kicchom’s blog(ほぼ彩風咲奈さん用)

宝塚歌劇の観劇記録と、彩風咲奈さんのことなど

2021年4月11日にあったこと(2)

「望海さんのお見送りですよね」

お隣さんは、ちょっと驚いたような顔でこちらを見てから、少しずつ色々なお話を聞かせてくれた。

詳しくは書かないが、今朝からの出来事、サヨナラ公演中の今日までのあれこれ、今日これからの話、もちろん花組時代からファンだというだいもんの話も。

私は今朝からの話を聞いて泣きべそをかき、お隣さんはこれまでの公演を振り返って目を涙でいっぱいにした。私がさきちゃんのファンだと言うと、次期トップの就任をとても喜んで寿いで励ましてくれた。

・・・

私たちの話が弾んだのは、雪組のトップ引き継ぎをする二人のファンだから、というわけじゃなさそうだな、と思った。

その証拠に、いつまでもずっとだいもんとさきちゃんの話をしていたわけではなく、OGさんから新公学年の生徒さん、他組の公演や演出家の先生の話題まで、いろんなことを本当に楽しくお話しした。まるでいつも一緒に観劇しているヅカ友かと錯覚するほど。

 

私たちは、ただただ「宝塚が好き」なんだ。

 

さきちゃんは、「ファンは彩風咲奈を写す鏡」だと言った(カフェブレで)。

そうか、これが望海風斗さんを長く応援してきた方なのか。今思い出しても、まだ涙が出てしまう。素敵な方だった。大千秋楽フィルターだと言われてもいい。劇場の外でもこんなに素晴らしい思い出をいただきました。

 

望海風斗さん、お隣のお姉さん(たぶん同世代だけど)、本当にありがとう。

 

 

「私、今日のこと日記に書きますね」と言ってくれたので、私も絶対に忘れたくなくてここに書かせてもらいました。仕事以外で自分のために文章を書くのは久しぶりでしたが、思いのほかスラスラ書けて驚きです。

2021年4月11日にあったこと(1)

雪組東京宝塚劇場公演の千秋楽であり、トップコンビのサヨナラ公演の大千秋楽。

奇跡的に友の会でチケットが取れて観劇できることになった。

以前から「サヨナラ公演は退団者のファンのもの。むやみにチケットを確保することはしない」と公言してきただけに、ちょっと肩身が狭い。

この1年、あまりにも色々なことを我慢してきたので、(たいして当たりもしない)友会の抽選申し込みぐらい、宝くじ買う気分でダメもとチャレンジしてもバチは当たらんだろうと思ったら、チケットが当たった。

さきちゃんのいちファンとして、これ以上ないくらい楽しませてもらった二番手時代、その最後の時を見届けられる名目もありつつ、今までどんなトップさんにも抱いたことのない、だいもんへの気持ち--尊敬とか憧れとか感服とか賞賛をひっくるめた--を、劇場の客席で確かめ、その姿を見納められることが嬉しかった。

・・・

開場の2時間半ほど前に日比谷に着き、劇場前の様子が見えるお店のカウンター席を確保して早めのランチをゆっくり食べる。白装束の人々が続々と集まってくるのが見えて、とにかくそわそわして落ち着かない。会の方達のはたらく姿を見て涙ぐんだり。

私の隣には白装束のお一人様が座った。大千秋楽の店内はまるでムラのロッテリアのようで、あちこちに待ち合わせや連れ立った白装束のグループがいて「久しぶり」「お疲れさま」みたいな挨拶が飛び交っている。お隣さんも待ち合わせかな……と思っていたところ、席を立った時に椅子に置かれたあのメモリアルミニバッグが見えた。間違いない、だいもんのお見送りの方だ。

声をかけたい。誰かと話したい。このご時世だからというのもあるけど、こんな状況のこんな大切な日に、終演後までキャトルのレジのお姉さん以外誰とも喋らないなんて耐えられなかった。友達とはLINEのやり取りをしてたけど、やっぱり己の口を動かして喋りたい。

私も、お隣さんもお互いにデザートまで完食したのを見計らって、思い切って声をかけた。マスク越しに気持ち大きめの声で。

「望海さんのお見送りですよね」

(つづきます)

+act.5月号 彩風咲奈 self produce stageを読みました

+act. 5月号で、さきちゃんのインタビューを読みました。自分を育ててくれた上級生や組子たちとのエピソードが中心。教科書通りというか、優等生的な記事に仕立てられています。

 

こういう場合の個人的な読みどころは本筋ではなくて、こぼれ話とか写真のキャプションになりますかね。

 

・幼い頃の描写
・撮影の合間のさきちゃんの行動
・腕時計の話
・今回の靴の話

 

ですかね。特に腕時計の話はね……広がるよね……妄想が……。

 

お写真はプラスアクトおなじみ?のシックなパターンでした。先行でwebに上がったソファに座って肘をついてるカットはなし。個人的にはこないだの歌劇のポートの方が好みかな。どうせなら動きがあるのがいいなあ。

 

