妄想人の生態記録の始まり

最近付き合い出した彼氏が変人だ。

とてつもなく変人だ。

しかし、何が変なのかと聞かれると言葉に詰まってしまう。

ある程度は常識的な考えを持ち合わせているし、奇行に走ったりするわけでもない。

彼はただただ妄想・想像力が豊かすぎるのだ。

身の回りのありとあらゆる物が彼に妄想ストーリーを引き起こす。

散歩していも、ニュースを見ていても、ただゴロゴロしていも。

そしてその物語は一度始まればものすごい勢いで広がりを見せていく。

主人公とその生い立ちや外見、環境やその周りの人物、

そしてそこから始まる映画やドラマのようなワンシーン。

「やばいやばい！また始まった！」と声をかけるとようやく止まり、

「危なかったー。もう起承転結の転まで思い浮かんでたよ」などと言う。

一度彼に「妄想癖が止まらないね」と言ったのだが

彼は「これは癖なんかじゃない。僕は妄想人なの」と返した。

意味が分からない。もう一度言う。意味が分からない。

と呆けていたら始まっていた。