ガジュマルの木の下で

現役フリーベトナム語通訳・翻訳者の日々のこと。ベトナム駐在時代の思い出など。

ベトナム語の略語が難解な件

今日は、3つの現場をハシゴしました。

朝から晩までこの仕事をしていると

当然移動や待ち時間が多くあるわけで、

現場に入る前に

素敵な喫茶店がないか

チェックするのが

密かな楽しみだったりします。

私は、どちらかというと

ドリップコーヒーが好きな昭和の人間なので

おしゃれカフェではなくって

ドアを開けるとカランコロンと音がする

茶店が好みです。

クラシックが流れる薄暗い店内で

資料を読み込んだり精神統一をする時間は

とても重要です。

…でも本音を言えば、ふらりと入った

茶店で、時間を気にせず

スポーツ新聞を片手に

のんびりとモーニングのトーストに

齧り付く時間が

持てれば最高!なんですけどね。

 

さてさて、私は業務でベトナム語

メールやチャットを翻訳する機会が

多いです。

が、これが相当難しい。。

 

いわゆる若者言葉やその省略語が

ひたすら難解なのに加えて

方言だったり、会話途中に

意味のない単語?のようなものが

挟まっていたりしていて、

頭を抱えてしまいます。

例えば、Bi h e dg lum j? は

Bây giờ em đang làm gì?

=「今何してるの?」という風。

ベトナム人に聞いても

「ムムム分からん…」

という反応の言葉もあるので

地域性や流行りもあったり

するのでしょうか。

 

省略語に関しては、都市の名前さえ

TP.HCM(=Thành phố Hồ Chí Minh,

ホーチミン市)

HN(=Hà Nội, ハノイ)と表記しますし、

単に長々と単語を打つのは面倒くさい、

との意見が多数ですが、

単語によっては

dzui dzẻ(=vui vẻ, 楽しい)や、

chít rùi(=chết rồi, 死んだ、しまった!)

など、全然省略になってない言葉も。

 

凝り固まった頭を柔らか〜くして

暗号を解く気持ちで挑む毎日です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地方でのベトナム語の需要

ベトナム語通訳仲間数人と

久々のランチへ。

皆それぞれ忙しく過ごしているので

なかなか揃うことは難しいのですが、

仕事の合間を縫ってたまに

キャッチアップしています。

 

今回は、タイ料理に舌鼓をうちながら

あれやこれやと情報交換しました。

料理のお味の方はというと

ガパオライスに、肝心のガパオが

入っておらず普通にミンチ炒めが

ご飯に乗っけてあるだけで、

とっても残念。。

ガパオの葉は、バジルで

代用できるんじゃない?

目玉焼き硬すぎ!

などと、皆タイ人店主に

好き勝手に意見してました。

ベトナム人

タイ料理好きが多いです。

当然味にもうるさい。

意見も辛口でした。

 

地方ながら、福岡でも

ベトナム語の需要は

じわりじわりと増えています。

九州以外への出張業務や

通訳のみならず翻訳もベトナム語教師も

こなすマルチプレイヤーが多いです。

(じゃないと食べて行けないというのもある)

 

かくいう私も、来るもの拒まず

なるだけ分野を問わず

お仕事は引き受けるようにしています。

首都圏に比べて圧倒的に仕事が少ない

というのもあるので、

最近は商業通訳だけではなく

官公庁や司法通訳にも範囲を広げています。

司法関係の通訳は

独特の空気や緊張感がありますね。

毎日本当に鍛えられています。

 

元来小心者の私。

相変わらず本番でガチガチになったり

前夜によく眠れないことも多々。。

それでも、普段会えない人に会えて

ありがとうと言われるのは

通訳冥利に尽きますね。

 

ベトナム語を使った仕事も

時代によって

随分変化しているようです。

今、そしてこれから

どんな分野が求められているのか、

流れを読む力が必要ですね。

 

 

 

本日のベトナム語メモ

 

少年鑑別所   Trạm giám định thiếu niên

観護措置     biện pháp giám hộ quan sát

ウィーン条約   Công ước Viên

黙秘権      Quyền giữ im lặng

 

 

 

 

ニッチな分野の通訳

現在継続的に通訳翻訳を請負っている

業界は、いわゆる’’職人さん’’の世界。

かなりニッチな分野です。

本音を言うと全く興味のない

業界だったのですが^^;

長年携わるうちに、本当に

奥が深い世界だなぁ、

恐る恐るではありますが

足を突っ込んで良かったなぁと

改めて感じるようになりました。

当初は、知識も専門用語もほぼ分からず

現場で叱咤激励を受けながら

コツコツと勉強させて頂きました。

(つくづくラッキーですね。)

なにせ、使う言葉は辞書に

載っていない単語だらけ。

試行錯誤して作った膨大な単語帳は

かなり年季が入っています。

 

語学を生業としなければきっと覗き見ることも

なかったであろう世界。

仕事をきっかけに学ぶことも

たくさんあり、知識もぐっと深まりますね。

これも通訳・翻訳業の醍醐味ですね。

 

