不愛想な鉄仮面が、ガラスの心臓を持つババアを、打ち砕く。
私は、ド田舎村出身なので、高校の時から家を出ている。
その後、下宿、寮、長屋、一軒家、アパート、
マンション、ホームステイ、シェアハウス
と今までに13回も引越をしてきた。
その中で最も辛かったのが
大学に入ってから住んだところだ。
一浪したのに八流大学しか入れなかった私は、
これ以上親の心証を悪くしたくなかったし、
負担もかけたくなかったので、
最も安い物件に飛びついた。
それは古ぼけた二軒長屋で、
前に大家さんの家があった。
田舎から出てきたばかりの私。
いろいろ不安がある中で大家さんを紹介された。
「あ、あどうも」
垢ぬけず、オドオドしている私に
大家さんはニコリもせずに
「汚さないように」
とだけ言った。本当に不愛想だった。
ニコニコ営業スマイルの不動産屋と全く対照的で、
顔の筋肉ひとつ動かさない、
その鉄仮面みたいな様子に、
震えあがってしまった。
この恐れは正しかった。
大家さんの奥さんも鉄仮面。
たまに外で会って、
「あ、あ、おはようございます」
とものすごい勇気を振り絞って、挨拶をしても
「おはよう」
と不機嫌そうに眉間にしわをよせる。
いや、挨拶くらい、
ニコリとしても罰は当たらないでしょう~
一カ月に一度、
大家さんの家に家賃を持っていかねばならなかった。
これが本当に負担だった!
いつも苦虫を潰したような顔をしていた。
そんなに不愉快なら銀行振り込みにしてくれればいいのに。
本当に一カ月に一度のこれが
苦痛で胃潰瘍になりそうだった。
お金を払っているのに、いつも不満そうで
「もっと早く持ってくるように」
とか必ず何かお小言をいうのだ。
この話には、見かけはそうだったが、
本当はいい人だった・・・
というオチはない。
保証人になってくれた叔父に
「男の出入りが激しい」
「うるさい」
とか苦情の電話を数度しやがった
・・・イヤ、なさったのだ。
ただ、サークルの先輩が送ってくれただけなのに!
さらに追い打ちをかけたのは、
隣に住むおばさんだった。
このひとは、木の実ナナにそっくりだった。
見かけもガラガラした声も。
(イヤ、木の実ナナは好きだけどね)
友達と電話をしていると
ドンドンドン!
「うるさいー!」
友達が家に来ると
ドンドンドン!
「うるさいー!」
ともかく、長屋が安普請なのだ!
相手の生活音が丸聞こえ。
もう、それこそ息を殺すように生活していた。
友達には、
「Micchieeは、恐怖の長屋に暮らしている」
「Micchieeの隣には、『怒鳴りこみおばさん』がいる」
と評判になった。
最後には、
私のガラス細工のような心はボロボロになり、
精神を病んだ。
一年契約だったため、
我慢に我慢をして一年住み、
引っ越した。
大嫌い(であろう)な私が引っ越すのだから、
ニッコリ送り出してくれればいいのに
「ちゃんと、きれいにしたか、確認させて」
と最後まで、高圧的で、私は震えあがっていた。
都会って、本当に怖いところだな~。
私はこの経験がトラウマになり、
隣の物音や自分が立てる音に、
ものすごく神経質になってしまった。
その次に引っ越した所の大家さんは、
いっつもニコニコしていて、
万年恵比寿様みたいな人だった。
そして、私の親や叔父に
「こんなに素敵なお嬢さん見たことない」
「うちにお嫁さんに来てもらいたいくらい」
とおべっかのオンパレード!
