現実と幻想のはざま(三改)

日々の中で色々刺激を受けて思ったことや感じたことなどを書いています。あと米津玄師の楽曲MVの解釈と考察など。

米津玄師、新曲「さよーならまたいつか!」MVの感想と解釈と考察

4/14、ちょこっと言葉を訂正、追加。

ごきげんよう、ゆえのです。

読んで頂いてありがとうございます。

更新曜日ではないですが、米津玄師の新曲「さよーならまたいつか!」のMVが昨日の金曜日に公開されましたので、その感想と解釈と考察を書いていきます。

 

米津玄師「さよーならまたいつか!」MV

youtu.be

 

感想は、初見では「Flamingo」MVと「感電」MVを足して2で割ったみたいだなと思いました。そして1:28秒くらいの“横ピース”の破壊力よ…。しかも直後に逆再生されるもんで、短い時間で2度も見せられて(ぐはっっっ!?)ってなりました。そこでやるかよ…確信犯かよ…と。くっそ。

そしてちょっと毒を吐くと、いやーホンットに似合わないですねぇ、おさげ。

自分の感覚をこう書くと気に触る人は多くいると思いますが。でもそのミスマッチが独特の雰囲気を醸し出していて…なんか別のモノみたいにも見えてそこが魅力的なんだろーなーとも思いつつ、なんかため息が出てくるというか、でも見てしまうというかそんな感じになっています。

 

 

そして色々謎が多いですね、今回。

最大の謎は、MVが進行するにつれて減っていく鏡の傷(というか割れ)。比べてみるとこんな感じです。

 

0:00

 

2:10辺り

 

3:16辺りのウインク直前

 

単純に考えると、過去に巻き戻っているのかな?と思いました。つまりMVの最後が最初の時間点で、最初が最後の時間点、ということです。

今回MVでは逆再生が至る所で使われているのですが、MVの中の物語自体も巻き戻っているのではないかと考えました。

 

そして、MVの中での米津さんの立ち位置。

他の人には見向きもされていないので、その人たちには米津さんは見えていないのだろうと思いました。「Lemon」MVの時にも逆再生が使われていたということもあって米津さんの世界観では、逆再生=死者の象徴であると私は考えています。

 

更に、前に書いた記事で

米津玄師、NHK朝ドラ主題歌を担当! - 現実と幻想のはざま(三改)

「さよーならまたいつか!」の横線『ー』と縦線『!』が天秤と剣を表すのではないか?というポストを見て、なるほどー!と思ったって書いたんですけど、タロットカードの「正義」に描かれている法の女神の服が赤いことと、米津さんがMVやアー写で着ている服が赤いこととリンクするのでは?とも考えて、MVの中の米津さんもそういう“法を司る者”として人外の何かという立ち位置で描かれているのではないかと考えました。

 

なんかどこで読んだか忘れてしまったんですけど、人が集団で生きる時に必要な理が3つあって、一つは人が亡くなった時にどうするかという葬式関連のことともう一つは“法”のことで。あと一つは忘れてしまったんですけど、米津さんの新アー写が公開された時に古代人のようにも見えるということも巷で言われていたみたいで、古代から必要とされている“法”が主題になっているということもあってそういう雰囲気にしているのかな?とか思ったりしました。まぁおさげは、「虎に翼」の主人公の寅子をオマージュしていると思うんですが。

 

「虎に翼」も法曹界の話だし。

(朝ドラ…追ってはいるけど、あまり見れていません。ホントこういう大変な状況になるドラマとか見れなくなってきてるなぁ、自分って思います。ダイジェスト版見てるだけでも泣けてきてしまって、本編までとても手が回らない感じになってます)

 

 

話を戻しまして。この記事で、

米津玄師、新曲「さよーならまたいつか!」朝ドラ『虎に翼』主題歌の感想と考察 - 現実と幻想のはざま(三改)

>法律や憲法は制定されると、未来に続く約束になるから、その時代の血が滲んだ努力は必ずつながってく。

と書かれたポストを紹介したんですね。

 

でも、“法律や憲法で制定されたこと”が必ずしも良い結果を生む、とは限らないじゃないですか。このMVは、いわばそれを描いているのではないか?と考えました。

あんまり現実的なこととこのMVで描かれていることを結びつけるのは、製作者側の方々が意図しないイメージを私が植え付けることにもなりかねないので詳しくは書かないですけど(書けないし)…昨今は悪い結果を生むことの方が多いよう気がします。

 

決め手になったのは、2:21秒辺りと3:08秒辺りでの、米津さんが店の外に出た時に見える花火です。あんなに大々的に上げられるってどういう状況なんだろう?と考えた時に、何かが大きく変わる“法律または憲法が制定された記念日”ではないのか?と思ったんですね。MVの中ではファーストフード店という場所ですが“それ”を取り巻く環境の比喩という見方もできるような気がしました。

 

 

そう考えると、MVの中では約3年の月日が経っている、ということだと思いました。

正しい時間経過を追って見てみると、

まずは、法律または憲法が制定された日です。ファーストフード店にはお客さんがたくさんいてこれから良くなるという希望に溢れているようにも見えます。米津さんも穏やかな表情をしているし、鏡も全く割れていません。

 

 

次は、その制定された日から一年が経過した記念日です。ファーストフード店にはお客さんは誰もいなくて、店員はやることがないからか掃除をしています。この時には既にこのあと悪くなることを暗示しているかのように鏡に少しヒビが入っています。

 

 

