雛仕舞う

093 嫁行けぬことは避けたし雛仕舞う
094 思いでにひたるは父のみ雛仕舞う

飾ったと思ったら、もう仕舞うのか。やけに早く感じる3週間であった。幼いころは、もうしまっちゃうのと、さびしがっていた娘も21。今は、教員採用試験に向けて勉強している。父と同じ仕事をしようと思ってくれるのは、なんだかうれしい。

飾るときにも感じたことだが、あと何度仕舞うのだろうかと考える。そう考えると、少しばかりさびしい。しかしながら、雛を仕舞う納戸はせまく、さらにタイヤが4つ入っているため、それを一度出さなくてはならない。これが五十路半ばの体には少しばかりキツいのでR

春一番が吹いたとか、ジャイアンツがオープン戦で連勝したとかいうニュースよりも、疲れが勝ってしまうのだ。しかしながら、やはりこの国に生まれ、伝統文化ともいうべき雛祭りをささやかながらも毎年できることには感謝するほかない。なんだかんだ言っても(何も言ってなくとも)幸せと言えば幸せなのでR まる

095 雛仕舞う泣いてた娘手も貸さず
096 あと何度仕舞うのだろう雛仕舞う
097 飾るよりさびしい父や雛仕舞う
098 雛仕舞うあっという間の三週間
099 雛仕舞うこれでも幸せ噛みしめる
100 何も無き日々も幸せ雛仕舞う
101 娘いまズームで講義雛仕舞う
102 雛仕舞いひとりそうじ機かける父

f:id:heatland1024:20220305190737j:plain

f:id:heatland1024:20220305190740j:plain

 

二月尽

080 二月尽そろそろ成績処理の時
081 二月尽そろそろ人事気になるころ
082 二月尽そろそろ異動の話題かな

気がつけば3月となっていた。こういう過ごし方をもう何十年も続けてきた。これでいいのかと考えるひまも無い。これでいいのだ、と思うこともできない。まるで反省もなんも無い、といった感じでR

遠い国のできごとが、まるで目の前で起きているかのごとく、PCの画面をながめている。あらためて日本は平和だと感じる。平和なのだから、これ以上を求めることは控えないといけないと思う次第だ。

俳句の師匠である小山正見氏の句集を毎朝読み返している。自分もこういう句が詠める時が来るのだろうかと考える。まだまだ人生を語るほど生きてはいない。でも、今の自分を悔やむのはやめよう。そして今日も、いつも通り出勤する。拙句をまた笑って読んでいただきたい。まる

083 二月尽二月何日あったっけ
084 二月尽小生なりにやってきた
085 今の自分捨てるのは今二月尽
086 春ショール外出できずかけたまま
087 春ショールまいてるキミを妄想す
088 春ショールまくのか迷う十二秒
089 猫の恋陽水きいて泣こうかな
090 猫の恋遠き思いで浮かべ泣く
091 猫の恋キミに寄せる恋はジェラシー
092 梅匂うけど癒やされぬこの疲れ

f:id:heatland1024:20220305190938j:plain



春寒し

070 春寒し疲れすぎたよ六日間
071 春寒し六日仕事の疲れかな
072 春寒し六日働く五十路半

先週は六日間の仕事。土曜日は、オンライン授業参観。しかも弁当持ちということで、子どもたちのテンションはMAXであった。小生と言えば、それまでの仕事でぐったりに近い状況であり、とても余裕をもって授業参観にのぞめるような力は持ち合わせてなかったのでR

それにしても寒い。暑がりで12月に入っても半そでで過ごすこともあるほどである小生が、寒いと感じる。長そでを着た初日に、他の学年の子までが「かとうせんせーが長そできてる~」と、わざわざ見に来るほどであるのにでR

話はオリンピック。カーリング女子は初の決勝進出で惜しくも銀。スピードスケートのパシュートも銀。しかし、悔し涙にも少しばかりちがうものがあったように思う。小生は、団体戦がすきだ。銅メダルを獲得した複合の団体戦で渡部選手が「みんなで喜び合えるのがいい」というようなコメントをしていた。小生も同じ。日本が勝ったと感じる。いっしょに泣けるのもまたすばらしいではないか。個人のメダルにも感動するが、やはり団体戦がすきなのでR

小生も、相撲の稽古を見ていた時期があった。ここ数年はコロナで開催されていないが、個人戦両国国技館の土俵に立つような子もいたのだが、市内の大会で団体戦で優勝できたときのうれしさといったらなかった。オリンピックとは比べられないような、ちっぽけなことではあるが。

北京オリンピックもいろいろあったが、あらためて感動をいただいた選手の皆様に感謝申し上げたい。小生も非力ながら、今持っている力を最大限に活かして過ごしてまいりたいと思う次第だ。いつものように拙句を笑っていただけたら幸甚でR まる

073 春寒し職場に着きて降り難し
074 春寒し子らの口パク朝の歌
075 春寒しささやくような子らの歌
076 春寒しやけに青すぎる空かな
077 君想い光の春となりたいな
078 昼休み光の春のドッジボール
079 春光やレースカーテンまぶしがる

