うたうポリゴン

魔王K++(ケープラ)のポータル兼個人ブログ

「若者に対応できる俺」でありたい欲求はどこから来るのか

maoukpp.hatenablog.jp
 以前、若者(一回り以上年下の相手を「若者」とする)について記事を書いた。続編というか、少し角度を変えた話をしたい。

 この間、学生時代からの古い友人と飲んだのだが、そこで「若者(40過ぎた私たちにとって「20代」は十分若者である)対応が俺はできている」、「いやそれくらい俺だってできるぜ」、というようなやりとりがあった。管理職でなくても、指導的な立場になるお年頃。社会人としてまっとうなのは、若者対応ができることだ。若者と会話できるネタ、手札の数や質を競い合う、とても男らしいマウントの取り合いだったと思う(かつてこの手のものには批判的だったが、男女問わず競争社会に生きる者としてそれはあっていい)。そして、こういう話を同年代の友人をするようになったんだなと、ふと自分の年齢をしみじみ感じた。
 若手の頃に「上の年代と仲良く会話できる俺」などと自慢したことはないし、そんな奴もあまりいないだろう。それはただ上に媚びてるだけだとバカにされるだけだ。しかし、若者対応はそうはならないどころか逆である。40代以上にとって、「若者対応できる」は人望や親しみやすさといった能力、仕事ができるかにも関わる、ステータスなのだ。

 そして、「若者対応できる俺」≒「時代についていける俺」でもあるのだ。実際のところ世の中のトレンドが若者中心であるかは怪しいが、なんとなく時代=若者という空気は今でもあるし、「時代に取り残されるオッサン」は政治的なイデオロギーを問わず哀れな存在として扱われる。
 さらにプラスして、上記記事でも触れたが、生理的な欲求でもあるのだと思う。だんだん昔から知っていた有名人の訃報が増えてくるし、さらにいずれは同年代も死んでいく中、下の世代には媚びたくなるものなのだ。若者に媚びることは悪いことなのか。相手に合わせる、寄せていく、努力することはコミュニケーションの基本だ。管理職デビューしたオッサンはいつだってビジネス本で部下=若者の扱い方の勉強をする。年長者としての威厳は保ちつつ、無理のない範囲で仲良くするのであればいいだろう。

 また、生理的欲求で言えばオッサンにとって、男の若者はどうでもいいがオネーチャン(死語)にはモテたいというか、会話くらいは普通にできる男でありたいという心理はあまねく存在する。オネーチャン対応をがんばっていたら、意外と男の若者とも話せるようになっていたというオッサンも多いだろう(私は違う)。オッサンは美容や健康に気を遣い出すお年頃なので、それが意外とオネーチャン対応にもなり一石二鳥だったオッサンも多いだろう(私は違う)。情けは人の為ならずというか、若者に媚びるのも結局は自分のためなのだ。
 まとまりがなくなったが、そんなわけでこれからも私は若者対応をがんばっていきたい。清純な動機で。

シレン6のレビューその2、最終Dクリアと長時間プレイして

 こちらの続き。maoukpp.hatenablog.jp
 クリアの記録はこれ。スクショも名前を「ケープラ」にして一応撮ったが、わざわざ載せなくていいだろう。
mstdn.jp
 switchプロフィール上で200時間以上プレイした。最終ダンジョン「とぐろ島の神髄」(以下、最終D)は終盤まで気が抜けず、60F以降で死ぬことも多くなかなかクリアできなかったが、とても楽しめた。解禁された「星の石ルート」までクリアできる自信はない(まずは序盤の「ニギライズ」をせずドスコイ状態に頼らないプレイのほうをまっとうしたい)が、ちゃんとその後も用意されているのはいい。
 前回レビューでも書いた通り概ね「シリーズ復活の名作」なのだが、従来作品のように今後移植・リメイクされるだろうし細かい点で改良してほしい部分がある。まずは最終Dについて。

終盤、隠し部屋の店が多すぎる

 気配察知or道具察知or透視の腕輪+ドスコイ状態で掘って店までたどり着くパターンが多すぎる。掘るのはつるはしかトンネル杖でもいいが回数が限られるし、そもそも店があることがわからないとどうしようもない。

