべってました。

ドラクエの写真はたくさん残してるんだけど、見たらキャラがばれてしまうので貼れません(゜_゜)

そして発表の時間が来て、PCに向かいます。

番号が

ありました!

もう大騒ぎというかお父さんが片っ端から電話とかLINE、お母さん、学校の先生、お医者さん、おじいちゃんおばあちゃん。泣きながら話してて、ちょっともらい泣きした。ふうちゃんはテレビに向かって何やってるのかと思えばまわりにチャットで「ここのランカちゃん、受験大成功です!」とかやってて私が祝福されていますwwwww

お祝いと言えば寿司、というと安直な気もしますがお父さんが友達の店に出前を頼んで、晩から祝勝会です。お母さんが帰って来て、玄関に出てきた私を抱きしめました。やっぱり泣いてました。ふうこちゃんの手を取って何度もありがとうって言ってて、「いや、私なにもしてないし」ってきょどってたのが面白かったです。

その晩、えんえん飲んでる両親とふうこちゃんを尻目に自分の部屋に上がってハルタ読んでたら「ヒナまつり」、アンズちゃんが学校へ行ってみる回でした。

 いや、アンズちゃんが「学校で勉強したことって仕事で役立ちそうにない」って悟る回なんですけどねw

寝転びながら天井を眺めて、本当に受かったんだなあ、とやっていけるのかなあ、とずっと考えていました。そして知らないうちに寝ていました。

朝はかなりの寝坊で、昼近くだったと思います。下に降りたらお父さんもお母さんも仕事に行ったのか、誰もいなくてリビングに朝食と、プレゼントの箱が置いてありました。アイマスのカードに「合格のお祝いです。学校は私服らしいけど。ふうこ」って書いてあって、包みを解いたらUSJの紙袋が入っていて、見たことのある制服と杖が入っていました!合格も決まってなかったのに用意してくれてたんだなと考えると感無量です(´;ω;`)

こうして私のちょっと変わった受験は幕を閉じたのですが、私に伝えたいことにまとまりがなくてごめんなさい。

私の不登校というのは私の失敗が原因で、世の中にはいじめだとか家庭環境なんかで学校に行けない人たちがたくさんいると思います。だからそういう方にはちょっとアドバイスなんておこがましいことは出来ません。

でも私みたいに引きこもってる人がいたとしたら、ネットでもなんでも人との接点だけはなんとか持ってた方が良いと思います。めぐり合わせもチャンスも、そして自分が変わろうという気力も起こってくるかもしれない。だから、引きこもりの方のご両親、たとえばパソコンやゲーム機を子供から取り上げないで欲しいのです。

私は本当に本当に運が良かっただけかもしれないけれど。

そして、生活をちゃんとするということは大事なことです。片付け、掃除、料理、洗濯などなど。リズムを作って、何か作業をしてれば生きる気力をかろうじて失わずに済みます。私の場合はそれにドラクエというネットゲームが加わったわけですけど。

受験に際しては両親やふうこちゃんだけではなくいろんな人の協力もありました。親戚や先生(調査書に関しては未だに謎です)、お医者さん、近所の人、ドラクエTwitterの方々。こんなどうしょうもない私のために、手を差し伸べてくれた人たちには、何万回ありがとうと言っても言い切れません。

今、わたしはわりとちゃんと学校へ行っています。月に一度「もしもの日」をもらってUSJに行ったりするのだけど

 ※「もしもの日」はこちらをご参照ください

毎日部活にも出てるし、休みの日はクラスの子と買い物に行ったり、そして日に3時間はドラクエにいます。小学校に1日しか行かなかったことは、周りの誰もが知っていますし、私もそれを恥ずかしいと思ったりしません。(さすがに理由は話してないんですけどw)近所の人が、登校の時に「学校?頑張ってきて!」って言ってくれたら元気が出ます。そして電車に揺られながら思います。これは大陸間鉄道ではないけれど、きっと私をどこか別の世界へ連れてくれるんだって。

おしまい

p.s 気が向いたら近況を書くことはあるかもしれませんが、不登校だった私の話はこれでおしまいです。ここを見に来る方はそうそういないでしょうけど、読んでくださった方の一助となれれば嬉しいと思います。昔のことを書くのだから、過去の日付で書けば良かった気もするのですが、これは思い出で補正もあるしブラフもありますのでこのままで。それでは、また。

試験の日

試験はあっという間にやってきました。

私が受験勉強したのはせいぜい4カ月くらいだったと思います。とにかく同じくらいのレベルの学校の過去問を解き、模試を受け、の繰り返し。ただ競争相手がいないのでモチベーションを維持するのだけは大変でした。

受験当日、お母さんと一緒に会場へ。なんか大学の試験?も一緒にやってるみたいでたくさん人がいました。電車を降りたら職員さんたちが立ってて、誘導されて無事に到着。お母さんが「まあ、ダメでもともとだし、それだったらまた家にいたら良いから気楽にやんなさい」とか縁起でもない励ましをしつつ心配そうな顔してるので、頑張って来ます、と。

