悪口が聞こえる


 

風呂上がり 服干さずとも 顔干せる

 

 

 

夫と義母さんが私の悪口を言っている。

 

2人とも手話を使っているはずなのに、声にも出すから2つ隣の部屋まで、大声で聞こえてくる。

 

 

義母さん「ツブさん、洗濯物まだ干しません、今朝も洗濯終わってから干さない!そのままでした!どうして?忘れますか?」

 

夫「もうボケなの!ツブはもうボケ始まってるの!放っとけぇ」

 

義母さん「おぇ~嘘です、ボケじゃありません、怠け者です。ヒヒヒヒヒヒ(笑)」

 

 

 

私はお風呂上がりなので、お肌のお手入れの為に忙しいのです。一分一秒を争うのに、洗濯物干すのなんて、愚鈍なことはできません。後回しです。

 

というのは建て前で、今朝も干していなかったのは本当だから(時間が経ってから干した)私がボケで怠け者であるかどうか。大体正解なので否定しにくくもない。

 

 

問題は私の悪口が大声で私の耳に届いていることだ。なので、「コラーーー!」と言わんばかりに握った拳を上へ伸ばして登場してみせた。

 

私「悪口、全部聞こえてますからね!あなた達悪い親子です。洗濯物はごめんなさーいね!そのまま放っといて下さいね!私自分で干しますからね!」

 

義母さん「あらぁ聞こえるの?ごめんなさーい。早く干しなさい!ヒヒヒヒヒヒ(笑)」

 

 

夫「怖い~悪口は全部聞こえてる!早く干せよ!」

 

私「分かってます!顔が干からびたら大変!洗濯物なんか干せない!ボケ、アホ、バカ、出ていけ、とか、全部聞こえてますからね!」

 

夫「そこまで言ってない(笑)」

 

 

義母「ヒヒヒヒヒヒヒ(笑)」

 

 

 

手話でも無意識に声が漏れるのはよくあることです。ろう者と聴者が混じって生活していたら、音声付きの手話はかなり多いのでは。

 

手話に集中している。なのに声が漏れている、周囲の聞こえる人に、聞こえている。

 

 

義母さんの声は、不明瞭ではある。

同居当初は、殆ど聞き取れず、私の手話も下手で通じず、コミュニケーションが取れなくて本当に大変だった。

 

 

しかし、今ではこれである。

聞き取れないこともあるものの、大概が手話と一緒なので困ることはない。

見えない場所でも自分の話題ならかなりの精度で聞き分けできる地獄耳へ発達した。

 

  

義母さん、自分の言葉は人にバレないと思ったら危険ですよ、悪口は、要注意(笑)

 

 

ズケズケと遠慮なく言い合うので、後腐れ無いのが小気味良い家庭ですが、繊細な、気の利く会話を忘れてしまいそうで怯える日々を過ごしています。子ども達への影響も空恐ろしい。

 

 

ちなみに、上記は全て笑顔での会話ですからね。いつものことです。

 


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義母さんが収穫した、みょうが。

 

20(秒)

冷たいままおかずを食べようとする息子6歳。

 

「お祖母ちゃんが温めるおかずは熱すぎて直ぐに食べられない、この前は舌を火傷した」という理由から。

 

でもそれを伝えられない。(口話だとニュアンスが伝わりにくい)

お構いなしに無言で息子(孫)のおかずをさらって電子レンジへ向かうお祖母ちゃん。突然の行動に怒る息子。

 

息子「何してんの?止めて!!」

ババ「どうして冷たいまま食べるの?!不味いでしょ!」

息子「熱いの!違うの!駄目なの!なんで勝手にもってくの?!」(←口話)

 

ババ「冷たい!駄目」

息子「熱いの駄目!」

 

双方会話が噛み合わず、にらみ合い。

良かれと思って勝手に行動するお祖母ちゃんはこうして時々ひんしゅくを買う。

けれども何が嫌なのか、まだ詳細に伝える術を持たない。子供だから。頑張れ!知恵を絞れ!!

 

・・・・

 

息子「20」(←手話)

「20秒だけ温めて!」(←口話)

 

ババ「分かりました」

 

手話の語彙がまだまだ少ないなりに、的確に絞り出してきた、20(秒)。ほどよく温まったおかずに、「ありがとう」を手話した息子でした。

 

本当に、お祖母ちゃんに感謝しなさいよ息子よ。