「怪しくない店」のような救済措置は最終Dにもほしい

「怪しくない店」は本編で倒れてロストした装備品の救済措置としてとてもいいのだが、最終Dの50Fを超えて鍛え上げた装備を(アイテムのみ)ロストすると詰むだけなので、普通の店売りでいいので売ってほしい。それならば数フロア逃げ回っているうちにまだ助かる可能性が出てくる。メッキのような、保護するアイテム(たとえば、「復元の巻物」)を使った場合だけでもいい。店売りだと値段が高すぎて買えない→泥棒必須という事態になりかねないが、次のフロアで確実に戻ってくるだとゆるすぎるか。匙加減が難しいが。

ドラゴンにくらべて戦車の性能が壊れている

 早ければ16Fでねだやすしかないのだが、それにしてもイッテツ戦車の固定ダメージ50*2は壊れている(特防が前提というか、あってもおそらくきつい)。ガイコツまてんも壊れているので調整してほしい。くねくねハニーの上位でもレベル3は下げてこないのに、遠距離でそれをやるって意味がわからない。

序盤デブータの投石固定ダメージ20は調整ミス

 プレーヤーが使う「石」は固定ダメージ12、「デブータの石」は固定ダメージ20なのになぜかというか敵のデブータはすべて20。石のネーミングを変えて、下位のデブータの固定ダメージは12に下げてほしい。出現率は低めだが、おかしい。洞窟マムルはまだメリットもあるのでいいが。

 今度は全体の仕様について。

似たアイテムが多すぎるので統合してほしい

 対象選択かつ似た効果のアイテムが多すぎる。ネーミングも含めた例)天の恵み&地の恵み→天地の恵み、壺増大&印増大→増大の巻物、銀はがし&吸い出し→吸い出しはがしの巻物
 天と地は装備品に自動でかかる昔の仕様に戻してくれた方が個人的には嬉しいが、そうでないのなら統合を。メッキも選択ではなく、装備してる武器盾両方に効果のあった昔に戻してほしい。おはらいはアイテムも呪われるようになったので対象選択もやむなしだが、メッキは装備品以外に使う用途がない。

投擲の命中率

 敵も下がっているので平等ではあるのだが、ちょっと低すぎやしないか。ぴーたん、トド、チキンのような逃げ回るモンスターが矢でほぼ倒せない。外れた矢を回収するのも手間。
 以下は、廃止してほしい要素。

複雑な地形、見づらいマップ・見渡す

 マンネリ打破ということだろうが、視認性も悪いのでこれは直してほしい。結局慣れの問題でもないので設定をグリッド表示にしたが、それでもわかりづらい部屋が多い。青系のグラフィックの部屋に水路があるなど、デザインの問題でもあるが。
 マップだけではどこに通路があるのかわからないのは不便だが、これを仕様とするのであれば「見渡す」を改善、デフォルトはズームアウトし、通路を目立たせるなどしてほしい。

突発型モンスターハウス

「部屋に入った瞬間」というルールが守られていない。特定地点を踏んだ場合や、一度入った部屋に再入場した場合のモンハウは納得がいかない。いくらゲームとはいえ、露骨に不自然な演出は萎える。やらされてる感が出てしまう。

妙な確変要素

 「クロンの挑戦」、「ほこら」、「熱狂の祭り」、唐突に始まる確変要素はなんかズルをしている気がして、嬉しい結果になったとしてももやる。普通にドロップ率を上げてほしい。せっかくほこらを引いても、アイテム壊しモンスターがいるフロアだとほとんど意味がなくなってしまうのはどうなんだ。

忍者と山伏

 種類が多すぎるのと、こいつらばかり出てくるフロアが多すぎる。定義上は「モンスター」だが、人間の悪党とばかり戦うのはシレンの世界観としてなんか違う。手抜きをせずに、ちゃんとモンスターとしてデザインしてほしい。

デッ怪

 概ね不評のこれ、シレン6だけに終わると思うが、万一続投するようなことがあればおそらく買わない。メリットが「デッ怪ホールが消えるまで探索を粘ってアイテム入手」しかなく、ストレスしかない。
 石を持ってないと詰む、持ってても外れたら終わり、杖は効くものと効かないものがありわかりづらい、モンスターの特技・特性はそのままなので一部が壊れ性能デッ怪。全ての仕様がダメダメ。

