こんにちは,ホスフィンと申します.東北大学の Aobayama_doctors のコーチとして,2024 ICPC Asia Pacific Championshipに参加してきました.来年以降に海外ICPCに参加するチームのために,コーチ視点での参加記を残しておきます.
コンテスト外のワクワク要素は tatyam さんのまとめをご覧ください.
準備編
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Aobayama_doctors は playoff 参加の逆ボーダーだったのですが,繰り上がりでベトナムに行けるというメールが届きました.メールが来たその日に選手の参加意思を聞いてすぐに運営に参加する旨を連絡しました.
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海外旅行は早めに行動するのが正解なので,参加が決定した翌日の夜に作戦会議を行いました.大学からの補助はなさそうだったので,LCCで行くことにしました.通話で必要な情報を確認しながら,航空券の予約と運営から指定されたホテルを決定しました.
選手よりは海外旅行慣れをしている自負があったので,面倒な事務作業は率先してやるようにしました.また,諸々の支払いは基本的に僕が全てやって,最後にまとめて清算する形式にしました.
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旅行代理店から full name + date of birth + passport number + expiry date を要求され,期日までにホテル代を振り込むように指示されました.選手のうち二人はパスポートを持っていなかったので,現時点で分かる情報だけを送りました.また,パスポートを持っていない二人には,パスポートを早く発行するように言いました.2/15締め切りのアンケートでパスポート情報が必要だったので,早めに行動してよかったと思います.
1/20
ICPC の運営に registration が 2/29 (ICPC day 0) にできない可能性があるとメールしました.
1/25
参加費やホテル代の支払いに海外送金を使おうと思っていたのですが,手続きが大変であることに気付きます.ゆうちょダイレクトで海外送金ができるという話を聞いて試したのですが,ゆうちょダイレクトを使うためのゆうちょ認証の登録ができなくて詰みました.マイナンバーカードが本人確認に使えないサービスって何?笑
仕方がないので,振込締切を伸ばしてもらうようにメールしました.なお,英語は DeepL で書きました.
I regret to inform you that I am unable to complete the transfer within the deadline as I haven't received the necessary authorization to transfer funds from my bank account to an overseas account. Although today is the deadline, I kindly request an extension of about two weeks to complete the transfer.
1/26-2/10
昨日のメールの返信で You can pay by cash to The Organizing Committee when you are in Hanoi. と言われたので,現地で支払うことにしました.現地支払いOKなら最初から言ってくれ.送金すると数千円の手数料が取られるという噂があったので,これが最適解だったかもしれません.ついでに,参加費も現地払いにしました.
2/12
運営から [ICPC AP Championship] Survey about transportation, special meals というメールが来たので,選手たちにアンケートの記入を促しました.コーチ+選手で共通の情報*1を記入するということが判明したので,整理された情報をコピペしやすい形で共有しました.情報を記入するアンケート類は心理的ハードルが高いので,コーチが真っ先に書いて,選手はコピペ+αをするだけにすればいいと思います.
2/27
空港までのルートを決定しました.みどりの窓口に行ったら乗りたかった新幹線(はやぶさ)が満席であることを告げられました.仕方ないので選手たちより一本早い新幹線(やまびこ)の切符を取りました.
追記:はやぶさは満席だったのですが,はやぶさに連結しているこまちは空いていたらしいです.どうして~
keymoonさんがeSIMをオススメしていたのでamazonで注文しました.1000円でしたが問題なく使えました.
ベトナム編
コンテストに関しては選手の参加記をご覧ください.以降では,コーチが観光を楽しむ様子が確認できます.
Day 0 (移動日)
6時に起きて荷物の準備をし,仙台→上野→成田のルートで空港へ行きました.余裕をもって空港に到着したので,ターミナルを移動して昼食を取りました.LCCでの国際線は初めてだったのでチェックインは少し緊張しましたが,特に問題なくできました.印刷したeチケットとパスポートを一気に渡すとコミュニケーションが発生しなくていいですね〜.
