ロンリーファイト

世界へはばたく建築士たちの酒場

一級建築士試験対策にも使える建設プロジェクトを成功させる技術    (最終回 リスペクト) 

特別にはなりたいけど楽をしたい。
そこでせめぎ合う。
そして、自分はいつだって正しい。

現実世界で特別な存在になるには相応の努力が必要になる。
だからこそ特別になれない人は納得できる答えを自らの解釈で作り出すしかなくなる。
そして、その解釈の中ではいつだって自分は正しい。

建築士試験でいうと何年も落ち続ける受験生の敗因はここにある。
おっさんが加速するとプライドだけ高いままアホになる。
めんどくさいもさらに加速する。
めんどくさいからしょうがない。
時代にも周りにも合わせる気がなくなる。
いつだって俺は頑張っている。
そして、絶対的に正しいのだ。
親父ギャグも止まらない。

結果や物事を簡単に、楽に、考えようとする。
感情や印象、慣例で、物事を決定する割合が増える。
積み上げてきた人はそれが俯瞰になる。

そもそもこんなにも大変な試験を何年も受け続けること自体が無理のある話なので、やはりどこかで楽をせざるを得ない。
つらい受験勉強のどこかで楽をして成立させようとする。
つまり、落ち続ける習慣が自然に身についていく。

合格へのあと一歩とは、
結果や物事を簡単に、楽に、考えようとせず、
感情や印象、慣例で、物事を決定しないようにすることになる。

今一度いっておくと、シンプル化という技術は複雑なものをシンプルにする技術であり、
決して簡単に楽に考えることではないのでご注意を

さて、
一級建築士試験対策にも使える建設プロジェクトを成功させる技術の最終回『リスペクト』

相手を尊重する。
相手の立場で物事を考える。

基本はたったこれだけ。

つまり、相手に負けること。
サービスの基本

知らないのであればここからリスタート。

相手の条件の中で戦い
相手に気持ち良く勝たせる。

勝ちたいという気持ちをコントロールできるようにする。

なぜ、このような問題が発生したのか。
当事者はどのような考えでそこにいたったのか。

なぜ、このような試験になったのか。
試験作成者はどのような考えでそこにいたったのか。

構成のはじまりと分岐点を
そして、どういった回答や解法にしてほしいのかを想像する。

その答えは今まで書いた通り。
複雑な条件をどこまでもシンプル化できること。
建築士に必要なスタンダードをきちんと身に着けて理解していること。
そして、最後に建築士試験に求められる解法と表現方法をきちんと尊重(リスペクト)していること。

この3つ。

仕事においても同じ。

建築士試験とはこの素晴らしい技術を手に入れる大きなチャンス。
もしかすると、試験作成者も同じように考えているかもしれない。というか絶対にそう考えている。

この技術を手に入れることが出来るならば、遠回りさえ正当化される。

是非このチャンスをものにして、その先の世界を思う存分楽しんでください。

一級建築士試験対策にも使える建設プロジェクトを成功させる技術    (第2回 スタンダード化) 

クリエイティブな仕事をやりたい。
けれど、やりたい仕事をするためにはそのためのステージを勝ち取る必要がある。

ラッキーでそこに立てる人もいるかもしれない。
しかしながら何億何十億という予算を好き勝手に使える立場にラッキーでなれる人はどれくらいいるのだろうか。

世の中にはそういった職業に憧れる人は多い。
素人やデザイナーという職業に憧れる人の中には、
面白いことを考えることや好き勝手に遊びをいれることをデザインと考えている人はかなり多い。

あらゆるデザインにはさまざまな角度から検討が必要となる。
法令、見た目、機能性、メンテナンス性、コスト・・・
そういったことを無視して自分の妄想の上でだけ戦うのであればただのエゴ
そして、そういった人たちの多くはスタンダードを理解しようとしない。
地味でメンドクサイからだ。
いきなり答えが欲しくなる。そして、はやく気持ちよくなりたい。
けれど、そういった人たちが成功する可能性は限りなく低い。
そして、花も咲かせることなく年を取って枯れていく。

さて、今回はスタンダードについて
言葉に華がないのはしょうがないとして、
スタンダードとは何かを考えると実際はなかなか面白い。

スタンダードとは標準
そして常に更新されつづける。

技術を考えるうえでは、スタンダードは’’型’’ともいえる。
人間が作り上げた技術の結晶ともいえる’’型’’
その’’型’’を使えば誰でも簡単にそれなりのものが作れてしまう。

