帰ったらお母さんのおにぎりが食べたい

フランスに来てから、ほとんどわずらったことのなかったホームシックになりかけている。

母が10日ほどフランスに遊びに来ており、帰った翌日から体調を崩した。
それが治ったと思ったら、深夜に食べたピザにやられたか、次の日から吐き気と寒気でえらい目にあった。
二日間くらい絶食をして、ようやく口にしたのが母が持ってきてくれたインスタント味噌汁だった。
固形物を食べる気にはならないが、無性に白米が食べたくなった。

そんなわけで、今日は久しぶりに米を炊きだめした。
ここぞとばかりに、これまた母の持ってきてくれた”のりたま”と”ゆかり”そして”塩昆布”を代わる代わる楽しんだ。
旨味、最高。

そこで、ふと思ったのが”母のおにぎり”だった。
何度握っても母とは同じ味にならない、おにぎり。
ご飯の詰まり方とか、具の入り方とか塩加減とか。
簡単なだけに難しいというか、理想の感じにならない。
そして理想にたどり着くほど握らない。
だから一生たどり着かないのかもしれない、あの、おにぎり。

日本へ帰ったら、と考えると不安になることも多い最近だった。
だけど戻ってからの食事のことを考えると結構楽しい。
美味しいお刺身を食べたいし、焼肉もしたい、お好み焼きも捨てがたい。
でもひとまずは、おにぎりだ、と今日決まった。

帰る理由が一つできたのは良いことかもしれない。

12月29日 20:52