ひとりごと ~Music & Life-Style~

HR/HMを中心としたCD感想、足を運んだライヴの感想をメインにひとりごとをブツブツつぶやくブログです。

4/28 ARABAKI ROCK FEST. Day 2 at エコキャンプみちのく

ゴールデンウィーク、いかがお過ごしでしょうか。

 

僕はカレンダー通りのスケジュールのため、3連休したあと少し仕事があって、その後4連休という流れ。がっつり連休にさせてくれよ、という思いもあるものの、9連休なんてしちゃうもんなら、重度のサザエさん症候群を発症する恐れがあるため、体を慣らす意味でも途中仕事があった方が良いのかもしれません。

 

さて、そんなゴールデンウィーク前半の3連休ですが......

 

僕は遠路はるばる、東北地方は宮城県にいました。

 

仙台駅に到着してまずすることは、もちろん(?)ずんだシェイクを飲むことですね。前々から美味いと聞いていたので、どんなもんか興味があったのです。

 

お店によって味に違いはあるようですが、なるほど、たしかに枝豆の風味が息づきつつも、シェイクとして安定の甘さ。豆のつぶつぶ感も嫌な印象は受けず、美味しく飲めました。

 

その後は宮城城跡(行きの上り坂がキッツイ)に行って牛タン丼を食べ、ホテルにチェックインした後は、歩き疲れた体を休めるため健康ランドで温泉に入る。

 

しっかし、牛タンはどんぶりにしても定食にしても、値段がたっっっかいですね。せっかく来たんだからマインドで、遠慮せずにオーダしましたけど。まあ高いだけあってかなり美味かったです。

 

そんなこんなで初日から良き旅を満喫していたのですが、ここに来た一番の目的は翌日にあり。2001年から開催されている歴史の長い野外フェス、ARABAKI ROCK FEST.に行くことが今回のメイン!

 

会場となる川崎町のエコキャンプみちのくは、キャンプ場というだけあり、自然豊かな超田舎。今までフェスには何度も足を運んでいるものの、ここまで自然派な会場は初めてかもしれません(せいぜい2018年の氣志團万博くらいか)。幕張メッセとかでやる都市型フェスに完全に慣れてしまっているな。

 

仙台駅からシャトルバスで1時間ほどかかる場所。僕は10時以降のチケットを買っているため、11時10分開始の怒髪天には、頭からは間に合わない。少々残念ではあるものの、まあこれはしょうがないと割り切るしかないな。

 

そうしてバスに揺られること1時間、音楽聴いたり仮眠をとったりしているうちに、会場に到着。道中の景色からも見て取れましたが、なかなかの田舎っぷりですね。小学生のとき、父に連れられた北海道の数々の辺境の町を思い出しました。ただ、こんなのどかな田舎町にもパチンコ屋はあった。

 

バスを降りるとすでに怒髪天の演奏が聞こえてくる。すぐに会場内に入れず入場待機列に並ぶハメになるのかもと危惧していましたが、すでにあらかたの入場は終わっていたようで、すんなりとリストバンド交換をすることができました。

 

この1週間ほど、関東はぐずついた天気が続いていたので、この日の天気は大丈夫かと開幕前は心配してましたが、なんとまさかの雲ひとつ無い青空。フェス日和と言えるし、天候に恵まれて良かった良かったなんですが、日焼け止めなんて持ってきてないんだよな......

 

 

怒髪天

入場ゲートをくぐってすぐのBAN-ETSUステージで、怒髪天が演奏中。多少人口密度の低いエリアに入って遠目から観ました。

 

今年に入ってベーシストの素行不良による解雇というニュースが流れていましたが、サポートベースを入れて(フラカンの人らしい)、ゴキゲンなサウンドを奏でている。

 

元々ハードコアパンクバンドとして活動していて、現在もハードコア畑の人たちと交流があるらしいので、そういった楽曲もプレイするのかと思いきや、さにあらず。ロックンロールの空気を残した初期パンクっぽい音に、演歌や歌謡曲に通じるメロディーと歌い方を載せたスタイルで一貫していました。

 

これは黙って突っ立って聴いているような音じゃないな、と判断した僕は、ステージ横のフードコートに行き、昼飯としてハンバーグ&ステーキ丼にドリンクを購入。ホントはお酒の方が良かったんでしょうけど、最初っから深酔いするわけにもいかないので、オレンジジュースにする。

 

そのまま晴れ渡る青空の下、芝生に座り込んで、飯食いながらゴキゲンなロックンロールを聴き浸るという、非常に贅沢な時間とすることにしました。

 

 

怒髪天が終わった後は、動線を確認する意味でも周辺の探索へ。

 

数多くの家族連れのお客さんが、テントを張ったりシートを広げたりしていてキャンプを楽しんでいる。さらにフードエリアだけでなく、服やらカバンやらのマーケットが多数出店していて、音楽以外のコンテンツも多岐にわたっていました。ここまで広範囲に渡るフェス会場は初めてなだけに、新鮮な気持ちで辺りの景色を眺めていました。

 

中には「音楽フェスに来た」というのではなく、「キャンプをしながら音楽を楽しむ」というスタンスのお客さんもたくさんいるでしょうね。こういう空気感を味わえるのは、ステージ以外あまり見るところが充実していない幕張のフェスとかには無いな。

 

BAN-ETSUステージから、端っこにあるMICHINOKUステージまで歩いて30分ほどかかるという、敷地面積の広さも自然派フェスらしいといえます。この移動時間を考えながらタイムテーブルとにらめっこしなきゃいけないのは、なかなかに大変だな...

