雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

白川郷 野谷荘司山

ルート:白川郷 野谷荘司山(2019/3/2)
コースタイム:9:30 トヨタ自然学校-13:20 山頂 13:50-15:00 トヨタ自然学校


朝5:30に自宅を出て、270kmほど走って出発地点のトヨタ自然学校に到着。ささっと出発準備をして、白山スーパー林道をトレース、料金所手前で左手の尾根に取り付く。気持ちのよいぶな林で一気に標高を上げ、標高1300m付近で樹林帯を越える。眼前に上部に一本杉のある白壁が現れ、場合によってはスキー板を担いで登るかという状況。今回はシール登行でそのまま進んだが、北側斜面に回り込んでジグを切りながら標高を上げることになるので、雪崩が怖い場合は素直に担いだ方がよいかもしれない。

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一本杉から先は尾根上を快適に進む。1602ピークは北側から長いトラバースで一気に巻き、白谷の鞍部に付ける。先行パーティが上から降りてきて、そのまま白谷左俣を滑降。雪も安定している様子なので、我々もこちらを滑ることに。

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ここから主稜線へは再び急登が出現。シール登行でもギリギリ行けそうだが、今回は安全優先でアイゼンを履き板を担いで登った。野谷荘司山頂は、主稜線から一度下って上り返したポコにあるので、再びシールで進んで登頂。今までも少し見えていたが、山頂からはきれいに白山の巨大な全容が見渡せ圧巻の一言。横を見るとピラミダルな笈ヶ岳や岩壁が聳り立つ三ツ岩岳、振り返ると先週登った猿ヶ馬場の奥に、雲の様に浮かんだ北アルプスの山並みが見渡せる。早朝に自宅を出て、わずか1000mのハイクアップでこんな素晴らしい景色を味わえるのは、とてもお得感がある。

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時間が遅くなったが、白谷左俣は思ったよりも雪が悪くなっておらず、無木立の広大なバーンを気持ちよく滑降。しかし中腹部から固いデブリが散乱し始め、割れ始めた滝場などをこなしながら滑ることになる。デブリ&沢割れの春スキー定番アドベンチャーをこなして、最後は露出した堰堤脇を滑り抜け、林道に到着。後はトヨタ自然学校まで一直線。

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下山後は今までも何度も立ち寄ろうとして行けていなかった次平の夜の開店を待ち、定番の元祖トロロのステーキ定食を頂く。

二週続けて晴天の下、白川郷エリアの定番ルートを堪能したが、やはり気になるのは雪の少なさ。
豪雪と名高い白川郷エリアですら、厳冬期で4月の残雪期スキーの状態なのは衝撃的。このままだと間違ったイメージが定着してしまいそうなので、次回は雪の多い白川郷へ来てみたい。

白川郷 猿ヶ番場山

ルート:白川郷 猿ヶ番場山(2019/2/24)
コースタイム:7:30 駐車場-13:00 猿ヶ番場山頂 13:20-15:00 駐車場


今年はどこも雪が少ないが、白川郷エリアも驚くほど雪が少ない。出発準備をしながら清掃のおじさんと少し話をししたが、例年は三回は雪下ろしをするところ、今年は一度もしておらず、こんなことは今までなかったとのこと。山肌もかなり露出しており、厳冬期というよりも春スキー終盤の様相。

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観光地の合掌造りエリアを抜けて、奥の林道をショートカットしながら登っていく。しばし登ると上部林道に合流するので、ここからまっすぐこの林道を辿る。右手の斜面は少し雪崩が怖い場所があるので足早に通過すると、宮谷に合流。堰堤の手前で一度右岸に渡渉して、その後再び左岸に渡渉する。谷筋は完全に割れており、流水も汲み放題。ここからが頭上にある帰雲山の左手の肩を目指して急登をハイクアップ。

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帰雲山よりも標高が高くなってきた頃、ようやく主稜線に合流して斜度も緩くなる。ここから山頂まで、後は緩く登るだけかと思いきや、昇温によりいきなりシールに雪が付着し出す。削ぎ落してもワンストロークで雪が付着するので、一向に進まない。今回はシールワックスを持ってきていなかったので万事休すかと思ったが、シールの濡れをなくせば軽減するのではと思い直し、シール面の乾燥タイムを取る。ドピーカンなので、カップ麺を食べながら10分ほど待つと、シールも完全に乾いてくれた。
おかげで雪の付着がなくなり、ハイクも一気に楽になる。後ろを振り返ると、霊峰白山の巨大な山容が広がる。

