アメリカで活発化する元プロスポーツ選手の投資ファンド設立、 ダルビッシュもやらないかな。。。!
海外のプロスポーツ選手が引退後、第二のキャリアとして投資家となる動きが見られている。現役時代に稼いだ多額のお金、そしてプロ選手としての経験、人脈を投資家として見出そうとしているのだ。
今年ボストン・レッドソックスを引退したデビットオルティス選手が、他の元メジャーリーガーと次世代の野球商品を開発するベンチャー企業に投資をするファンドを立ち上げた。近年見られるプロスポーツ選手の投資家としての動きをまとめ、日本のスポーツでもこういった動きができないか考えてみる。
近年の元スポーツ選手の投資ファンド設立動向
1.Dugout Ventures
上にも述べた、元レッドソックスの4番打者、デビット・オルティスが他の元メジャーリーガーと共に立ち上げた投資ファンド。他の元メジャーリーガーも半端なく大物で、メジャー通算奪三振数1位のノーラン・ライアンや、9年連続ゴールデングラブ賞を受賞したトリー・ハンターが名を連ねている。
<ファンド規模>($1million=約1億円)
最低でも$50millionを予定しており、既に$10million集まっているとのこと。
<投資先>
次世代の野球商品を開発する企業に絞っている。
既にEvoShieldやMarucci Sportsに投資を実行していると言われている。
<特徴>
投資家であるオルティスを含めた元メジャーリーガーは、投資先の会社の製品に対するコンサルティングや広告をするだけでなく、彼らの人脈を使って現役のプロ選手に商品をテストとして使ってもらう機会も提供するとしている。
2.Bryant Stible
NABのスーパースター、コービーブライアントが立ち上げた投資ファンド。投資家でもあり、シリアルアントレプレナーのJeff Stibleと組み、投資を実行する。Jeff StibleはWeb.comの元CEOでもあり、アリババを含め5件のEixt経験がある。
<ファンド規模>
$100million以上
<投資先>
スポーツを中心としたテクノロジー・メディア・データ企業
<特徴>
この投資ファンドは、Kobe BryantとJeff Stibleで運営しており、今のところ外部の投資家をメンバーに加えることはないとしている。また、Kobe Bryantの名前を使ったビジネスをするのではなくあくまでも一投資家として投資活動を行いたいと述べている。
The NFL Players Association
アメリカンプロフットボールリーグの選手からなる選手組合のようなもので、給料の交渉や選手のライセンス等を代表して協議する組織。The One Team Collectiveというテクノロジースタートアップのアクセレータープログラムを行うと発表した。
<ファンド規模>
Kleiner Perkins Caufield & Byers, Madrona Venture Group, Intel, the Harvard Innovation Lab, the Sports Innovation Lab,LeadDog Marketing Groupといった企業・VCがパートナーとして参画
<投資先>
エンターテイメント・データ・モバイルフィットネス・スポーツ栄養・コンシューマー製品・ゲーム・ウェアラブル製品・メディア・VR・AR
<特徴>
なんと言ってもThe NFL Players Associationが行うアクセレーターの特徴は、プロ選手が自分のライセンスと引き換えにベンチャー企業の株をもらえてしまうところだ。ベンチャー企業側としては、選手からの商品アドバイスにはじまり、プロ選手のイメージを付けて販売し、大々的な広告を行うことが可能。アクセレーターには様々な種類の企業がアドバイザーやファウンダーとして参加しているところも魅力的。
一方で選手は、自分の写真使用を許可したりすることで株(エクイティー)を持てることが画期的である。自分が関わっていたベンチャー企業がエグジットすることで、副収入を得ることができる。エグジットしていなくとも、引退後の就職先としての役割も持っているのだ。
最近注目されている以上3つの投資ファンド、アクセレーターの良いところは以下の3津ではないだろうか。
日本でこれ出来ないだろうか 。。。!
さて、個人的に思うのがダルビシュ選手が『ダルファンド』なるものを作ってくれないかなということだ。最近のダルビシュ選手のプロ野球選手巻き込み具合は半端ない。連日のように、様々なプロ野球選手とトレーニングをともにし自身のトレーニング方法や栄養の知識、メジャーの経験談を伝えているという。
もうこれ、やってること同じやん!!!!と思うのだ。。。。
次は還元する先をプロ野球選手だけでなく、スポーツベンチャーに向けてはくれないだろうかと、、、!!!