弟は
「愛想が良すぎる!絶対悪党にちがいない!」
と言っていたが、本当に良心的な人だった。
家賃も格安だったし。
この経験が元で、私は不愛想な人が怖い。
アメリカに来てから、私にとって何が快適って、
アメリカ人というのは、とても愛想がのだ。
みんな、ニコニコしている。
目があうとひとまず、ニコリ。
エレベーターでもバスでもどこでも目があうとニコリ。
本当にほっとする。
やはり笑顔は、人間関係の潤滑油、
明日へのエネルギーですね。
現在の私の感想・・・
日本人もお客様には、とても愛想がよく、丁寧。
また、他人にも親切。
私の経験が特別だったんだろうと思っている。
ただ、内々はどうなんだろう・・・
パワハラとか体育会系のノリとかあるよね。
アメリカは訴訟大国、
他人に理不尽な態度を取ったら、
すぐ訴えられるからね。
私のようなガラスの心臓は、
アメリカに住む方が合っていたのかも。
禁断の箱ついに開く!第二弾!はじめて飲んだお酒とそれから・・・
「Super bad」という映画を見た。
高校生がパーティーのためにフェイクID を使って
お酒を手に入れるというコメディーだ。
アメリカでは、22歳以上でないとお酒が買えない
(州による)
21歳以下にお酒を売ってしまうと、罰を受けるので、
売る側は、IDの提示を求めるのだ。
私がアメリカに来て、驚いたことのひとつに
この「21歳以下は禁酒」の厳しさがある。
お酒を買うにもバーで飲むにも、
若く見える人には、(ここ大事)
必ず、IDの提示を求めるのだ。
この私でさえ、アメリカに来たばかりの頃は、
「すみません、ID見せて」
と言われたものだ!
「えー♡ 私、もうオバサンなんですよー♡」
「もしかして、21歳以下に見えちゃったの~♡えへ♡」
なんて、喜んだもんだ!
最近じゃ、そんなこと、とんと無くなったけどね
(現在の私;今じゃ、シニア料金、紹介されているわ!)
それは、ともかく・・・
日本だったら、こんなことはない!
(注意;この文章を書いたのは、20年近く前です)
一応、「お酒は20歳から」と注意書きはされているが、
こんなもん、守っているヤツいるのか?
自動販売機は、そこら中にあるし・・・
ちなみに・・・
多くの外国人が自動販売機にカルチャーショックを受ける。
治安の良さの象徴なのだそうだ。
どこにでもあり、何でも売ってくれる自動販売機。
エロ本すらあるしね・・・
話を戻して・・・
日本では、ほとんどの人が、大学や会社の
新歓パーティーで、お酒を飲むことを覚えると思う。
つまり18歳だ。
私の場合も18歳、浪人中に初めてお酒を飲んだ。
何かとストレスがたまる浪人生活。
持ち込み禁止!のカラオケボックスに
大量のお菓子やビールをポケットや服の下に隠して、
「デブなんでーす」(本当にそうだが)
という振り?をして、持ち込んでいた私達・・・
店側も気付かなったのか、
私達が8時間!もいるお得意様だから言わなかったのか、
それはわからない。
ただ、そんな浪人生活を送っていたのだから、
のちにロクな大学に受からなかったのだけは、確かだ。
浪人中、私は、寮に住んでいた。
ある日、そこに友達が集まって、飲み会をすることになった。
皆18歳だったが、お酒を手に入れることなんて楽勝!で
だーれも年なんて聞いてこなかった。
私は、その日は朝から胃が痛かったが、
今日は、みんなが集まる、
たまにある(本当か!)飲み会だ。
盛り下げたくない、と思い
胃薬を飲みながら、お酒を飲んだ。
次の日・・・
私は激しい胃痛に襲わてしまう。
もうこの世の終わりかと思われるほどの大激痛!
病院に行くと
「急性胃炎」
とのこと。
病院について行ってくれた寮母さんは、
「かわいそうに・・・浪人生活でストレスがたまったのね」
と私にたいそう同情してくれた。
酒を飲んだからとは、口が裂けても言えなかった。
胃痛には、波があって、少し楽な時と大激痛の時がある。
その少し楽な時に病院からもらってきた薬を飲む。
だが、大激痛の波がくると、もうダメ・・・
全て吐き出してしまう。
もう、このまま胃も吐き出してしまうんじゃないか!
というくらい。
泣きながら
「神様、ごめんなさい」
「ゆるしてください」
「助けてください」
と祈った。
お尻に痛み止めを打ったり、点滴をしたりして、
10日ほどの地獄を苦しみを経た後、
私の胃炎は治った。
しかし・・・
この18歳の「若気の至り」のせいで
「慢性胃炎」になってしまい、
ずーと胃痛に悩ませられる人生になってしまった。
暴飲暴食をしたり、
ストレスを感じたり、
旅行に行ったり
すると、思い出したように「胃痛」が襲ってくるのだ。
これは誰のせいだ!?
アメリカに来て、わかった。
あの時、18歳の私達にお酒を売った人達だ!