 

 

打首獄門同好会

やったらナヨナヨした男ヴォーカルが流れる中、会場内を見まわしたあとは、先ほどのBAN-ETSUステージまで戻ってくる。次に出てくるのは、以前大冠祭でも観た打首獄門同好会

 

後ろの方は多少スペースに空きがあったため、そちらの方で待機。距離こそあれどステージ全体は結構観やすい感じ。

 

始まる前のマイクテストでうまい棒が配られたことからわかったように、1曲目の「デリシャスティック」からスタート。3人のメンバーに、もう1人映像担当?のメンバーが出てきて、大冠祭で観た時と同様の、程よくヘヴィでポップな楽曲が響き渡る。

 

ただ、今日のこのステージはとにかく音が悪かった。いや、野外のフェスで音響の良さなんて求めてはいないんですけど、それにしてもなかなか厳しい音でした。

 

ギター・ベースの音はどうも輪郭がはっきりせず、シャープさとは無縁なゴチャッとした感じだし、スネアドラムももっさり気味。タッピングのソロなどを披露しようにもノイズまみれで気持ちよく音が響かない。低音で呟くようなデス声も全然ハッキリと聴こえない。

 

う〜〜む、これはこのステージの音響が酷いのか、たまたまこのバンドのタイミングでPAさんがうまくサウンドメイクできなかったのか、単に機材の不調なのか。だいぶ音への集中力が削がれてしまうアクトでした。

 

ラストの「日本の米は世界一」ではかなり大きなシンガロングを巻き起こすなど、決してステージング自体は悪くなかったんですけどね。音で損してしまっているのが残念。

 

それでもバンドならではの映像を使ったユーモア溢れる詞世界は、ところどころで笑いが巻き起こっていて、楽しめるステージではありました。個人的には「ニクタベイコウ」で、僕の好きな自分ツッコミくまが見られたのが良かった(笑)

 

 

その後は会場の端から端まで大移動。このフェスのメインステージとなるMICHINOKUステージを目指して、移動集団に紛れて列をなすように自然の中を歩いていく。

 

天気は最高に良くて、辺りを見回しても全然ゴミゴミしていないので、自分のペースで歩けない渋滞においても、さほどイライラを感じないのがありがたいです。ただバックドロップシンデレラには間に合わないな〜。

 

 

HYDE

押しも押されもせぬJ-POPのトップランカー・L'Arc〜en〜Cielの絶対的フロントマンの登場。

 

近年はソロプロジェクトで積極的にフェス出演したり、様々なバンドと対バンをしている彼ですが、今まで観る機会はなかったんですよね。特に楽曲を聴いてきてるわけでもなかったし。

 

しかし、日本でロックバンドを愛好する者としては、やはり一度くらいは彼のことは生で観るべきだろうと思っていたので、今回は良い機会となりました。

 

登場前にはこの手のフェスには珍しい黄色い声援があがり、マスクをつけたバックバンドのメンバーが登場(この暑さじゃ蒸れるだろうなぁ...)。下手側ギターがMAKE MY DAYのJulianさんであることはすぐに分かりましたが、ドラムがNOCTURNAL BLOODLUSTのNatsuさんであることは後になって知りました。

 

そして目を引いたのはステージど真ん中に置かれたお立ち台。それも普通のサイズのものではなく、テニスの審判席かプールの監視員かというくらいのサイズ感。その上に現れマイクスタンドを掲げて、ロックスターが堂々たる登場。

 

正直最初は、「有名人を生で観る良い機会だから」くらいの気持ちでのんびり鑑賞しようと思っていたんですよ。しかし実際に観てみると、そんな腑抜けた気持ちじゃいられないくらいのステージングでした。

 

いや、こりゃカッコいい。ステージパフォーマンスの一つ一つに、毒気と華々しさが溢れており、フロントマンとしてオーラがビリビリ感じられる。大御所らしい堂々たる立ち振る舞いに、大御所らしからぬアグレッシヴさも同居していて目が離せなくなる。

 

徹頭徹尾シリアスなライヴ運びをするのではなく、「さっきのヤバTみたいなやつ(サークルピット)を見せてくれよ!」と、オーディエンスを煽ってみせたり、「高所恐怖症の僕がこれの上に立てるか見ていてください」と言って、ブルブル震えながら高めの台の上に立ち上がってみたりと、所々に茶目っ気が出てくるところもポイント。

 

そしてなんと言っても「HONEY」が流れた瞬間ですね。恐らくこの日演奏された全アーティスト全曲の中で、最も知名度が高いと言えるナンバーにて、これまでやや様子見っぽかった後方付近の人口密度が急上昇。"かっわいった〜🎵"の大シンガロングが巻き起こり、完全に会場の空気を掌握してしまった。これぞ名曲の持つパワー!

 

ステージから客席まで降りてきて、大勢のオーディエンスに囲まれた際には、僕のいる位置からでもかなり近くで視認できるところに来てくれました。そのとき僕の後ろにいる女の子が「居る...!居る!!」と大興奮していました(笑)

 

その盛り上がりはラストの「GLAMOROUS SKY」まで続き、これまた会場全体からシンガロングを呼び起こして、圧巻の幕切れ。中島美嘉さんのバージョンに比べ疾走感が大幅アップしていて、ここぞとばかりにサークルピットも発生していました。

 

いや〜〜これは想像以上のインパクトでしたね。メタルのフィールドにいる演奏陣による強固なサウンドの良さもあるし、文句なしに本日のベストアクトでしょう。もっと長く観ていたかった。これがロックスターか。

 

 

ELLEGARDEN

ストレイテナーの柔らかな演奏に包まれつつレモネードを嗜む。音楽に包まれながら気持ちよくドリンクを味わえるのも野外フェスの良さよ。

 

その後に来るのは、今年に入って初のライヴだというELLEGARDENの登場。この日のTシャツ着用率No.1(僕が見た限りでは)のバンドなので、やはりスタンディングエリアの人数はかなりのものに。このバンド目当てで来たって人も多いでしょうね。

 

「Red Hot」「Surfrider Association」「Supernova」という定番曲3連打でスタートし、この時点で一気にマインドが学生時代にタイムスリップしました。中高生のメロコア熱が一番高い時期を思い出しますね〜。

 

その後は新作からの楽曲も登場。今日やった曲も悪くないんですけど、やはり新作からなら「Goodbye Los Angeles」が聴きたいですね。まあなんとなく、今後のライヴではほぼやらないんだろうという予感がしますけど。

 

バンドのパフォーマンスは至極安定していて、トリッキーなことをすることなく、堅実に次々とプレイしていく流れ。ただ「風の日」のギターソロはだいぶ粗めだったな...。

 

しかしこの「風の日」、先ほどのHYDEでの「HONEY」のような一般的知名度があるタイプの曲ではないのに関わらず、サビでは大合唱が発生しており、いかにこの手の邦楽フェスの客層において、ELLEGARDENというバンドの存在が大きいのかがわかりました。

 

近年は特にエルレに触れる機会はほとんど無かった僕でさえ、ソラで普通に歌えました。学生時代に聴いた音楽は一生モノとはよく言ったものですが、僕にもまだあの頃の思い出として、彼らの楽曲は記憶と体に染み付いてたようです。

 