<ファンド規模>
およそ140億+α
…2015年時点で、プロ野球選手の平均年収は3800万円(計732人)。全選手が給与の5%をそのファンドに回すことで1年で140億円もの規模のファンドが立ち上がることが可能。これにメジャーリーガーが参加。
<投資先>
野球に関わる全てのビジネス。3つめのアクセラレータの投資先を見ても分かる通り、スポーツ栄養からVR、メディアまでいろんなビジネスが考えられる。
<特徴>
アクセレーターの仕組みを真似したい。選手のライセンスと交換に、ベンチャー企業の株を持てる点だ。投資層を3つに分ける。
★メジャーリーガー・スーパープレイヤー層
年俸10億円を有に超える、ダルビッシュやマー君・イチローが巨額のお金をこのファンドに投資し、中心となって先進的なベンチャー企業に投資する。海外事情にも詳しいことや、著名であることから立ち上げ時のPRやアクセレーターのアドバイザー集めにも一役買ってもらう。
★日本プロ野球選手レギュラー層
各チームのレギュラー陣が、自身のライセンスを使って商品をPRしたりアドバイザーとしてビジネスに協力する。そのかわりに株をもらい、その会社がエグジットしたタイミングで、キャピタルゲインが得られる。副収入となって第二のキャリアの資金にしたり、それを元に再度そのファンドに再投資することができる。
★若手、中堅の危なそうな層
プロ野球選手としてはそこまで収入が少ない選手も、少額でもファンドに投資することで得られるメリットは大きい。ファンドの分配金により、自身の資産が増えるだけでなく、企業へのアドバイスという点で自身の野球経験に価値をつけることができる。個人的には、色々な企業を知ることができるのが大きいメリットではないだろうかと思う。自分のお金がどんな会社に使われているのか、どういう会社が今の時代流行っているのかをちゃんと考えるようになるからだ。引退後のキャリアとして、投資先の会社に勤める流れも出てくると、いいなあと思う。
と、妄想を膨らまして書いていたが やることによるデメリットがあまり見つからない。
今後もどんどん引退したプロ選手が、自身がお世話になったスポーツに恩返しをするという意味合いで投資活動を行うのではないかと思う。実際に個人として行っている選手は現在もたくさんいそうだが、NFL player assosiationのアクセレーターシステムは面白いなと思った。
現役の選手が、自身の経験を今以上に活かすことができ、引退後の生活もその経験を活かした職に就ける循環が日本にもっとでてきたらなーと思った次第だ。
最後に。。。
ダルビッシュさんこのブログ見たら連絡ください。。。!待ってます!!!
瀧澤優作:yusaku.taki64@gmail.com
<参考資料>
NFL players' union kicks off new partnership with KPCB, Madrona | PitchBook News
http://www.oneteamcollective.com/faq.html
Kobe's $100 Million Investment Fund Puts Him Ahead Of Any Other NBA Player Investors
Red Sox Vet David Ortiz Reveals Private Equity Fund Dugout Ventures | BostInno
Not just for kicks: PE gaze turns toward European football | PitchBook News
カリフォルニア州の大麻合法化まとめ〜誰がどこで何を使えるようになるのか〜
2016年11月8日、アメリカ合衆国の大統領がまさかのトランプ氏になるという歴史的瞬間の裏側で、カリフォルニア州の大麻合法化 (Proposition 64) の是非を問う住民選挙が行われ、大麻合法化が正式に決定した。
今回は大麻合法化の中身をまとめ、誰がどこで、どのように大麻を使えるようになるのかをまとめる。
投票結果
大麻合法化の投票結果は賛成票56.03%、反対票43.97%という割合。11月2日段階でのLos Angels Times・USC Dornsifeのインタビューによると、賛成58%・反対38%という数値がでており、予想通りの合法化となった。
カリフォルニアにおけるマリファナの現状とは?
