THE BOY FROM OZ見てから2週間経ちそうなので一回まとめときたい
(ネタバレを含む感想です)
グレッグ!!第一印象は「思った以上にツンデレだな!?」だった。あらすじは出来る限り覚えて、ただキャラクターの性格とかは敢えて調べてなかった(てか調べてもよく出なかった)ので、グレッグのこの感じはいい意味でめちゃめちゃギャップあった。
からの、みんな大好き「靴下の片割れを置いていったら一生の約束」――。
そのツンデレキャラで実はめっちゃ重いって…(好き)。テキサスボーイとんでもねえ。
そして例のHOTシーン。グレッグの右手が、ピーターのうなじから始まり、肩、腕をなぞって最後に手の上まで動く一連の流れを、私は来世まで記憶していたいと思う(大真面目)。当時の私のメモを見ると、「スキンシップえぐい…」って消え入りそうな文字で書いてあった。もうあれを見ていない世界には戻れない。
ピーターのショーに全力で、楽しそうに取り組むグレッグが大好きだった。地味にお気に入りの曲なのが、グレッグとマネージャーのアンソニーが一緒にハモる曲。(パンフ見た感じ、多分"Sure Thing, Baby"だと思う)グレッグさん、ピーターのために色々動ける喜びを全く隠しきれてない。ピーターとの掛け合いのなかで一瞬、左眉がキュッと上がった、あの表情が最高だった。
でも楽しい時間は早く過ぎる。とりわけピーターとグレッグ、2人の幸せな時間は短すぎた。
「離れるなら今のうちだぞ」
グレッグさんよ……そんなん、そばにいて欲しいの裏返しじゃーん(涙)
本当に言いたいことほど口に出せないグレッグ。でも、ピーターもそんなグレッグのことをよく分かっている。2人で歌う"Love Don't Need a Reason"、私は2人のユニゾン部分が特に好きだった。ピーターとグレッグの心が、「いつまでも2人で一緒にいたい」という地点でぴったり重なったような気がした。
舞台上で生きているグレッグは基本“グレッグ”として見ていたけど、晩年のグレッグに関しては、俳優・末澤誠也のすごさを感じていた。端的に言うと、リアルにめちゃめちゃ具合悪そうだった(笑)病に侵されて体がだるい感じや、熱で顔が火照ったり軽く汗ばんだりする感じ。私は3階席だったけど、双眼鏡を外して見ても「グレッグしんどそうだなー」というのが伝わって、末澤さんすご…って思った。
束の間の再会。「近くまで来たもんだからね」ってグレッグはまたはぐらかす。けど、そんなものはピーターには(我々にも)通用しません。グレッグ(と誠也くん)の"I Honestly Love You"、あまりにも綺麗だった。もう一度会いたい、会って本心を伝えたい、という気持ちしか歌声の成分に含まれていない感じ。曲の内容以外にも、この曲はピーターのキャリア的に相当重要な曲だと思っていて、それを歌うのがグレッグっていう演出にも泣いた。
でも、生きているうちに愛してるって言えないの、グレッグらしいけど、切ない。
だいぶ飛ぶ。ピーターの最期
ライザ「グレッグならなんて言うかしら?」
ピーター「アロハシャツ着なよ、かな」
が本当に大好き。若干記憶が曖昧だけど、最初グレッグってピーターのアロハシャツ嫌いだったよね?グレッグはピーターの全てを受け入れていた、そのことをピーター自身も分かっている、ということだと理解した。悲しいだけじゃない救いも見せてくれるところが素敵だなと思った。
書き留めておきたいグレッグ中心に書いたけど、このミュージカルを通底する「人間愛」というテーマに実はずっと心動かされていた。特にピーター母(マリオン)のピーターに対する愛と、ライザのピーターに対する愛。メモ見返すと、自分、事あるごとに「母の愛……」って書いていた。実家を出るときも、全て失って帰ってきたときも、大切な人ができて紹介したときも、母の愛は変わらなかった。
ライザのピーターに対する愛にもグッときた。恋愛とか結婚とか性別とかそういうのを超越して、人としてピーターのことを気にかけて、最後まで隣にいてくれるライザの優しさに感動した。
ここからはお話の外のことで、役者さんたちのキャラクターに対する愛もいいなあと思った。演劇の世界のことはよく知らないけど、18年も同じ役をやるって自分だったら想像できない(全然そういう仕事してるわけじゃないです)。キャラクターの良いとこも悪いとこも理解してまるっと愛しているんだなとパンフを読みながら感じた。
長い期間続けることはもちろんすごいけど、短時間で深めることも同じくらいすごい。ましてや、あの大ベテラン達の中で。私が勝手に末澤さんを尊敬している点が、向き合う姿勢は謙虚だけど、実際やるときは堂々としているところです。きっと、末澤さんはどんな仕事に対しても何かしら自分の考えを持って臨んでいるのだろうと。そうすることで、謙虚さと堂々とした感じのバランスがとれて、周囲の信頼を得ることに繋がっているのかな、みたいなことを考えていた。(もっかい言うけどこちらの妄想です。日頃の自分への自戒を込めて。)
以上!