細美さんが途中のMCにて、「俺はやっぱりロックバンドが好きで。ポップスじゃなくてね。それは楽しいだけじゃなくて、辛さとか悲しみとか、場合によっては憎しみとかね。そういったものも伝わってくるからだと思う」と口にしており、その辺の感覚はやはりバンドマンもリスナーも、同じ考えを持っているんだなと思ったものでした。

 

ラストの「金星」では、あれだけ熱を放っていた太陽の色が鈍りかけ、飛行機雲が綺麗に通っていく空模様と、感傷的なムードがよくマッチしており、祭りの後半の少し寂しい空気感を見事に表現していました。

 

10-FEET

日が落ちかける中、フードコートで最後のフェス飯を食い、ARAHABAKIステージのthe pillowsのライヴを遠目から見つつ、「Funny Bunny」を合唱したりしているうちに、本日最後のアクトの時間が迫ってくる。

 

the pillowsのステージではBRAHMANTOSHI-LOWさんがゲスト参加されるとのことで、それは是非とも観てみたかったのですが、トリの10-FEETもしっかり観てみたい思いもあり、さっさとMICHINOKUステージに戻ることに。人集まりは先ほどのELLEGARDENと同じか、ちょっと少なめくらいか。

 

今回はトリとしてのスペシャルステージらしく、事前にゲストミュージシャンとのセッションがあることも告知済み。せっかくならサプライズゲストとして秘匿化しててもいいんじゃないのとは思ったけどね。

 

そのゲスト枠の中に、地元の川崎中学校の吹奏楽部の子達がいるとのことで、登場のドラクエSEから生演奏になるのかな?と予想しましたが、そんなことは特になく普通に登場。そしてライヴ定番の「goes on」からスタート。ほぼ毎回聴ける曲だからありがたみや意外性はないけど、やはりこのサビメロにはグッとくるものがある。

 

パフォーマンスはさすがの安定ぶりで、ダミ声に煽り、高音コーラスまで、彼らのライヴの王道を行くものを展開。この辺はさすがに場慣れした巧みさを感じましたね。

 

ゲストヴォーカルとの共演も、MAN WITH A MISSIONのメンバーを呼んだ「super stomper」でミクスチャーらしい縦ノリのアグレッションを生み出し(マンウィズメンバーの歌はやや不調っぽく聴こえましたが)、盟友ともいえるROTTENGRAFFTYのヴォーカル2人と歌った「その向こうへ」では、ここぞとばかりの一大シンガロングを共に発生させる。G-FREAK FACTORYの茂木さんがメインヴォーカルを務めた「アンテナラスト」は、彼のどっしりしたヴォーカルがよく活きていました。

 

唯一知らないバンドだったHakubiから、片桐さんという女性ヴォーカルが「蜃気楼」を歌っていましたが、これに関してはAメロの低音パートが、女性が歌うにはなかなか歌いにくそうなラインのためか、やや声が通って聴こえず、イマイチゲスト参加の良さが引き出せていなかったかも。

 

ただ、まあ一番印象に残ったのは、やはり川崎中学校吹奏楽部との「シガードッグ」でしたね。やたらノリの良いポーズを決めまくる顧問の先生と、ちょっと緊張した面持ちのままステージに立つ部員たちが並び立つ。東日本大震災を機に生まれたというこの曲が、このコラボレーションの楽曲として選ばれたのは必然と言える。

 

あまりオーケストレーションで豪勢にドーンと盛り上げるような演奏ではありませんが、少しだけ心があったかくなるような、良いアンサンブルを聴かせてくれました。

 

また、そういったコラボレーション企画とは別に、TAKUMAさんが「ステージ来たい奴おる?」と呼びかけた際に、代表して1人の男性客をステージに上げて、「SHOES」に入る前の煽りを担当させるという一幕も。遠目からでもガチガチに緊張しているのがみて取れました。

 

ちなみにその時、僕のすぐ近くで「あれ、俺の息子!」とはしゃいで、周りから笑顔で注目を集めていたおじさんがいたのも、とっても良きでした。よかったねお父さん。

 

いまだTHE FIRST SLAM DUNKの興奮冷めやらぬ(もちろんBlu-ray買いましたとも)「第ゼロ感」に、間奏パートでスマホのライトを一斉に照らし、光の粒でウェーブを作り出した「RIVER」と、実に見どころたくさんのライヴとなり、トリにふさわしい盛り上がりを見せつけてくれたと思います。

 

このまま最後まで観たかったのですが、心配なのが帰りの時間。前述の通り今いるMICHINOKUステージから、バス乗り場近くのBAN-ETSUステージまでは歩いて30分ほどかかる。そして、シャトルバスの最終乗車時間は22時。

 

バスに間に合わないということはつまり、仙台まで車で1時間かかり、かつ周辺に自然が広がる田舎町に、夜中ほっぽり出されてしまうということ。それだけはマジ勘弁なので、シャトルバスに間に合うよう帰るのは僕の責務である。

 

10-FEETの終演時間は21時で、そこから1時間以内に大混雑する会場内を踏破する保証はないため、帰り道確保のため、全てのアーティストコラボが終わった段階で、サッとMICHINOKUステージを後にすることに。「VIBES BY VIBES」が後方のキャンプエリアにいる人たちまでエキサイトさせている光景を確認しながら、すっかり暗くなった中で長い道のりを歩いていきました。

 

 

少々後ろ髪を引かれる思いを抱きながら、満員のシャトルバスに乗車(バスの補助席なんて何年振りに座っただろう...)。祭りの終わりに感じる寂しさを胸に抱きつつ、ウォークマンで今日イチグッと来た、HYDEの「GLAMOROUS SKY」を聴きながら、バスに揺られていました。景色見ようと思ったけど、真っ暗すぎて何もわからんね。

 

こうして、初のアラバキは無事終了!この時期には珍しいほどの暑さで、雲一つない晴天だったため、二の腕と顔面に日焼けを負うハメに。4月にまさか夏フェスみたいな空間になるとは思わなかったよ。シャワーがヒリヒリして痛い。

 

関東圏に住んでいるとなかなか味わえない大自然のど真ん中で、フェス飯や酒と共にバンドサウンドに身を委ねる。今まで行ってきたフェスとは、また異なる開放感に包まれていて、GW前半に良い非日常の体験ができましたね。

 

前述の通り、ベストアクトはやはりHYDEですね。音源をしっかり聴いたことはないんですが、それでも持っていかれましたから。今年アルバム出すらしいから、ちょっとチェックしてみようかしら。

 

なお、このフェスのための遠征費、およびチケット代+シャトルバス代、それに滞在期間中の牛タン定食のお値段などなど、出費がすごいことになってしまいましたが、「年度末の臨時ボーナスでカバーできているからノープロブレム!」と自分に言い聞かせいます。

4/21 THOUSAND EYES / - One Man Live - "Decade Of Bloody Nightmare" at 渋谷CYCLONE

CARCASSのライヴからわずか2日、再び渋谷へ。

 

リヴァプールの残虐王の次は、慟哭の暴君がお目当て。日本のデスラッシュメサイアTHIUSAND EYESのワンマンです。

 

メロディックデスメタルというスタイルの先駆者となったCARCASSの後に、そのメロデスという音楽のクオリティーを極限まで突き詰めたTHIUSAND EYESを観るとは、この週末はメロデス祭りですね。僕と同じスケジュールだった人、結構多いのでは?