カリフォルニアでは、娯楽用のマリファナの使用・所持は法律で禁止されていた。医療用のマリファナの使用は1996年に認められている。今回のProposition 64によって、娯楽用マリファナが州法で正式に認められた。
誰がマリファナを使えるのか?
21歳以上の大人が、娯楽用マリファナの使用を認められた。
どこでマリファナを使えるのか?
使用は個人の家の中・ライセンスを持ったお店での使用が許可された。
車の中・公共の場での使用は認められていない。さらに、学校内・デイケアセンター・幼稚園等での所持も禁止されている。
また、個人的なマリファナの栽培も家庭内に限って認められた。
誰がマリファナを売ることができるのか?
娯楽用マリファナを売ることができるのは、州の免許を取得した者のみ。地方の自治体は、地方における免許取得を義務付けることも可能。マリファナを売るお店は、学校やデイケアセンター・幼稚園等から600フィート(およそ200メートル)以内での販売は禁止。
誰がマリファナ使用を管理するのか?
the Bureau of Marijuana Controlがマリファナに関する問題に対応し、お店に対する免許の発行も行う。
国と自治体はどちらもマリファナ取扱店の場所に関して関与することができ、 地方の自治体も、支配権の観点からマリファナの販売を禁止することは可能。
マリファナにはどのように課税されるのか?
1. 栽培への税として、花の部分は1オンスにつき9.25ドル、葉っぱの部分に関しては1オンスにつき2.75ドルが課税される。
2. 加えて、小売店の価格の15%が課税される。
税金はなにに使われようとしているのか?
マリファナによって徴収した税金はCalifornia Marijuana Tax Fundというファンドに預けられる。使い道は薬物のリサーチ・管理・管理強化に使われるとされている。
具体的な使われ方も表されており、例えば毎年$3million(3億円)がカリフォルニアの高速管理団体にあてがわれ、合法化による事故防止の対策に使用される。
違反者はどうなるか?
18歳以下の違反者に関しては、薬物指導・カウンセリングのプログラムを受講しなければいけない。販売免許なく、営業活動をしていた場合は6ヶ月の入所もしくは$500の罰金が課せられる。
カリフォルニア州民にとっての大麻合法化のメリットは何か?
- 雇用拡大
- 他の娯楽品(酒など)よりも安全
- 娯楽としての効用の大きさ
- 税収確保
- 心理的不安の解消(今までは非合法の中で楽しんでいた)
デメリットとは?
- 社会に悪影響がでるのではという不安
- 薬物中毒者増加の恐れ
他の州の動向とは?
カリフォルニアを入れた25の州とワシントンDCにおいて、医療用のマリファナの販売が合法化されている。医療用マリファナには、医師の処方箋等いくつかの条件が必要になる。コロラド、ワシントン、オレゴン、アラスカは処方箋も必要のない娯楽用大麻が合法化されている。
以上が今回のカリフォルニア州のマリファナ合法化の中身である。
アメリカではマリファナの合法化を進める動きが活発であり、その他の州もコレを追随するであろう。
アメリカだけでなく、日本やアジアにもこの流れが広がるのはそう遠くないのかもしれない。
<参考資料>
California Proposition 64, Marijuana Legalization (2016) - Ballotpedia
3 Reasons Why California Is Marijuana's Crown Jewel -- The Motley Fool
Prop 64: Why so much of California’s cannabis industry isn’t ready
Proposition 64 passes: California legalizes recreational weed - Business Insider
バイオテックの最先端、生きている洋服とは?〜微生物と洋服のコラボ〜【イベントレポートまとめ】
11/4 11/5と2日間サンフランシスコにて 『THE NEW CONTEXT CONFERENCE 2016 SAN FRANCISCO』が開催されました。1日目は"Blockchain" 2日目は"Biotech"をテーマに第一線で活躍されている専門家の方々が講演・パネルディスカッションを行います。
"Collaboration With Microbes (微生物との共存)"というテーマで行われた2日目のトークの中で興味深かったスピーチをまとめさせていただきます。
スピーカーはWen Wangさん。MITのmedia LabのリサーチサイエンティストかつMITのChemical Engineering部門で"Bio-fabrication・Bio-manufacturing(バイオ生成)という分野の研究を続けられています。
