秦野・伊勢原、そして丹沢の山々

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曾屋神社(秦野市)の誰もいない夏詣

夏詣という風習

曽屋神社 夏詣

数年前から行われている夏詣(なつもうで)。

年が明けてお正月の初詣があり、それではと、1年の折り返しに企画されたのが夏詣です。2014年に浅草神社で最初に行われたそうで、まだ8年ほど。認知度はまだ低いようです。

7月1日から1週間ほどの行事ですので、すでにその期間もとうに過ぎ、それでものれんなどは今でも飾られていて、湿った風の向こうで、少し寂しそうに揺れています。

誰もいない境内は、気ままに気兼ねなく参拝することができます。

ただ、不思議なことに、誰もいないのに、少しだけ気配だけは感じるのです。

正確には、感じるような気がする、ということでしょうか。神社というのは、そういうものなのでしょうか。

神々の反省会

曽屋神社

曽屋神社

ここ曾屋神社に祀られている御祭神は、イザナミノミコトほか6神です。多くの神社は複数の御祭神をお祀りしていますが、七柱というのはちょっと多いような気がします。う〜ん、どうなんでしょう。

なるほど、神様がたくさんいらっしゃる。そして、夏詣も終わり、反省会でもしようと、それぞれの部下を参集してお集まりになっていらっしゃる、のかもしれない。

だから、安らかで不思議な気配がする。

わからないけど、そういうことにしておきます。

 

曽屋神社 狛犬

神社は結界で守られています。そして、この場所では、想像の中で神話の世界に近づくことができるのです。

だから、

目を瞑れば、夏詣に来られたたくさんの神々の、静かな賑わいが聴こえてくるのです。

 

SIGMA DP2 merrill を購入しました

昨年(2020年)の11月に、シグマのフォビオンセンサー DP2 merrill を購入しました。ひとつ前の世代の機種なのですが、フォビオンは難しいという話を聞いていたので、お試しでこのカメラにしてみました。

SIGMA DP2 merrill

2か月ほど使ってみたのですが、果たして私の手に負えるカメラなのだろうかと、少し心配になってしまいました。

撮影するたびに、手にするたびに、怖いカメラとなっていきます。

オリンパスのE-P5 はふざけて撮っても、どこか許してくれそうな、良い意味でユルさのあるカメラなのですが、メリルは、変なことしたら怒られそうな、真面目なカメラなのです。

といっても、写真機なのですから、シャッターを押せば写る訳で、難しいことは後で考えようと、闇雲にとってみたりしています。

SIGMA DP2 merrill で撮ってみました

SIGMA DP2 merrillで撮影

フォビオンの繊細な描写を目指しているのですが、なかなかうまくいきません。試行錯誤が続きます。

 

SIGMA DP2 merrillで撮影

私は、時々森に行きます。

谷戸に降りると、周囲は木や草が密生し、自然の色と匂いに包まれます。

湿度の高い普段とは違う空気が、森の奥から漂ってきます。

フォビオンの眼差しは、枯れた葉の、そのリズミカルな旋律を、少し遠慮がちに映し撮ってくれます。

SIGMA DP2 merrillで撮影

フォビオンセンサーのカメラを持つと、多くの人が、植物を撮りたくなるそうです。

どうしてそうなってしまうのでしょう。

それは、言ってみれば、通過儀礼のようなものなのです。カメラが、植物の葉脈を求めているのかもしれません。

PENにPENのレンズをつけてみました

E-P5にPEN Dのレンズを付けてみました

E-P5 & PEN Dレンズ

 

フィルムカメラオリンパスPEN Dから取り外したレンズを改造して、PEN E-P5に付けてみました。改造と言っても、知識も技術も無い自分ですから、引き出しに転がっていたCレンズ・マウントアダプターにペタポンとボンドで貼り付けただけです。

まるで小学生の工作程度ですので、解像感や色味やコントラストや、とにかく、あれやこれやのレンズ性能などは、最初から考えていません。

なんか写ってればそれで良し、なのです。

 

E-P5 & PEN Dレンズ

 

そもそも、取り外したレンズ自体が見るも無残な状態です。行き当たりばったりに、カメラから引きちぎったようなもので、絞りも、ピントリングも接着してしまってます。

知識が無いから仕方がない、という自己都合を武器に、何でも有りの改造計画を、果敢に推し進めた無残な結果が、目の前に在るのです。

 

PEN Dレンズ

 