 

昼間は渋谷の街をブラブラしながら時間を潰し(渋谷は小洒落た店見て回ってるだけで結構楽しいからイイよね)、開場時間過ぎにサイクロンへ。

 

THOUSAND EYESはライヴをやる事が久々だったらしく、泣きに渇望しているファンがたくさんいたのか、この日は一度ソールドしてからの追加販売があったほどの大盛況。そんな追加組の僕は呼ばれるのがケツの方のため、フロアに入った時にはすでにかなりの人口密度。

 

なんとかフロア中央くらいまでは行けたものの、その後も前に詰めるよう促すアナウンスが続き、どんどん人が入ってくる。こりゃ完全にキャパを見誤ったのではないでしょうか。club asiaとかクアトロとか、その辺で充分やれたと思うんですけど。

 

開演時間を少し過ぎた辺りで暗転し、「DAWN OF DESPAIR」に合わせてメンバーが登場。そのままアルバムの流れ通りに「DAY OF SALVATION」に移行する。この叙情性満載の幕開けから、無慈悲なデスラッシュへと突入する様は鉄板です。

 

てっきり前方ではモッシュピットが生まれるもんかと思いきや、フィストハングとヘッドバンギングが巻き起こるのみで、モッシュクラウドサーフはなかった。ちょっと寂しい気がしなくもないですが、まあ僕としても特に暴れるつもりはなかったし、熱気は充分に感じられるので問題なし。

 

改めて思ったのが、このバンドのライヴ力の高さ!強靭なリフの破壊力もさることながら、ここぞというところでブッ込まれる泣きに泣いたギターソロ。この旋律がいかに泣きを愛する者の琴線に触れるのか、爆音に飲まれながらでもよくわかります。

 

DOUGENさんとAKIRAさんによるシャウトの交錯も、デスメタルというよりはハードコア的な攻撃性を感じさせ、泣きの旋律が支配的な中にも、ひ弱にならない強靭さをみせる。

 

そんなヴォーカル面の強さもさることながら、個人的に一番凄えなと感じたのが、YU-TOさんのドラム。キャップをかぶってないので見た目の印象はだいぶ違ってましたが(Azamiのギタリストっぽい)、その突進力の凄まじさたるや、音源以上ではと思えるほど。

 

ジストニアの影響で、以前のようにうまく叩くことができなくなっているとのことでしたが、正直素人の僕からすれば、現在の彼のプレイに不足も不満点も何もない。あまりの高速スネア連打に、詰まったように音数が多いバスドラ、鼓膜を破壊せんとするほどのシンバルと、サウンドの攻撃性に最も貢献しているのは彼だったと言えるでしょう。「LOST FOREVER」や「DEAD SORROW OF ME」のような、スピードを少し抑えた曲でさえ、勢いが削がれるような印象がまったくありませんでしたからね。

 

フロアを煽り散らすDOUGENさんに、仕事人的にビシッとした風体で演奏に徹する弦楽隊、その後ろで爆速ドラムをぶっ放すYU-TOさんと、実にTHOUSAND EYESらしいバンド体制がガッチリ完璧に組まれている印象。徹底的に硬派で、暴虐的で、かつ泣いている。こりゃすごい迫力だ。

 

そのあまりの音のバカデカさに、さすがに終始耳栓をせざるを得ませんでしたけどね。っていうか基本的にサイクロンは音がデカいですが、スピーカー付近にいた人は耳大丈夫なんですかね?

 

「今までの流れを聴いてもらったらわかるように、今日のセットリストはTHOUSAND EYESの集大成だ」とDOUGENさんが言っていたように、全4作からバランスよく配分されたセットリストも良かった...のですが、彼らのアルバムは基本的な方向性はどれも同じなので、今まで観てきたライヴとそこまで印象は変わらず。彼らは楽曲が全体的に良いので、どれか1作に選曲が偏っていたとしても、満足度は恐らく変わらなかったでしょうね。

 

とはいえ「ENDLESS NIGHTMARE」のように、久しぶりに聴けた暴走慟哭チューンもあり、嬉しい内容ではありました。パフォーマンス良し、攻撃性良し、セトリ良しと、一本のライヴとしては非の打ち所がないものだったのでは。

 

このバンドについては、音源もライヴも絶対に外さないという信頼感がある、もはや「ブランド」と言ってもいい存在ですが、やっぱりいざ生のライヴを体感すると、わかっていてもそのパワーに圧倒される。

 

アンコールには、もはやバンドの代表曲と言っても過言ではない「RAMPAGE TYRANT」「ONE THOUSAND EYES」という超強烈な2連打。慟哭の暴君が絶望に叩き落とす前者も最高ですが(ラスサビ前のアコギが再現できないのが唯一残念)、やはりなんと言ってもバンド名を冠したラストナンバーが最強です。

 

「渋谷の空を真っ赤に染め上げるぜ!」という言葉通り、赤を基調とした照明がフロア中を照らし、慟哭リフで爆走。ラスト1分半ほどにおよぶツインギターソロは、バンド最高の名演といってもいい仕上がりで、このギターソロに入る瞬間に耳栓を外しました。ギターが描く劇的なフレーズを爆音で堪能させてもらうことに。っていうかマジで音デカいな。シンバルが破壊音みたいな音出してるじゃん。

 

18時半から始まり、終演は20時半。実に2時間半もの長丁場で絶望・激情・慟哭のデスラッシュを浴び続けるひととき。密集地帯でこんなことすると、当然相当な疲労度になるのですが、不思議とそれを感じないどころか、ライヴハウスを出た後にはスッキリした爽快感すらある。

 

やはりこれは、彼らの音楽には鬱屈した精神やストレスを浄化し、解放を与えることができる力があることの何よりの証明ですね。最高のライヴをありがとう、デスラッシュメサイア

4/19 CARCASS / Japan Tour 2024 at 渋谷TSUTAYA O-EAST

リヴァプールの残虐王・CARCASSのライヴに行ってきました。前日の東京公演がソールドアウトしたため、追加公演となった日に会社の有給を取って出陣!