モンゴルで生まれ育ったWangさんは、大自然と触れる中で松ぼっくりが湿度によって形を変える様子に興味を持ったことがキッカケで、バイオサイエンティストの道を志すようになります。
研究を続けていく中で、実際の自然物質から人間に直接的に役立つ製品の開発を考えていたWnagさんは納豆に含まれるバクテリアが非常に素晴らしい物質ということを発見されます。
実際に異なる湿度で実験を行った結果、納豆に含まれるバクテリアは①成長スピードが早く、且つ②湿度の変化によって膨張収縮をおこなう物質だということが発見されました。
この物質は湿度によって形を変えるため、下記のような形を変えるTバックであったり、湿度によって形や色が変化するお花の飾り、ライトのカバーになったりもします。
これらは全てバクテリアの反応で起こっているのだというのだから驚きです。
その中でもWangさんは洋服に着目します。①バクテリアの成長スピードと②伸縮性の観点から、有効性を見出したのです。
過程としては、納豆バクテリアを抽出し、それを基に繊維を作ります。プリンターを使って洋服に刷り込ませることによって、その洋服はまさに”生きている服”として生まれ変わることになります。
背中にプリントされた“納豆菌”繊維は、人間のかいた汗などの湿度に反応し反応します。
湿度が高い時には背中部分が開くようになりエアコンのように湿度・温度調節をしてくれます。将来的には湿度によって光るような繊維の開発にも取り組んでいるようです。
人間は1人ではない。からだの中にも、そして体の外にもバクテリアは存在しており、将来的にはもっと身近に人間がバクテリアと共存できる世界がくるのではとおっしゃっておりました。
それだけではなく、背中のバクテリアが二酸化炭素やその他の公害物質を取り込み環境にも優しい製品に慣れるのではとも考えられているそうです。
会場でも実際に納豆バクテリアを使った繊維でできた洋服が紹介されており、非常に注目を集めておりました。
現在未だ発売はされておらず、来年3月にはパリで展示会に出店されるそうです。
実際にこの研究はMITだけでなくニューバランス社も関わっており、スポーツウエアを始めとした様々なアパレル産業にも必然的に絡んでくる未来が見えてきています。
講演後質問をしてみると、価格面・技術面などまだ解決しなければならない問題は有るものの様々な問題をバクテリアが解決してくれる、そしてもっとバイオが日常生活で当たり前のように使われている世界を待ち望んでいると仰っていました
人間と洋服、それぞれがバクテリアで出来ている"物体"であり、 共生することによって今まで以上に便利で、そして地球にも優しい未来が近いのではと思えるスピーチでした。
<参考資料>
http://www.wenwang-biofabrication.com/about.html
【起業家インタビュー】Apple出身のCEOに聞く、IoTビジネスとスタートアップのモチベーションとは?
日本に流れるシリコンバレーの情報はどうしても著名な起業家や投資家、日本人の起業家に絞られることから、シードラウンドの(創業間もない、投資額も大きくない)海外の起業家にフォーカスしてインタビューを行い、彼らの考えやビジネスに迫ります。
昨年7月に創業されたDor TechnologiesのCo-founderでCEO(最高経営責任者)のMichael Brandさんのインタビューです。
Appleを辞めて自ら起業された背景とそのモチベーション、自社サービスについての想いについてお話を聞きました。
(Michael Brand Linkdinより)
【会社紹介】Dor Technologiesとは
2015年7月に創立されたスタートアップで、レストランや小売店のエントランスに取り付けるIoTデバイスを開発、販売しています。エントランス上のセンサーが入客数を自動でカウントし、スマホやPC上で1時間ごとのデータを確認することが出来ます。その他天気の情報や、売り上げの情報を連動させることで効率的な経営の手助けをしています。
詳しくは前回の記事に記載しています。
siliconvalley-student.hatenablog.com
それではインタビューに移っていきます。
海外起業家のシリコンバレーでの起業のきっかけとは?
・Michaelさんの起業するまでのバックグラウンドを教えていただけますか?
私はAppleでソフトウェアエンジニアとして働いていました。Appleでは主にAirplayやHomekitのコードを書いていましたね。Appleを辞めて、私と共同創業者のGreggはコンシューマー向けのハードウェアスタートアップで、開発リーダーとして働いていました。その中で、持っている知識をもとに、適切なリーンスタートアップのやり方を学びました。
・もう1人の共同創業者はどういった方なのでしょうか?