流れる水路と大砲

 これもシレン6だけだと思うが、面白いのは最初だけですぐに飽きてしまった。流れる水路は敵が次々とやってくるので稼ぎ狙いの場合にはいいが、ゲームバランス的にそれでいいのか? ってなる。

インフレした装備の調整

 最終Dはまだしも、本編も序盤から神器頼みになってしまっており、無印の青銅系など下位性能の装備が(強化値がいい場合以外)合成素材にもならないただの「ハズレ」でしかなく、ほぼ存在意味がない。神器はもっとレアでいいので、全体のバランスを少し楽にしてほしい。
 ちなみに最終Dの武器盾の合計値はマスターチキンの13Fで20、スカイドラゴンの28Fで40(そのあと33Fで死神)、タコぎんとオトトレベル4の55Fで50、ミラクルチキンの66Fで60、最終の80Fで70はほしい(妖刀かまいたちとバトルカウンターは合成前提で、ない場合はもっと強化値が必要。もちろんその他の合成内容にもよるが)。序盤で神器の武器盾を、その後強化の壺(小容量&自然に割れるようになったのはいい調整)を引けるかが鍵。あとは+1からマゼルン合成をとことんやる。

お香

 壺扱いなので壺に入れられず、使用するには道具を一つ犠牲にする必要があり、効果も局地的には役に立つが保存するほどの価値がないものばかり。最後まで結局ほとんど使わず、序盤ならニギライズことおにぎりにするか、店売りで金にするだけ。全体的な仕様を見直してほしい。

「陰キャ営業」は信じるな、本物の陰キャは社会で成功できはしない

 最近、「陰キャ営業」というワードが気になっている。ネット検索だと「陰キャによる営業職」が多く出てきて、なかなか厳しいのだがそのニュアンスではない。声優やアイドル、youtuber(その他ネットの人間)などに多い、やたらと「学生時代はぼっちだった、いじめられてた、引きこもり同然だった」とかアピールするアレである。
 そんな中、2/1の『アメトーーク』「根が明るい芸人」はたいへん興味深かった(1週間はTVerで見れるので気になる人はぜひ)。
news.mynavi.jp
 要約すると、今のお笑い界は「ネガティブ系」「センス系」が主流であり、陽キャはセンスない、軽い人間と思われる、ナメられやすいという苦労があるのだそうだ。なるほど、たしかに芸人の世界はそうだ。養成所では陽キャが多いが、プロになるにつれて淘汰されていくのだという。アメトーークでは実際これまで「人見知り芸人」「中学イケてない芸人」といった企画がブレイクしていた。オードリー若林あたりがその象徴だろうが、ここ10年くらい、ネガティブキャラがウケる時代なのだ。
 これは芸人だけではない。ネット民は特にだが、陰キャ営業をした方が一般にウケるという市場なのだ。そもそもガチの陽キャ、ウェイ系のパリピなど1割もいないのだから、嫌悪されるのは当然だ。しかし、どこからが陰キャなのかという定義はとても怪しい。誰だってインドア趣味はあるし、初対面の人と会話するのは緊張するだろう。程度問題でしかない。休日にアイドルのDVDを家で見てたら陰キャか? そんなわけはない。別に陰キャ非モテでもない。大勢の宴会は苦手かもしれないが、必ず飲み会が嫌いというわけでもない。

 インターネットの人は特に、陰キャでなければならないみたいな風潮がある。まふまふさんやadoさんといった「歌い手」上がりの歌手にもそんなキャラが多いが、正直この辺はもう疑った方がいい。「普通レベルの人が陰キャを名乗っている」現実があるのだ。アルファツイッタラーレベルならまだあり得ると思うが、芸能界で成功するような人間は断じて陰キャではない。大勢の人と関わる以上、コミュ力が必須だからだ。仮に学生時代はそうでも、発達が障害していただけで今はもう陰キャではない「普通」なのだ。
 要は普通の人=庶民派アピールしたい、あるいは賢く見られたい、頭脳派、技巧派、知将タイプだとアピールしたいが、IQや学歴や資格などを公表してもただのマウント、支持は得られない。そこで陰キャ営業をするのではないか。陰キャだから頭がいいわけではないのだが。
 そして、今話題の伊東純也も陰キャで有名だったという。恐ろしいことに、アスリートまで陰キャ営業する時代なのだ。積極的・自発的な営業でないにしても、そういういじられキャラをやっていたようだ。これも疑わしい。あんな金髪でイケメンで運動神経のいい陰キャがいるかっ!(ファッションには興味がないか、あっても怖くて金髪になどできないのが陰キャだ)。
 繰り返すが、一人行動が好きだったり、インドア趣味がある人=陰キャではない。陰キャというワードが濫用されている。日本語の乱れだ。けしからん。有名人の陰キャは、ほぼ全て嘘である、というのが今回の主張である。異論は認めない。私のような売れないブロガーこそが、真の陰キャなのである。陰キャ営業などする必要がなく陰キャ認知される人間こそが、本物の陰キャだ。