IDの提示を求めなかった人達のせいだ!
簡単に未成年にお酒を売る、
社会が、政治が、世の中が、
地球が、太陽系が、銀河系が、宇宙が、
悪いんだ!
私は断じて悪くなーい!
現在の私の感想・・・
今の私がこんなになってしまったのは誰のせいだ!?
社会が、政治が、世の中が、
地球が、太陽系が、銀河系が、宇宙が、
悪いんだ!
私は断じて悪くなーい!
ごめんなさい。
人形でいるのも悪くないな・・・
装甲車と武装警官、我が家が包囲される!
今週のお題「人生最大の危機」
ある日の午後、
私と夫は、用事があり家を出た。
その頃住んでいた家は、大通りの反対側に面しており、
私たちはいつも舗装されていない小道を使っていた。
連日続いた雨のせいで、小道のいたるところに水たまりができていた。
空は曇っていて、水たまりにぽつぽと雨のしずくが落ちているのが見えた。
いつもと同じ光景・・・
では、なかった!
向かいの家の塀に誰かがいる。
こちらからは、丸見えだが、どうやら隠れているようだ。
よく見ると・・・
それは、女性警官だった。
女性警官が私たちに気が付くと、
「今、この小道は封鎖されている。使うことはできない」
という。
「そうか、これから、この穴ぼこだらけの小道をなおすのだな」
「こんな穴だらけ、水たまりだらけじゃ、車が通れないもんな」
と私は考えていた。
夫は、
「自分たちは予約があるから、出かけなくてはならない」
と女性警察官に説明しだした。
その時、
今度は、武装した男性警察官がこっちに向かって、走ってきた。
手には、長い銃を抱えている。
「えっ、何事!」
さらに続々と、ヘルメットをかぶり、防弾服に身を包み、
銃を抱えた警官がやってくる。
もう、ここから出られない。
私たちは、家の中へ引き返した。
どうやら、我が家より2軒先の家を包囲したいらしい。
さらに何台ものパトカーがやってきて、
我が家を含めて、近所一体を取り囲む。
もう用事どころではない。
キャンセルだ。夫は、
「家の周りを包囲されたから、外へ出られません」
と相手に伝えている。相手は、ただ、
「えっ!はっ?」
と驚いている。
そうこうしている内に、事態は、おおげさになっていく。
キャタピラー付きの装甲車?がやってきた。
小さい戦車みたいに完全に防弾されていて、
黒くて、窓が異常に小さい。
砲台は、なかった。
始めて見た、あんな車・・・
あっ、写真撮らなくちゃ!
しかし、家の中からだと、うまく撮れない。
そのうち、大きな盾を持った武装団がやってきた。
あ、こういうのテレビで見たことある!
テンションがあがる私。
盾には、顔の高さのあたりに穴が開いていて、そこから銃を出していた。
そして、犯人を威嚇でもしているのだろうか、
集団で蟹のように、右へ左へと移動している。
リズミカルにザッザッと動く音が聞こえる。
ワクワク
そして、スピーカーが鳴り出した。
どうやら、強盗が逃げてきて、その家の立てこもっているらしい。
言っていることは聞き取れないが
「お前は包囲されている」っていうやつだと思う。
「浅野山荘事件みたいじゃないか!」
(知らないけど)
しかしどうも迫力にかける。
駅の案内放送みたいだ
おい、もっと気合いれろ!
その私の願いがかなったのか、
ドカンと爆発音!
警官が、犯人威嚇のために、大きな音のする手榴弾?を投げたのだ。
あたりに煙がたちこめる。
わーキタ、キタ、キター!
「流れ玉にでも当たったら、かなわないなぁ」
と言いながら、
電気釜のおかまをかぶり、
フライパンをベルトで、胸元の固定!
もう、すっかりお祭り気分!
ワク、ワク、ワクー
そうこうしているうちに、最初に女性警官を見てから2時間経過・・・
駅内放送以外、あまり動きがない・・・
つまんない・・・
と、思っていると、装甲車が例の家の庭に侵入!
装甲車の後ろには、警察官がびっしり、張り付いている。
・・・結果は最悪のものとなってしまった・・・
私の心配が的中してしまった・・・
そう、流れ玉に当たってしまったのです。
なんてウソー!
