副工場長のオフィス

ちなみに私は副工場長ではありません。

手の立体感

 

 

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指導のために描いた図です。

 

手を立体的に描くコツを説明する際に描いたのですが、少ない手数でもリアルな手の立体感が表れていると思います。

 

 

ポイントその1

手の角度とポーズ

 

物を立体的に描く際には、立体感が伝わりやすい角度を見つけることが大切です。

どんなにデッサン力のある人であっても、モチーフが平面的に見えてしまうアングルから描けば立体的には描けません。

手のひらと手の甲の両方が見える角度など、全体の構造が伝わる角度とポーズを工夫する必要があります。

 

 

ポイントその2

光の方向

 

立体感には陰影表現が必要不可欠ですが、手の構造に合わせて光の方向を設定する必要があります。

例えば真っ正面から光を当ててしまうと、ほとんど陰影が付かず、手の厚みや指の構造が捉えられません。同様に逆光の場合も全て薄暗くなり立体的に見えてきません。

光が当たる面と当たらない面ができるように、光源の方向を設定しましょう。ちなみに図では右上からの光を想定して描きました。

 

 

ポイントその3

反射光を当てる

 

以前の記事でも説明しましたが、立体表現には反射光が重要です。光源から発せられた光はモチーフだけでなくその周りの様々なものに当たります。そしてそれが跳ね返り、モチーフに微弱な光を当てる、それが反射光です。

光源からの光と反射光を区別するために、図では赤い色で表現してみました。陰の部分を真っ黒にしただけだと平面的に見えてしまうので、モチーフの構造と光の方向を意識しながら反射光を丁寧に描き入れましょう。

 

 

他にもまだポイントがありますが、以上のことが立体表現の絶対条件です。

ぜひこれを参考に立体表現に挑戦してみては?

 

 

 

映画「Godzilla: King of the Monsters」

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このブログを開設した当初は映画紹介の記事がメインでしたがしばらく遠のいておりました。

久しぶりの映画紹介です。

 

 

 

 

2014年公開「Godzilla」の続編、絶賛公開中のハリウッド大作であり、「モンスター・バース」シリーズの3作目である。

 

 

65年前に第1作が制作され、日本映画史に深く名を刻んだ怪獣映画「ゴジラ」。

時には原子力がもたらした代償として、あるいは地球環境に調和をもたらす救世主として、時代毎にその姿や立ち位置を変えながら描かれ続ける、世界的に有名な特撮映画界のアイコンである。

僕もゴジラ映画を観て育った世代だ。年に一度家族みんなで映画館の列に並び、キングギドラモスラデストロイアと戦うゴジラを幼い頃から観てきた。

映画館に並ぶ、という風景が今となっては非常に懐かしい。

 

 

 

1998年公開のハリウッド版ゴジラ1作目では、日本人の多くが「これはゴジラではない」と口を揃えたのだったが、2014年公開のハリウッド版「Godzilla」(以下、Godzilla1)はそのビジュアルと「ゴジラ映画」的ストーリー展開に唸らされた人が多かったのではないだろうか。

現代のフルCG表現によるリアルで躍動的な姿が新鮮でもあり、しかしその中に特撮ゴジラのどことなく人間的な所作や愛くるしさが感じられる。

勧善懲悪の構図を取りながらも、結局ゴジラが人間の味方なのか敵なのかはっきりわからない点も日本版ゴジラ的であると言える。

 

核兵器原子力に対する問題提起をしながらもその扱いが曖昧であった点、日本の場面の再現クオリティーの低さなどツッコミどころはあるにはあるが、「Godzilla1」の最大の良さは監督のゴジラ映画への愛が存分に伝わってくる点である。

 

 

 

「Godzilla1」についてはまた別の機会に詳しく書くとして、今回はその続編「Godzilla: King of the Monsters」の感想を書きたいと思う。

 

「Godzilla1」の監督ギャレス・エドワーズに代わり、今作では「X-MEN2」や「スーパーマンリターンズ」で脚本を手がけたマイケル・ドハティが監督を務めた。

前作の特徴はゴジラがなかなか本編に出てこない点である。長めにストーリーを展開させ、敵の怪獣が猛威を振るい始め、もうヤバイぞというタイミングまで溜めて溜めてゴジラドーーン!!という演出が非常に効果的であった。加えてゴジラの戦闘シーンも非常に少ない。怪獣の激闘を人間の視点からリアルに捉え、敢えてゴジラをあまり登場させないというのは見事な演出であった。