 

ここ最近ヒジョ〜にめんどくせー案件の管理を任されており、残業しない日が消滅してしまっている状況。この日の前日なんか、いつも遅くまで残っているマネージャーよりも帰りが遅くなり、フロアに一人ポツンと置いてけぼりにされ、家に帰れたのは日付を越えてましたからね。なんなんだよマジで。いい加減にしろ。

 

そんなわけで、休みの日は12時近くまで爆睡。オフの渋谷を満喫するということもできず(タワーレコードディスクユニオンは行きました。ここに行くのは義務ですから)、開場時間過ぎにTSUTAYA O-EASTへ到着。この日はソールドはしていないものの、やはり一時代を築いたベテランはさすがの人気。ギチギチというほどではないものの、結構な客入りとなってました。

 

ワンドリンクのカシオレを片手に、フロア後方の真ん中あたりに位置どり。周りが長身の人が前に立っていて、下手側の方が若干遮られてはいるものの、全体的に見渡しやすくて視界良好。LOUD PARK 23の時はだいぶ距離があっただけに、しっかりと視認できるのはありがたいわい。

 

開演時間ちょうどくらいに暗転し、荘厳かつ不気味なSEと共にメンバーが登場。ブロンドの髪を靡かせ、ピチッとした白Tシャツに身を包んだビル・スティアーは、あまりアングラなデスメタルっぽさはないかも。シュッとしててカッコいいね。

 

そんなビルとは対照的に、デスメタルらしい汚らしさ(褒めてるつもり)を体現しているジェフ・ウォーカーは、左足を立てて腕を広げ、堂々とオーディエンスを扇動する。最初の「Buried Dreams」から、しわがれたデスヴォイスは近代的なエクストリームメタルではなく、あくまでデスメタルであることを主張するかのよう。

 

サウンドはなかなか良好で、ベースの音が少々聴こえにくく感じたものの、キモとなるツインギターの絡みに、疾走するドラム(スネアの音が抜けが良くて気持ちいい)がどんどんと押し寄せてくる様は、一種の快楽とも言える。

 

最新作『Torn Arteries』の雑誌ヘドバンのレビュー記事にて、現在のCARCASSの音楽性を「エクストリームハードロック」と形容していましたが、その言葉通り、彼らのサウンドからは、正統派HR/HMの要素が色濃く感じられますね。近代エクストリーム/ヘヴィミュージックとは異なる、メタルらしい響きのギターリフの連続が、ヘッドバンギング欲を刺激される。

 

特にツインギターのリードフレーズが良いんですよね。ARCH ENEMYのようなクッサクサのメロディアスさがあるわけでもないんですが、正統的なメタルの旨みが活きたメロディックフレーズ。アグレッシヴなリフの波と相まって、サウンドの快感度は非常に高い。ほぼノンストップで、明確な違いが見出しにくい楽曲のスタイルが続いているにも関わらず、不思議と飽きが来ないんですよ。

 

この無機質になりそうなエクストリームサウンドに、生々しい血流をドクドクと流し込むギター、これこそがCARCASSの強みですね。

 

ただ、正統派のメタル要素が感じられるとはいえ、ジェフのダークなデスヴォイスにより、質感はしっかりとデスメタルしている2曲目の「Kelly's Meat Emporium」で疾走すると、フロア前方にてモッシュピットが発生して、エクストリームなノリを存分に見せつけていました。

 

バンドのパフォーマンスは終始安定していましたが、近くで観るとわかるのが、メンバーのスタンスが結構フレンドリーだったこと。ジェフはモッシュピットを見下ろして満足そうに微笑み、曲間には大盤振る舞いという表現が相応しいほど、ペットボトルの水をフロアに投げ込んでいました(先日観たDES-KONTROLがビールを投げ込んでいたのでデジャヴを感じた)

 

ビルは終始冷静さを保っていながら、時折にこやかな笑顔を浮かべ、サポートギター(ジェームズ・ブラックフォードでいいのかな?)は、笑顔でサムズアップしてみせ、ダニエル・ワイルディングはバスドラ連打を繰り出しながらも、これまた笑顔。もともとアングラの極みみたいな出自のバンドが、こんなに笑ってていいんだ。

 

そんなバンドの姿により、聴こえるサウンドデスメタル以外の何物でもないのに、あんまり凶悪・キワモノのライヴには感じない。まあ会場が1000人以上入るデカバコだから、というのもあるのでしょうけど。

 

90分に渡り、時折ドラムソロを挟んだりはしたものの、そんな感じで起伏小さめにガンガンに進んでいったのですが、やはりというかなんというか、明らかなハイライトとなったのが「Heartwork」。この曲のツインリードギターの旋律はやはり極上で、メロディアスな泣きとはどういうものか、一発で会場にいる人全員に知らしめるようなメロディー。ここぞとばかりにヘッドバンギングしつつ、堪能させてもらいました。

 

 

MC控えめ、ほぼノンストップの強力なデスメタルの応酬、それでいてヘヴィメタルとしての普遍的カッコよさも潤沢にある、充実のライヴになったかと思います。LOUD PARKだけでは摂取しきれなかった分、しっかりと間近で味わいましたよ。

 

ちなみに、バックスクリーンに映ったイメージ映像は、過去作のジャケットをコラージュしたものになっていましたが、後半になってからLOUD PARKと同様に、死体写真と思しきグロテスクな画像が、うっす〜く見えるものになっていました。過去のライヴレポートとかを読むと、堂々と病気したチ◯ポを映してたらしいのですが、幸か不幸かそれはなかった(笑)

4/1 RADICAL MUSIC NETWORK SP春 at 新宿MARZ

前回のブログ8周年の記事で、「ブログ更新の頻度を上げていく」と書いてから2週間経ちました。

 

いや、違うんですよ。書こう書こうとは思っていたんですけどね。いつのまにやら仕事がどんどん溜まってて定時帰りが夢のまた夢になってですね。土日も何かとやることがあって、気づいたら夜になってたりですね。うん、まあそんな感じです。

 

さて、遡ること4月1日。

進級・進学、就職に転職と、生活がガラッと変わって、これからの未来への期待と不安に胸を膨らませている人も多い日でしょう。

 