何が起こったか、はっきりわからないまま、
装甲車も警官も帰ってしまったのです。
私の家の窓から見えないところで犯人が捕獲されたらしい。
そりゃ、ないよー!
こんな幕切れひどいじゃないか!がっかり!
それにしても、イヤー、アメリカって、
ほんっとうに怖いところですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ (淀川長治)
現在の私の感想・・・
「浅間山荘事件」とか「淀川長治」とか
古すぎるだろ!
私は遺跡か!埴輪か!土偶か!(あっ、土偶だった)
禁断の箱ついに開く!ババアにもあった青春時代の甘酸っぱい思い出
「Super bad」という映画を見た。
高校生がパーティーのためにフェイクID を使って、
お酒を手に入れるというコメディーだ。
アメリカでは、22歳以上でないとお酒が買えない
(州による)
21歳以下にお酒を売ってしまうと罰を受けるので、
売る側は、IDの提示を求めるのだ。
こういうアメリカの高校生モノを見るたびに
自分が送った牧歌的な高校生活との違いに驚く。
映画で見られるアメリカのティーンエイジャーの生活って
リアルなのだろうか?
ホラー映画と同じくらいフィクションの世界じゃないの?
私は、ウン十年前、田舎の高校生で、伯母の家に下宿していた。
そこから、毎日自転車で、高校まで通っていた。
スカート丈は、膝下くらいだった。
制服のミニスカートが流行るのは、ずっと後のことだ。
本当にこのミニスカ時代に生まれていなくてよかった。
丸太のような太ももを晒すなんて、
「公然侮辱罪」で捕まっていたよ。
寒い日には、スカートの下にモモ丈のババガードルを穿いていた。
このガードルは、いつも股ずれで、穴が開いていた。
自転車での行きかえり、いつも
もし、ここで交通事故に遭い、
救急車で運ばれることでもあったら、
あのガードルが公衆の面前にさらされる。
それだけは避けなければ!
生きていけない・・・
と思っていた。
田舎の高校であってもカップル(死語)はいた。
彼らは付き合うようになると、
一緒に登下校をするのだ♡
時には、自転車の二人乗り(キャッ♡)
なんかしちゃう。
もしかしたら、陰では、キス(イヤーん♡)
なんかもしていたかもしれない。
でもそれ以上のことは考えられなった。
私は、もちろん、彼氏なんかいなかった。
(こう、言い切ってしまうのが悲しいのだが・・・)
男子には、人一倍、興味があった!
でも
男子には、人一倍、興味を持たれなかった・・・
でもそれ程は悲しくなった(本当か?)
なぜなら、クラスメートのほとんどに
恋人なんかいなかったからだ。
男女共学のクラスで、
皆でただワイワイやるのが楽しかった。
文化祭の後、うどん屋さんのお座敷を借り切って、
打ち上げをした。
「うどん」と「ジュース」での打ち上げは、
私たちにとって一番のイベントだった。
ジュースでイッキをしたりして、
ものすごく盛り上がった。
ジュースしか飲んでいないのに
(うどんは食べたけど)
みんな、ものすごいハイになり、
日頃は、シャイな男女の距離が一気に縮まった。
お開きになり、「帰ろう」ということになった時、
恥ずかしがり屋の男子が
「後ろに乗りなよ、送っていくよ」
と言い出し、同じく恥ずかしがり屋の女子が
「ありがとう」
と荷台に照れながら座る。
そんな光景があちこちで始まった。
そのうちに、余っていた私にも
「Micchiee、後ろに座りなよ」
と言ってくれる男子が現れた。
いつも私に憎まれ口をたたくヤツだ。
「えーいいのー」
なんて言いながら、私も彼の自転車の荷台に座った。
その瞬間、その自転車の後輪がおもいきりへっこんだ。
~ぷす~
見なかったことにした。
「じゃ、腰に捕まりなよ」
「うん♡」
私たちは、他の自転車カップルを追いかけた。
夕日に向かう数台の二人乗り自転車。
私たちは、青春の真っただ中にいた。
・・・が・・・
5分もすると前にいる彼が息切れを始めた
「ハッハッハー」
そして、ついに彼は申し訳なさそうに
「Micchiee、ごめん。降りて」
え~~~
結局、私一人走って、
前を行く二人乗り自転車達を
追いかけるハメになってしまった。
ロマンチックで♡♡♡だった
二人乗りのクラスメートたちも
「Micchieeがんばれー」
といつものクラス状態。
イヤ~、これも今思えば、
青春時代の甘酸っぱい思い出ですな・・・
わけないだろうー!