 

しかし今作では空気感が一変している。

映画が始まってすぐモスラの卵が孵る。ゴジラもすぐに登場し、続いてキングギドラが目覚め、すぐさま怪獣同士の大迫力の取っ組み合いが始まる。全体を通して非常にテンポ良く、戦闘シーンがとても多い。惜しみなく怪獣たちがドンパチやり始め、世界各地をぶっ壊すので爽快感がある。

今回はネタバレしたくないので細かな内容やストーリーを書くことは避けるが、本当に気持ちのいい「怪獣映画」であった。

 

そしてなんと言っても今作の監督も前作同様大のゴジラ映画ファンであり、ゴジラ映画へのリスペクトがビリビリと伝わってくるのが、同じゴジラ映画好きにとってはとても嬉しかった。怪獣たちの設定や映画を構成する要素に日本のゴジラシリーズへのオマージュがたくさん詰まっていた。

特にモスラゴジラ映画を語る上で欠かせない怪獣であるが、実のところ僕はゴジラよりもモスラが大好きである。

詳しくは書けないが、日本のモスラに付随するお馴染みの要素がマイケル・ドハティ監督のオリジナリティーを交えながら見事に描かれていた。

そしてモスラがものすごく美しい。繭から羽化するシーン、巨大な羽根を広げながら光を放ち神々しく飛来する姿、それに怪獣たちの中でのモスラの立ち位置が素晴らしい。接近した時のビジュアルや攻撃方法は原作より昆虫感がグッと増してやや気持ち悪いのだがそれもギャップ萌えである。モスラのシーンになる度に何度も泣きそうになるほど、今作ではモスラに驚嘆させられた。

 

キングギドララドンも過去に無い完成度の高さであった。フルCGによって動物的躍動感が加わり怪獣として非常にカッコよかったし、めちゃくちゃ怖かった。キングギドラは日本ゴジラシリーズでの描かれ方と比べ物にならないほど強いし、本当にめちゃくちゃ怖い。小さな子供は確実に映画館で泣き叫ぶだろう。あんなのが襲来したら殺される前にショック死してしまいそうだ。

 

 

 

「モンスター・バース」シリーズの次回作は「Godzilla vs Kong」と発表されており、キングコングとの戦いを描くらしい。

2017年に公開された、シリーズ2作目の「キングコング:髑髏島の巨神」も非常に正統派な怪獣映画で僕は好きなのだが、ゴジラシリーズの映画であることを全く知らずに映画館に観に行き、エンドクレジット後のおまけ映像でそれが判明して度肝を抜かれた。

この二体が戦うということはどちらかがヒール役に回るのだろうか、ん〜正直戦わないでほしい。

が、どのような内容になるのか非常に楽しみである。

 

 

 

15分制作

 

 

 

指導のために、またデモンストレーションをしました。

 

生徒にポーズさせて、15分で制作しました。

 

 

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75センチ×60センチくらいの画面に木炭で描いたものですが、超短時間なので描き進め方を工夫しないといけません。

シルエットを正確に捉えるだけでなく、立体感も捉えようと心がけました。

 

すごくスタイルのいい生徒なので逆に描くのが難しいのですが、そこそこ正確に描けました。

本人の姿勢の雰囲気など上手く捉えられたな。

 

生徒に向けたお手本なので適当な制作はできませんが、それ故に鍛錬になります。

 

 

 

石膏像

 

 

今日は生徒のお手本として石膏像を描きました。

短時間で形を捉える訓練ということで、1時間ほどで描いたものです。大まかなフォルムや立体感を優先し、細かな部分の構造は省略してあります。

 

 

 

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石膏像を描く上で大切なのは、像の形と動きの正確性です。

実物と全く同じ形を描かないといけないので、頭の大きさや腕の長さ、胴の横幅などの比率をきっちりと測り、正確にしていきます。

 