安心してください、名作ですよ―シレン6は初代の味、シリーズ完全復活

 風来のシレンシリーズ、個人的には一度滅んだゲームシリーズだったのだがこの度復活を遂げた。発売前にこの二つの記事を読んで、今回は期待できる。そして『ポケダンDX』のデキがよかったので、大丈夫なのではないかという予感があった。その予感は的中した。
www.4gamer.netwww.famitsu.com

 これまで私がプレイしたのは初代、GB、2、4だが一番やり込んだのは初代で、続編がずっと初代を超えられないのが不満だった。さらにものすごく期待した初代リメイクの「DS」(2006年)のデキの悪さ、そして4(2010年)で間違った方向に行き、完全に見放したのだった。

 そんな中、2020年のポケダンDXは相当、Switchのゲームでは歴代最長やり込んだ(プロフィールのプレイ記録では「200時間以上」)。「もはや本家を超えた」とポケダンの続編をずっと待っていたが、今回の6なら納得というか、今となっては満足している。ポケダンDXの記事でも書いているが、このブログのタイトルはもちろん、シレンのあのモンスターからである。
maoukpp.hatenablog.jp

 冒頭の2記事にも書いてあるが、改めて今回のいいところを列挙していこう。

4・5の癌だった「夜」システム、さらに道具「封印」廃止

 とても嬉しい。個人的には道具の「呪い」(使用不能)も好きではない(初期で呪われていると、使用不能アイテムがたまっていくのがストレス)が、封印がなくなっただけでもだいぶいい。装備の封印などストレスしかなく、これを導入した人間はセンスがない。その極地が「夜」システムを全体(本編+フィールドダンジョン)に導入したことだが。

初代の「肉」、モンスター変身機能の復活

 今回は「桃まん」を食べることにより変身する。Aボタンで通常攻撃、ZLボタンで特技使用、変身状態でも罠にはかかる(浮遊系を除く)。専用ダンジョン「桃まんダンジョン」もあり面白い(既にクリアした)。ちなみに壁抜け系は壁にいる間ダメージを食らうので完全無敵ではなくなった(満腹度が減るポケダンDXのゴーストタイプに近い)が、これは強すぎたのでいい調整と言えよう。

ゲーム内図鑑機能(手帳)による情報アクセスが快適

 アイテムやモンスターはもちろん、ダンジョンのモンスター出現フロアマップまである(アイテムは識別、モンスターは一度戦わないと登録されないが)。いちいち攻略サイトを見なくていい。よそのゲームもこれを見習ってほしい。

振り向き(Yボタン)時のライン表示といった細かい便利機能、豊富な設定項目

 これも快適なプレイを約束する。イベント消化も地図や車屋の行き先に表示される「!」マークを追っていけばいいので楽。いちいち攻略サイトを見なくていい。

3Dになったが動作はサクサク、ロード時間もほぼゼロ

 2以来の3Dだが全く問題ない。おそらくポケダンDXの経験が大きいと思われる(元々快適だったが)。シレンやモンスターの攻撃モーションもひじょうに早い。長めなのはオヤジ戦車系の砲撃くらいで、罠を食らうにしてもすべてが早い。筆者の環境はSwich Lite、DL版。一般的にDL版の方が動作は速く、容量は2GBいかないのでDL版がおすすめ。
 3Dになったことで落ちているアイテムや罠が若干見づらかったり、ダンジョンによっては背景が凝っていると隅のモンスターが若干見づらかったりはするが、これは慣れの問題だろう。

