2017年めっちゃ聴いたアルバム10選
あけましておめでとうございます。
タイトルの通り、2017年にやたらと聴いたアルバムを自分用にまとめました。
必ずしも2017年に発売されたアルバムではない。
というか2017年に発売されたアルバムは同人以外入ってない。なんだこの様は。
1. Kamashi Washington『The Epic』
ツイッターでオススメされたので聴いた1枚。
時にスリリングで、時に甘い。曲の幅は広いが、若々しい緊張感に貫かれた快作。
構成は完全にジャズなのだけど、展開に筋が通っているというか、とにかく盛り上がりどころが掴みやすい。
ソロのメロディラインも一聴すればわかるほど練られているし、難解なリズムもない。
けれど歌謡曲に堕することは一切なく、終始前のめりな、ギラついた緊張感が感じられる。
ジャズだけでなく、あらゆる音楽と地続きになりえる音楽なのではないだろうか。
ジャズを敬遠していた人にこそ聴いてほしい1枚。
2. Underworld『Beaucoup Fish』
電気グルーヴあたりを掘ってた時にたどり着いた1枚。
「踊れる」だけじゃない、どこか内省的で起伏に富んだダンスミュージック。ジャケットのイメージがピッタリ。
昨今のEDMなんかと比べたら音数は少なく、同時に鳴る楽器も少ない。けれどやたらと説得力のある音。なんというか、「凄み」がある。
音の種類自体は多いし、曲調も多彩で、聴いていて飽きない。独特な世界に連れて行かれる感覚がある。
聴くシチュエーションとしては、酔っ払った時に爆音で流すことが多かったな。酔っ払った時に爆音で聴いたら9割の音楽は良く聞こえると思うんだけど、こういうミニマルなやつは特にね。「効く」よね……
3. Swervedriver『raise』
熱いシューゲイザーが聴きたくて探していたら、これが見つかった。
まさに好みドンピシャ。疾走感に溢れた轟音ロック!
これこそ爆音で聴きたい。
うねりながら空間を巻き込んでいくギターリフ、轟音で空間を塗りつぶすギターソロ、どちらも最高。凡百の軟弱なシューゲイザーとは一線を画する若々しい衝動。
最近再結成してアルバムを出したらしいが、そちらはまだ聴いていない。今年中に聴くぞ~ いつまた解散するかわからんし
4. Kanye West『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』
人に「2010年代の最重要アルバムやぞ!?!?」と熱く勧められて。
このアルバムは衝撃的だった。確かに文句のつけようがない大傑作。
まずリリックについては、カニエ自身の精神がテーマ。ヒップホップをやっていく上で避けては通れないマッチョなイメージ、それと等身大の自分との乖離。そんな心の罅を、時に婉曲的に、時に直接的に独白していく。そのメッセージの重厚な肌触りは、このアルバムにしかない唯一無二のものだと思う。
そして、サウンドも素晴らしい。King Crimson、Black Sabbath、Aphex Twinなどからの多彩なサンプリングが光り、豪華なゲストも魅力的。そしてそれらを纏め上げるカニエの才能よ。
確かにこれは聴かないわけにはいかない。エポックメイキングな一作。ぼくはめちゃくちゃ聴いた。お前らはどうや?
5.The Novembers『Hallelujah』
2017年中に一番聞いたアルバム。大傑作。
これまでのNovembersももちろんいいバンドだったけれども、この『Hallelujah』は明らかに別格。ここに来て完全に羽化した。
歌謡曲を思わせるような美しいメロディ、轟音で引っ掻き回すようなギター、暴力的な音圧。
あまりにも美しく、あまりにも孤高。
特に4曲目の「美しい火」が好き。こんなに美しい曲あるか?ぼくは他に知らん。
2017年に聴いたアルバムの中ではこれがベストだろう。
6. エレファントカシマシ『生活』
記事を書いたので割愛。
7. The Libertines『up the bracket』
記事を書いたので割愛。
8. Pixies『Doolittle』
記事を書いたので割愛。2017年で2番目に多く聴いたアルバム。
9. 岸田教団『Ancient Flower』
東方アレンジ。岸田教団10周年のアルバム。
帯には「10年の歳月。10年分の進化。」とあったけれど、
確かに「10年前の岸田にはこのアルバムは作れなかっただろう」と思えるような1枚。
『幻想事変』なんかと聴き比べると全てが進化しているが、特にボーカルのichigoの進化にハッとさせられる。昔の平板な歌い方も好きだったが、今の表現力豊かなichigoにしか歌えない曲というのは確かにある。
中でも「secret philosophy」が本当に好き。ハルトマンアレンジでこの歌詞で……全てがもう、好き。ダメ。何回でも聴いちゃう。
10. TUMENECO vs Get in the Ring『Another World 4』
TUMENECOとGet in the Ringの合同企画4枚目。
2枚構成で、disk2はAnother World 1 & 2の再録となっている。
「ミクロコスモス」が好き。針正いいよね…………いい………
四つ打ちのギターポップにのせてガッツリ百合ストーリーな歌詞をぶつけられて、正気でいられる人間存在する?
