山梨県にある清春芸術村へ行ってきました。清春芸術村とは、清春小学校の廃校跡地に建てられてた文化複合施設です。
緑豊かな敷地内には、谷口吉生氏、安藤忠雄氏、藤森照信氏、吉田五十八氏など、日本を代表する名だたる建築家が設計した建築物が、建ち並んでいます。
入場料は、1,500円。ネット上のクチコミを読むと、高い!という意見が見受けられますが、建築を見るのが好きな人にとっては、安すぎる入場料と感じることでしょう。どの建築物も素晴らしく、心動かされる至福の空間です。
まずは、藤森照信さん設計の茶室「徹」。
有名なツリーハウスのような茶室。写真を見たことがある人は多いかと思いますが、どこにあるかは、あまり知られていないかもしれません。ここ、清春芸術村にあります!1本足の木は、樹齢80年の檜を使用しているそうです。
金色のボックスが茶室への入り口になっています。ここに梯子を掛けて登るようですが、残念ながら、内部を見学することはできません。でも、外部から、ぐるぐると見て廻るだけで、創作意欲の沸いてくる名建築物です。
次は、安藤忠雄さんの「光の美術館」。
一般の人が見ても、設計者を言い当てられるのは、安藤さんだけではないでしょうか?どこから、どう見ても、美しい安藤建築です。そして、内部は、光と影とコンクリートのみ。
当日は残念ながら曇天でしたが、太陽高度の高い夏の晴れた日に行くことができれば、直射光が差し込み、美しいコントラストのある空間を体感することができるでしょう。
続いて、谷口吉生さんの「ルオー礼拝堂」。
白樺の木立ちの中にひっそりと佇む建築です。宗教画家ルオーを記念して建設された礼拝堂です。安藤さんとは、また違った光の取り入れ方をしています。柔らかく、光に包まれるような空間です。ぜひ、実際の空間で体感して頂きたいと思います。
そして、吉田五十八先生の「梅原龍三郎アトリエ」。
敷地内の一番奥まったところにあるので、気が付かないで帰ってしまう人も多いのではないかと思います。ルオー礼拝堂の右奥の小道を勇気を持って進んでみてください。東京から移設してきた名建築をお見逃しなく。
最後にご紹介するのは、谷口吉生さんの「清春白樺美術館」。
個人的には、一番、見たかった建築です。「武者小路実篤や志賀直哉など白樺派の作家たちの夢を託された吉井長三が、1983年谷口吉生氏の設計によりついに完成させた “幻の美術館” 」と紹介されています。多くの人の想いを託された谷口吉生氏が、見事に建築設計で、その想いに応えている建築です。
残念ながら、内部は撮影できませんが、第一展示室の回遊動線、第二展示室の開放感は、同じ谷口さん設計の鈴木大拙館(金沢市)や土門拳記念館(酒田市)に通じる空間体験を得ることができます。谷口建築ファンの方、ぜひ、清春白樺美術館にも足を運んでみてください。
最後にもうひとつ。杉本博司氏と榊田倫之氏の設計による「和心」。
こちらは、一般公開していませんでした。(サポーター会員のみ、外観見学可とのこと。)
屋根だけ、見下ろすことができました。
他にも、「ラ・シューシュ」「白樺図書館」「エッフェル塔の階段」などなど。見どころ満載の「清春芸術村」です。東京から、十分、日帰りが可能ですので、ご興味がありましたら、ぜひ。桜の季節も、素晴らしいそうです。
清春芸術村のアクセス
<車の場合>
中央高速・長坂インターチェンジより15分
<電車の場合>
JR中央本線「長坂駅」下車
・バス利用の場合
北杜市民バス3号車西線 日野春駅行き
「中丸公民館南」下車 バス6分+徒歩約3分
・タクシー利用の場合
5分(1,300円程度)
北杜タクシーまたは大泉タクシー
・徒歩の場合
検索だと、40分と表示されますが、
実際は起伏が激しいので、
歩くのはやめた方がいいと思います。
駅そば「丸政」の「山賊そば」がおススメです。( ↑ オレンジ色の看板)