次は、制定されて2年が経過した記念日です。悪い結果になってしまったことを示すかのようにファーストフード店はめちゃくちゃにされて、米津さんも浮かない気鬱そうな顔をしています。店の外にはもう花火は上げられておらず、代わりに地上で何かが燃えています。外に出ると、店の中に入らないように規制している警察官のネオンの棒?のようなものも花火の代わりに光っています。

 

 

「さよーならまたいつか!」の1番の歌詞は、無力感を歌っていると思うんですけど、悪くなっていったことを止められなかったというか…そういう無力感をMVの中の米津さんは感じているように思いました。

 

だからなんて言うのか、パラレルワールドを作るみたいな感じで、時間を最初の“制定された日”まで巻き戻して違う未来になることを望む、というそんな感じなのかなと思いました。このMVの中では1番のAメロの「さよなら100年先でまた会いましょう 心配しないで」は自虐的に自分に言っているようにも見えるなと。

そして1番のサビの「100年先も覚えてるかな 知らねーけれどさよーならまたいつか!」は、今はこんなことになってしまったけどもう少し先を見たら良くなっているかも?しれないし分からないけど、という希望を歌っているようにも思えて…。

 

だから…なんて言うか、サムネイルにもなっているあのギャルピースって、実はキレてることを表現してるんじゃないのかなって感じたんですよね。

あえて言葉にするなら(……失敗しちゃった!テヘっ‼️💢💢💢)みたいな。

 

 

そして2年目の時間点は、たぶん2:09秒の鏡を見る手前までで、鏡の前に立った時から1年前の時間軸になっていて、鏡も少し割れているけど、歌詞としては「人が宣う地獄の先にこそ 私は春を見る」のところで、これ以上悪い方向には行かないということを望んで歌っているように見えました。

 

ここの画像は、歌詞でいうと「繋がれていた縄を握りしめて しかと噛みちぎる」の箇所なのでカッコよくしているんだと思うんですけど、この解釈の文脈で言っても、悪い方向には行かせないということを決意しているようにも見えました。

 

そして2:39秒辺りでもう一度鏡の前に立っているので、そこで“法律または憲法が制定された日”まで戻ったんだなと思いました。この直後の店内には誰も居なかったり、先ほどのように店員が掃除をして前の場面の続きのようにも見えますが、戻っているんだなと思いました。鏡の前に立った時、全く割れていなかったからです。

 

MVの世界観の時間軸自体は巻き戻っているのですが、米津さん自身は先(未来)に進んでいるのだろうと思いました。なので最後のウインクは、自分へのエールなんだろうなと感じました。

 

ということで「さよーならまたいつか!」MVの解釈と考察を終わります。

ちなみに今日書いてしまったので、明日日曜日の更新はお休みします。

米津玄師「さよーならまたいつか!」配信と感想

4/10、虎の翼のポストを引用。

ごきげんよう、ゆえのです。

読んで頂いてありがとうございます。

更新曜日ではないですが、米津さんの新曲「さよーならまたいつか!」が昨日の0時に配信されて全貌が明らかになったのでその感想などを書いていきます。

 

米津玄師、朝ドラ「虎に翼」主題歌のジャケット公開 - 音楽ナタリー

 

 

先にジャケットの感想から。

初見で(そこに深緑持ってきますかあなた)みたいな感じに思いました。翼の影ということだと思うんだけど。ここ数年衣装に緑というかグリーンを持ってくることが多いから緑色が好きになった、マイブームなんかなとか思っていましたが(苦笑)

 

*****

あと虎の翼についてこちらのポストで詳しく説明されていたので載せておきます。

 

なるほど、と思いました。

*****

 

曲の感想。

2番と大サビはどうなるのかなぁ〜って思っていましたが…大サビは新しいものではなく、1番のサビを大幅にアレンジというか崩したものになってて、なんていうのか新鮮でした!

2番のAメロは、この前1番の歌詞を考察しましたが、

米津玄師、新曲「さよーならまたいつか!」朝ドラ『虎に翼』主題歌の感想と考察 - 現実と幻想のはざま(三改)

1番の歌詞に該当するようなものは「居なかった」ということであの笑い声なのかなとか色々思いました。どーゆー笑い声だっ⁉︎とも思いましたが。

あと朝ドラの時代設定も考慮してだと思うんですが、和風な感じで好きだなと思いました。

 

「人が宣(のたま)う地獄の先にこそ わたしは春を見る」の部分に、何となく「LADY」の続きを感じたりしました。

以前「LADY」の歌詞解釈と考察を書きましたが、

米津玄師、新曲「LADY」歌詞の解釈と考察 - 現実と幻想のはざま(三改)

楽曲にはLADY=相手側からの視点は何も書かれていないですが、解釈に照らし合わせて考えるならこの状況って相手からしたら結構キツいと思うんですよね。自分の最愛の男からそんな風に見られているそんな空想されているなんて知ったら、はぁ?💢ってキレていい案件だと私は感じるので。

それでも一緒にいることを選ぶのなら、それはこの歌詞のようなことなんだろうなと考えたりしました。

 

あと、歌詞の

「消え失せるなよ」
「生まれた日からわたしでいたんだ知らなかっただろ」

の所は、楽曲「アイネクライネ」で『産まれてきたその瞬間にあたし「消えてしまいたい」って泣き喚いたんだ』って歌っていた人がこんな歌詞を書くなんてねぇ…ということをしみじみ思ったりしました。

 

感想は以上です。一回聴くと止めてしみじみ感じ入ることになっているのでまだまだ回数聴けてないですが。

MVも楽しみにしています。

終わり。