形を正確にしながら、像の動きも捉えていきます。ポーズによって人体に大きな動きが生じているので、その動きを正確に捉えます。

体がS字型に曲がっている様子、首が前に傾斜している様子、左右の肩の前後関係や腕の角度などを観察します。

像の動きは描いている位置からの観察だけだと把握できないので、像の正面や真横からも観察します。360度あらゆる方向から観察し、像の動きを三次元的に理解しながら描くのが鉄則です。僕は正面から描いていますが、何度も像を横から観察し、胸やお腹の構造を確認しながら描きました。

 

 

 

僕はいままで石膏像を描く機会があまりなかったのですが、生徒に教える中でこれらのノウハウを理解していきました。

しかしまだまだ形の正確性が足りない。今後も生徒に混ざって鍛錬を積もうと思います。

 

 

 

街角インスタレーション②

 

 

気付いたらもう年末。

今年も仕事やら制作やらでバタバタしながらも、実りがあったのか無かったのかよくわからない一年を過ごしてしまいました。

 

 

 

そんな中、例の街角にクリスマス仕様のディスプレイが作られていました。

 

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ほんとに誰が作っているのか。

ツリーはどなたかの私物だったりするのでしょうか?

背景には内側の建設現場の様子が透けて見えてます。そして足元には入学式バージョンのときにもあった大量のハート型風船。左側の地面には割れた風船の残骸が散っています。

そしてなんと言っても「Times」のロゴがオーナメントとして飾られているのが一番の謎。

スポンサーなはずないだろうし。

 

 

 

僕の理想としては現場作業員とか施工の責任者の趣味としての作品であってほしいな。

殺伐とした建設現場に少しでも楽しげな雰囲気を添えたいという、真心からの個人的な取り組みだとしたらとてもグッときます。

 

もうすぐ正月なのでその時期が今から楽しみです。どんな仕上がりになるのか。

ビルもそろそろ完成が近いので、あの街角インスタレーションももうじきなくなってしまうんだろうな。

 

 

 

 

授業

 

 

 

デッサンの授業でちょっと描いてみました。

 

黒い支持体に白いチョークで描くというのは、鉛筆デッサンや木炭デッサンと違ったプロセスなので新鮮でした。

 

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最近よく見る手法ですが、我ながらなかなかよく描けたとは思います。

しかしこの手法を得意とする彼等のテクニックはすごいということがよく分かりました。

まず綺麗に塗れない。

しっかりチョークを付けてもパラパラと落ちてしまいます。

 

それと、グレーを作るのが非常に難しい。

色々なもので擦ってチョークの白を薄め、グレーを作りましたがこれは鍛錬が必要そうです。

 

引き続き練習して体得したいと思います。

 

 

 

 

北海道④

 

 

 

翌日、札幌から飛行機で函館に移りました。

電車で4時間ほどかかるところを、飛行機だと30分ほどで着いてしまいました。

 

乗ったのは小型の旅客機で、数十人の乗客を乗せて器用に小回りしながら飛ぶ様子は、旅客機というよりバスに近い感覚でした。

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函館についてすぐに五稜郭に移動しました。

函館の町並みから突出した白い幾何形態はあまりに異質で、宇宙から撃ち落とされた巨大な杭のようです。
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ロープウェイで函館山に登り、町を一望してきました。

やはりなかなか不思議な地形です。f:id:Rileyy:20181023162053j:image

飛行機やら五稜郭タワーやら、高いところに行ってばかりの日でした。

 

ちなみに展望台には鉄塔が建ち並んでいました。

詳しく調べませんでしたが、となりにNHKと書かれた建物があったのでテレビ関連の電波塔なのでしょう。
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その日の夜は地元の新鮮な魚介を扱う居酒屋で、食べたいものを片っ端から注文しました。

サーモンの刺身と雲丹の軍艦が衝撃的な美味しさで、それを食べるためだけにもう一度行ってもいいくらいです。

 

 

 

翌日の午後の便で東京に帰ってきました。

ひとまずメジャーどころはある程度堪能できたかなという実感はあるのですが、どうでもいいものやどこにでもあるものに目移りしがちで、つくづく自分は観光が下手だなと感じた旅でした。

 

まぁひとまず美味しいものも色々と食べられたので、貴重な経験はできたと思います。