コロナワクチンを接種し数日ダウンしておりました。
本を読む元気もなかったです・・・。
ようやく復活し、お天気もあたたか!読書日和!
今回は
『銀河鉄道の夜』に収録されている短編をいくつか読みました。
「やまなし」
小学生の時に授業で触れた記憶もあるし、他の小説のストーリーの中に出てきたのも覚えている。
不思議と心に残る文章。もはや景色。
クラムボンという正体不明のモノ。でも音の響きが耳に残る。
父子の会話も心地よく何度も読みなおしたくなる作品。
「いちょうの実」
完全なファンタジー。おとぎ話というべきか。
旅立ち=死ととらえて良いのか。(深読み?)
北風のあっけらかんとした態度、母の黙然とした悲しみ。
自然の摂理である生死の描写だろうか。
「よだかの星」
みにくいアヒルの子のような、でも、もっともっと寂しいような、
文学的なお話し。
宮沢賢治は石(鉱物)や星に詳しかったようで、よだかの星や銀河鉄道の夜、他の作品にも繊細な描写が出てくる。お話しの美しさを際立てていると思う。
「ひかりの素足」
まずは、まるで賽の河原であると感じた。
子供が傷つきながら歩いている、それは罪のため、また自分でしたことだと。
弟が兄を忘れているように歩き出すところや、ふとすがるところは、
現実世界で弟が生死をさまよっていると思えて切なくなる。
宗教的なお話しだと思うし、登場人物の会話も方言?なので少し読みにくい部分もあった。
「風の又三郎」
冒頭の詩はもちろん知っていたが、内容は知らなかったので、まず、イメージと違ったことに驚いた。
タイトルからするに、もっとファンタジー的なお話しだと思っていた。
"風と共に突然現れ、風と共に去っていった不思議な少年と嘉助たちの不思議な十二日間"、という感じ。現代になじまない言葉が多いが、ストーリー的には子供に読んでほしいと思った。
風の又三郎という単語はずっと前から知っていたのに、私は今まで読む機会がなかったなぁ。みんなは幼少期に出会っていたのだろうか。