CTOのGregg Golembeskiがもう一人の共同創業者です。彼は同じくAppleのソフトウェアエンジニアでした。iPodのOSやAirplayを担当していましたね。
会社を経営している上で、僕たちの個性や、持っているスキル・知識はお互いの能力をそれぞれカバーしあっており、満足した仕事が出来ていると思っています。
・Appleを辞めて、自ら起業するキッカケは何だったのでしょうか?
先程も言ったように、我々はAppleで数年間働いていました。その際、社内政治や煩しい社内関係や手続きが時としてイノベーションの妨げになりうるということを感じていました。
自ら考えた新しいアイディアを素早く試し、新しい価値を生み出そうとした時、最も最適な方法がスタートアップ(起業)をすることだと思ったからです。
・起業をする上で影響を受けた人はいましたか?
アイディアや製品がどのように良いものになるかアドバイスしてくれるとても親しいメンターグループが僕を支えてくれています。しかしながら、起業やサービスの判断は基本的に自分の判断で行っています。
・Dor Technologiesさんのビジョンを教えてください。
Dor Technologiesは、今まで焦点を当てられてこなかった昔からの軒先の小売店・直接お客さまと接するビジネス(Brick-Mortar retail)の環境を変えたいと思っています。商取引の殆どは店内で起こっているものなので、私たちはこのマーケットをもっと大きくし、できるだけ効率的に小売店のビジネスが行われるような世界を作りたいと思っています。
自社のサービスの戦略や競合に関しての考えとは?
・自社サービスの最も優れている点はどこだと思われますか?
価格はとて優れているポイントの一つです。使い始めるのにかかる費用を他の製品と比較すると、10-15倍も安くなっています。今までのやり方だとどうしても価格面で問題が生じていましたが、新しいデータの分析方法を開発できたことで解決することができました。
・似たような他社製品についてはどのようにお考えですか?
現在市場に出ている他社製品はとても有効で素晴らしいものばかりです。しかし、昔ながらの小売店のオーナーが使うにはかなり難易度が高いです。また、小売店だけでなく大型の店舗にとっても、導入には多額のお金がかかってしまうという問題が有りました。
一般的に、製品の販売サイクルは数ヶ月で、なおかつ導入してからも1.2ヶ月の試験運用期間が必要です。一方でDorはセンサーの設置から実際のデータ活用までたった数分で完了します。
・お客さんの入店数以外に、どういったデータを集めているのでしょうか?
Dorのデータ分析システムは、店内で発生している全般的なデータ全てを集積します。実際の売上データ・天気情報・近隣でのイベント・マーケッティングデータがこれに当たります。リーンスタートアップの特性を活かし、必要であると判断すれば新しいデータをトラックすることも可能です。
・最後に、どのようなプランでこのサービスを拡大しようとお考えか教えてください。
現在、我々の主要なマーケットは"browsing" environmentsです。言い換えると、衣類や家具といったような高い利益率を誇りながらも、回転率が悪い・改善の余地があるマーケットといえます。我々のほとんどのお客さまはデジタルマーケティングによって色んな情報を取れるようになりますし、それを活用して売り上げをもっとあげることもできるはずです。
★ ★ ★
以上が第一回のシリコンバレー起業家インタビューでした。
Appleでソフトウェアエンジニアとして働かれた後、次はハードウェア系の会社に転職して更に知識を得、それらの経験を活かして現在の会社を興したとのことでした。
社員数は6人とまだ創業して間もない会社です。しかし、2人の共同創業者がお互いのスキルを補っているとおしゃっており、 お互いが信頼し合いながらどんどん経営をしているという印象でした。
製品に対する考え方は、値段が他の商品よりも安い点を競争優位があるとおっしゃっていました。しかしそれ以上に、ユーザーの使い勝手の良さ、ユーザーのビジネスが成長することを第一に考えてデザイン・開発されているという考えに重きが置かれています。
今後もインタビュー記事を多めに書いていきたいと思います。
【Iotスタートアップに迫る(2)】"Dor" エントランスIotデバイスの差別化とは?