6時間半の長いフライトを経て,ハノイのノイバイ空港に到着しました.LCCのため機内食がなかったため,空港で夕食を取ることにしました.旅行あるあるですが,何かと優柔不断になりがちなので,コーチの裁量で迅速な判断をするのがいいと思います.(例:食事の場所,キャッシングの場所,困ったときの現地人との会話)
なんやかんやあって,2時過ぎにホテルに着きました.
Day 1
7時ホテル発なので早起きをしました.選手と相部屋だったのですが,選手の体調を考えてギリギリまで寝かせました.
バスに乗って会場に向かいました.2022年の12月に行ったフィリピンのマニラを超えるレベルの渋滞に遭遇して,東南アジアを感じました.
運が良かったのか一番乗りのグループで会場に到着しました.Photo Session のようですが,運営からの指示がないので全員が立ち往生していました.看板の前で待機していると写真を撮ってもらえそうな雰囲気だったので,モジモジしている他チームを横目に2番目くらいで撮ってもらいました.
Late registration のブースで参加費とホテル代を払いました.ホテルのほうは印刷した領収書,参加費のほうは名札を見せるとコミュニケーションをしなくて済みました.
9:30まで暇つぶしにスポンサーブースでグッズ乞食をしますが,ブースが3つほどしかありません.どうして~
Opening Ceremony が終わって昼食を食べに行こうとしたら,スタッフから「昼食会場は向こうの黄色い建物だよ」と教えてもらいました.選手にさようならをして昼食会場に行くと,何故か日本人が一人もいませんでした.自分以外の日本人コーチ全員失踪したのでしょうか.流石に意味不明なので discord で共有したところ,選手用の会場に行っていたらしいです.
昼食について話します.昼食はVIPの食事に合わせてビュッフェスタイルでした.コーチとスタッフはVIPのおこぼれを貰った感じです.当たり前のようにワインがあってびっくりしました.以下,食事の感想
美味しかったもの:パン,ミネラルウォーター,青菜炒め
口に合わなかったもの:白身魚のフライ(理由:ランダムでデカい骨が入っていたり身が泥臭いことがある),鶏肉のグリル(理由:身より骨がデカい)
食後は途中から来た日本人コーチ陣と談笑しながら,選手たちが待機している会場へ向かいました.
リハーサル中は会場の外で待機してました.3時間ほど自由時間が与えられましたが,持ってきたノートパソコンで作業したり会場の2階から選手の写真を撮ったりしました.他にも,散歩中に自販機に10kドンを吸い込ませたり,トイレを求めていたら中学校に迷い込んだりと……
リハーサルが終わった後,選手からディナー行きのバスの出発時間を聞きました.少し雑談してからバス周辺のスタッフのほうに向かうと western hanoi はこっち!と連行されました.何故か半分くらい空席を作った状態で出発しました.ハノイでは人間が失踪するのが日常茶飯事なんですかねぇ.
夕食はシーフードがメインのビュッフェでした.以下,食事の感想
美味しかったもの:グラタン,デザート(ケーキ類、ずんだ餅?)
口に合わなかったもの:貝類,果物
変なものは口に含んでみたい性分なので食べるのですが,美味しくなくても残せるのがビュッフェの強みだと実感しました.
Day 2
Day 1 とほぼ同じ行動をして会場に着きました.選手たちを見送って,サークル slack で応援の宣伝をしました.
コンテスト中は coach view と順位表を見て応援していました.特に,coach view では推しチームのスクリーンをリアルタイムで観ることができて,非常に楽しい体験ができました.*2*3
開始して少し経ったタイミングで,京大チームのコーチの moririn さんと一緒に昼食を求めて,大学周辺のサークルKと市場に行きました.
帰ってきて少しすると,昼食のバインミーが配られました.
昼食が物足りなかったので,会場の近くにあるカフェに行きました.大学構内なんだから英語のメニューくらいあると高を括っていましたが,店員にベトナム語のメニューを渡されて面を食らいました.困った外国人の顔で English menu please というと,英語でメニューの説明をしてくれました.英語ってすげ~
コンテスト終了後は観光で Vietnam Museum of Ethnology に行くとスケジュールに書かれているので,ウキウキでバスに乗りました.会場から数分だと思っていましたが,いつまで経っても着きません.
