エンジニアになりたい学生さんへ
かつての自分と同じような悩みを持った学生さんを見た。書こうと思ったけど膨大な量になるのと、ケースバイケースなところがあるので、自分が(そこそこ)話せることを列挙。
- 未経験からエンジニアになるにはどう勉強するのが効率的か
- 果たしてエンジニアはおすすめか
- SES、受託、自社開発のメリットとデメリット
- どの言語がいいのか
- 未経験からエンジニアになった先輩たちの例
- 自分が休学してやっていたこと
もし聞きたければZOOM等で話せるので、気軽にDMとかでコンタクトください😊👍
1月末までは割と時間あります。
最近読んだ本たち(20-07-05)
軽くですが、久しぶりに読書メモ。
志水宏吉『学力を育てる』
浪人時代から読もう読もうと思って読めてなかった本。
古い本ではあるが、その分野に馴染みのない人にとっては真新しく今も色あせていない本だと感じた。
志水宏吉『つながり格差が学力格差を生む』
気になって同じ著者の近著を購入。
言っていることの根幹は上の本と被る部分も多いが、そもそも学力とは何か?からはじまり、それにともない生じる教育格差の問題を論じている。
ざっくり「教育格差」といっても内実は地方のほうが「つながり」という面では恵まれていたり、大阪の一部の地域で異様に全国学力テストの数値が偏っていたり、驚くことが何個かあった。
ただ大阪の高校の先生に聞いたところによると、全国学力テストは偏差値の高い私学の生徒が受けていないので、大阪の数値が異様になっているとのことだったけど、どうなんだろう。
内田樹『下流志向』
これも古い本だが、教育関連の本で勧められて読んでみた。
今でいえば若干差別的な表現があるのが気になった。賛否両論ありそうな本。
『シン・ニホン』
教育行政への提言がまとまった本、と読んだ。私たちのレイヤーでできることは限られているけど、行政へ提言する立場の筆者から見た、いま世の中は何が起きているのかとか国策の全体像を掴みたいなら、とくに教育関係者にとっては必読の本だと感じた。
最後の風の谷のくだりだけ浮いているように感じたけど、都市設計など自分の知見不足かも?
瀬戸内寂聴『夏の終わり』
最初は感傷的な女性の心情描写が続いてグダっているように感じたけど、中盤から勢いが出てきて、4連作のほうは良い読後感だった。
女性の心理をリアルに描いていて、かつ文章表現が上手い。
また7月中に5冊読んで書きます。
未経験から5か月間、ベンチャーでエンジニアインターンをしました。
2019年10月~2020年3月までの約5か月間(週4回)、知り合いの紹介で、SBWorksという会社でインターンをしました。
今までのプログラミング経験
- C言語少し
- R少し
- Progateなどでひと通りのコースをやる
独学でプログラミングを学ぼうとはしていましたが、何か作ったり教えてくれる人がいないと如何せん限界があり、壁にぶち当たっていました。かといって、インターンは経験者や何か作ったことがある人じゃないと厳しい・・・
学べる環境をさがしていたとき出会ったのがSBWorksでした。
SBWorksでやったこと
10月~12月初め
とあるWEBアプリケーションのチームに入り、最初はRubyの基礎やRailsの考え方を座学を含めて勉強しました。
一方CSS, htmlを使った簡単な実案件も振り当てられ、そのときに開発の進め方(基本的なgit操作、ソースレビューからデプロイ、マージ依頼、リリースまで)をひと通り経験することができ、じっさいに自分が書いたコードが本番環境に反映されているときは感動しました。
12月中旬~1月
今度は割と(私の実力にしては)大きな案件を1か月半かけてやってみようということになり、この時期は正直結構ハードでした。
今まで未知の概念だったデータベース、SQL文、Slim、Active Record・・・
案件ひとつとってもたくさん理解しなければいけないことがあり、実案件の期限を守るために追い込んで勉強することは決してひとりでは経験できませんでした。周りの情報系院生の子に聞いても「わからない」と返されることもあったので、実務のコーディングは学校でやることとは違うんだなと感じました。
そんなところにプログラミングの初歩の知識すらところどころ抜けている私が挑んだので、短期間でかなり鍛えられました。
また、わからない部分の質問など、チーム間のコミュニケーションの取り方も周りの先輩を見ていて「今まで自分は感覚的に物事を処理しすぎていて、相手にそのまま伝えていたのかもしれない」と気づかされる場面もあり、エンジニアとして(あるいは社会人が)必要なスキルも学ばせてもらったと思います。
2月~3月
グッズ販売をしている某ECサイトのチームに入りました。
ここで言語や開発環境が変わって、JavaやEclipseなどをまた1から学びました。ただ、かなり忙しいチームだったので実案件を私がやるにはまだ力不足だし、既存のコードをローカルで改造したりJavaで競技プログラミングの問題を解いたりしていました。