これだからツメネコとげとりんはよォ~~~~
再録のdisk2も非常に良く、中でも「心の行方」は最高。
やっぱりどうもハルトマンアレンジに弱い。
ということで、今年も直近に発売されたアルバムを聴かずに終わってしまった。
Kendrick Lamar『Damn』、Gorillaz『Humanz』くらいは少なくとも聴かないとなあ。
今年こそは時勢に敏感になっていきたい。
Super Furry Animals『Guerrilla』
今日のアルバムはSuper Furry Animalsの『Guerrilla』。
ウェールズ出身のサイケポップグループSFAの、三作目のアルバムだ。
今まで聴いた『Ring Around The World』『Hey Venus!』と同じく、
サイケな音の洪水の中に唐突に現れる歌メロが美しい。
けども、上記二作よりはサイケ成分が強い気がするな。
歌メロが入る部分でも他の音が多く、ともすればメロディが埋もれそうになっている。
そのせいか、キラーチューンと呼べるほどの曲はないなあ。
ただ、アルバムとしてはかなりいい。
全曲にわたってハズレはないし、中だるみもしない。
これから何度も聴いていきたいな。
お気に入り度★★★
「Night Vision」「The Door to This House Remains Open」が好き。
The Beatles『Abbey Road』
急に忙しくなり、全く一日一枚音楽を聴く時間がとれなくなりました。
暇を見つけたら更新していきたいと思っていますが、
もう「一日一枚音楽記録」ではないなあ……
というわけで、久々の一枚は
ジャケットは古今東西全てのCDの中でも一二を争うほどに有名ですが、
その内容となると案外知らない人が多いような。
何を隠そう、ぼくもその一人でした。
解散前最後のアルバムだと聞いていたので、
なんとなくとっ散らかったものをイメージしていたのだけど、
意外にもまとまりが良い。後半なんかメドレーになってるし。
ゴリゴリのハードな曲から爽やかでとぼけた曲まで、バリエーションが豊かなのだけど、
それがギリギリのバランスでまとめられてる感じ。
King Crimsonの『Red』を彷彿とさせる緊張感と開放感。
バラバラだったビートルズのメンバーは、このアルバム一点においてのみなんとか歩調を合わせ、結局アルバムを出した後解散した。
その事実が、通りにあるただ一本の横断歩道を渡るメンバー達の写真に表現されているような気がして、
切なくなってしまうな……
この瞬間だけはみんな同じ歩幅で、同じ方向を向いて歩いているけど、
次の瞬間には各々の目的地へ向かって別れていってしまうんだろうな……
そう考えると、凄いジャケット、良いジャケットだよなあ……
お気に入り度★★★★
「Here Comes The Sun」が好き。後半のメドレーは全曲良い。
『Shivaay』
今回のアルバムは『Shivaay』。同名の映画のサウンドトラックだ。
なんで急にインド映画のサントラなのかというと、
この二週間ほど旅行に行っており、飛行機の機内で聴いたのがこれだったので……
今回は全曲感想書いてます。暇だったんだね。
1.Bolo har har har
雲の中から現れるようにボーカルが入り、しばらくしたらそこに明滅する火花のごとくギターが入り、そしてラップに展開するのだけど……
このラップが超かっこいい!
意味は全くわからんが、流れるようなヒンズー語のラップがアツい リフレインとともに盛り上がって行く展開も素晴らしい アクション映画にふさわしい派手な曲。
2.Darkhaast
80's風ロック。まあそれっぽい。たぶん泣けるシーンで流れるんやろな。
3.Raatein
かわいらしい女性ボーカルのフォーク。
伴奏は最初は弦一本だが、途中でパーカッションが入り、それとともに世界が広がっていく。野原かと思ったら、俯瞰してみたらアルプス山脈でした、みたいな。なかなか好き。
ヒロインのテーマか何かかな?
4.Tele Naal Ishqua
オルタナ風。ボーカルがメインの曲だろう。鼻にかかったような声がインドらしくて良い。序盤のギターソロも個性的な旋律で良い。
5.Raatein(Reprise)
ボーカルの民族的な旋律と単調なビートに乗って、どんどん曲が展開していく。ちょっとKalafinaを思い出す。
雲の中から現れたアルバムは、再び雲の中に消えて行くように、幻想的に幕を閉じる。
お気に入り度★★★
「Bolo har har har」が好き。
The Strokes『Is This It』
今回のアルバムはThe Strokesの『Is This It』。
いつだったかガレージロック・リバイバルについて言及したけど、
The Strokesを聴かずにガレージロック・リバイバルを知ってるような顔をするのは良くないな……と反省したので、今回は彼らの1stアルバムで、名盤との誉れ高い『Is This It』を聴くことにした。
ミニマルでミニマム、研ぎ澄まされたリフが気持ちいい。
ひたすら刻んでいくようなリズムは、クラウトロックやテクノを思い起こさせるようでもある。特に8曲目「Hard to Explain」とか。
かといってソリッドなだけではなく、ボーカルのたっぷりした歌い方や、ときおり現れるメロディアスなギターによって、どこかほのぼのとした明るさも感じることができる。日曜日の朝のような、ゆったりとした期待感。
なるほどな……これは良いな……
お気に入り度★★★★
「Someday」「Take It or Leave It」が好き。
Mogwai『Mr.Beast』
Mogwaiは前々から気になっていた。
ガレージロック・リバイバル好きなんかには馴染みの深い都市・グラスゴー出身の、
泣く子も黙るポストロック界の重鎮として、方々からその名を聴いていたからだ。
Mogwaiの凄いところは、やっぱり「一度名前を聞いたら忘れられないところ」だよね。
モグワイ。モグワイ。モグワイってなんなんだ。どうも映画に出てきた怪物の名前から取られたみたいなんだけど、なぜかサモエドを更に毛深くしたような犬を想像してしまう。薄汚れた毛玉のような、ふはふはした犬のモグワイ。いいなあ。モグワイと一緒にアメリカ山間部の大きな家で暮らしたいなあ……
さて、アルバムのほうですけども……
う~ん、あんまりピンと来なかったな。
メロディがまずあまりピンとこないし、
ライナーノーツで強調されていた「静寂→轟音のフォーミュラ」も、イマイチ物足りなかった。
こういうのはやっぱりライブを聴くと違うんだろうけどもね。
お気に入り度★★
犬の話ばかりになってしまった。