泥棒の楽しさは健在

 今回は泥棒後、階段付近に確実に盗賊番が4人も配置されるようで、厳しいが対策はある。さらに特殊な対策をした店もあるとか……セキュリティは厳しい時代だ、悪くないだろう。ちなみに町(中継地点)の店はコマンド式なので泥棒はできない。今思うと初代は本当に泥棒天国だったw

その他仕様面

 最初敵が全体的に強いと感じたが、今回はHPの自然回復が多いので逃げ回って回復する戦術がより重要。本編は旅仲間がいればクリアは容易、旅仲間もレベルが上がっていくので、初代のように最後まで連れて行くのが困難&敵にレベルアップされてピンチということにならない。復活の草はドロップで出やすい上、店での値段も安い。

もっと不思議のダンジョン

 本編クリア後、魃(ばつ)の砂丘→水龍の洞窟クリア(共にボス戦あり)で最終ダンジョンが解放される。この二つのダンジョンはストーリー的には本編のアフターストーリーなので、最終ダンジョン解放条件になってるのもまあわからんではない。ちなみに水龍の洞窟、「装備や投擲が使えない代わりに特技4つ」って完全にポケダンである。今作では固定だが、この4つの特技(わざ)を入れ替えられるのがポケダンというゲーム。
 まだ少ししかプレイしてないが、マイナスアイテムが多くなりこれぞ最終という感じ。クリアしたらまた追記する→別記事。
maoukpp.hatenablog.jp

システム周り

 不満点はほぼないが、ポケダンDXであった自動移動はほしかった(旧「iダッシュ」の「便利ダッシュ(ZR+Lスティック)」は可能だが完全自動ではない)。それと風来番付がなくなってしまった(5まではあった模様。なおクリア時のベストスコアは保存される)のは地味だが劣化(ローグライクの冒険の本筋ではないが)。欠点や要望は本当にそれくらいしかない。ある意味でレビュワー泣かせである。

まとめ

 というわけで、一度でもこのシリーズにハマった人は文句のないデキなので購入しよう。初心者がどうかは知らない。人を選ぶジャンルだし、ポケダンのようなライト層にも両対応した作品ではないからだ。ともあれ14年ぶりの完全新作、子供や若い世代にもこのジャンルの楽しさをつないでくれたことに感謝したい。

松本人志問題が中高年男性に投げかけるもの

 松本・吉本帝国という一つの時代が終わろうとしている。ジャニーズのような崩壊はしないが、吉本以外も含む芸人たちが平氏のように権勢をふるった、「どの時間のテレビも芸人ばかり」という時代(象徴的なのがTBS系朝の『ラヴィット!』)は終わるのではないか。
 松本・吉本に対して厳しめのコメントをした同年代以上の大御所系、古舘伊知郎上沼恵美子西川のりおトミーズ雅和田アキ子ホリプロコムに対して)はさすがだった。一方、この状況に耐えきれずに松本を擁護してしまった今田耕司小藪千豊ブラマヨ吉田、オズワルド伊藤、チュートリアル福田、ハイヒールリンゴなどの芸人は評判を落とした。

 たいへんよくまとまった記事で、私も賛同するところだ。
gendai.media
 ちなみにというか完全に余談だが私のスタンスを一応書くと、昔は松本人志ダウンタウンが好きで90年代はテレビをよく見ていたが、坊主頭にしたあたりであまり興味がなくなった。その後特にアンチ化したわけではないが、近年のワイドナショーTwitterでの炎上は残念に思っていた。とはいえ、このネット時代に「子供・若い時好きだった著名人の本性を知ってしまいがっかりする」というのはよくあることで、深く気にしたことはない。

 さて、論点が多すぎて散らかりがちなこの問題、私は「ホモソ」と「趣味」の問題から紐解いてみたい。まずはホモソ。これまで書いてきたものは以下。
maoukpp.hatenablog.jpmaoukpp.hatenablog.jp
「ホモソ」はよくフェミニズムの文脈で、レイプ集団のようなイメージで批判されがちだが、元々はそんなことはなく、男女も関係ない。「大人になっても続く学校・クラス内のグループ」のようなものと思えばいい。で、良性のホモソは別に問題にならないが、今回のような「醜悪なホモソ」が世間的には問題になる。文春記事が100%とは言わないが、複数女性の証言、東京・大阪・福岡で飲み会という点から常習性と組織性は間違いのないところだろう。松本以外で名前が出ているのがスピードワゴン小沢、パンクブーブー黒瀬、たむらけんじ、あとは放送作家が一人、さらにクロスバー直撃・渡邊。この松本グループがホモソであるのは明らかだ。
 お笑い芸人というのは元来縦社会で、ホモソ要素が強い。吉本芸人だけでなく、芸人同士で「芸歴=同期か先輩後輩かを異常に気にする」のはテレビでもよく見る光景だ。外野からすれば「そんなことはカメラの前じゃない、裏でやってくれよ」と思うのだが。そんな芸人ホモソの最も醜悪な部分が今、クローズアップされている。