C言語をやっていたのでJavaも似たようなものかなと思っていたけど、意外とCには出てこない概念が出てきたので困惑しました。(正直今もあんまりわかっていません・・・)
最後の週は卒業式で大阪に行っていたりコロナウイルスの影響で休みになったりと、全体的にバタバタしていました。
まとめ
よかった点と悪かった点としては人の出入りが激しく、スピード感があることです。ITベンチャーならどこも似たようなところがあると思いますが、人によって合うかあわないかは分かれるんじゃないかなという気がします。あと往々にして即戦力が求められるので、常に勉強する姿勢が大事です。
個人的に、会社や社員さんの雰囲気はかなり好きでした。(18時以降はハッピーアワーでビールが飲めます)
東京のベンチャーなのに阪大の先輩が3人もいたのは面白かったです。社長いわく「うちは阪大と縁がある」らしい笑
他のエンジニアインターンがどんな内容かあまり知見はないのですが、「大きなものの一部分をやる」「社内アプリケーションを自分で作ったり改造する」のではなく、じっさいのアプリケーションの全容を見れて、自分が実装したコードがそのままお客さんが使う製品になるというのは社会に役立っているやりがいもあり、ふつうは私レベルのプログラミング力じゃ経験できないことだったんじゃないかなと思います。
最後のほうはバタバタしましたが、インターンは私が初めてだったにもかかわらず、未経験で文系出身の自分を5か月間受け入れてくれて、つねに良いやり方を模索してくれた社員さん、パートナーさんたち、そして紹介してくれたYさんに感謝です。
アプリ開発で悩んでいる話
「使い勝手の良いブログアプリがない」という自分なりの(それとユーザーインタビューでの)課題設定をもとに、最初は昔あったミニブログ、ブログサイトのようなものをアプリ化しようと考えていました。
が、開発するにあたり、以下の課題に突き当たることになる。
まず、そもそもブログサイトがあまりアプリ化されていないのは、需要やコストに対する利益が出ないことが理由に挙げられるらしい。
昔ながらのHTMLやwiki文法を用いた装飾は、アプリで再現するのが難しく、webuviewに頼ることになる。noteのように内部でAPIから文章を引っ張ってきて文書の装飾はほぼなしであれば簡単にアプリ化できるみたいだけれども。
webviewに頼るアプリはAppleからリジェクトされやすい傾向にあり、その割にはアプリに載せられる広告の枠数はウェブに比べると制限が多く、開発に対する利益が十分に得られない。
そしてAppleの最近の傾向として、広告モデルよりアプリ内課金モデルを推奨している。広告を載せるとデザインも悪くなるし、ただアプリ作るなら課題→解決策→収益の流れの目処つけておきたいなと。
そんななかで、コード自体は書けそうなのですが、
①課題とは
②それに沿うアプリの解は何か
という点に再び立ち返ってしまい、開発が止まっています。。
うーん、でも1月中には「とりあえずリリース」を目標に持っていこうかな😣
【読書メモ】山崎豊子『女系家族』
※ネタバレ注意
大阪の伝統的商家の話だった。自分のルーツが大阪のそういう家なので、親戚の集まりの雰囲気など少しわかるものがあった。山崎豊子はたしかに大阪を舞台にした作品書いてたけど、彼女の出生が船場なのは知らなかった。大阪は「私にとって私の血液そのもの」とまで語っていたことに驚いた。
しかし、その船場の伝統的商家の代々続く女系(にょけい)家族の解体がクライマックスで提示される。
四代を重ねた 女系家族に終焉を告げ、男系家族の 楔を打ち込むような 凄じい響きが聞えて来るようであった(446貢)。
本作後、山崎豊子さんの小説自体も、大阪船場から離れ『白い巨塔』など社会派ーー男社会を描いたものにシフトしていく。
「ジェンダー論には女性性のまがまがしさの観点が欠落している」っていってた人がいて、そのときは主観的な意見だなあと思ったけど
山崎豊子が本書で示した強いメッセージ「女系家族を解体せよ」、そして女性たちの執念の深さの描写を見ていると一理あるのかもしれないなあ、なんて関係なさそうなことを考えたりした。
まあ、本作後の『華麗なる一族』は所謂男系家族の物語といっても良いけど、華麗なる一族の男系家族も結末で崩壊することになるが……。
そして、あの終わり方だと三女の雛子ちゃんが男系家族に嫁ぐことになりそうだけど、それはそれで大変そう。
女系家族は2005年、華麗なる一族は2007年にドラマ化されている。現代だとどう受け入れられるか気になる。
今日読んだ3冊『恋する原発』など
『2019年日本はこうなる』
2019年の色んな問題について色んな人が書いている本。
これは全く知らない分野とか、これはもうちょい掘り下げてほしかった分野とかがあった。
個人的に興味あった見出し
- 新興国経済 アジアは堅調、非アジアは視界不良
- タレントマネジメントシステム 労働力不足の解消の切り札となるか
- 空き家問題 詳細な根拠データが空き家対策を促進させる
- 医療データ ビッグテータ活用が医療にもたらす効果
- 地域発イノベーション 地方においても期待がかかるベンチャー企業
- 地域間競争 大阪対愛知、二番手はどちらだ?