ピント調節もできない、完全無欠のマニュアル撮影

絞りが開放で固着していますので、いつもニコニコ開放撮影会となります。

さらに、元が単焦点レンズですから、ピント調整ができないということは、撮影できる距離は一点集中なのです。ちなみに、このレンズは約30センチの近接撮影専用レンズとなってしまいました。カメラを前後させて、被写体との距離を調整してピントを合わせるという、例のマクロ撮影必殺技を使わざるを得ません。

 

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フィルム機に付いていたレンズですから、撮れた絵は、どことなくフィルム調のように見えてしまいます。しまりのない低コントラストと控えめな色彩だからでしょうか。

でも、いいんです。くっきり、はっきり、の写真だったら、ちゃんとしたレンズを使えば良いのですから。

 

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「なんか写ってれば」、という当初の目標は無事に達成でき、私としては、あれだけ乱雑な工作で、これだけ写せたのだから上々ではないのか、などと、ひとり鼻息を荒くしてしまったりするわけなのです。

そして、このレンズで、遠くの空を撮ると、こういう絵になり、ぼんやり写真もたまには良いかもしれないなどと、変なことを考えてしまうのです。

 

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ガラスに閉じ込められた世界

気付きにくい景色が、そこにありました。

私が以前使っていたのは、富士フイルムのX-E3で、テーマというほど大げさではないのですが、主に窓ガラスに映る景色を撮っていました。ガラスの向こうにあるものと、映り込んだ様々なものが織りなす風景の不思議さに、ちょっとはまってしまいました。

ただし、私の腕では量産はできませんでした。最初のうちは、半日ほど街に出ても、納得のいく写真は2〜3枚撮れれば良い方でした。情けない限りです。

それでも、何度か撮影を繰り返すうちに、なぜ撮れないのかが、なんとなくわかってきました。

これは、言葉ではなかなか説明しにくいし、説明すればするほど、違う方向に行ってしまうような気がします。それでも、誤解を恐れずに言うと、このような事なのかと考えています。

「人の脳は、ガラスへの映り込みを、見えないようにしてしまうらしい。」

意識のセレクト機能のようなもので、不都合なものや、余分な情報は、除去してしまうという事です。

つまり、映り込みを意識して見ようとすれば、隠された風景は、目の前に広がってくるという、至極簡単な事だったのです。

その事に気付き、それではと、意気込んで出かけたのですが、今度は、良い感じの映り込み風景に出会えませんでした。課題は次々に立ちはだかってきます。

反復は課題解決への道筋となり、自分なりのちょっとしたコツみたいなものがわかってきたような気がします。気がする、というのは確信ではないということで、まだ、暗中模索です。

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私のインスタグラム

これらの映り込み写真などは、インスタグラムに投稿しています。映り込み写真をメインとしたSNSです。

もちろん、こういったガラスへの映り込み写真は、珍しい表現方法ではありません。雑誌や書籍、ネットでも、たまに見かけます。私がやりたいのは、ありふれた表現でも、もう一歩深く探ってみたい、ということです。

私のインスタグラムで、写真と共につぶやいたことのいくつかを、ここに再記してみます。

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・ガラスに閉じ込められた景色は、振り向けばそこにあるのに、まるで、もうひとつの世界のようです。

・映り込み写真は、撮りたい被写体が見える形でそこにあるのではなく、謎解きゲームのように、隠されたカードを見つけ出す行為なのです。

・端境には、見えざる「ゆらぎ」があり、彼岸と此岸を行き来しているように感じるのです。

・ガラスの向こうと、そして、こちら側。視神経が震えてきます。

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instagram id:miraizmix

生活文化建造物遺産をオリンパスペンで記録する

夕暮れ間近のこの時間

カメラを富士フイルムからオリンパスに変えたので、試し撮りをすべく、あの場所に行ってみました。あの場所と言っても、何も特別なところではありません。米軍の管理下(多分)の小さい農地です。

そこに、ビニールハウス(らしきもの?)があり、見ようによっては、怪しい佇まいをしているのです。

陽が少し傾き始めた時間、それでもまだ残っている強い光が、小屋の陰の部分に、徐々に闇を作っていきます。

マジックアワーまでには、まだ間がありますが、私は、ドラマチックなこの時間が好きです。

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こういう被写体は、うかうかしていると突然撤去されたりしてしまうので、油断がなりません。撮れる時に撮っておく。これ、日常記録写真の基本です。

古いアパートや団地や給水塔や工場や倉庫などなど、当たり前すぎて見過ごしそうになる、あれやこれやの生活文化建造物遺産を、それが存在している間に、記録しておくべきだと思うわけです。

生活文化建造物遺産などと、大げさな言い方になってしまいましたが、気持ちのどこかに、権威主義が居座ってしまっているのでしょうか。まあ、「日本路地裏学会」とか「偽ライカ同盟」などの言葉を安易にリスペクトしたということです。