雛飾る

067 あと何回飾れるのかな雛飾る
068 まだ寝てる娘尻目に雛飾る
068 雛飾る配置はスマホの画像見て

21になった娘は、今年、大学4年生になる。おひな様を出すのは20回目だ。出してしまってをくり返しているのだが、なかなかに疲労を伴うものなのであり、20年前から比べ、その疲労の度合いと言ったら、かなり大きくなったことは否めないのでR

とか言いつつも、やはりこのようなことを毎年、変わらずに続けられたということは、ひとえに家族が安定して過ごすことができたからであることは言うまでもない。疲れた体をビールとワインで癒やしたこともつけ加えておく。あらためて小生を支えてくださった全ての方々へ感謝申し上げる次第でR

話変わってオリンピック。やはり世界レベルで競技する選手たちの言葉には、学ぶべきものがある。できることならば、子どもたちにも折にふれ話していきたい。

一年前、来年の今ごろは、さすがにコロナも収まっているだろうと思っていた人は多いだろう。あまり大きな声では言えないが、先週、オンライン授業なるものを経験するに至った。何とも言えぬ感じというのだろうか。子どもたちの反応を感じることができない。こちらの声がどこまで伝わっているのかも十分にわからない。来週からも、子どもを前にしながらも、タブレットの向こうをも相手にしなければならない。さすがに来年の今ごろは、収まっていることを願ってやまないのでR まる

晩冬

055 晩冬や沙羅は引き際ほのめかす
056 晩冬や沙羅だと思ったメダル一号

感染者数が10万を超えたと、ニュースは伝える。しかし、家の窓の外子、車で走る周りの様子は、いつもとまるで変わらないように見える。ついに心配していたことが起きようとしている。正直、この日曜日の朝も心配している。明日はどうなるのだろうと。

冬のオリンピックが好きだ。だいぶ昔のことになるが、長野オリンピックのジャンプで、日本選手の金メダルに感動してからのこと。ジャンプ、スケート、スノーボード、スキーなど、どうしても日本選手のメダル獲得を期待してしまうのでR

しかし、メダルを逃した髙梨選手は、もう私の出る幕ではない、と語ったという。出る幕のない小生が言うのもなんだが、髙梨選手に「がんばりが足りなかった」などと言われては、小生は何をやってるんだと思わざるをえない。オリンピック選手の言葉は、いつも小生に渇を入れてくれる。これからしばらくは、その言葉を小生なりに受けとめたいと思う次第だ。いつものように拙句を笑ってくだされば幸甚でR まる

057 晩冬やニュースほど緊張感無し
058 晩冬やひれかつに胃は満足し
059 晩冬や赤きほっぺの一年生
060 晩冬や昭和の唄きくユーチューブ
061 晩冬は晴れとくもりをくり返す
062 晩冬や子らにドッジボール負け
063 運動場二周走って冬終わる
064 のど元を過ぎて受験の熱さ無き
065 受験とは遠き思いでとなりけり
066 人ごとのように受験のニュースみる

マスク

036 毎日のマスクに人は弱くなり

また一週間が過ぎ、もう2月になろうとしている。昨年の今ごろ、きっと来年の今ごろは、なんていうことを考えていた人も多かったのではないか。ところが、でR

マスクすることが当たり前になっているが、マスクによって、多くの変化が起きているのではないかと思えてならない。よいこと、そうでないこと。小生が日々を過ごしている中で感じたことを「マスク」越しに詠んでみた句。笑いながら読んでいただけたら幸いでR まる

037 マスクには防音効果ないままに
038 マスクしてなほ突き刺さる言葉かな
039 マスク越し会話のぎこちないままに
040 おはようの声まで黒きマスクかな
041 マスクしてマスクの子に手振りてをり
042 遅刻して入る子マスクずれてをり
043 言いたきを言わざる今のマスクかな
044 黒マスクそうじの子らは目だけ見え
045 説教もマスク越しには効果なし
046 愛してる二枚マスクで伝わらず
047 マスクして耳にもマスクされてをり
048 あのひとも美人に見えるマスクかな
049 せっかくの美人台無しマスクかな
050 どうしても言いたきこともマスク越し
051 マスクして教師にうそも言いやすき
052 本音とも建て前ともつかぬマスク
053 目もかくすばかりに大きマスクかな
054 本当に効き目あるのかマスクさん

大寒

030 大寒をもろともせずにドッジボール

一年のうちでもイチバン寒いころ。みなさまはお元気であろうか。小生は、元気もりもりではないにしろ、休み時間には寒さに負けず、子どもたちとドッジボールをしている。まあこれも仕事、ということでR

初任のころから休み時間に、子どもたちとドッジボールをしているのだが、最近では、なかなか子どもに対しても分が悪いことこの上ない。体力が落ちているのは言うまでもないが、それ以上に、力を入れて投げると、肩に激痛が走るのでR

それをよいことに、子どもたちは、小生のボールをキャッチしては、悦に入っている。それもまたよい仕事だと、思えるようになった次第だ。しかしながら、こうして子どもたちとドッジボールができるのも、あと何年なのだろうか。定年が64となりそうなのだが、その歳までずっとできるのであろうか。そんな意味のないようなことをぼんやり考えてしまうことをお許しいただき、拙句を笑っていただけたら幸甚でR まる

031 大寒や温め直すパスタかな
032 大寒の感染増におびえをり
033 大寒の朝みそ汁が腹に沁む
034 NHKニュースで大寒の日と知る
035 大寒やすきなあのひと今何を