実際読んでみて面白かったのは
- 知財教育 次世代人材を育成する新たなアプローチ
でした。「海外の人に買ってもらうには?」「自作の絵本やダンス映像を、共有サイトにアップしよう!」など、今後考えられている知財教育に軽く衝撃。私も教育されたい......。
高橋源一郎『恋する原発』
これ、数年前に残り50ページ残して放置してたんですよね......。
内容を忘れていたせいでイマイチ文脈が掴めなかった。でも、ギリギリの表現に挑戦した、前衛的な反原発文学といえると思う。(たぶん)
2011年の本だけあって当時にしか通じない時事ネタはあるけど、表現の斬新さはむしろ2019年になって追いついてきたんじゃないかって感じた。むしろ本を読み慣れていない高校生とかのほうが読みやすいかも?
ただ、もう既に3.11にかんする記憶が薄れてきているのだなあという感じもした。そういう意味でも、当時の日本人、著者の悲しみや怒りを考えるのに良い本なのかな?
西加奈子『サラバ!上』
サークルの先輩が好きな作家らしい。その中で本屋でなんとなく見つけた一冊を購入。
これは上巻だから、後に向けての伏線がいっぱい散りばめられているって感じだった。イラン、エジプト、家庭内不和、機能不全家族、同性愛、新興宗教......など盛りだくさん。
イラン・テヘラン市生まれ、大阪育ちの筆者(めずらしい...)の生い立ちを反映した本かも?
この巻は穏やかなエジプトの描写が目立つ。エジプト行きたいなあってなった。
(おまけ)スーザン・ソンタグ『他者の苦痛へのまなざし』
これは昨日読んだ本ですが......。
『他者の苦痛へのまなざし』読了。「ものごとの普通の外観をよく見せるのは、写真の機能の一つである」ならインスタ映えとかは古典的な写真の使い方なんだなあとかいつの時代にも通じる写真/映像論だった
— ゆきりん #筋トレ垢 (@ykringum) October 5, 2019
ジュンク堂で「SNS時代に通じる普遍の写真論」みたいなポップに惹かれて買った。
Twitterで検索したら結構引用されている本っぽい。
『他者の苦痛へのまなざし』の中でスーザン・ソンタグは、どんな悲惨な写真も、どんな環境で、どんなメディアによって届けられるかによってまるで変わってしまうとしながら、「結局は現実よりメディアの問題なのだ」とシニカルを気取るボードリヤールふうの知識人を軽蔑する。その「怒り」に震える。
— 北條一浩 (@akaifusen) September 26, 2016
それがひとつの痕跡であるかぎりにおいて、単に事件を透明に反映したものではない。それはつねに誰かが選びとった映像である。写真を撮ることは枠をつけること、枠をつけることは排除することである。
論理立って反戦論を展開しているわけではなく、さまざまな観点から写真/映像の役割について述べている感じ。
なんかちょうど「今はインスタ動画がアツい」って話を聞いた後だったから、自分のインスタの使い方も写真論に立ち返って見つめ直そうかなあなど思ってしまった。
積読本にメディア論関連の本が目立つ。今年目標50冊は、このペースでいかないとかなり厳しそうですね......。
語学というツールを生かして何をするか
外国語学部とは
以前インタビューさせていただいた外国語学部の先輩、福田恵里さんの言葉が印象的でした。
留学したは良いものの、実際学んでいたのは語学学校での英語だけでした。結局語学はツールでしかないし、それを使って自分は何ができるか?ということがわからなくて…。
私たちの所属している外国語学部は受験時に自分の専攻語を選び、だいたいは(メジャー言語ほど人数が多かったりするが)少人数のクラスで1、2回生のうちはガッツリ専攻語を学び、3回生からゼミに分かれます。
就職は公務員、銀行、商社などが人気で、大多数は自分の学んでいたこととは関係のない就職をしていきます。これは地方国立の文系なら多いのかもしれません。(参照:法学部出身で地銀に就職した常盤さんのインタビュー)
現在、福田さんたちが起業したSHEはどんどん大きくなっていて、常盤さんもさまざまな活動をされているのをSNSを通じて見ています。
語学を生かして何をする?