巨人の肩(型)に乗る。
そして、技術を未来へつなげていく。
みんなその過程にいる。

技術を体得するためには、まずモノマネから入る。
説明不要、すごく大事なこと。
きちんと型を守ることで、一定の評価は得られる。

コピペ
うまくコピペできるだけで評価される場合もある。
コピペとコピペの無限の組み合わせの中の一つをオリジナルと呼ぶ人もいる。

それはさておき、こと一級建築士試験に限っていえば試験元にもプライドがある。
そのレベルの受験生、つまり資格学校に通っただけのモドキは合格させたくない。
そのための工夫を凝らす。
つまり、確実に合格するには型を覚えただけでは不十分ということになる。

次のステージ
型を理解している範囲で変型(変形)させる。
一級建築士の製図試験ではここが最大のポイントとなる。

ここで大事なのは、型を本当の意味で理解しているかどうか。
理解していなければ、その変型はゴミとなる。
素人の建築計画におけるポンチ絵のほとんどが成立していないのは型を理解していないから。
経験していない人は本当の意味での形や数字、寸法を理解できていない。
もちろんラッキーもある。だから怖い。けれどもそれでは続かない。

一級建築士の学科試験でいえば、きちんと勉強した受験生だけを対象に解ける問題と解けない問題をつくる。
そしてヒントは過去問だけ。
型が通用しない問題であれば、だれもが解ける問題とはならない。
本質はそのままに表現を変える。本質を理解していなければブレる問題に変形する。
そうすることで試験元は合格点と合格者数をコントロールする。

製図試験でいえば、あえて少し解答を変型(変形)させる。それだけで受験生のめっきは簡単にはがれる。メンタルも崩れる。自滅もある。
つまり、型の本当の意味での理解度こそ、合格可能性の高さといえる。

型の理解度とは何か?
なぜ、この型はこの形になったのか?
なぜ、建築の基本計画は四角のパズルなのか?

逆にいえば、建築士試験における基本計画の四角のパズルの可能性なんて知れている。

型の意味をきちんと理解すれば、目的に合わせてゼロから考えて形を作ることもできる。
そして、そのうえにスタンダードを乗せることができれば、さらに一つ上のステージに上がる。
表現の先にスタンダードがある。

なぜスタンダードか。
多くの人は本質から目をそらして、慣例とコピペだけでなんとかしようとする。
自ら考えたり動くのは大変だ。楽をしたい。そしてうまくやりたい。勝ちたい。
けれど、現実にそれをやると最初はうまく行くかもしれないがずっとは続かない。
試験問題作成側はその心理を逆手にとって問題をつくる。

スタンダード化とは何か、
世の中のスタンダードは今もだれかが更新し続けている。
そのスタンダード(型)を本当の意味で理解したうえで、さらにそれに乗っかる。乗っかりやすい形をつくる。

つまりスタンダードを理解したうえで、スタンダードでないもの(非標準)でさえもスタンダード(標準)に、もしくはそれに近い形に変えてしまう。

ここまでくると、
一級建築士の学科試験では問題作成者の意図が分かるようになる。
製図試験では模範解答を超える答えとなる可能性だってある。
問題作成者とのメンタル勝負で負けることはなくなる。

本物か偽物かが問われる分水嶺

わからない人、
わかろうとしない人、
わかったつもりの人、
結局やらない人はみんなひとくくり。

平均とスタンダードは違う。
でも人は簡単に間違える。

常にスタンダードは何かと考え続ける先に次のステージはある。
負けないためのスタンダード化を身に着ける。

一級建築士試験対策にも使える建設プロジェクトを成功させる技術    (第1回 シンプル化) 

自分はやればできる そして、褒められて伸びるタイプ
宝くじだって当たるかもしれないし、アイドルのようなルックスの理想の相手にだって出会えるかもしれない 可能性はゼロではない!(断言)
『負けず嫌いだけど勝ったことはないサラリーマンの飲み会でのワンシーンより』

時間は有限、積み上げることができない人に全盛期はこない。 そして自分自身の旬を逃してはならない。

さて、今回は建設プロジェクトを成功させる技術第1回

どうすれば時間内に問題を解決できるか。
そのヒントは一級建築士試験の中にありました。

今回は’’シンプル化’’がテーマです。

対極にあるのは・・・・複雑機構・・・それはロマン!
高密度、重厚かつ長い歴史、紆余曲折を経て到達した高み。好きなものと好きなものを何度も何度も重ね合わせてトライアンドエラーを繰り返した結果、
その組み合わせの先に、その化学反応の先に、何か見えるかもしれない。
塵も積もれば山となる。
こういった言葉、みんな大好き、ですがあえて我慢。


