東京派遣OL体験記

はじめまして

上司の異動

入社直後から3ヶ月間、お世話になった上司が異動になった。

異動といっても、他の部署へ移るだけでまあ会わないこともない距離感。

 

短い間だったからか、微塵も寂しさを感じられない。

 

気を使いすぎるひとでどちかというと苦手なタイプ。

察して欲しいらしい

気つかうわそんなん

 

いや、仕事なんだから気遣えって、?

まあ、ね

おっしゃる通りですとも

だから私は仕事ができない、ね

 

アリガトウゴザイマシタ。。。

 

虚無感を埋めるようにポテチをくらう

お腹が膨れれば心も満たされる

 

ああ、なんて虚しい

 

 

 

東京派遣OLの誕生

地方の大学を卒業した私は漫然と未来への不安を抱いていた。

キャリア? 

挫折を知った後ただひたすらに楽をモットーに生きてきた私の心には微塵も響かない。

お気楽に日々淡々と生活できることが何よりも幸せ。そこそこ名の知れた企業の総合職につく同級生たちを横目に自分は自分と信じて疑わなかった。

 

いま思えば勘違い甚だしい赤っ恥だが、バイトの延長線上でお気楽に働けると考えた飲食のホールスタッフの社員になる。

そんな気持ちで働いてたらまさかの閉店に追い込まれるも、まあそんなこともあるか程度。

適当にタウンワークで求人情報をあさり、コンビニよりも店舗数が多いという歯科医院の社員になるも、院長に洗礼をくらう。

 

そう、至極当たり前のことだが、社会は甘くない。

特異な日本の就活市場において最も重要視されるピカピカの新卒履歴書。いつの間にか手垢だらけの紙切れと化していた。

 

社員の肩書きからさえも逃げ惑い、ふらふらと友人に促されるがままにたどり着いたのは派遣OL。

なんとも艶かしい響きを耳に残すと感じるのは私だけだろうか。気づけば自分もオフィスレディ、OLになっていた。