特別お題「わたしがブログを書く理由」
息子は作文が苦手だ。
作文などというたいそうなものではなく、まず日記を書くこともままならない。
現在小学3年生の息子は2年生の時から毎週末日記を書く宿題を課されているのだがこれがまぁ進まない。
一週間のうちにあったいろいろな出来事の中から1つ書けばいいのだが、書けない。
だから日曜日は夕方まで泣きながら日記を書いて終わるという日がけっこうある。
なんというか、書かなくちゃいけないという重圧に書く前から負けているのである。だから鉛筆が進まない。息子にとってノート3ページ分の文章を書くことは壮大な長編小説を書くようなものなのだ。
私は言いたい。
いつもいつもいつまでもしゃべり続けてることをそのまま書くだけだよと。
息子に初めて会った私の知人は必ずこう言う。
「お前よくしゃべるなー」
と。
相手が誰であっても息子はひたすらに、いつまでも話し続ける。
好きな戦国武将やポケモンやマイクラや昆虫や恐竜に対する情熱を無限にぶつけてくる。
それをそのままノートに書くだけなんだよ。君なら毎週20ページくらい書けるんじゃない?と思うくらい息子はおしゃべりだが、話すのと書くのでは勝手が違うらしい。
ならば親である私が手本を見せようと思った。いや、手本なんてたいそうなものではない。一緒に文章を書く苦しみを味わおうと思った。
そもそも日記書かない人にそんなの早く終わらせなさい、と言われても息子からしたら書いてないやつに言われたくないよって話だ。
私が日記を書いても息子の担任の先生は採点してくれないのでブログに書いてみる。ブログは20年くらい前にちょびっとだけ書いてすぐやめて以来だ。
ブログサービスはいろいろあるけどはてなにした。活発に投稿している方が多い気がしたからだ。
美容や株やラーメン屋さんの紹介があまりないのがいい。ニーズが多いのはわかるが私には必要ない。
ブログ名はひとまず脱皮とした。自分の固定観念の殻を破る、枠を乗り越えるといったかっこいい意味はない。でも思いついたからそういう意味あいにしておこう。
玄関ででかい蜘蛛の抜け殻を見つけて語呂がいいかなと感じたからだ。
脱皮ってなんとおおざっぱな行為だろうか。字のごとく皮を脱ぎ捨てるなんて。かさぶたがポロッととれるのとは訳が違う。
君たちは代謝で自然と古い角質が剥がれ落ちるのを待てないのかい?脱皮直後は無防備で命を危険に晒すんだよ?できることなら蜘蛛や蛇に聞いてみたい。
こうして書いてる間にも息子と妻とのバトルが勃発した。
カレンダーの見方がわからないからAlexaに聞こうとする息子。現代っ子だ。
なんでそんなこともわからねーんだと激昂する妻。気持ちはわかる。もう何度繰り返したかわからない問答だ。
小学3年男子なんて女親にナメてかかるのは当然だが二人姉妹で育った妻や妻の両親には息子はまるで未知の生物らしくひどく手をやいている。
今日は久しぶりの休日なので庭や花壇の世話をしたいが洗濯もしたい。朝からビール飲んじゃって一日台無しにするのも悪くない。どこまでできるかな。
やりたいことや言いたいことはいろいろとあるわけだが
私が伝えたいことは一つ
息子よ、表現する、伝えるということはこんなにも楽しく素晴らしいことなんだということ。
日本語で表現する以上文法上のルールは守らなくちゃいけないが
何を書くのも自由
思うままに鉛筆を動かせ