今回の記事は、私めが創作などに愛用している書籍の紹介です。
仕事にも趣味にも使える、配色見本集の書籍です。
シリーズ累計40万部、様々な芸術・デザイン・色彩といったジャンルの書籍売上ランキングで1位に輝き、世界中で支持されているというすっごい本なんですね。
この手の実用書の類ってなんとなく小難しそうなイメージがあるかもしれないですが、本書は全然そんなことなく。それでいて大事なポイントはしっかり押さえられている。
例えば「カラフルな色使い」とひと口に言っても、何を連想するかで使う色は全然異なるわけです。お花畑、虹、スイーツ、etc…
「ナチュラル」がテーマでも、ハーブと大地ではイメージが全然変わります。
そんな細やかに設定されたカラーパレットが、イメージを膨らませてくれるタイトルや色名、エッセイのような説明文、素敵なイメージ写真や作例などと共にたっぷり掲載されています。
中には実在の世界の有名絵画をモチーフとしたカラーパレットなんてものも収録されていたりします。
もうね、眺めてるだけで楽しいんですよ。何に使うわけでなくとも、ず~っと無限にパラパラ眺めて、あれこれ思いを馳せていられる。
そう。見てるだけで楽しい。これがこの記事のミソです。
頑張って勉強しようと自分を奮い立たせなくても、先に述べた楽しんで配色に触れられる工夫が施されていることが、この本が支持される理由なんだと思います。
私の好きなシンガーソングライター・谷山浩子さんのエッセイ集『真夜中の図書館』の中に、子ども向けのバイエル教本を題材にしたこんな話が載っています。
好きなことでなければ、本当の意味で頑張ることはできない。しなければならないことがあるなら、それを何とかして好きになるのが達成への一番の早道です。
(中略)
楽しくなってやる気が出たら、子どもだってびっくりするほど力が出る。頑張ってることに気づかずに頑張れるのです。
これはきっと子どもに限った話じゃなく、大人にとっても必要なことなんです。
頑張るのではなく、楽しむこと。好きになって、夢中になること。この本の著者・桜井輝子様もまた、そんな楽しむ心の力をよくご存じの方なんだろうなと思いました。
色使いに苦手意識を持つ人を時々見かけますが「色は難しくないよ、楽しいんものなんだよ」と呼びかけてくれる、そんな珠玉の一冊なのです。
最後に。
この本に魅せられて、実際に収録カラーパレットを使用した作品をひとつまみ。