特に説明もなく Tran Quoc Pagoda の前に降ろされました.状況がイマイチ飲み込めないまま観光をして,Award ceremony の会場である Pan Pacific Hanoi Hotel へ向かいました.時間があったのでホテルのお土産屋に向かうと,ベトナム人の老婆がベトナム語で話しかけてきました.商品を持つたびに何かを主張してくる攻撃を避けながら,手提げバッグとコップ×3を購入しました.空港で売っているものより安く買えたので満足です.
Award ceremony の感想は特にないですが,スピーチはちゃんと練習するべきだよなと感じました.
夕食まで待機していると,スタッフの女性からコーチは20階に行けと言われました.コーチだけ先に行けるのかな?と思って会場へ行くと,選手どころかコーチすらいませんし,明らかに選手全員が入るような場所ではなくて困惑しました.いつも通り discord でコーチ陣を招集して食事を待ちました.
今回の食事は中華風のコースでした.中華なのにワインが出てきたのが面白かったです.
帰りのバスが来たという情報が届きますが,デザートがまだ出てきてませんでした.スケジュール管理しっかりして~.バスに乗れなくてもタクシーで帰ればいいという話になり,コーチ陣と親睦を深めました.帰りに記念写真を撮ったのですが,誰のスマホで撮ったのか覚えていないので,もし画像フォルダにある方は共有お願いします.
バスが行ってしまったらしいので,二次会と称してコーチ陣で20階にあるバーに行きました.コーチの苦労話やワクワク要素を共有しました.
参考:2024 ICPC Asia Pacific Championship まとめ (54ページ目) - Togetter
Pacific coulor というカクテルを飲みました.東南アジアでイギリス英語を見つけて不思議な気持ちになりました.
帰りは moririn さんが手配してくれたタクシーでホテルへ帰りました.
Day 3
この日は一日中観光をするので5時に起きます.酔い止めを飲んだので移動中のバスでは爆睡しました.
観光スケジュール(公式)はこちら:[ENG]DAYCRUISE 7H.pdf - Google ドライブ
ハロン湾の観光は期待していなかったですが,想像の数倍は楽しかったです.朝食が無かったり,水を没収されたのは解せませんが……
空港に戻ってきて,早稲田チームと東大チームと一緒に食事をし,0:50発の便で帰国しました.
全体的な感想
コーチは意外とやることが多いので,選手としてはいてくれた方が助かると思う.先延ばし癖のあるチームは,競プロに理解のあるICPCに出ない友人を海外旅行を餌に釣るといいでしょう.
運営は皆さんが想像しているよりしっかりしていると感じました.長話をする偉い人は勘弁してほしいですが,スケジュールが存在する(予定通りにやるとは限らない)し,食事はまともなものを出してくれるし,何よりホスピタリティがあった*4と思います. Asia Pacific Championship 自体が初めての試みとのことですので,悪かった部分は来年度以降に改善してほしいと思います.
多くのチームが Day 0 に日本を発っていますが,Day -1 の深夜便(早朝着)に乗って,Day 0 はゆっくり過ごすという手も有効だと思いました.
旅行費用について
コーチ目線だと,格安でベトナム観光ができるので,かなりお得だと感じました.以下,旅行費用の内訳
- 参加費:ICPCから30000円の補助が出たので両替で出た差額600円
- 飛行機:67250円
- 成田までの移動費(新幹線):27114円
- ホテル代:8775円
- お土産・遊び:10000円
合計:113739円
Tips
- 英語でのメールはハードルが高いと感じるかと思いますが, DeepL を駆使すれば大した手間ではないです.
- スケジュールをよく確認しましょう.また,公式のアナウンスは選手とコーチで共有しておきましょう.
- コーチ陣とは仲良くしましょう.困ったときに頼ることができます.
- 帰国した日に出張の予定を入れるのはやめましょう.私はこれで苦しみました.