そんな新年度スタートの日の僕が何をしていたのかというと、小っさいライブハウスにいました。

 

バスクから来たパンクバンド・DES-KONTROLのツアーの一環にもなっているライブイベント・RADICAL MUSIC NETWORK。会場は新宿MARZで、かつてEarthists.を観に行ったこともあるハコ。

 

イベント自体は20年以上の歴史があるらしいのですが、僕はこのライヴの開催告知があるまで知らず、さらにDES-KONTROLも名前すら知らなかったバンドです。

 

新年度のスタートでの日であり、さらに週初めの月曜日。できることなら疲れたくない日であるにも関わらず、何故わざわざ足を運んだのかというと、理由は簡単、BRAHMANが出演するからですね。

 

新宿MARZはキャパ300人という小バコで、アマチュアバンドの出演もあるような場所。そんな会場でBRAHMANが観られるなら、月曜だろうがなんだろうが行くっきゃないでしょう。仕事には着替え一式を持ち込んで、定時になるや否やさっさと退勤。足早に歌舞伎町へと向かいました。この時間帯の新宿は激混みですね〜。ここ最近残業ばっかりで、すっかり遅い時間に退勤することがデフォだったから、この人混みは久しく経験してなかったぜ。

 

さすがに開演時間には間に合いませんでしたが、15分ほどの遅刻で済む。最初はDJが異国の民謡ロック(?)を流していて、BRAHMANは19時ごろの出演になるらしい。今日持ってきた上着が、VIRGOwearworksの2万くらいするジャケットだったので(何でライヴの日にンな高えモン着てくんだよと自分でも思いました。何でだよ)、さすがにこれでモッシュピットに入るわけにはいかない。

 

しかし30個しかないコインロッカは当然全て使われている。ジャケットはなるべく汚したくないが、狭小なライヴハウスBRAHMANモッシュ無しはイヤだ。

 

そんなダイブルバインドに悩まされた僕は、2万のジャケットをパーカーみたいに腰に結びつけるという暴挙に出ることにしました。着たままよか幾分マシだろ!うん!ちゃんと洗濯しよ。

 

 

BRAHMAN

これまで異国情緒溢れるエスニックなポップスをDJがかけていたのですが、それが登場SEに切り替わると歓声が上がり、グイグイとオーディエンスが前に詰めかける。

 

メンバーが登場し、ドラムのシンバルをRONZIさんが静かに鳴らし始めると、すぐに最初にナンバーがわかる。これは「初期衝動」だ。

 

ズンズンと響くギターリフが刻まれ、シンガロングとTOSHI-LOWさんの魂のヴォーカルが繰り出されると、早速強烈なモッシュピットの登場。僕は少々後ろの方にいたので、発生したピットにもみくちゃになるということはなく、台風の目のちょうど後ろくらいの位置どり。そのためモッシュしつつも後ろからの圧迫がなく、比較的体の負担が小さい※(注)

(注)「あくまでBRAHMANのライヴとしては」「Hands and Feet 9のツアーと比べて相対的に」の意

 

そのため普段のBRAHMANのライヴに比べて、多少はステージ上を見る余裕が生まれるのですが、本日のライヴの仕上がりはややラフな感じか。スピードも音源に比べて遅めて、ギターの密度もちょっと軽め。良くも悪くも荒々しい印象。

 

まあこのバンドのライヴの丁寧さは求めちゃいないので、このくらいガツガツで全然問題なし。

 

今回は異国から来たバンドとの対バンということもあり、なんとなく予想していましたが、カバー曲が多いセットリスト。2曲目から「MIS 16」のベースラインでミステリアスな空気を醸し出し、ド定番の「CHERRIES WERE MADE FOR EATING」(ゴダイゴは日本だけど)、激しいライヴハウスがいったん静かな空間へと切り替わった「FROM MY WINDOW」と、ハードコアの中に海外民謡の空気感が漂わせる手腕が光ります。

 

今回のハイライトになった楽曲は、極初期の楽曲である「晴眼アルウチニ」でした。この曲もLes Négresses vertesというグループの日本語カバーなので、やってくれるのでは?という淡い期待は抱いていたのですが、いざ実際に不穏なベースイントロが流れ出したら、「マジか!?」という驚いてしまう。

 

もちろんライヴで聴くのは初めてなので、一音一音耳に刻みつける気持ちで浸りつつ、「我を償え!」のシンガロングをキメる。この呪詛的なムードで会場の空気がまた一段階変わった感じです。

 

後半はバラード調の楽曲を多めに配して、落ち着いたひとときに。ここでボロボロになった体を少し休めることに成功。なお「鼎の問」はDES-KONTROLのドラマーの彼女のリクエストなのだとか。良いセンスしてるな!

 

その後は少し長めのMCタイムで、2019年にバスクBRAHMANがツアーへ行った際のエピソードを語る。「現地のオッチャンに散歩に連れて行ってもらえると思ってついていったら、30分くらい経った段階で「これ登山してねえか?」と気づいた」「往復4時間かけて帰ってきたら、その夜にライヴがあって、終わった後は動きがロボットダンスみたいになってた」という、聞いてる方は笑えるものの、当時は大変な思いをしたであろうお話。

 

登山中に先導してくれたオッチャンが「疲れてないか?」「水飲むか?」と、言葉は何にもわからなくても、不思議と何を言ってくれてるかがわかる。住む場所も言葉も文化も違うが、根底にある気持ちは同じだということがバスクのツアーで分かったと語った後の「Slow Dance」。これまでBRAHMANの「静」の楽曲が続いてきた中で、徐々に徐々に熱を帯びていくフロアの空気。

 

この空気に僕も当てられてしまい、モッシュのスペースが生まれたのだから、ここで一気に前に行くべきでは?という思考に。覚悟を決めて前方に突っ込むと、疾走パートでクラウドサーファーがバンバン降ってくるモミクチャタイムへ。一発脳天に強い一撃をもらっちゃったよ。

 

どこかに俺が映ってるよ

 

そしてダメ押しのラストナンバーは「The only way」で怒涛のクライマックス。僕はこの時点で前から2列目くらいの激近場所にいたので、この時点でステージの状態をしっかり見ることは諦めて、クラウドサーファーを裁きながら、大声を上げてバンドのパフォーマンスに応えることに専念しました。TOSHI-LOWさんの鬼神っぷりはやはりいつ見ても迫力満点だぜ。

 

 