news.yahoo.co.jp
 延焼というか、松本人志とは無関係の外周部にまで告発が及んでいる。芸人全体のイメージが、大きく低下しているのだ。かつては暴露系エピソードトークで仲間内でネタにして笑いを取ってきたことも、完全にアウトになる。

 松本人志が女好きというのは、昔から知ってる人間からすればおなじみだった。が、この事件の第一報を聞いた時、私は「既婚・50代になってもまだそんなことをしていたのか」と驚いた。   
 松本のように金や名声を得た人間は特殊で、一般人がこんな飲み会をやることはない。だが、「これといった趣味のない人間の末路」という意味では、実は一般人にも無関係とは言えないのだ。特に男性は。
「趣味」問題については以下で書いてきた。
maoukpp.hatenablog.jpmaoukpp.hatenablog.jp
 趣味はやはりあったほうがいいんだなとしみじみ感じる。上記記事では批判的に書いているが、それでも「女遊び」よりはマシである。いや、女遊び云々よりもその「遊び方」がまずいというのは既に上沼恵美子が指摘した通り。
 人間、教養や品格が大事であり、何よりも趣味を持つことが大切。自分が所属しているホモソが醜悪なものになっていないか? という視点は忘れずにいたい。中高年男性は孤独になりやすくそこに生きづらさがあるが、「孤独の方がマシ」な生き方もあるだろう。
 私は、醜悪なホモソを作ったりそこにメンバーとして参加して楽しくやるよりかは、誇り高い孤独でありたい。松本人志の現状を見て、そんなことをぼんやりと思っている。

Adoはノブレス・オブリージュを果たすべき

 12/2の日テレ音楽特番で、Adoが出演した。「影DIO状態」と個人的には呼んでいるが、シルエットでのステージだったようだ(わざわざ差をつけることは不義理になるので、紅白も同様と思われる)。
news.yahoo.co.jp
 上記の記事では好意的に評されているが、私は、この記事はそうではない。
 Adoについては過去、noteで言及したことがあるが、今回は音楽的な話ではないのでこちらのブログになる。
note.com
 ノブレス・オブリージュ、という言葉がある。最近Adoとこのワードを強く連想するようになった。Adoほどの歌手が顔出しをしないことで、芸能史に埋もれていくのはもったいない。
 デビューがネット動画で、顔出ししない「歌い手」も、売れていくとライブなどで顔出し解禁になることが多い。特に10代のうちは顔出しなしも仕方ないと思える。が、Adoはもう成人、20歳を超えている。別の意味でのプロ意識を持ってほしい。
 Adoは間違いなく令和という時代を飾り、後世に残るボーカリストである。冒頭の記事ではGReeeeNの例が紹介されているが、GReeeeN程度のアーティストに私は顔出しを要求することはない。声優崩れの、よくわからないVTuberも同様だ。だがAdoはそうではない。古い世代で言うと、美空ひばりクラスの存在だと思っている(もちろん、実力は比較にならないほどAdoが上。時代に比例してレベルが上がるのでそこの優劣に意味はないが)。
 冒頭の記事によるとAdoはこれまでもライブは行っていて、今回テレビにも出たことから人前に出たくない、トーク・MCができないというわけでもないようだ(声のみでバラエティ番組に出ていたこともある)。ならば、そろそろ姿を晒すべきだ。Adoにはその義務がある。大きなお世話だ? その通りである。あくまで外野の意見に過ぎない。しかしそれを表明する自由は誰にでもある。

