夢みる魚の宝箱

お人形の制作日記 自分との7度目のたたかい

命が灯る日

某日
丸1日お師匠の元でお人形と向き合って持ち帰った
お教室を出て 帰宅した瞬間
とてつもない不安に襲われた

まだ顔もないその子と 不安とたたかいながら
何時間も涙を流しながら作業をする

それでも不安は消えずに 過去が囁くのです
また完成などしない うまくいくはずが無いと


まだ何時ものように
いままでさようならをした子達が脳裏をよぎる

別れ際 あの子達はどんなお顔をしていたかな





潰されそうになった時
お師匠がいつものように電話越しで
笑い飛ばしてくれました
不安になる時間などないくらい


それから迎えた今日

朝からお師匠の元でお教室で
お人形と向き合って 真っ直ぐに見つめて
いつもよりキツイ作業 身体が悲鳴をあげても
じりじりじわじわつめてつめて

いままでどんなに泣いてもわめいても
どうにもならなかったはずなのに

夕方ごろに漸く出来たお顔は
こちらをしっかりとみていました

あれ、?


生きてるね

いままでさようならをした子達の全てが
このこに宿っているんだと お師匠

涙が止まらなくなりました

わたしはこのこに
命を吹き込むことが できたんだと

向き合って挫折して滅茶苦茶になって
ここまで7年 ようやく 一歩踏み出せたんだ


お師匠と お師匠の旦那様と
大切なパートナー 相方には
本当に感謝してもしきれません


自分が
生きる意味を見つけた気がしました


私はいまここにある

うずうず

あのまだ寒かった日の出来事

奇跡みたいなご縁は

私が思っていたより太い糸で

私を力強く引っ張った

 

手繰り寄せていただいたと言った方が

正しいのかもしれない

とある作家様の元にお弟子入りを

させていただくことになったのです

 

一体全体何が起こったのか

言葉にすることは出来ますが

イマイチ心は追いついて来ないまま

 

少しお話をして

その少しの間にお師匠様が言った言葉の数々

まるで隕石が沢山降ってきたみたいに

どれも衝撃的で

 

気がつくとついつい考えてしまっている

本当に良いお人形とはなんなのか

どんなものなのか

他にも 数え切れないくらい色々なこと

 

いま考えてもきっとどれもこたえなんてでてこないものばかりなんだろう

私はまだ未熟で知らないことが多過ぎる

 

 

こんなことがあるんだろうか

幸せな長い夢でもみてるんじゃないかと

未だに不安になる

 

もしこれが夢でないのなら

今はっきり言えることが一つだけ

 

このブログを立ち上げるきっかけになった

お師匠様との出会いは

私の人生において

一番"ご縁" という言葉が

しっくりくる

物凄い出会いだったってこと

 

 

考えてばかりでぐるぐるまわる脳みそ

それでも追いつかない心

 

なんだかよくわからない不思議な気分が

ここ数日続いています 

 

素直に"喜ぶことだけ"出来ない私は

今 自分がある今を疑っている

 

 

仮の設計図を描いてみてはいるけれど

今日はなんだか筆が進まない

 

明日には本格的に描きおこしたいところ

 

 

こんな時

失敗して 心が折れて

お別れをした子達の顔が

脳裏をよぎるのです

 

ごめんね、

ごめんね

 

こんなだから

3年前を最後に挫折したきり

いろんな怖さに襲われる

 

 

 

 

 

 

前にすすもうよ わたし

 

 

 

 

はじめに


お人形にはじめて恋をして12年

お人形をはじめて自分の手で

作ろうとして7年


何度もなんども壁にぶち当たって

すでに心が折れかけていました


完成した事は  ない


もがいてもがいて 

こんなに魅了されてやまないのに

好きで好きでたまらないのに

私には作り出す事が出来ない


もしかしたら

これは一生叶わない恋のようなもの

なのかもしないなんて思ったり


お人形の制作の為に入学した大学

選んだ専攻 それでも嫌になって

いつしか意味を感じなくなって

逃げ出したくなって



ずっとずっと 

絶望で胸がいっぱいでした




そんな私の背中を

押してくれたひとがいました


きっと

あの日のことを私は一生忘れられない


出会って お話をきかなければもう二度と

立ち上がれなかったと思うからです


お人形を作ることを

諦めてしまったと思うからです


いただいた言葉ひとつひとつから

たくさんの勇気をいただいた


だから今は

伝えきれない 表現しきれない

感謝の気持ちと 冷め切ってしまっていた

お人形への情熱で胸がいっぱいなのです


この気持ちを大切に宝箱に


少しずつ 少しずつ

前に進みます