ばかやろうー!
現在の私の感想・・・
いいね、青春って・・・
わけないだろー!
ばかやろうー!
どこかにMicchieeと二人乗りをしてあげよう・・・
という勇者はいるかー!?
えっ、違法・・・ごめんなさい。
武装警官と装甲車、我が家が取り囲まれた!
ある日の午後、
私と夫は、用事があり家を出た。
その頃住んでいた家は、大通りの反対側に面しており、
私たちはいつも舗装されていない小道を使っていた。
連日続いた雨のせいで、小道のいたるところに水たまりができていた。
空は曇っていて、水たまりにぽつぽと雨のしずくが落ちているのが見えた。
いつもと同じ光景・・・
では、なかった!
向かいの家の塀に誰かがいる。
こちらからは、丸見えだが、どうやら隠れているようだ。
よく見ると・・・
それは、女性警官だった。
女性警官が私たちに気が付くと、
「今、この小道は封鎖されている。使うことはできない」
という。
「そうか、これから、この穴ぼこだらけの小道をなおすのだな」
「こんな穴だらけ、水たまりだらけじゃ、車が通れないもんな」
と私は考えていた。
夫は、
「自分たちは予約があるから、出かけなくてはならない」
と女性警察官に説明しだした。
その時、
今度は、武装した男性警察官がこっちに向かって、走ってきた。
手には、長い銃を抱えている。
「えっ、何事!」
さらに続々と、ヘルメットをかぶり、防弾服に身を包み、
銃を抱えた警官がやってくる。
もう、ここから出られない。
私たちは、家の中へ引き返した。
どうやら、我が家より2軒先の家を包囲したいらしい。
さらに何台ものパトカーがやってきて、
我が家を含めて、近所一体を取り囲む。
もう用事どころではない。
キャンセルだ。夫は、
「家の周りを包囲されたから、外へ出られません」
と相手に伝えている。相手は、ただ、
「えっ!はっ?」
と驚いている。
そうこうしている内に、事態は、おおげさになっていく。
キャタピラー付きの装甲車?がやってきた。
小さい戦車みたいに完全に防弾されていて、
黒くて、窓が異常に小さい。
砲台は、なかった。
始めて見た、あんな車・・・
あっ、写真撮らなくちゃ!
しかし、家の中からだと、うまく撮れない。
そのうち、大きな盾を持った武装団がやってきた。
あ、こういうのテレビで見たことある!
テンションがあがる私。
盾には、顔の高さのあたりに穴が開いていて、そこから銃を出していた。
そして、犯人を威嚇でもしているのだろうか、
集団で蟹のように、右へ左へと移動している。
リズミカルにザッザッと動く音が聞こえる。
ワクワク
そして、スピーカーが鳴り出した。
どうやら、強盗が逃げてきて、その家の立てこもっているらしい。
言っていることは聞き取れないが
「お前は包囲されている」っていうやつだと思う。
「浅野山荘事件みたいじゃないか!」
(知らないけど)
しかしどうも迫力にかける。
駅の案内放送みたいだ
おい、もっと気合いれろ!
その私の願いがかなったのか、
ドカンと爆発音!
警官が、犯人威嚇のために、大きな音のする手榴弾?を投げたのだ。
あたりに煙がたちこめる。
わーキタ、キタ、キター!
「流れ玉にでも当たったら、かなわないなぁ」
と言いながら、
電気釜のおかまをかぶり、
フライパンをベルトで、胸元の固定!
もう、すっかりお祭り気分!
ワク、ワク、ワクー
そうこうしているうちに、最初に女性警官を見てから2時間経過・・・
駅内放送以外、あまり動きがない・・・
つまんない・・・
と、思っていると、装甲車が例の家の庭に侵入!
装甲車の後ろには、警察官がびっしり、張り付いている。
・・・結果は最悪のものとなってしまった・・・
私の心配が的中してしまった・・・
そう、流れ玉に当たってしまったのです。
なんてウソー!
何が起こったか、はっきりわからないまま、
装甲車も警官も帰ってしまったのです。
私の家の窓から見えないところで犯人が捕獲されたらしい。
そりゃ、ないよー!