写真が2カットあるのにお顔の大きさがほとんど同じ。もったいない!アップが見たかったー。ただし、全身があったのと、靴の写真で足首がバッチリ見えてたので許す。そんなとこですかね。

 

外のファッション誌、演劇誌にジェンヌさんが登場するのは基本的に1度きりなのかな。それを踏まえると、こういう総括的な記事になるのも理解できます。ファンとしては、そろそろどのへんに楽しみを見出していくか試されている気もしてきますね。二番手のファン、めちゃくちゃ楽しいです。

 

 

歌劇4月号/表紙:彩風咲奈(初)

(一連のツイートに加筆修正しました)

 

フォローしてる皆さんがフラゲしてもネタバレしないでくれたので、発売前日に満を持してTCAのリンクを踏んで画像を確認。間違いない!これはいいやつ!レスリーありがとう!!

 

翌朝出勤前に書店へ。さすが全国ツアー常連会場の最寄り駅書店だけあって、歌劇専用の面陳ボックスが設置されてた。ありがとう本屋さん。

 

昼休みまで寝かせて、超高速でランチして、よくおてて拭いて開く。見る……そして静かに閉じる。

 

ホクロ…知らなかった…あんなに……!!!実はホクロスキーなのでもう、ホクロ……ホクロ……!!!

 

今年発売の歌劇表紙はどうやらここまでバックが同じ色らしいとのこと。さきちゃんの髪色は、そのバック紙の色に合わせたとしか思えないベストマッチ感あふれてました。わかってて染めたんだとしたら尊い。そうでなくても良くお似合いのステキな配色ですよね。

 

確か、歌劇は表紙のヘアメイクもスタイリングも自前ですよね。さきちゃんファッションはもちろんだけど、小物のオシャレさもどうなってんのよ!ネクタイピンなんて現実の男ではとんと見なくなったけど、シンプルな細工がいいねえ。和風な腰のリボンと白のマフラーなんて、こんなに身体に巻き物してカッコいいとか……。チラ見しかできない両手の人差し指の指輪をもっと見せて!華奢なやつなの?よく見えない!でもそこがすき!濃いめの薔薇の色味もいいし、ポケットチーフの色も髪とバック紙に合ってるなあ。もう!

 

表紙を触らずに中は読めないという当たり前のことがわかったので、これは読む用と保存用の2冊必要だということがわかりました。1冊は持ち歩く用にしたので、次号が出る直前にもう1冊買います。

 

久々に歌劇(の表紙)をじっくり見てたら、編集部的には素化粧の時のホクロは極力残す方針だったことを思い出すなどしていました。もっとも気を使って修正するのはクマの部分です。ツルッと直してしまうと別人になってしまうので、毎号印刷会社さんとの攻防がありました。「クマ自然に薄く 人相変えない」という赤入れを思い出します。

 

なんにせよ、さきちゃんの表紙!美しかった!満点!ご贔屓の初めてに立ち会える嬉しさはこういうところにあるんだね。だいもんファンの友人に、トップになったらもうGRAPHはワンショットだよと言った時の複雑な反応を心に刻みつつ。

脚本・演出と、生徒さんの演技や頑張りは別物

私は、タカラヅカのどのへんが好きなのか人に聞かれる機会があると、決まって「様式美ですね」と答えているんだけど、様式美と演出は分けて考えたいと思っている今日この頃。

 

様式美を表現できる演出が必ずしも既存の方法だけでないことは若手演出家の先生方が証明し始めているし、ベテラン先生方だって昔は昔なりの新しい演出に挑戦してたんだろうと思います。

 

ヅカファンの中でも特定の贔屓組や贔屓の生徒さんを持つ人(私もそのうちの一人です)は、公演を観るとまずは組や生徒さんの頑張りに目を向けるし、それはもちろん至極当然のこと。あとは作品が個人的な思い出と紐付いているケースなどは誰にもありますよね。私にもあります。

 

そうなってくると、作品や演出についての見方がブレブレになってきます。もしくは、作品や演出のことはもうどうでもよくなって多くを語らなくなるとか(ビジュアルに注目するなど)、劇場通いしているなら日々の細かい演技の変化を前向きに楽しめるようにさえなってきます。これも私の経験からです。

 

そんなヅカファン、ヅカオタの中でもツイッターで作品や演出に対してしっかり切り分けて意見している方を見かけると本当に尊敬しかなくて、毎度毎度心の中で100万回ファボってます。作品を批評することと、生徒さんの演技や役作りへの評価を全くの別物として扱い表明する、ひとかたならぬ勇気を感じるからです。

 

私たちタカラヅカファンがもっと勇気を持って声を大にしていいのは、作品そのものと演出そのものへの意見だと思うのです。そしてその意見は、生徒さんの演技に対する感想や役作りへのねぎらいとは全く別のものであることも強く主張していきたいと、私は思います。

雪組全国ツアーを観てきました

誠の群像でもSUPER VOYAGER! のレポートでもないです。さきちゃんだいすきって話です。

 

