abemaTV 初日の感想
abemaTVがついに開局した。
先ずはこのプロジェクトを立ち上げたサイバーエージェント社長(以下CA)藤田晋氏及び関係者の方々に敬意を評したいと思う。
NOTTV爆死の真っ只中に、ここまで大型のプロジェクトを立ち上げるのは相当の苦労、英断があったことだろうと思う。
(恋するフォーチュンクッキーを踊っているだけではここまではできないでしょう)
藤田氏の幾つかのインタビューを見ているとマスメディアを運営はとにかく大変だということを十分わかった上での参入であることが見受けられるし、それを”集大成”という言葉を使って表現していることからも相当な気合を感じる。
では今回のプロジェクトのスタートにおいてどの辺りを注目して見ればよいか鍵になる部分を推察してみた。
なぜテレビ朝日と組んだのか
正直CA単独でもやれないことは無いと思う。
ただ、テレビ朝日の所有しているコンテンツを使えるという大きなメリットがある。
しかしそれ以上に大事なポイントはTV局にとってユーザーを奪うのではなく一緒にやりましょう感を出すのが狙いではと感じる。
これは堀江貴文氏がメディア買収を行おうとして一斉にバッシングにあったことを考えても分かる通りマスメディア(特にTV)を敵にすることはかなりリスクは高い。
尚更既に大組織であるCAはこのようなリスクは取りづらいのではと考えられる。
(私が株主でも恐らく反対を行うと思う)
しかし、テレビ朝日と組んだことによりデメリットも考えられる。
まず基本的にテレビ朝日系以外で取り上げてもらい辛くなる。
新聞社のWEBサイトでざっと検索を行っても朝日新聞社以外に引っかかったのは読売新聞社くらいだ。
この辺りを考えると例えばテレビ朝日以外でCMは打てるのか、とか色々とネックになる部分はある。
仮にテレビ朝日以外で出稿できない場合、定石であるスマホアプリローンチ時のCMブーストをかけられないのはかなり痛い。
ただ、この辺りも十分考えていると思うのでこれから注視していきたい。
他の動画サイトとの比較
コンテンツをすべて見たわけでは無いが現在主流のVODサービスであるHulu、Netflixと大きく違ってTVのようなタイムラインを取り入れていることだ。
これは受け身で見ることになれた日本人には心地よいかも知れないが現時点ではなんともいえない。
コンテンツについて
地上波ではできないことをやるというキャッチコピーが随所に見受けられる。
ただ、地上波ではできないというよりむしろ、地上波ではやらないという内容が多いように感じられた。
例えばSEALsの特集コーナーなんてどの局もやらないだろう。
「地上波ではできないこと」ということを具体的にどのような形で表現するのかこれから注視したいと思う。
今後既存のTV局の下位互換にならないことを願っている。
感じた改善点
TVのようにながら見を狙っているとしたらバックグラウンド再生ができない現在の仕様は非常に良くないと思う。
番組を見ながらLINEや他のアプリなどができないので視聴を中断せざるを得ない。この辺りはPCやタブレットなどの他の端末が無い若いユーザーにとっては致命的欠陥になりかねない。
LINE LIVEはこの辺りは非常に作られている。特に最近開始したオールナイトニッポンとの連動番組は物凄くスマホユーザーとの連動性が高い。ラジオのようにバックグラウンドで聞くこともでき、スタジオやコメントをリアルタイムで見ることもできる仕様だ。恐らくこのような仕様のほうがシェア等もされやすいように思う。
個人的まとめ
初日を見ただけでは前途多難さが垣間見れるが、このビジネスモデルは本当にマネタイズをできるようになってほしい。お金さえ集まればコンテンツはどんどん良くなるはずなのでこの辺りはCAのノウハウを活かしていって欲しいと思う。
そして全く考えていないかもしれないが広告枠としても地上波よりも手軽に出稿ができ、ユーザーのセグメントができて費用対効果の高いものが提供されることを期待している。
芸能事務所も出演者が固定され閉塞感の漂っている地上波ではなく新しい活動の場として積極的に協力してほしいと感じた。
個人的に芸人の村本氏にMC、コメンテーターとしてのポテンシャルを感じた。
以上、本当に期待している。