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猿ヶ番場の山頂付近は広大で、最後のトラバースも晴れていないと迷いそうな形状をしている。例年はほぼ埋まっているであろう背の高い樹林の間を抜けていき、13時に山頂到着。最後は一度乾かしたシールも濡れてしまい、高下駄状態でなんとか辿り着いた。山頂付近も例年より2mほど雪が少ない様で、樹林の背が高くてあまり視界が開けていない。しかし、このエリアから見る北アルプスと白山側の展望は、関東周辺で滑っていると拝めないものなので、個人的にはとても楽しめた。

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滑りに関してはストップスノーの影響もあまりなく、白山の大展望を拝みながらぶな林の中の滑降を楽しむ。斜度のない林道もこの様だと再び歩きかと思っていたが、意外とスキーが走りあっという間に終了。林道終点ではカモシカにも遭遇することができた。

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最後は数百人の観光客で埋め尽くされた合掌造りエリアの中を、山スキー用具を担いで抜ける。 子供に指をさされたり、外国人観光客に遠巻きに写真を撮られたりと、他では中々味わえない斬新な体験。旅行ツアーの集団に揉まれながらであい橋を渡り、無事に行動終了。

御神楽岳 覚道沢~西谷地小屋沢下降

ルート:覚道沢~覚道の頭~西谷地小屋沢下降(2017/10/21)


7:00 登山口-7:40 覚道沢出合-8:15 虹の大滝 9:00-10:50 覚道の頭-13:15 西谷地小屋沢-14:00 登山口

会の草鞋おさめで御神楽岳へ。元々は一泊二日でガッツリ登る予定だったが、大型台風の接近で日曜は雨なので、土曜のみ実施でルートもショートの覚道沢に変更。
登山口から少し進むと今まで見たことのない大岩が道を寸断している。今年崩落したものらしいが、一応登山道なのでは歩く道は新たに作成されている。40分ほど歩くと覚道沢出合に到着。今回は二人パーティだが、同じく覚道沢を登るもう一パーティと一緒に入渓する。


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覚道沢下部のゴルジュは適度に登りが楽しめる滝が続くが、全体的にぬめっていてラバーソールだとややつらい。


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やがて二俣で左手にスダレ状の虹の大滝が現れる。ホールドはそれなりにある様に見えるが、リスがないのでランナーが打てそうにない。記録ではみんな登ろうとして敗退しているらしいが、頑張れば行けそうなので取付いてみる。


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登路は左壁のブッシュとのコンタクトライン。ランナーは基本ブッシュで一ヵ所浅打ちハーケン。直上した後は落ち口へ向かって斜上トラバースをかけるが、足場がぬめっておりスリップの恐怖との戦い。最後はカムを決めたあと、最悪振り子トラバースかと思っていたが、何とかフリクション勝負で落ち口まで抜けることができた。もう一パーティは右壁を岩峰の上まで登っており、もう少し時間がかかりそうなので先に行かせてもらう。


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ここから少し進むと、スラブ状の大きな滝が二つ現れる。ここは傾斜の緩い右側の滝をフリーで快適に登る。その後はスラブが広がるのかと思いきや、詰めの様な感じの渓相が稜線まで続く。当初は高頭から栄太郎新道を下山する予定だったが、少々物足りないので西谷地小屋沢を下降することとする。


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稜線にでると反対側はガスで覆われており、広谷川だけ運よく視界が開けているらしい。ガスが広がらない内に下降したいので先を急ぐ。覚道の頭からは湯沢の展望が素晴らしい。下降ルートは赤ヤシとの鞍部よりも、覚道の頭から東に延びる尾根を進んで、ブッシュが続く子尾根を辿る方がよさそうに見えるのでこちらに進む。


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覚道の頭の下は岩壁が広がっており、そこを巻く様に下っていく。懸垂下降を6回程度交えて、ブッシュ帯をどんどん下降。途中で西谷地小屋沢を登っているパーティとコールを掛け合う。


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スラブ帯を抜けると後は平凡な渓相となり、ひたすら下るのみ。途中で秋の恵みに出会ったりもしながら、異様にぬめるナメをスリップしつつ抜けて登山道へ。ここで虹の大滝の登攀で別れたもう一パーティが高頭経由で栄太郎新道を下ってきたところとドンピシャで出会う。


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下山後は草鞋おさめのメインでもある飲み会へ。今期の沢活動と今後の目標を夜遅くまで語らい、明朝帰京した。