シンプル化の中にも様々な技術があります。
1)要約化
2)比較化
3)分岐点回帰(ループ)

一級建築士試験の学科、製図ともに有用です。
建築士試験を通して身に着けたい技術。けれど合格者で実際に身に着けている人は少ない。

まずは要約化から
よく大枠を掴め!なんて言葉聞いたことはないでしょうか。
大枠、フレームワーク、根幹、核、様々な表現がありますが、表現を少し変えると要約になります。
重要な部分だけを吸い出す。発注者のヒアリングも吸い出し。
自分なりの解釈やゴミがその要約に入るとバイアスになります。
あくまで論理的に。

★要約化
:学科 
問題を要約して過去問に置き換える

:製図 
重要なポイントのみを吸い出して、構成上必要な要素に置き換える


そこから比較化
スタンダードでない部分を見つけます。スタンダードな部分は問題にはならない。
だからこそ、そうでない部分を解決することに注力する。
複雑であることもスタンダードではない事に注意
ひとつひとつは簡単でもその数が膨大であれば時間は奪われる。面倒くさいだけで人は離れる。
ちなみに、スタンダードとは’’型’’とも言い換えることができます。
スタンダードをきちんと理解できていないとその違いや問題がどこにあるかもわからない。

★比較化
:学科 
過去問との違いを見つける 
その違いの本質を過去問との比較から見極める

:製図 
通常の検討では対応が難しい部分を見つける
その部分を解決するために動かせるレンジ(範囲)を優先順位から見極める


最後に分岐点回帰(ループ)
問題を解決する際にルート分岐が発生することがあります。
どちらがいいかは検討を進めないとわからない。なんてことは往々にしてあります。
そこは時間の限り、全力でルートを見つけてください。
分岐点回帰からのループ回数(試行回数または思考回数)を増やすことでより最適解に近づきます。
一級建築士の製図試験のキモはまさにここです。

最後は執念です。
執念で答えにたどり着く。

★分岐点回帰
:学科 
答えを導き出せないときは過去問に戻る
答えは過去問の中にある
過去問から導き出される 
その答えを執念で見つける
      
:製図 
動かせるレンジの中であらゆる組み合わせを考える
組み合わせを一つ一つ調べて、落とし穴がないかを確認する
答えは必ずある
見つからなければ分岐点回帰、
さらに見つからなければその前に
時間内に最適解を見つける
その答えを執念で見つける

さて、いかがだったでしょうか。
この能力は試験でもビジネスでも人生でも有用です。
もしも身に着けることができたら、それだけで食べていけるようになるくらいの凄い能力です。
しっくりとこない・・・当たり前だろ・・・という人は既にスキルを身につけている人かもしれません。

この能力(スキル)は知っているだけでは役に立ちません。
使いこなす。使い切る。使い倒す。
それでこそ道は開ける。
開けてない・・・ということは・・・・そういうことかもしれません。

スキル習得には、実際に自分で経験する以外の方法はありません。
その先に、いわいる原則を地で進める世界が広がっています。

本題はここまで、みなさん執念で自分の未来を切り開いてください。

今回はオマケで世界にはばたく建築家を目指す皆さんに本の紹介です。
英語の勉強が面白くなるような本はないのか?
あります。
ちなみにシリーズを読んでなくても、最初の一冊とこの最新作の一冊だけで英語が好きになれます。
最新作は執念の総集編にも思えます。是非体感してください。

www.gentosha.co.jp

作者の向山貴彦さんは享年47歳 
我々は執念を共有することで進化していくのかもしれない

一級建築士試験合格のために選ぶべき特攻アイテム5選

資格学校は合格率こそがすべて
そして人は希望にお金を払う。
だからこそなんとしても合格したい受験者は高いお金を支払い”希望”を買う。

合格率
数字による説得力は揺るがない。
そこは疑いようがない。けれど数字を出すには前提が必要になる。
そしてその前提次第で印象は大きく変わる。
興味のないことを考えるのは面倒だ。だからわからないものはブランドで選べば間違いない。
そう考える人は少なくない。

建築士の資格学校選びでその次に問題になるのはコストパフォーマンス
なんといっても授業料が高すぎる。学科試験・製図試験をあわせて100万円。
一年間でこの金額は大きい。だからこそ資格学校は合格率でブランディングする。

合格者の資格学校へ支払った総額の平均なんて資料があれば面白いかもしれない。
その資料を見ればその資格学校に行く”効果”と"自分の未来"をイメージしやすいはず。
合格者にとっては不名誉な数字であるため表にでてくることはないまずないけど。

こういった業界の背景から第三勢力も現れる。
さらには漁夫の利を得ようとするところも現れるのは当然。
ビジネスとは人の欲望の最適化されたシステム。

さて、そうはいっても受験者のほとんどが資格学校に通うこの試験。
そしてこれだけのお金を払っても合格できるのは一握り。

なんとしても今年合格しなければならないとすれば資格学校に通うだけで十分なのか?

