生存
あれから。
何年経ったかわからない。
時が流れて、
場所を移って、
自分が変わって、
関わる人も変わった。
メリットとデメリットで付き合う人や関わる物事を測り、
選別するのは好きではなかった。
目に映るものを受け止めて、
できるだけ損なわず、傷つけず、やさしく、強く。
そんな理想と呼ぶほどはっきりしないまでのボンヤリとした目標は掲げてはいたような気がする。
それでも、生きていくうえで嫌なものは出てくるので、
その人や、その仕事、その出来事から遠ざかるようにはなった。
人の愚痴も聞かなくなった。
無理に誰かを助けようとすることもなくなった。
美しい友情はいらないし、
震えるほどの恋も望まない。
夢を描かなきゃいけないほど現実に期待したり絶望もしない。
目の前にいる友達と、
いま目の前にある課題、
帰宅後に食べる夜ご飯、
手に余るほど大きくなった2匹のカメたち。
それがいまの全てで、
なんとなく幸せで、なんとなく嫌な気分で、
いろんなことを含めて心の中で噛みしめてます。
ぼくは生きている、と。
それでは、また。
(ちょっと気を抜くと人生最高!と呟いてしまうのは内緒。