DES-KONTROL

正直なところ、全然知らないバンドでした。バスクから来たパンクバンドという事だけ調べていましたが、楽曲は聴いておらず。

 

新年度スタートの月曜日で、この後4日間仕事が待っていると考えると、この時点で帰った方が賢い選択かも、という思いもあったんですが、こんな機会でもない限り観ることはできないバンドですからね。遠路はるばるやってきてくれたのに、少しも観ないというのも失礼な話ですし。

 

やはり今回のお客さんは9割方BRAHMANのファンだったようで、先ほどのギチギチフロアとは打って変わって、だいぶスペースには余裕がある。そんな中にもAUTORITY ZEROのTシャツを着た人や、鋲ジャンを着たハードコアなパンクスがいたりと、このバンド目当てと思しき人もいる。

 

海外のパンクバンド、それもアメリカとかイギリスとかとは異なる国からということで、フォーキッシュというか、異国情緒を活かしたバンドなのかなと思っていたのですが(開演前のDJが流してる曲もそんな感じだったし)、歌詞が英語ではない(スペイン語なのかな?)ことを除けば、オーソドックスなファストコア。

 

ヴォーカルパートがほぼ全部シンガロングというか、メンバー全員で歌い上げる、というか叫び上げる感じで、サウンドから感じられる勢いはかなりのもの。ベースの音がかなり目立ってブリブリしているのがハードコア的ですね。

 

メロディーをかなぐり捨てたハードコアというほどではないものの、メロコアというほど叙情性があるわけでもない。めっちゃシンプルなハードコアパンクで、ライヴで聴く分にはかなり盛り上がる。

 

そのバンドの熱がフロアにも伝わってきたのか、大半の人は様子見のような感じだったのですが、ライヴが進むごとに体を揺らし手を挙げる人が増えていく。人数こそ少ないながら、バンドに煽られる形でモッシュピットも発生していました。

 

バンド側もどんどんオーディエンスをノせていきたいのか、缶ビールを何本もフロアに投げ渡すサービスも披露。酒好きにはたまらん時間ですね。僕は酒はほとんど飲まず(今日のワンドリンクはカシオレだったけど)ビールはあまり好まないから、特に受け取りませんでしたが。

 

しきりに「どうもありがとう!」「サンキューBRAHMAN!」と呼びかけてフレンドリーな印象を強めつつ、ステージにTOSHI-LOWさんを呼び込んで、肩を組みながら共にシンガロング。おそらくTOSHI-LOWさんも酒が入ってるんでしょうか、かなり笑顔を浮かべてご機嫌な様子でした。

 

 

楽しめることが確実に分かっている狭小ライヴハウスBRAHMANに、シンプルでアグレッシヴなパンクの何たるかが伝わるDES-KONTROLと、2時間半ほどのライヴハウスの醍醐味をしっかりと味わえました。特にDES-KONTROLは思った以上に楽しかったので、わざわざ日本まで来てくれたお礼も兼ねて、物販でCDを購入しました。

 

狭いライヴハウスならではの光景として、普通に通路にTOSHI-LOWさんとKOHKIさんがいて、「うおっ、間近にいる!?」というミーハー心に火がつきかけるのですが(笑)、さすがにライヴ終わりで疲れている中絡んでも迷惑だろうと思い、横目で見る程度にとどめながら会場を後にしました。

 

タバコ臭い階段をのぼっていく中、「TOSHI-LOWお疲れ!」と酒のカップを受け取るTOSHI-LOWさんを見て、改めてライヴハウスって良いねと思いましたね。アングラな空気の中で、横のつながりが垣間見える感じは、大会場やフェスでは体感できないので。

8周年

2016年4月1日よりFC2ブログからスタートした当ブログ、本日で8周年を迎えました。

 

丸8年ずっと続けることができたものって、自分史上で何があっただろうな...?今の仕事ですら17年入社だから、ブログ歴より短いしな。

 

どうやら今年度は、キャリアが少しずつ長くなってきたが故に、めんどくさそ〜な内容の仕事を押し付けられる気配が、徐々に迫ってきています。あ〜やだやだ。マジでやだ。若手社員のように前衛でやっていきたいのにさ。重い責任なんて担いたくないよ。責任は放棄したまま給料だけ上がってほしい。

 

去年、一昨年とブログ更新頻度が下がってきていたので、今年からはちょっと頻度を上向かせようと思っているのですが、プライベートな時間がゴリゴリ削られると思うと、なかなか厳しくなるかもしれません。

 

まあそんな状況にもめげず、今まで通りマイペースに音楽聴いて、ライヴ観に行って、フェスを味わって、ブツブツ感想という名のひとりごとをつぶやいていこうと思ってます。

 

継続的に見にきていただいている方も、たまにフラッときてくれる方も、たまたまネットサーフィンしてたらブチ当たった方も、よろしければ今後ともお付き合いいただけると幸いです(90°礼)

 

そんなブログの周年記念日、および新年度スタートの日ですが、さっそくBRAHMANのライヴを全身全霊で楽しみ、身体がバッキバキになったわたくし。

Judas Priest 『Invincible Shield』

  • メタルゴッドの風格は未だ健在
  • 正統派メタルらしいソリッドで攻撃的なサウンド
  • オープニングを飾る3曲の畳み掛けが圧巻!

 

ズバリ、力作だと思う。

 

デビュー50周年を迎えた大ベテランにして、ヘヴィメタルというジャンルを象徴するメタルゴッド・Judas Priestが放つ、19枚目のフルアルバム。

 

50周年ですってよ。すごいですね。当時生まれた人がすでに会社の重役とか、偉い立場になっているような年月。なんかあんまりピンとこないな。「当時小学生だった人がもう成人に〜」みたいな表現よく聞くけど、ここまで長い年月になっちゃうとイメージがつかん。

 

当然メンバーももういい歳...というか、絶対的フロントマンであるロブ・ハルフォードは72歳ですからね。もう完全に「おじいちゃん」と言っていい年齢。それでまだ現役ロックバンドのヴォーカリストやってるってのがすごい。

 

ロブ以外ももちろん高齢となってて、メンバーとしてクレジットされているものの、グレン・ティプトンはパーキンソン病によりツアーから離脱、相対的に若手の部類に入るリッチー・フォークナーは大動脈瘤をライヴ中に発症するなど、そろそろ厳しい立ち位置になってきているな...と感じていました。

 

しかしどうでしょう、本作から放たれるオーラは。

 

