これも2017年夏頃の話です。
三鷹天命反転住宅に行ってきました。
三鷹天命反転住宅 - 荒川修作+マドリン・ギンズ
実は、下見で行きました。
本当は仕事の一つで、鑑賞とワークショップができたらと思って行ったのですが、会議の中で却下されてしまったので、実現できませんでした。
しかし、下見でも、大変素敵な経験になったので、思い出を語らせてください。
この住宅、
本当にすごく行きたかったんです。
なぜなら2015年の3月くらいに養老天命反転地に行ったのですが、
すごく気に入りました。また行きたいと思いましたし、岐阜に初めて行ったのですが、岐阜が好きになったんですよね。猫も人懐っこいし、
岐阜の人っていい人ばかりだなぁと感じたんです。好きな県になりました。
養老天命反転地は、広い公園というか、テーマパークのようなのですが、体験できるアート作品といったようなものでしょうか。
まず、坂が非常に急で、「足で地面を感じる」ということができます。歳をとったら絶対行けないですね。怪我します。子供であればヘルメットも貸し出してあります。
養老天命反転地 | 施設案内・マップ | 養老公園
すごくワクワクしました。
その時に、「死なない子供」の予告編が流れている室内がありまして、絶対見て見ようと思って、東京に戻ってきたのち、映画を借りてみることになりました。
映画『死なない子供、荒川修作』予告編
もう、本当に素晴らしかったです。
まず、音楽が渋谷慶一郎なのがいいですよね。最初は、映画にこの音楽は違和感があるのではないのかと不安でしたが、全く気にならなくなりましたし、この音楽だからこそこの映画だと思いました。
荒川さんって言動とか見ていると、本当に死ななさそうなんですよね。
この反転住宅で、生まれた子供の映像が映っているのですが、
この、いかにも「便利ではない」部屋で育ったこの子供が、どのように体を使って成長して行くのか(赤ちゃんの時までしか映ってないのですが)、すごく気になりますね。
ある意味、未開人のように、道具の意味を感じ取れる位置に立てる、貴重な経験だと思います。
このドキュメンタリーは是非、多くの方に見てもらいたいです。
「死なない」とはどういう意味なのか、わかると思います。
さて、この映像を見てから行った三鷹反転住宅は、もう眩しかったですよね。
一目で6色以上の色が目に入るように構成されています。
床も斜めだし、天井も斜めだし、ボコボコザラザラしているし、
何気ない場所が、とても新鮮なんですよね。
鑑賞会だけではなく、ショートステイや部屋を借りることもできます。(相当高いですが)
鑑賞会を提案した時に(直接ではないのですが)、この住宅の魅力をうまくつたえられなかったことが悔しかったです。
無駄なものって必要なことだということを伝えられなかったのが悔しかったです。
無駄というと語弊があるのですが、わかりやすく美術館でもなければ、絵画でもないから、これが芸術作品で、私たちの心を豊かにするものだって言っても、一言で伝えられるわけじゃないし、それを全く関心のない人たちに説得させることって、どうしたら良いのかわからなかったし、言葉が見つからなかったんです。
でもやっぱり悔しいですね、くそー機会があったら絶対リベンジしてやる。
社会に出て、
「素人なんで、これって何がすごいのかわからないんですけど」とか、「美術館とかってそんなに何回も行くものなのかねぇ」とか言われると、
すごい悔しいし、興味を持ってもらえるというか、少しでも納得できるように、言葉を選んで伝えてきたつもりです。でも、結果、うまいことばで伝えられてないですね。
学生の時は、美術大学ということもあって、そんなこと言われたことがなかったので、結構カルチャーショックでした。
あと、やっぱり就職した時は、美術の話や音楽の話ができる人が周りにいなくなったことが寂しかったですね。
退職する理由の一つでもありますよね。やっぱり自分は教育がしたいわけではないとつくづく感じるのです。
そんなこんなで、三鷹天命反転住宅は、是非東京近辺に住んでいる方は言って見てほしい場所です。スタッフの方々も優しいし外国語ペラペラでした。