一日目、国語算数理科社会。もちろん模試を受けてるので雰囲気はわかっていたのですが、学校という場所であることがすごく不思議な感じでした。周りの子のため息とか、たまにうなり声とかが良く聞こえて、仕草も目に入ってくる。そして厳か?な感じ。ここでこの学校の人たちは毎日授業を受けているんだろうなあと……

試験の内容はどの教科もなんとか解けるような感じでした。

まあ受験のノウハウとかテクニックを語りたいわけでもないので、受験対策でたどりついた方がいたとしたらごめんなさいm(_ _)m

二日目、体育(。・_・。)

いずれもなんとか出来たかな、という感じでした。

配点も低いみたいだし、周りも出来てなかったり緊張して失敗してやり直しになってたりする子もいたので、気楽にやれました。

上級生のお姉さんがお手本を見せてくれたのがカッコ良かったです。

そして、この日初めて体操服というのを着ましたw

お父さん、跳び箱を作る

ふうこちゃんが言うには「全然教える必要がなかった」というくらい家庭教師はうまくいっていて、なんか時間計って問題を解かされる、というのを繰り返してた気がします。「ランカちゃんの受験が終わるまでは私も禁酒します」と言って、彼がこの期間全然酒臭く無かったのはなんだか嬉しかったです。

模試は何回か受けて、緊張しましたが全部A判定でした。お母さんとふうこちゃんの指導に問題はなかったようです(藁

問題は体育でした。

引きこもってた私がやってた運動といったら、

お母さんがやってたビリーズブートキャンプとかコアリズム?

、あとお父さんがちょっとやってた

 ↓これ(´・ω・`)

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 それとアニメ観ながらエアロバイク漕いでた、くらいのものです。

暑い最中、この頃は毎日のように近所の3on3のコートにシュート練習しに行ったり

、布団の上で後ろでんぐり返り?したり、お父さんが休みの日にキャッチボールしたり、公園の鉄棒で逆上がりとか、とにかくやったことのない運動をするのだから大変です(´;ω;`)

そして最大の問題は「跳び箱」でした。どこで出来るのかさっぱりわからず、お父さんがネットで見て「10マソ以上する……」とびっくりしてました。それで、お父さんが作りました。鉄パイプでw

もうバラバラにされてしまったので残念ながら写真もないのですけど、お父さんが溶接して作ってるの眺めてて「これは跳べるようにならないとなあ……」と思いました。ボルトで高さを調整出来るようになってて、なんか妙に高いベンチという感じでしたが、うちの庭で異様な存在感を放ってました。

近所の人は何してるんだろう、と思ってたでしょうね^^;

80cmを跳べた時は感動しました。すごく時間かかりましたけど。

受験に向けての活動が始まりました

ふうこちゃんに相談してから、次のお父さんの休みの日だったと思う。ふうこちゃんが突然家に来て、そして私の担任の先生まで来た。「中学受験したいって本当なの?」と聞かれたので、はいと返事をした。

先生は「出来る限りのことをします」

お父さんは「良くわかんない」

ふうこちゃんは「今から、間に合うのか……」

という感じで、とにかく受験をする方向で、と言ってあとはそれぞれ対策を練りましょうみたいな感じで解散になった。

両親とふうこちゃん、そして先生はたびたび集まって学校に行ったりして話し合いをしてるみたいだった。受験のことについてはお医者さんも賛成してくれた。

そこから、本当に短い間なんだけど私の受験戦争が始まることになります。これがお盆を過ぎた頃だったと思います。

お母さんが学校説明会に行ってくれたりした結果、志望校は一つに絞ることになりました。

・しばらくふうこちゃんが家庭教師に来てくれる

ドラクエやアニメは封印

・試験というものに慣れるために模試を受けに行く

・体育の実技があるので、それをどうにかしないといけない

・調査書どうしよう

という感じです。

 

きっかけはオフ会

中学に行ってみようかな、と思った2つの出来事がUSJの後、2つあった。

一つはドラクエのオフ会。お父さんお母さんのフレンドさんたちと集まってバーベキューをするということになったのだ。家族で来てる人たちも何組かいて、同年代の子とちょっとだけだけど話したり、川に石を投げたりして遊んだ。話題はだいたいドラクエだけなんだけど……

オフ会は初めてだったので、なんかレンドアに泊まってカミハルムイに行くイベントのことを思い出していた。ちょっと古いけどw

もう一つはふうこちゃんと行ったアイカツの大会。アイカツはちょっとこのちょっと前からスーパーなんかで遊ぶようになってて(もちろんふうこちゃんの影響なんだけど)、せっかくなんだから大会出てみなよ、というのでなかば無理やり連れて行かれた。なんかふうこちゃんの友達?の小学生とか中学生やそのお母さんたちがいて、紹介してもらったりなんかして、一緒に遊んだのだった。