前回の"Density"に引き続き、同じくレストランやカフェのエントランスに取り付けるIotデバイスを調べてみようと思います。
前回の記事"Density"と比較して頂くと、同じように見えるIotデバイスも幾つか差別化要素があったりしますし、とれるデータの種類も多少異なりがあります。是非そういった支店で見てもらえればと思います。
siliconvalley-student.hatenablog.com
Dorとは
【会社名・所在地・創立年】
Dor Technologies
(SanFrancisco) founded on July, 2015 (創業1年3ヶ月)
【資金調達】
2015/7…$unknow(ラウンドについても不明)
Investor…Bolt ハードウェア中心に投資しているベンチャーキャピタル (34investments in 30companies) by cruchbase
【Founder】
MIchael Brand...CEO and Co-founder 元Appleでシステムデザイナー・ハードウェアデザイナー
Gregg Golembeski…CTO and Co-founder 元Appleのシステムエンジニア
【サービス内容】
"Destiny"と同じくエントランスに取り付ける客数カウンターです。
まずエントランスの扉にハードを取り付けます。電力は乾電池を使用しています。
自動的に集計されるデータをウェブ上、もしくはスマホ・タブレットのアプリ上で確認することが出来ます。
データは一時間ごとの集客数からカウントしてあるので、どの時間にお客さんが来るのか・どの曜日にお客さんが多く来るのかなどのデータを時間毎、曜日ごとにフィルターをかけて自動的に比較することが出来ます。
多くの小売店やレストランもこういう情報を集計していたとは思いますが、データ収集方法はレジや、定員さんが持っている機械(ハンディー)の手動入力がメインでした。
データ集積から、グラフでの比較まで自動的にやってくれるのは結構なコスト削減になるのではと思います。
【取れるデータ】
<Inside>
-
多数のお店のデータ管理が一つのアプリ上で可能
→簡単に所有している全てのお店のデータを見ることが出来ます。
-
客数の把握が可能(1時間毎・一日毎のデータ)
→時間毎、曜日毎の客数を見ることが出来ます。
-
POS(レジ)のデータとの連動(BETA)
→β版ではありますが、POSと連動させて、来客数の内何人が商品を購入したか、どの時間・どの曜日にどんなカテゴリーの商品が売れているのかのデータをわかりやすく見ることが出来ます。
<outside>
-
天気情報の連動
→お店の売り上げに直接影響を与える、天気情報を連動させることで天気の変化に事前に準備できるようにしたり、天気と売り上げの連動関係を把握できるようになります。
-
収集データによるアドバイス機能 (BATE)
→近隣のイベント・SNS・過去の収集した情報から、どのようにお店の広告を売ったほうがいいか、何を売るべきか、などをレコメンドしてくれます。(現在はまだβ版ですが、おそらくこのAIが経営判断をレコメンドしてくれる機能が、今後のサービスの核になってきそうです。)
【価格】
価格は、前回の"Density"と比較するとなかなか割高です。
月額$44 (1年単位での購入)でソフトウェア部分・データを取れる他に、ドアに取り付けるハードウェア(センサー)部分が$49 (1個)・ネットワークハブが$99 (1店舗)となっています。
説明動画がこちら。
関係ないですが、どこの会社も必ずと言っていいほど商品のイメージ動画を作ってますし、動画広告市場とか調べてみたいなと思う次第です。Facebook上の海外メディアの記事もめちゃくちゃ動画ばっかり。
Dorに関してはリリースしてほとんど日がたっていないので、海外メディアが特集した記事もあまり見て取れません。
<"Density"と"Dor"の相違点>
-
APIの公開の有無
-
対象顧客の種類
-
ハードウェアの価格(Densityは無料)
-
電力(コンセント型と乾電池型)
-
提供データ(リコメンド機能)
と言ったところでしょうか。
電力に関して、Dorが乾電池を使っているのを見てマジかよ。。と思いましたが、実際に使われているところを考えると、ワイヤレスのほうが見栄えは良くなりますしデザイン的にはそっちを選択するのだなあと。他の電力取得方法はないんでしょうか・・・?もし何かご存じの方いらっしゃれば教えてください。
APIの公開とレコメンド機能は、どちらも今後導入していくんだろうなという感じです。
近隣イベントや天気情報・SNSのデータからAIが導いてくれる経営レコメンド、一回見てみたいなと思いますね。実は人間の経験ですでに実行されている施策ばかりなのか、はたまた全く考えたこともないようなレコメンドが出てくるのか。
一ヶ月前に参加したカンファレンスで、かのレーカーツワイルさんが、
「5年後には80億人がインターネットに繋がって、何千万もの製品も同時にネットに繋がる現実を割けることは出来ない。」
と熱く語ってらっしゃったのを見ましたので、もっとIotデバイスに関して色んなイベントに出て調べてみようと思います。
【Iotスタートアップに迫る(1)】"Density" 月額45ドルのエントランスIotデバイス
先週末、Samsungのアクセレーター施設で行われた新サービスローンチパーティーに運良く招待して頂き、面白いサービスを拝見しました。ななえさんありがとうございました!