THE BOY FROM OZというミュージカルに出会えてよかった!
次はゴッホ勉強する!!(壮大)
THE BOY FROM OZを観に行く~ピーター・アレンって誰?から始めるAぇ担の予習ノート
ひよっこのAぇ担です。6月末に『THE BOY FROM OZ』を観に行きます。
ですが、
「やった!!生で末澤さんの歌が聴ける!(ついでに坂本くんも見られる!←失礼)」というモチベーションだけで行くのはさすがによろしくないだろうということで、
ピーター・アレンって誰??
どんな曲が出てくるん?!
そもそもFROM OZのOZってどこやねん!
みたいな、超基礎の基礎から調べて自分なりにまとめてみました。
ピータ・アレンお詳しい方や、過去のOZを観に行った方にとっては「お前そんなことも知らんのか」レベルのことばかり書かれていると思います。どうか温かい目で見守って頂くとともに、情報に間違いがあった場合にはそっとお知らせください…。
そして、私のようなOZ初心者の方がいたら、ぜひ最後までお付き合いください!
※筆者はミュージカル本編を見ていない状態で執筆していますが、ネタバレを含む可能性があります。
時系列で主要人物との関係性を見ていく
前半(ピーター爆誕からグループ活動まで)
ピーター・アレン(Peter Allen)は、1944年にオーストラリアのニューサウスウェールズ州で生まれました。テンターフィールドという町で、オーストラリアの地図で言うと一番右端!みたいな所です。『THE BOY FROM OZ』の"OZ"とは、オーストラリアのことですね。
ピーターは11歳頃からホテルのラウンジなどでピアノ演奏をするようになり、本格的に音楽のキャリアを始めたのは15歳のとき。シンガー・ギタリストのクリス・ベルと音楽デュオ「アレン・ブラザーズ(The Allen Brothers)」を結成し、オーストラリアで活動を始めました。
アレン・ブラザーズとして楽曲のリリースやテレビ番組への出演、そしてキャバレーやナイトクラブでの演奏などを通じて人気を得ていったようです。日本のクラブをはじめ、韓国や台湾などアジアの国々でツアーなんかもやっていたよう。そこで、ピーターにとって転機となる出会いがありました。
1964年(ピーターは20歳くらい)香港のヒルトンホテルで演奏をしていた際に、ハリウッド女優のジュディ・ガーランド(Judy Garland)とその夫マーク・ヘロンに、音楽の才能を見出されたのです。アレン・ブラザーズはジュディのコンサートの前座として採用され、その過程で活動の拠点を地元のオーストラリアからアメリカへ移していきます。
またジュディは、ピーターを仕事だけでなく娘のパートナーにも選びました。ジュディ・ガーランドの娘=ライザ・ミネリ(Liza Minnelli)をピーターに紹介し、2人は1967年に結婚します。
しかし、2人の結婚生活は長く続かず…。妻のライザはハリウッドで成功していく一方、ピーターの方は仕事に行き詰まるというすれ違いが生じていたうえ、ピーターがゲイだったことが発覚。結婚から3年後には別居をはじめ、1974年に正式に離婚しました。
ライザと別居をはじめたのと同じ頃、アレン・ブラザーズも解散し、ピーターはソロ活動を始めることになります。
仕事もプライベートもどん底のピーターですが、またもや人との出会いによって人生が大きく動きます。
後半(ソロ活動~最後まで)
さてみなさんお待ちかねの(?)人物がやって来ました。ピーターは1972-1973頃に共通の友人を介して、モデルをやっていたグレッグ・コンネル(Gregory Connell)と出会います。場所はピーターが普段から演奏をしていたReno Sweeneyというニューヨークのキャバレーだったそうです(急な遭遇情報感)。
やがて2人は交際を始めると、グレッグはそれまでやっていたモデル業も辞めてピーターのサポートに徹することに。主に照明・演出の担当やツアーマネージャーをしていました(書いてて思ったけどもうほぼ全てのサポートをしていたのでしょうね)。
また、おそらく1970年代に(正確な時期が分からずすみません)敏腕マネージャーのディー・アンソニーとも出会います。彼との出会いにより、ピーターはブロードウェイでのワンマンショーやでっかい箱でのコンサートを成功させていきます。
グレッグやアンソニーと出会った後の、1979年~1981年頃がピーターのキャリアで一番の全盛期だったようです。しかし、1984年。公私ともにピーターのパートナーだったグレッグがエイズ関連の病気によって、34歳の若さで亡くなってしまいます。
グレッグの死後、ピーターはより一層自分の仕事に打ち込んだそうです。新アルバムやミュージカルの制作に心血を注ぎ、1992年に48歳で亡くなるまで生涯現役を続けます。ピーターもまた、エイズ合併症で命を落としました。