答えは”否”です。

なぜか。
集金システムを突き詰めて考えていけば、自ずと答えは導かれる。
合格する人数が決まっているとすれば、少子高齢化が進む現在の日本で建築業界と資格学校はこれからどうすればいいのか。

そして合格するための方法を原理原則に則って考えたらどうなるのか。


そこで今回は一級建築士試験の合格可能性がグッとあがる特攻アイテムを5つご紹介します。


資格学校に通うよりも合格可能性があがるアイテムなんてあるのか?

あります。

これ以上課金ができないほどに資格学校にお金を支払ってしまい余力がなくなりたどり着けないだけ。
是非、外の世界に目を向けてみて欲しい。


1、合格物語
www.19get.com

学科対策は”過去問”をいかにマスターするかにかかっている。
この作業の効率化を考えればだれかが加工編集した問題に多く触れるよりも体系的にまとめられた過去問(一次情報)を繰り返し反復するほうが良い。
ストレスを全く感じさせないシステムも秀逸。


2、一発逆転模試(ウラ指導)
www.ura410.com

合格物語での勉強の延長線上にこの’’一発逆転模試”がある。
どこかで見たことのある”数打ちゃ当たる”的なテストとは一線を画します。
この模試の解説を見れば学科攻略のイメージが沸いてくるはず。


3、ステップで攻略するエスキース(製図試験.com)
「ステップで攻略するエスキース」学芸出版社刊

市販の製図試験用テキスト
製図試験に合格できない理由はエスキースの基本がマスターできていないことに他ならない。
そしてその状態で資格学校の課題を解き続けてしまい”無手勝流”を確立することにあります。
”無手勝流”が悪い意味で”完成”してしまうと合格がより遠のきますので手遅れになる前に是非。


4、鉄腕作図テキスト+DVD(製図試験.com)
h30学科補完計画

製図試験の作図用テキスト
製図試験の合格をより確実なものとするためには作図レベルの向上は必須。
百聞は一見に如かずの言葉の通り。
何十枚も作図したその先にある合格するための作図ノウハウを是非DVD映像で。
目に見える形で作図能力アップを体感できます。


5、課題分析帖+パーツ集(製図試験.com)
http://seizushiken.com/project/n4course/seizushiken.com
製図の課題発表から超特急でつくられる対製図試験用特攻アイテム
製図試験という名の情報戦に勝つためには必須。
内容については実際に購入して確かめてください。
中身のスゴさは折り紙つきで読み込むごとに合格に近づきます。
資格学校の補講にお金を払うのであれば選択肢として是非検討ください。


さいごに
言わずもがな一級建築士試験に合格するためには勉強をいかに効率化するかが鍵です。
受験者の中には資格学校にあまりにも大きな投資をしてしまい盲目的になっている人も少なくありません。
とくに”勉強の効率化”、”合格可能性の向上”、”コスパ”を自ら考えられない状況に追い込まれている気もします。
そして、資格学校以外の選択肢を”自分で選択すること”や”考えること”さえできない環境とはなっていないでしょうか。

もちろんそれで合格できれば問題ありません。
けれど、この試験で何故に負のスパイラルがおこるかを考えれば答えは一つです。

ほとんどの人が同じ条件で全力で頑張っているから。
理不尽な集金システムとはわかっていながらも合格という人参をぶら下げられて全力で走っている状況のなかで、力が入りすぎて視野がどんどん狭くなる。
そして、資格学校はその足元を見ながらさらなるビジネスを展開する。
疑問に思う方も少なくないはずです。

ちなみに最近のスマホゲーの課金システムはどんどん進化していて、最新の研究では不確実性を高くすることや確率よりも理不尽な結果をもたらすことでさらに課金が進むとの研究結果がでているらしいです。共通する部分もあるのではないでしょうか。