こんな幕切れひどいじゃないか!がっかり!
それにしても、イヤー、アメリカって、
ほんっとうに怖いところですね。
サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ (淀川長治)
現在の私の感想・・・
「浅間山荘事件」とか「淀川長治」とか
古すぎるだろ!
私は遺跡か!埴輪か!土偶か!(あっ、土偶だった)
ハゲていっているんじゃない!
ハゲしくなっていっているんだ!
デブスがもっとも恐怖する季節・・・それが「ナツ、ナツ・・・ここ、アッツ!」
イヤー、暑い夏がやってきましたね。
街を歩くと、人々の露出された手足が眩しいです。
そして、私は・・・
この季節が大きらいだー!
それまで、厚いコートの下で大事に大事に隠してきた
肉の断層を
白日の下に晒さなければならないなんて!
特に今年は、悲惨!(って毎年、言っているが)
夫が私の隣を歩きません。
遠く、遠ーくで、他人のふりしています。
でもそれも仕方ない。
私もショウウィンドウに映る自分の姿を見て、絶叫してしまうもの。
腹も尻も、どれだけねかしておいたんだ!
っていうくらいの膨らみよう。
膨らみに膨らんで、もう、爆発寸前!
お願い、誰か、爆発処理班呼んで!
お願い!早く、撤去して!
「鏡よ、鏡よ、鏡さん。この世で一番、暑苦しい女は、だあれ?」
「それは・・・お前じゃー!」
あ~ん、ごめんなさい。
体も顔もまんまるで、それにやたら短い手足がついている。
その姿は、まるで・・・
雪だるま!
あれー、こう言うと、なんだか可愛くて、涼しい感じじゃーん。
(な、わけないか・・・)
イヤ、気分を暗くするのは、体型のせいだけじゃない。
髪の毛だ。
とうと清水の舞台から降りるつもりで、
美容院に行ってきた。
美容院については下記に
私は、
「肩の下まで」
って言ったのに、ものすごく短くされてしまった。
実は、この美容院では、過去2回切ってもらったことがある。
2回とも、写真を見せ
「こんな具合に」
と言ったのに、全然ちがーう!
写真ではロングなのに、必ずショートにされてしまう。
世の中には、色盲というものがあるが、
この人は、長髪盲なのか!
(説明しておこう;「長髪盲」とは、
髪の毛の長さが、他の人とは違うふうに見えてしまう、
目の障害なのだ)
ショートな上に、ものすごく段?を入れられてしまう。
うん、気持ちはわかる。
「この厚くて、長い髪、うぜー!」
って切ってしまうんだよね。
でも私のように剛毛&超クセ毛は、段を入れると、広がるんだよねー。
彼女は、いつもロクロク私の髪の毛を乾かさないから、
乾いた私の髪の状態を知らないのだろうけど・・・
篠山紀信!になるんだよ!
そう、「芸術は爆発だー!」だよ!
(それは、岡本太郎)
「なぜ、そんな美容院に3回も行くのか?」
グット、クエスチョン!(いい質問です)
これも私の大の美容院嫌いのせい。
予約をしなくても、待ち時間ゼロ!
シャンプーもなく、ドライヤーもおざなり。
無口で、絶対、話しかけてこない。
この簡単さ、素早さ、そして安さは、私にとって魅力なのです。
こんな私に美の道は遠い。
今、私は分厚いド近眼の眼鏡をかけている。
これでトイレに行ったら、
鏡に大木凡人が!デブの大木凡人!
厚苦しすぎるー!
大木凡人で、夏を過ごさなくちゃならないなんて!
人生、過酷すぎるでしょ!
夏なんてやってこなきゃいいのに!
大寒波がやってきて、
地球が氷河に覆われ、
永遠に冬眠していたい。
現在の私の感想・・・
前回に続き、容姿の話・・・
自意識過剰でしょうが!
人は、私のことなんか
そのへんにいるイボイノシシくらいにしか思ってねぇよ。
(イボイノシシはそのへんには、いねぇよ!)
「面白かったかも?」とおもってくださったら、
ポチと押してくださると大変うれしいです。
コミュ障にとって、拷問なの、美容院は。爆発頭と呼ばないで。
髪がすごいことになっている。
私の髪は・・・
- 量が多く、
- 硬く、
- 癖がものすごい。
そして、最近では、白髪が大発生!