ちなみにベトナムでも

慢性的に人手不足なこの分野。

ニッチなニーズは通訳翻訳が

出来る人材が極端に少なく常に

売り手市場みたいですね。

通訳や翻訳の世界では

専門分野を決めた方がいいと

良く言われますが

ベトナム語は英語とは違って希少言語なので、

「幅広い分野を満遍なくこなせて、

そのうえで一つの分野はすごくできる」

事の方が求められているような気がします。

 

 

 

草原に黄色い花を見つける Tôi thấy hoa vàng trên cỏ xanh

 

少し前にベトナム映画、

『草原に花を見つける:原題 Tôi thấy hoa vàng trên cỏ xanh』

を観ました。

ベトナム映画が日本で上映されるなんて

滅多にないことですし

ベトナムの有名作家、

Nguyễn Nhật Ánhのベストセラー小説を

映画化したもので

ベトナムでも数々の賞を

受賞した作品と聞けば

観ないわけにはいきません^^

 

監督は、カリフォルニア生まれの

ベトナム系アメリカ人Victor Vũ(ビクター・ブー)。

1980年代ベトナム中部の小さな村が舞台。

兄弟とその幼馴染の少女への初恋と

成長の物語です。

 

少年の抱える罪悪感とか恋心とか嫉妬とか。

何より子どもたちの演技が自然で上手い。

弟の読み上げる詩にぐっときました。

緑豊かな田園風景に流れる音楽も美しくて、

この緑の海の中にダイブしたい!

と思ってしまいました。

ベトナム人の友人は、

故郷を思い出して涙が出たと言っていました。

とても温かいラストで良かったです。

 

ちなみにこの原作者は主に

児童文学を書いていて

私も小説は何冊か持っていますが、

本作もぜひトライしたいと思います。

 

yellow-flowers.jp

幕末にまつわるお話をベトナム語で聴いてみる

読書の秋ですね。

近ごろは歴史ものが好きで、

特に幕末に関する小説や映画に

はまっています。

 

なんというか、この時代って

魅力的な人物が多いですよね。

混迷する先の見えない時代を、

みんなが成し遂げたいことに

向かって必死に走っているような。

 

ベトナム語のラジオを聴いていたら

たまたま日本の歴史を紹介していて、

幕末期の話をされていて

とても面白かったです。

京都観光に来たベトナム人が、京都の霊山歴史館で

催されている、新撰組の特別展が

今夏イチオシ!と強力に勧めていたので

早速調べてみたら

実に盛りだくさんの内容。

龍馬に関する書物の他

150年ぶりに近藤勇土方歳三

愛刀が京で再会、とのこと。

でもでもこの展示、

なーんと先週で終了したようです・・・

とても残念 ><

 

今の日本は、幕末に似た

過渡期にあるような気がしたり。

でも、幕末を生きた彼らは

あの時代にいたからこそ

活躍できたのかもしれませんね。

 

ベトナム語メモ:

Mạc phủ Tokugawa 徳川幕府

Mạc mạt 幕末

Tôn hoàng nhương di 尊王攘夷

Phiên Tosa 土佐藩

Minh trị duy tân 明治維新

 

 

 

 ▼

会津若松の夕暮れは

とても好きな色でした

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ベトナム人の友達にはっきり言われたこと

ベトナム人の友達とビデオ通話をしました。

本当に久しぶりに顔を合わせたのですが

挨拶もそこそこに、その子の第一声は

「Chị mập ra!(太ったねぇ)」でした>< 

 はっきり言ってくれるなぁ。

 

そういえば、髪を切ったり新調した服を見て

đẹp(キレイ)とかkhông đẹp(キレイじゃない)とか

近所のおばちゃんも会社の部下たちも、外見や装いについて

あぁだこうだと好き勝手に批評してくれます。

上司であっても、恰好の餌食です。

漫画でいう「思うマーク」が「喋るマーク」に

なりがちというか。。私の周りだけなのでしょうか。

大きなお世話なのですが、耳の痛いことを

ストレートに言ってくれる人は

なかなかいないので

ありがたいと思うことにします。

 

ちなみに、放っておいて!とか

余計なお世話!って言いたい時は

「Mặc kệ tội!」と言ってみましょう。

通訳練習のためにラジオを聴き続ける

翻訳の仕事が立て込むと、途端に

通訳トレーニングがおろそかになります。

一日サボるとあら不思議。

口がまわらなくなってしまいます・・

というわけで、朝イチで

翻訳に取り掛かりたい気持ちを

ぐぐっとこらえ、NHKワールドラジオを

一本か二本必ず聴いて

リプロ、サイトラを行うようにしています。

時間があれば、同通の練習も。

こちらはスクリプトもついているので

訓練に最適です。

時事問題を取り上げるので勉強になります。

あとは、家事をしながら

ベトナムのラジオ局の番組を流しっぱなしに

してシャドーイングをしたり。

隙間で細々と続けています。

 

今はスマホベトナム各地のラジオ番組も

気軽に聴けて、とても便利ですね。

ちなみに私はサイゴンに長くいたので

なんとなーく南部の番組がごひいき?です^^