さて、スマホゲーのごとく課金特攻アイテムを5つご用意させていただきました。

ちなみに、上記の特攻アイテム5つのみで資格学校に通わずに合格は可能か?
モチベーション維持とスケジュール管理さえできれば理論的には可能です。

資格学校へ通う”キモ”はモチベーション維持とスケジュール管理です。
そして受講料100万円を支払った受験者がどれほどの想いと”覚悟”で資格学校で勉強されているかをイメージすれば独学での合格の難しさが想像できるのではないでしょうか。
独学で合格を目指す方は少なくとも”覚悟”の面で資格学校で勉強している方に勝たなければ合格は難しいとおもいます。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
今年こそ是非自分の望む結果を。

建設プロジェクトの成功を決めるフレームワークの作り方

とかく四則演算的に仕事が進むところに罠は潜む。

ある条件から検討して生み出され構成された建設プロジェクトのフレームがある。
そのフレームをベースに発注者が新たな条件を付け足す。

ここで重要なのはその条件が建設プロジェクトの根幹にかかわるかどうか。
簡単にいえばフレームが変わるかどうか。

ディテールを付加することはさほど難しくない。
フレームを触ることがないからだ。
単純な足し算。

けれどもフレームの足し算、引き算はゼロベースからの検討となる。
つまりはやり直し。

フレームの重要性がわからない偉い人や発注者がそこに手を入れると大変なことになる場合がある。
部分を成立させるために、構成を変えてしまう。

そして出来上がった自分たちの意見が反映されたオリジナル作品。
発注者の意見を尊重したプランの出来上がり。
その時の顧客満足度はグッとあがる。

途中段階ではあるが、良いものが出来たという成功体験の共有。
勿論、営業手法としてはあり。
もしかすると多くの注文住宅はこうやって出来上がるのかもしれない。

かりそめの成功体験はこの後もプロジェクトの足を引っ張ることになる。
フレームの重要性がわかっていない人がかりそめの成功体験を一度味わうとそこに執着する。
誰もが陥りがちな罠。

けれども、そのままでは最終的な顧客満足度を得ることは難しい。
出来上がりで顧客の想像を超えることもなく、使い勝手さえ一定の満足を得られない可能性もある。

普段の仕事や一級建築士の製図試験でも同じことがいえないだろうか。
検討の途中段階で生まれたグッドアイデア
浅い検討の中で見えた勝利への活路。
勘違いしたアハ体験。
そこへの執着は建設プロジェクトの成功を遠ざける。
そして、目的さえも見えにくくさせる。

さて、重要なポイント
”執着”
例えば、間違った方向に進んでいることに途中で気づいたとしても。
結果としてトータルで考えると良くないことがわかったとしても。
時間をかければかけるほど元に戻ることが難しくなる。
かけた時間の分だけ愛が着いて”愛着”となる。
そして行きつく先はプロジェクトの成功からかけ離れた自己満足のみ。

時間をかけるべきはフレーム
プロジェクトの全体像を抑えたうえで、見えないリスク(落とし穴)が多数あることを前提に建設プロジェクトのフレームを構成する。

フレームを作るうえでのポイント
予想外の”落とし穴”をかわす余裕をもったスタンダードとすること。

余裕と無駄とは全く違う。勘違いされるひとも多い
”余裕”を”無駄”と捉える人の中には余裕を削ることにだけに執着するひとも少なくない。
わかりやすく数字が変化するからだ。
本質的には逆効果だけど、その瞬間は仕事をやっている気になる。

検討を進めないと見えない”落とし穴”はかならずある。
そして、検討しても見えない”落とし穴”も少なくない。


最後に建設プロジェクトの成功を決めるフレームワークの作り方のまとめ

フレームワークの基本は、条件がすべて出るまでは、そのリスク分の余裕をもったスタンダードにて進める。
要求と問題点、落とし穴をすべて抽出するためのベースとなるフレームもあったほうが良い。
そして、それらをすべて抽出したうえでの最適なフレームをつくる。
ディテールとだれでもできる単純なロスカットはそのあと。

だれにでも一瞬で良さが伝わるシンプルなフレーム
執着が生まれる前に心の切り替えを行うリスタート

付け加えるならば、ステークホルダーの凝り固まった頭をやわらかくする準備もあったほうが良い。
アイスブレイク
これも余裕のひとつ。決して無駄ではない。

結果は数字になる。
だけど建設プロジェクトの過程やフレームワークの価値は数字化しにくい。

だからこそ

結果を生み出すための価値のあるフレームワークは、最後には必ず人の感情を動かすはず。