そして「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」のアニメを観たり原作読んだりしていて、私にも友達がいたら、しかも学校とかの……と思い始めたのだ。

 

もちろんそのままなら中学生になるはずで、でも地元の中学だと「あの事件」を覚えてる子もいるに違いない。どっか違う中学に通えたら……と、中学受験と不登校のプロであるふうこ先輩に相談をすることにした。

「学校?ほんとに?」と何回も確認してきて、「今からかあ、ちょっと調べてみるね」と言って、塾の先生やってる友達が何人かいるから、と聞いてくれることになった。でも私にはこの時点でも、学校に行くということがどういうことかやっぱり想像がついていなかった。

ユイ、USJに行く

そして夏のある日、ついにハリー・ポッターへ行ける日がやって来た。お父さんの休みに合わせてお母さんが無理に有給休暇?というのを取ってくれていて、ふうこちゃんはニートなのでもちろん問題無かった。

この時は、たくさんたくさん写真を撮ったので、見ると今でもその時の感動が湧き起こってくるんだけど、なんだか全部嘘くさくなってしまうのでうまく書けません。(。・_・。)

ゲートのところにある地球儀?みたいなので妙に「別の世界に来たんだなあ」という気もしたんだけど、ハリー・ポッターのエリアに来た時には興奮してこのまま死んじゃうんじゃないかと思いましたw

お父さんは他のアトラクション?にも行きたそうだったけど、今回はウィザーディングワールドオブハリーポッターだけ、ということになった。ふうこちゃんは、なんとUSJ開園の前日に仕事で遊びに来たことがあるらしい!「もう10年以上前なんだよね……」と、なんかしょんぼりしていた。(こないだその時の写真見せてもらったけど、若い上に変なストパ当ててて笑った)

この初めて遊びに行った日のことは忘れない。まだ14年と半年くらいしか生きてないけれど、人生でエポックメイキング?な一日だったはず、と思う。

大阪駅で解散した後、帰りの電車でお父さんが泣いてた。なんか言おうとして、顔グシャグシャにして泣いてて、周りの人がジロジロ見てて、それでも泣いてた。「家族でこんなふうに出かけることが出来るなんて思ってもみなかった」からだそうだ。

 

京都へ

先生(小1の時から診てもらってる)に相談です。病院へは2週間に一度、連れて行かれていて、両親とふうこちゃん以外に話せる人は、この先生と先生の奥さんくらいだったと思います。ちなみに私の病名らしきものは「社会恐怖」と付けられていて、寝る前に飲むお薬だけもらってましたが、言わせると「君は別に病気じゃないからね」ということでした。

とりあえず外出を慣らしたらどうだろう、ということで「外出先でしんどくなったら飲みなさい」というお薬をもらいました。

車で近くの図書館に行ってみたり、IKEAに行ったり、ショッピングモールに行ったりしました。たぶん試着して服を買ったのも初めてでした。そして初めて美容室に行きました。お父さんかお母さんが休みの日には、一緒にどこかへ出かける、という感じでした。

ある時、お父さんが「平日に京都行ってみようか」と言い出しました。ふうこちゃんに案内してもらう、というプランです。平日なのでお母さんはどうにも都合つかなくて、そして心配そうでした。京都、長距離の記録です。(実際は小さい時に鹿児島に行ったことがあるらしいけど記憶にない)

小学校に上がってから初めての電車。もちろんどういうものかはわかっているのですが、その中に自分が乗っているというのが奇妙な感覚で実感がわきませんでした。お父さんにもたれて、ひたすら岡崎律子さんの歌をドラクエフォンで聴いていました。アストルティアではオルフェアで隣の家に住んでるのに、京都って遠いんだなって。


岡崎律子 - I'm always close to you

京都駅に着くと、ふうこちゃんが改札のとこで待ってて「ランちゃん、水族館行こ」って言いました。これまた人生で初めての水族館です。ふうこちゃんは大の水族館好きらしく(正しくはイルカとかクジラが好き、あとペンギンさんが好き)超ハイテンションでいらん解説までしてくれます。うちのお父さんも「グランブルー」っていう映画だとか好きで、昔はスキューバーダイビングとかやってたこともあって、家ではしょっちゅう海洋生物番組も観ていたんですけど、水族館は海の中にいるような感じでした。

それから、清水寺に行って、八坂神社に行って、そしてキルフェボンでケーキを食べておしゃべりしました。といってもドラクエの話なんですけど。晩は鴨川が見えるところで湯豆腐を食べました。川面の灯りが綺麗でした。

やっぱり、なんですがふうこちゃんはやっぱりビールを飲んでましたね(´ . .̫ . `)

別れ際「次はハリー・ポッターだね」と言って「じゃ、後ほど」ってお父さんに言ってましたw私は疲れて家に帰ったらばたんきゅーでしたが……

※なんか今日中に書き切るつもりだったのですが、思い出し確認しながら書くと案外時間がかかってしまいました。読みに来る人がいるとも思えないけど、続きは金曜日にでも……