大学院に進学してそのまま自分の専攻語の院(言語文化研究科)に行くのは入学時から研究者志望だったり、その国に強い思い入れがある人です。(文系の院では狭い分野のニッチな研究を深めていく人は多いかも?)
そして他分野(国際関係、教育学、文化人類学、法科大学院...)に行く人も多いと思います。
オンリーワンになるか、one of them になるか
周りが情報発信をしていれば自分も自然とそういうことをするんだろうけど one of them になってしまい、よほど特殊なことをやらない限り他の人と差別化できない。
だけど、すごく旧態依然としている分野にちょっと違う風を入れるだけで、その分野ですぐにオンリーワンになれる。
正直、安田先生にインタビューしている中で刺さる言葉はかなりありました。 自分も同じように伝統的な文化の中で周りとは少し変わったことをして、自分自身を他人と差別化し、その中でオンリーワンとなってきたのではないか。それなのにあえて同じような人がいるところに行って目立つこともできず、単なる one of them と化するのか。。。関西圏の学生コミュニティの雰囲気は好きで、東京には行かずに地方国立文系の中で少し変わった人のまま終わってで幸せに(?)暮らしたい思いもありました。
ただ、自分が情報系に行きたいことや進路云々を安田先生にそのとき相談させていただいたのですが、相談した人の中では珍しく、私の進路に賛成だとはおっしゃってもらいました。
決めたはずなのに中途半端になっているのは言われました。。今までのコミュニティややってきたことは気にしないで、やりたいことに集中したほうがいい。アメリカなんかでは院で分野を変えるのが当たり前だと。
ーー私は色々あって文系での院進を諦めてしまったんです。。。経済とは限らないとおっしゃいましたが、もし今だったら情報系に行くこともありえますか?
あるかもしれない。もし僕がみんなと同じ阪大を選んでいて、経済学部に入って「経済学の授業つまらないな」って感じたら、たぶん情報系か数学系の講義を聴きに行くと思います。もともと数学が好きで、高校時代も実は数学しかできなかったから…(苦笑)
最初にビットコインを広めたサトシ・ナカモトさんみたいに、学会からの評価や名声とかじゃなくて、アイデアで世の中を変えることをやる、大学も民間も関係ないチームに文系学者も理系のエンジニアもいるっていうのが、これからの広い意味での研究スタイルになっていくのかもしれないですね。
文系理系とかではなく、クリエイティブな発想ができることがやりたい。そのためにはどうすればいいのか。AIのメディアに寄稿するバイトをしながら勉強をし、本を読み、まだ考えています。。。
文系学問も好きだし、その文化にいたい気持ちはあったけれど、私も安田先生と同様に昔から目立つもの、最新のものが好きだし大学受験のとき数学の先生に影響を受けて考え方が変わったこともありました。言語学から入って自然言語処理がやりたくなったけど、それをすることで自分が認められる環境に行きたい。学部で学んだ語学、言語力を武器にコンピュータ・サイエンスなり数学なりの中で自分なりの分野を開拓していきたい。 そういう欲求(?)が強いんだと思います。
時代のせい?
どんどん新しいことを吸収して、貪欲に自分のスキルを高めて、ひとつの会社に属さないワークスタイルが普通の時代になるから、今までの常識を取り壊してほしい。
勉強も何のためにしているのか目的意識持って。
もしかしたら病気で動けなくなってるかもしれんし、今は何でもできる1年のほうが、圧倒的に価値が高い。年を取るにつれ家庭も持ち、老いによりしたいこともできなくなっていくとしたら、時間の価値は指数関数で、今が一番高い。
情報格差とか自分に自信を持つというのは重要なことで、こうやって色々な方のお話を聞く機会をいただき、だんだん自分のやりたいことに自信が持てるようになっていきました。たぶん東京のエライ大人に相談して、それしか相談相手がいなかったらコテンパンにされていたと思います。(私は大した人間ではないにもかかわらず)、「君にしかない何か」は必ずあると断言されたことでとりあえず今は頑張ってダメだったらしょうがないかなと。情報系に行くといってもそれは手段でしかないし、私のことだからもっと自分の目的を実現できる適切な方法を見つけたらそっちに変えると思います。