本編に出てきそうな曲を紹介
上段までの人物紹介が本稿の肝でして、ここから先はピーターの経歴で特に重要な曲&ミュージカル本編にも登場しそうな曲をメモ程度に書いていきます。
①I Honestly Love You(愛の告白)
1974年8月リリース。ジェフ・バリーとの共作で、女性歌手のオリビア・ニュートン・ジョン*1に提供された曲です。
この曲は1975年の第17回グラミー賞で最優秀レコード賞*2(他)も受賞しました。
Olivia Newton-John - I Honestly Love You - YouTube
②Quiet Please, There's a Lady on Stage
1976年12月リリースのアルバム、"Taught By Experts"に収録。ジュディ・ガーランドが1969年に亡くなり、ピーターが彼女を想って書いた曲だそうです。
Quiet Please, There's A Lady On Stage - YouTube
③I Go to Rio
上のと同じ、"Taught By Experts(1976)"の楽曲。ピーターと言えばこの曲!みたいな、彼のシグニチャーソングで、『THE BOY FROM OZ』のミュージカルでも最後の曲として使われていた(いる?)らしいです。
④Arthur's Theme (Best That You Can Do)/ニューヨーク・シティー・セレナーデ
1981年8月。映画『Arthur(ミスター・アーサー)』の主題歌で、ピーターも共作しています。映画の内容は全く知りませんが、アカデミー賞の最優秀歌曲賞を受賞したとのことです。
Christopher Cross-Arthur's Theme- lyric video - YouTube
⑤Once Before I Go
1983年3月、"Not the Boy Next Door"のアルバムに収録。最後の方の歌詞で、パートナーのグレッグについて歌っているだろう箇所があります。
You are the light that shines on me
You always were and you'll always be
(ざっくり訳:あなたは私を照らす光、今までもこれからも)
ここで末澤担は泣きます。
グレッグがピーターの照明担当だったことから、光という言葉を選んでいるのでしょう。他にも「離れていても、心に君がいると思うだけで強くなれる」みたいな歌詞もあり。個人的にはミュージカル本編で一番見たい楽曲です。
※6/19追記、83年の楽曲なのでグレッグはまだ存命の時ですね(勝手に亡くなった後書いたのかと誤解していた)でもまあエモい曲であるのは間違いなさそうです
色々書きましたが、2003年にアメリカで上演された時のサントラアルバムがありますので、こちらを聞くと効率的に予習できるのかなと思います(最初に言いなされ)
以上です。拙いブログに付き合ってくださり、本当にありがとうございました。
昨日から公演が始まっていますが、全22公演ですか?演者の方もスタッフの方も全員健康で、最後まで走り抜けられることを祈念しております。そして観に行く我々もみんな元気に参加しましょうね!
参考(全て2022/6/19閲覧)
画像の出所
坂本昌行主演「THE BOY FROM OZ supported by JACCS」公式
その他参照したサイト
Peter Allen (musician) - Wikipedia
The Allen Brothers (Australia) - Wikipedia
Tough nut behind the rise of a boy from Oz
Gregory Connell & Peter Allen: elisa_rolle — LiveJournal
70年代最初のゲイ・シンガー ピーター・アレン Peter Allen - Kontaの歓びの毒牙
*1:杏里の楽曲『オリビアを聴きながら』の、あのオリビアです。21/2/20に放送されたテレビ朝日系『あざとくて何が悪いの?』の「あざとカラオケ」のコーナーで、ゲストとして出演していたKing&Princeの髙橋海人が「お父さんの影響で『オリビアを聴きながら』大好きです」と話したことは皆さん記憶に新しいかと思います(超TMI)
*2:グラミー賞の主要4部門:最優秀アルバム賞、最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞(レコード賞はシングル曲の演奏者と制作チームに授与されるのに対し、楽曲賞は作詞・作曲者に授与)、最優秀新人賞 のうちの1つ。洋楽はよく分からないけど、日本でいうレコ大みたいな感じなんですか?