東京の大劇公演が終わってからというもの、お稽古入り出の大きなマスク姿と、常人離れしたスタイルとファッション、チラっと見えてる目の表情を拝ませてもらいつつ毎日をなんとか乗り切ってきました。

 

あとは、ちょいちょい挟まれる公式からの大小のニュースと、スカステを録画してもらったいろんな映像と、過去公演の曲と、ひかりふる路CDと、Twitterでの情報収集・交換と。そういうもので飢えをしのぎ渇きを癒していた1ヶ月半でした。

 

相模女子大グリーンホールでの席はぎりぎりオペラがいらないぐらいの良席で、立ち位置によっては、演じる方の視線の先が向きやすい距離だったのでありがたい限りです。

 

とにかく感じたのは、東京で観た「ひかりふる路/SUPER VOYAGER!」のコンディションとの大きな差です。以前も書いた通り、ライビュを除けば私の最後の劇場観劇は、さきちゃんがスカステカレッジ公開収録を体調不良で無念の欠席された翌日の公演で、その時は「休演しないでくれてありがとう」の涙だったわけですが、今回は「元気でいてくれてありがとう」の涙が止まりませんでした。

 

この「涙が止まらない」って表現は個人的には眉唾だなあと思ってたんですけど、本当にあるんだね。「海の見える街」で元気いっぱいのさきちゃんを観てたら、拭いても拭いても涙が流れてくる。もう作品や演出の評価とかどうでもよくて、とにかく元気でいてくれてよかった、私自身も生きててよかったと心の底から思わせてくれました。これか。これが「同じ時代を生きてくれてありがとう」状態なのね。わかる。

 

いろいろすっとばしますが、フィナーレのお衣装を着た姿が世界一すきです。舞台写真じゃない、二番手羽根を背負ってキラキラと動くさきちゃん。そのままうちに持って帰りたかった!

 

全国ツアーでは観客とのふれあいをきっちり大切にするんだなと改めて思いました。私だけでなく同行の友人も、タイムラインのみなさんも「“あの”さきちゃんから目線をもらった」と口々に言ってるのをみると、それがトップさんであるだいもんの影響なのか、二番手として回る全国ツアーだからなのか、詳しい事情はわからないにせよ、喜ばしいことだなと素直に思います。これもまた(実際に立ち会ったことはないけど)入り出の様子とのギャップがたまらん案件ではないかと思う次第です。

 

香川公演のレポートで、さきちゃんの地元・愛媛からの団体のみなさんが、さきちゃんについて語る声の中から「元気そうだった」という感想が聞こえたというのを読んで、おそらくそれとはまた別の次元の話になるのかもしれないけど、今回私の感想のほとんども「さきちゃんが元気で本当によかった!」というものだったことを書き残しておきたいと思います。

 

これまで宝塚以外にもたくさんの舞台を観てきたけど、この感想が真っ先に出るのは初めてじゃないかな。なにはともあれ、よかったです!

1階2列目で2回目――花組「ポーの一族」

今回はお芝居後のフィナーレ、しかも群舞のことだけ書こうかなと思います。理由は察して。推して知って。

 

なんつっても花男の運動部感。群舞はスポーツですよね。勝負を挑まれているとしか思えませんよ。こちらはとっくに負けを認めているというのに!

 

大階段にスタンバイした時点ではマイティの優勝(※個人的な評価です)。だと思っていたら、ほぼみんな座りスタンバイだったのか。たまらん。それにしてもマイティなんなの。なんだろうあの圧は。

 

みりおセンターになると、みりおにしか目が行かなくなる法則(※個人的なものです)があるのでそこは十分に堪能しまして、さあ皆様おなじみデュエダンのためにトップさんがハケてからの男役オラオラタイムがやってまいりました。

 

れいちゃん、水を得た魚っていうか、サバンナで獲物を見つけたチーターっていうか、観てるこっちの襲われ感すごすぎるんですけど。命ねらわれてる。実際しんだ。まずさ、ウインクのかましタイミングどうなってんのよ!あんなのありか!

 

だいたいウインクって「来るぞ来るぞ、キメんとこで来るぞ……」って心構えできるはずなのに。急すぎ。オラオラタイム始まってすぐ来た。急に来た。なにあれ。QWKか。急にウインク来た か(※元ネタご存じない方は「QBK」で検索して)。しぬわ。

 

いや、もちろん自分めがけてQWKだったわけじゃないんだけど、あの殺傷能力は半端じゃない。変な声出ました。どう処理していいかわかんなくてとりあえず笑いましたよね。

 

そこから、さあ俺のターンだと言わんばかりっていうか、そう言ってる子たちしかいないキレッキレぶり。どこ観たらいいんですか。マイティとちなつが同時に視界に入らないなんて、どうしてくれるんですか。小池先生。からの、「ばーん」で二度しにます。よくしんだ。

 

結論としては、小池先生は1本物のお芝居に付いてるフィナーレのショー演出が優れているのだと思いました!

 

前方席で観た感想としては、花男の群舞には小さな竜巻レベルの風が起こっていることがわかりました(物理的に)。※個人的な見解です