名手アンディ・スニープによりプロデュースされたサウンドは、メタリックな音色感を強く押し出しながら、シャープで切れ味鋭く差し迫ってくる。ロブのヴォーカルもハイトーンのロングシャウトこそほぼ無いものの、中音域で堂々と歌い上げ、高音域ではカミソリのごとく鋭く尖った声を響かせる。

 

この研ぎ澄まされたギターと、メタルゴッドによる歌声。この二つの充実度が素晴らしく、圧巻の説得力を持って"ヘヴィメタル"であることを堂々と提示してくる。様々なサブジャンルが台頭しているメタルの世界において、「これがヘヴィメタルだ」と言わんばかりのようです。

 

近代的なメタルほどヘヴィでアグレッシヴでもなく、フック満載の芳醇な歌メロが聴けるわけでもない。いたって普通の正統派ヘヴィメタル。だからこそメタルゴッドとしてのオーラというか、風格めいたものを感じさえてくれるのでしょう。

 

50年のキャリアを持つだけある、熟練のオーラが際立つと同時に、本作のなにが良いかっていうと、勢いのある楽曲をまず頭に持ってきたことじゃないでしょうかね。M1「Panic Attack」、M2「The Serpent And The King」、M3「Invincible Shield」の3曲が、ソリッドなギターで畳み掛ける、アップテンポのヘヴィメタルで非常にカッコいい!

 

やはり第一印象というのは大きいもので、最初にここまでアグレッシヴなスタートを切ることで、本作が良作であることを決定づけてくれた感じですね!M3の後半のメロディックなギターソロを聴く頃には「これは名盤では...!?」という期待感が大きく膨らみました。

 

残念ながらこの3曲以上のインパクトを与えてくれるような曲は(少なくとも僕にとっては)なく、少々地味めな曲も散見されることにはなるのですが、全体通して神としての厳かな雰囲気や風格を損ねることのない、充実したメタルチューンが続く。初っ端のピックスクラッチから意識をグッともっていくパワフルなM7「As God Is My Witness」、神格化されたロブの叫びが非常にドラマチックなM11「Giants In The Sky」あたりが特に好き。

 

なおデラックスエディションは、ブックレット仕様のパッケージとなり、ボーナストラックが3曲追加されていて、全14曲1時間以上の大ボリューム。曲数が増えてお得ではあるのですが、まあボートラゆえそこまで突き抜けた出来ではなく、本編ラストの余韻をかき消すように流れるので、正直そこまで嬉しいオマケではないな(笑)

 

頭3曲に匹敵するようなキラーが後半にもう1曲くらい入ってたら、もしくは前作の「Rising From Ruins」のような、様式美センスが炸裂したキラーがあれば、さらに印象が底上げされたかと思われるので、そこは惜しい点でしたね。しかしそれを含めても、ヘヴィメタルとして高いクオリティーを誇る、充実のアルバムであることに違いはありません。

 

しかし、もうとっくにドロップアウトしてもおかしくない年齢になっているというのに、ここまでキレある作品を生み出すとは、メタルゴッド恐るべしですね。まだまだやれるぞこの人たち。

 

 

個人的に本作は

"メタルゴッド健在を証明する、堂々たる正統派ヘヴィメタル。冒頭3曲で名作確定したくなる"

という感じです。

 


www.youtube.com

 


www.youtube.com

PENNYWISE 『Land Of The Free?』

  • 姿勢からサウンドまで真のパンクロック
  • キャッチーだが甘く楽しいポップパンク臭は皆無
  • Fuck Authority!

 

SUM 41、BAD RELIGIONときて、さらにもういっちょパンクロックのアルバムについて書いちゃおう。

 

アメリカのパンクバンド・PENNYWISEの2001年発表のフルアルバム。現在は離れていますが、本作発表時はBAD RELIGIONのブレット・ガーヴィッツが代表を務めるエピタフレコードからのリリースです。

 

PENNYWISEは、ジャンルとしてはメロディックハードコアに区分されるのかなと思うんですが、このアルバムは(というかこのバンドは)、明るくピョンピョン飛び跳ねて楽しめるポップパンク的サウンドではまったくなく、モッシュやサークルで暴れながら中指を立てることができる、徹底した反骨心溢れるパンクサウンドに仕上がっています。

 

歌メロはキャッチーでメロディアスではあるのですが、決して"ポップ"には行ききらない。ヘヴィではないがペラくもない、適度なハードさを持ったサウンドが疾走し、社会や権力への怒りを吐き出すリリックが載る。まさにファッションやフェイクではない、正しきパンクロックの姿がここにある!

 

怒号とサイレンの音色で緊迫感を演出するM1「Time Marches On」から、PENNYWISEらしさ満載の疾走パンクが炸裂。そこからテンションを落とさぬまま、ザクザクとしたアグレッションを持つギターに、地を這うハードコアテイストあふれるベース、タイトな疾走を繰り出すドラムと、甘さの無いパンキッシュな躍動を楽しめます。

 

疾走する曲からミドルチューンまで、テンポの差はありますが、基本的に大体どの曲も熱量は変わらないまま突っ切っていく構成なので、単純で聴きやすい分飽きがくるのも早そう...って、同じこと『Never Gonna Die』の感想文でも書いたな。昔から曲の方向性にブレが無いんでしょう。

 

show-hitorigoto.hatenablog.com

 

捨て曲なんぞはなく、どの曲もPENNYWISEらしい硬派一徹のパンクが堪能できますが、やはり際立ってカッコいいのは、タイトルトラックとなる疾走ナンバーM2「Land Of The Free?」、サークルピットとシンガロング不可避なアップテンポパンクM4「Fuck Authoity」、"Yeah! Yeah!"の激アツシンガロングでメチャクチャテンションが上がるM5「Something Wrong With Me」の3曲ですね。

 

まあ曲がどうこうというよりは、曲名をそのまんま「WTO」にして、怒りと疑問を直球で歌詞にしたり、「クソ権威」なんてワードを使った曲がリードトラックになったり、徹底して社会や政治に中指を立てる姿勢そのものが、このバンド一番の武器でしょう。

 

格好だけではなく、スピリットに至るまで反体制を貫く、シリアスなパンクロックを聴きたいなら迷わず聴きましょう。そしてFuck Authorityの叫びを共に上げるのです!

 

 

個人的に本作は

"怒りと反抗の意思を突き通す本物のパンクロック。一本調子ながらタイトな勢いを感じさせる痛快さと、ポップにならないキャッチーさ"

という感じです。

 


www.youtube.com