落ち武者を通りこして、山姥の領域に達している。
子供の頃から、自分の髪が嫌いだった。
小学校の頃は、恐怖の「お母さん床屋」
「あれー、右の方が長いなぁ。」
「今度が左の方が長くなっちゃったぁ。」
と言いながら、絶望の「ワカメちゃんカット」にされるのだ。
うなじは、カミソリで、剃る。
もう、じょりじょり・・・
「ホモ田ホモ男」のあごのような、うなじをした女の子。
う~寒気がする!
中学校の頃は、
「男子は坊主、女子は肩まで」
という校則だった。
いったい、戦後何年たっていると思っているんだよ!
私は、上記のような髪質なので、
そのころ、一般的だった「段カット」にすると
もう、広がる、広がる。
まるで、ボンバーマンのよう。
感じやすいお年頃なのに、
「顔でか」
「ヘルメット」
などと呼ばれて、過ごさねばならなかった。
大学時代に、たったの一回だけ
合コンであった、男の子に
「顔が小さいね」
と言われ、それはアルマゲドン級の感動だった。
私は、所謂、「梅宮辰夫」系の顔。
顔のパーツが中央に寄っていて、
サイドが広大なのである。
そのエラの面積の広いこと、広いこと。
サハラ砂漠のようである。(行ったことないけど)
そんな顔に大量の髪がうねりをあげている、
そんなメドゥーサ辰夫なのに、「顔が小さい」とは。
彼は、酔っていただろうが、
今だに、その時の嬉しさを胸に抱いている、けなげな私なのである。
成人してからは、ロングにしている。
それは,
- 広大なエラを隠すため、
- ヘルメットにならないため、
- そして、美容院が大嫌い!なためである。
学生時代、お金がないため
「カットデー(千円)」
みたいなのを、よく利用した。
切るのも乾かすのも、人一倍時間がかかる私の髪は、
本当に嫌がられた。
後ろでため息をつかれたり・・・
舌打ちをされたり・・・
そりぁ、千円で、こんな原始人みたいな髪を切るなんて、
やってられないよな・・・ごめんね。
「こんな感じにしてください」
と雑誌を見せたのに、出来上がりは、全然違う。
「お客さんとモデルは、髪質が違うから」
(まぁ、違うのは、髪質だけじゃないけどね)
美容師の心が読める私。
こうやって、「常盤貴子ヘア」を望んだ、ジャイ子の出来上がり。
しかし、ジャイ子でもよい。(よいのか?)
私が一番嫌いなのは、
美容師との会話だ!
自分の大学にコンプレックスを持っていた私。
「どこの大学?」
と聞かれるのが嫌だった。
「〇〇〇大学」って答えても
・・・知らねー! ってなるから。
いつもの、美容室での会話
「学生さん?」
「・・・ハイ」
「大学生?」
「・・・ハイ」
「東京なの?」
「・・・ハイ」
「東京のどこ?」
「・・・大宮」
・・・埼玉やんけー!
こんなんで、美容院が大嫌いな私。
ある時、見かねた母が、一緒に美容院に来てくれた。
私が美容師さんの前に座ったとたん、
「この子、美容師さんとの会話が苦手なんだって。」
「だから、あまり話かけないであげてね♡」
母ちゃん、ど直球!
もう、人生で最高に気まずい、ヘアカットになった。
アメリカに来てからも、
「あー量が多い。本当に多い。」
とうんざりを超えて、困惑させてしまった。
日頃扱っているサラサラ髪と違いすぎたのだろう。
だから、アジア人の経営している美容院に行くようにしている。
まだ、慣れているだろうから。
あ~~、それにしても、美容師と密着する、
あの空間が嫌なんだよな~
どんどん、髪が増長していく・・・
あ、あれ、今消えているテレビに貞子が!!!!
って私だった。
イヤ、笑えないから。
現在の私の感想・・・
今も美容院きらい。
年に一回くらいしか行かない。
しかも、15分で切ってくれる、超テキトーにやってくれる所。
鏡の中は、いつもホラー。
「泣ぐ子は、いねーか」って、言いたくなる。
(「なまはげ」みたいって、ことね・・・説明ダサ)
「面白かったかも?」と思ってくださったら、
ポチと押してくださると大変うれしく思います。