そのサービス名は『Dor』
お店のエントランスに設置し、センサーが自動的にお客さんを感知して、来客数をカウントしてくれます。そのデータがスマホやPC上でいつでも確認・管理でき、天気やイベントなどの外部環境情報も提供することで、お店の経営戦略を立てる上での有効なデータを収集できるのです。
こういうの人間がやるべきじゃないですもんね。
嬉しいことに、CEOのMichaelがインタビューを快諾してくれたので近日念願の【シリコンバレー起業家インタビュー】記事を書かせていただきます。
【Dor】に興味をもって色々調べているうちに、結構強めの競合サービスが気になってしまいまして、
まずはその競合【Density】をまとめて記事にした後、【Dor】についてもサービス内容をまとめ、次に【Dor】のCEOインタビュー記事を書かせてもらうということにします。
Densityとは
【会社名・所在地・創立年】
Density
(SanFrancisco)founded in 2014
【資金調達】
2014/10… $200k/シード
2016/07… $4milion/シリーズA (by crunchbase)
【サービス内容】
めちゃくちゃ簡単に言うとAPIを公開している自動客数カウンターです。
上の写真の用に、お店の入り口にセンサーを設置します。
このハードウェアには2つのセンサーが備わっており、お客さんの入場・退場をセンサーが感知してカウントします。
このセンサーは、入場・退場をそれぞれ感知できるようになっています。
そして収集したデータはオンライン上・アプリ上で確認する事ができます。
【使用用途・使用場面】
<for Managers>
- レストランを始めとした店舗の客数をカウントし、経営に必要なデータ収集
- Eメールで自動的に収集されたデータのレポートを配信
- 自社サイト・アプリにDensityのAPIを使って各店舗の混雑状況を表示
<for parsonal users>
- 社内の会議室の空き情報などをリアルタイムで確認できるようにする
- テーマパークやデパートのトイレの個室に設置し、混雑状況をトイレにいなくても確認できる
- カフェやコワーキングスペースの現在の混雑状況の確認(他サービスと連携)
<API使用サービス例>
workfrom (フリーランス中心の登録者にwi-fiの使えるカフェやコワーキングスペースを教えるサービスを展開)
Requested(yelpや食べログのように、サイト内でレストランやカフェを検索できるサービス)
(http://www.iotjournal.com/articles/view?13354/)
【価格】
価格は以下の2種類です。
プラン1…月額$45 (1年単位での購入プラン)
プラン2…月額$95 (1ヶ月単位での購入プラン)
ハードウェア(センサー)自体は無料で配布しているのもポイントかなと思います。
Destinyは上記のようなサービスです。
このようなデバイスはどのデータを取るのかが非常に重要になってくるんじゃないかと思っていますが、現段階で取れているデータは
人の出入り情報のみなんですね。(HPとその他記事を読む限り)
当日の売上金額や購入人数のデータ(レジで取れる)と組み合わせてコンバージョン率を出したりするのが使用用途でしょうか。(ネットマーケティングと同じようにデータが取れるようになっています。)
価格も年契約ではありますが$45はリーズナブルな価格ではないでしょうか。
どれくらいのオーナーが使いこなせるのか、結構気になるところです。(実際に飲食店を経営しているオーナーへのインタービューも予定しています。)
最後にサービスの説明動画です。動画やHPにもある通り、レストランやカフェのオーナーだけでなく、空港や病院といった大きい施設への導入がコンセプトの中にあるのも一つの特徴かと思います。
次の記事では【Dor】のサービス内容をまとめたいと思います。
<参考記事>
Density | A People Counter & API
Density Brings Traffic Counting to New Venues - IOT Journal
Requested - A better restaurant experience - Dine and dash in style.