 サングラスを常用している歌手はこれまでもいたし、これをもっと発展させた覆面ファッションの進化も待たれる。以下の記事(小説)では未来社会は匿名需要が上がっていると予想してそういうファッションを入れたが、早く実現してほしい。
note.com
 いっそのことAdo自らプロデュースして「Adoグラス」を作ったら、グッズとしても売れると思う。眼鏡メーカーは大チャンスである。ぜひとも、ファッションにも変革を起こしてほしい。

ハライチ岩井のロリ婚で一番損をしたのは池崎である

 この件です。衝撃の結婚発表から1週間がたった。
www.jprime.jp
 まず書き手の立場を明確にしておくと、私は、ハライチというコンビ芸人が好きである。ラジオを聴いていた時期があるし、平日お昼はフジ『ぽかぽか』を見ていることが多い。
 よく知らない人のために一応説明すると岩井は近年『ゴットタン』『あちこちオードリー』などで毒舌キャラとして活躍していて、澤部とのコンビ格差も縮まりつつあった。さらに『ぽかぽか』でコンビでMCとなり、もはや「腐り芸人」キャラは卒業か残念、というくらい仕事が順調だった。

 改めて、ラジオ(radikoで1週間聴けると思っていたが、18日で終了。。)での岩井本人の言い分なので全てが正確でない可能性はあるが時系列にまとめてみる。太字がキモいポイント。

  1. 岩井、奥森氏が13歳の時に『おはスタ』共演で出会う(曜日は別、同じだったのは池崎)
  2. 数年して奥森氏卒業後、池崎と3人(?)で会うようになる(昼間、車で移動、実家まで送り届ける)
  3. 奥森氏は岩井が大好きだったが、岩井は「成人までは二人では会わない」と拒絶。ここで岩井の認識は成人=20歳
  4. 奥森氏、18歳になったので岩井に「成人しました」とアピール。岩井、18歳で成人だと驚くも、じゃあ宣言しちゃったしと付き合い出す
  5. 岩井、交際がバレた時にどうしようかと考える。別れるか結婚しかない、しかし結婚は自分から言えないところ、逆プロポーズされる
  6. 文春突撃され、結婚発表

 イジリという名の火の手も既に上がっている。今後テレビがどうするかが見もの。
www.youtube.com

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 この動画内でインタビューされた19歳女性も言っていたが、「19歳で出会ったのならともかく、13歳の出会いがキモい」はまさにその通り。

 さて、今回はただのまとめ記事ではなく、一つの分析をしようというのが主題である。岩井は今後芸人としてかなり苦しい立ち位置になる(これまでの芸風・キャラ的に)が、それも覚悟の上だろう。当人二人は幸せ満開である。相方・澤部もまあ、長年独身だった岩井が結婚ということで祝福していることだろう。近しい関係者も同様だ。
 だが、上記のキモいポイントに挙げた池崎。彼は岩井とは事務所も同じ同期であり(大卒なので年齢は上)親友と言っていい存在。本来ならただ祝福するだけだったのだが、この件のキモさに直接関係してしまっている。「ワタナベの芸人二人(しかも独身)が、中高生の女子タレントを連れ回している」という事実が、絶妙にキモい。
 しかし、どんなにキモがられようが岩井はもう結婚したので関係ない。別にモテる必要性はないのだ。しかし池崎は依然独身である(恋人がいるという報道もあるが)。結果、ただの独身のキモいおじさんが爆誕してしまった。池崎の場合、子供向けの芸風や動物番組をやっている都合、損しかないだろう。
 池崎は二人に利用されたのだ。「好きな人に近づくためにその友達から攻める」という定石通りに、奥森氏が池崎とつながる(池崎から声をかけたとは考えにくい)。岩井も、「池崎を経由、かつ同行しているから」という理由で奥森氏と会うようになる。こうして謎の三角貿易が始まった。岩井のガードが固かったので、奥森氏としては想定以上に長く続くことになる。

 そもそも、繰り返しになるが最初から「子供と大人二人が会う」という行動がキモい。『おはスタ』のような子供番組、大人に女子をアテンドしているだけなので、キャスティングを大人は既婚子持ち縛りにするとか考えた方がいい。
 上記ラジオyoutubeでみなみかわが「『おはスタ』に出る芸人なら俺が一番安全」と言っていた。実は愛妻家で子供を大事にしているみなみかわ(しかもモテないであろうこともより安全)、人は見た目や芸風と一致しないものである。そしてそれは岩井も大いにそうなのであった。