何れにしても、概念はカメラに宿ります。オリンパスペンは、自分の生活範囲内にある日常風景を残しておきたくなる、そんな気持ちにさせるカメラのような気がするのです。

カメラとの距離感を考えてみました

寒桜と雀、E-P5で雰囲気を写しました。

近所にかなり広い市民農園があり、その通路脇に寒桜が咲いていました。今年は暖冬だったので、すでに散り始めています。花蜜を求めて小鳥たちが集まってきます。この日はスズメがたくさんいました。

カメラはE-P5、レンズは14-42mmです。とても野鳥写真を撮れる装備ではないので、スズメをアップで撮ることはできません。

雰囲気写真です。寒桜の枝ぶりや、やわらかな2月の空をバックに、羽毛を膨らませたスズメが撮れていれば良しとします。

ゆる鉄ならぬ、ゆる野鳥、みたいな・・。

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14-42mmのパンケーキレンズは、ゆるーく撮るのが粋というものです。ピント至上主義的野鳥写真を、このレンズに求めても、すぐに玉砕してしまいます。

こんな、ちょい古のカメラとお手軽レンズですから、ちゃんと撮れない理由を、カメラとレンズのせいにできます。これは、精神安定上、大切なポイントで、万年初心者である私の、ストレスを軽減させる生活術なのです。

もし、最新鋭の装備を設えたカメラであったら、これはもう、全ての結果を、自分の責任としなければなりません。そんな障壁を乗り越えてこそ、正しいカメラ人類の資格があるとしたら、そんな苦行は他の人にお任せします。私はコソコソと、ごめんなさいね、などとつぶやきながら、楽なカメラ人生を歩きたい。まあ、そんな感じでしょうか。

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ほらね、だから、こんな写真を投稿しても、カメラが古いから、レンズが貧弱だから、などと言い訳してしまうのです。

でも、それは対外的な建前であって、本当は、こんなダメダメ写真が好きなんですね。

ナショナルジオグラフィックに掲載されるようなピントバッチリ写真も良いけど、こんな脱力系写真だって、いいじゃん。なんて思うのであります。

カメラ難民となった私が買った機種は・・

帰るべき場所がありました

数年前にオリンパスE-P1を買い、その後Pen-FやE-M10を使ってきたのですが、今思えばどういう理由だったのか定かではないのですが、富士フイルムのカメラに買い替えたのです。

購入したのは富士フイルムのX-E3です。この機種は、シリーズの中ではエントリー機なのですが、サイズ感と必要最小限の機能が使いやすく、お気に入りの一台となりました。

カメラのスペックに多くを求めていない私としては、もう、このカメラがあれば、それで充分だったのです。

ところが、2020年2月の、富士フイルムによる例のお騒がせPVによって、愛機X-E3を手放すことにしたのです。えーと、長くなってしまうので、どんな内容のPVだったかは、ここでは書きません。

そして、カメラ難民となってしまった私の背後からささやきかけてきたのは、かつての戦友であったオリンパスペンだったのです。

今や、オリンパスといえばOM-Dで、ハイエンドだったらE-M1X、エントリー機だったらE-M10なのでしょうね。でもね、ここはやっぱりPenにしようと・・

それも、ディスコンになった、懐かしのE-P5がいいな。ということで、中古で購入しました。使い勝手はもう知ってますし、それに今となっては驚くほど安いし・・。

スペックは、他の最新機種に比べれば見劣りしますが、私としては、全然大丈夫です。身の丈に合っているというか、これくらいの方が気楽で楽しいのです。

レンズは、まずは1本だけ。それも、14-42mmのパンケーキズームです。

これからは、オリンパスペンが私の友です。私の帰るべき場所はここにあったのです。

お手軽な格安便利ズームの最初の1枚

Olympus E-P5で撮影

オリンパスの14-42mm f:3.5-5.6は、初心者用というか、小さくて軽くて、とりあえず写ります的なお気楽レンズです。

解像感はそれなりですので、傑作を撮ろうなどと夢々思ってはいけません。記録写真なのだという程度の気持ちがちょうど良いのかもしれません。

だから、ここでは、うすーい写真にしてみました。コントラストも彩度も低くして、色あせた絵葉書みたいな仕上げです。

これまでは、どちらかというと、こってり感のある濃度の濃い写真が好きだったので、こういうメリハリのない写真は、自分としては心配でもあり、逆に新鮮でもありといった感じです。

たまには、主張指数の低い絵も楽しいかもしれません。

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