フランス政府奨学金(フランス政府給費留学生)はその名の通り、フランス政府による奨学金。
フランスに留学する人なら誰でも知っているけど、学部生枠(Licence)はネット上にほとんど情報がない。Google, Facebook, Twitter, etc.で調べてヒットしたのは理系枠の方のこのブログのみ。
体験記を1万円近くで販売してる方もいるがそれは流石に…
せっかくなので記憶が新しいうちに自分の体験を公開しておこうと思う。将来この奨学金に応募する人の役に少しでも立てば。
※最新の正確な情報は大使館HPを参照。
自分のプロフィール
留学先:Sciences Po Paris(パリ政治学院)への大学間協定による2学期間の交換留学
出願区分:文系Licence、フランス語
専攻:経済(ただし所属は学際系学部で専門と言えるほどの知識はない)
言語:フランス語はDELF B2、英語は資格なし
経験:留学やインターン、ボランティアなどアピールできるものはなし
資格:国家総合職合格
奨学金の概要
フランス政府による奨学金。内容は次の通り。
- 月額860€の給費
- 往復航空券
- 現地のCampus Franceによるサポート
- CROUSの寮の優先入居
- 大学登録料免除
- 社会保険料免除
- CVEC負担金免除
- Études en France登録料免除
- ビザ申請料免除
特にありがたいのはCROUSの寮に優先入居できること。パリでは普通の留学生は寮に入れず、600€〜800€ほど払って自分で家を契約することが多いようだが、寮に入れれば家賃を半分以下に抑えられる。
これらに加えて、 «Boursier du gouvernement français»です、と自己紹介できるのはそれなりに箔になる(といいな…)。
学部・文系の場合は、対象になる分野は
- 政治学
- 国際関係
- 法学
- 経済学
- 経営・管理学
のみ。ただし、自分は経済学部ではないが経済専攻として採用されたため、所属学部ではなく専門分野がこれらに当てはまっていれば問題ないと思われる。
一次選考(書類審査)
提出書類は以下の通り。
カバーレター
連絡先や出願先などを記入する形式的なもの。
CV(学歴書)
小学校卒業以降の学歴と資格などを記入。形式自由で日本語とフランス語で作成。
⚪︎⚪︎区立××小学校ってどう訳すの?優等で卒業ってなんて書くの??など意外と苦労した記憶。
推薦状
指導教員の推薦状。
枚数制限はないようだけど、自分は指導教員に英語で書いてもらったものを1通提出。
真面目な学生です、経済系科目で高成績取ってます、という内容だったはず。
受入承諾書
出願時には手に入らなかったので、後日提出する旨の理由書(フランス語)を提出。
留学計画書
留学計画について1、2ページ。日本語とフランス語で作成。
この計画書を書くのが一番大変だった。
元給費生の教員と相談し、学部2回生では専門性や実績をアピールするのは難しいことから、
- 留学する上での問題意識と勉強したいこと
- 受け入れ校についてちゃんと知っていること
- 留学計画と整合性のある将来の計画
- 意欲があること
を意識して作成。
成績証明書
直近の大学の成績証明書。
語学力証明書
フランス語の場合はDELF/DALFまたはTCF。
奨学金独自の基準はなく、受け入れ校の語学基準を満たすことが必要。後日提出も認められる(要理由書)。自分はDELF B2で提出。
二次選考(面接試験)
PowerPointを使ったプレゼンと質疑応答。プレゼンは10分程度でスライドは自己紹介1p、留学計画2or3p、志望動機1p。質疑応答は15分程度。
面接官はフランス大使館の外交官2名と、日本人の大学教授だった。フランス語プログラムに応募している場合は全てフランス語で行われる。
スライドは書類審査で提出した留学計画書を話し言葉にリバイズしたものを作った。台本も作り、元給費生の教員とフランス人の教員に添削してもらった。
本番は東京の大使館には行けなかったので、zoomで実施。緊張して早口になり、もう少し内容を減らしてゆっくり発表できるようにしておけばよかったと後悔。
質疑応答は研究内容に関わる質問より、一般的なものが多かった。「学部卒業後は院に行くのか?」「勉強したいことをいろいろ言っているが、それは具体的な研究課題というよりは一般的な問題意識ということか?」「コロナで政府の役割は変化したか?」など。更問はなかった。
院の場合は研究内容に関して突っ込まれると聞くが、学部ではフランス語できちんと留学計画を話すことができ、質問にある程度答えられれば大丈夫なのかな、という印象。