New IoT Density Sensor Opens Up More Possibilities For Real-Time Messaging | Sixteen:Nine
Counting people is harder than you think. Density solves the problem.
サンフランシスコのマックのオペレーションがすごかった件。
20時のマクドナルド@サンフランシスコに入ったところ、50人ほどの収容人数を持つマクドナルドが4人でオペレーションを回していることにビックリ。混雑なしに回しているのにはこんな新しいシステムが導入されていました。(前から知っている方はスルーしてね)
店内に入って、レジまでの途中にこんなパネルがセットされています。
このパネルは両面対応しているので、最大3 (機)×2 (人)の6人が同時に使用することが可能です。
画面をタッチすると、まずは店内か持ち帰りかを聞かれます。
店内を選択。
すると、メニューの一覧が出てきます。
左側にある、アイコンの一覧である程度ドリンクだけならドリンク、セットならセットと選別できるので簡単。
単品のハンバーガーを選択すると、ついでにセットはどうよ?みたいな感じで聞かれます。口頭で聞かれると、押し付けがましいなと思うところですが、スマートにレコメンドしてきます。
マックダブルとポテトを選択。Amazonの"カートに入れる"、みたいな感覚。
「Done」を選択すると購入画面に進みます。何を買ったか非常にわかりやすい。
ここが圧倒的楽さを感じた瞬間。最初の写真を見てもらっても分かる通り、このパネルにはクレジットカード決済ができるようになっているので、このパネルで支払いを完了させることができちゃいます。
こちらこそThank you。
あとは、でてきたレシートをもってカウンターまで行くだけ。定員との会話をなくして購入を完了しました。
カウンターには2台のレジが設置されていましたが、定員は1人で対応。(1台のみ)
先程のパネルからだけでなく、従来通りこちらのカウンターからも購入は可能です。
そして、番号がカウンター上のパネルに表示され、ハンバーガーをゲット。
アメリカはドリンクバー方式なので、セルフでドリンクも用意しちゃう。
超ストレスフリー体験でした。
個人的に良かったポイント
- 早い!(人は結構いたが待たない)
- 楽ちん!(パネルが超使いやすい)
- 味は全く変わらない(当たり前だけどすごい)
日本でもウケそうだなあと思ったポイント
- 日本語が話せない外国人にとって本当に楽(英語で完結し、話す必要がない)
- ぱぱっと食べたい層の人の時間短縮(待ち時間減少)
- マクドナルド側の人件費の削減(1機いくらなんだろう)
- メニューの変更もノーコストで行える(色んな期間限定商品とか出しやすくなりそう)
一方で問題点になりそうなところ
- そもそもパネルを置くスペースがない問題
- スマイル0円の排除
- ちょっと雰囲気が無機質な感じ
- 年齢層によっては多少パネルの操作に時間がかかってしまうかも
とこんな感じです。他にコレ有るべ!みたいなのは是非教えてください。
実際に大森店で導入されているそう!実は日本でもう話題になってたんですね。そのころはこっちにいた、、
行ってない方は是非行ってみては!
日経新聞さんによりますと、今年の12月から日本においても集客拡大・レジ前の混雑を改善するために500-600店を改装すると掲載されています。
※ただ、新型カウンターは今回紹介したパネルを導入したものではなく、デュアル・ポイント・サービスと呼ばれるものだそう。(注文カウンターと受取カウンターが別れているものの、パネルの設置に関しては記述なし)
http://www.mcd-holdings.co.jp/pdf/2014/2014_result_abstract.pdf
マクドナルドのオペレーションは本当にすごいなあと感動した話でした。
ちなみにアメリカでも、全ての店に導入されているわけではありません。