走りの上下動がゼロになったら体力的にどれぐらいオトクなのか?
走りの上下動がゼロになったら体力的にどれぐらいオトクなのか?
前回の記事( ↓↓↓ )、の最後の方で書いた
上下動のロスをなくすことで、速くて疲れにくくてボールコントロールしやすい(サッカーにとって効率が良い)走りができる。
のところなんですけど、ボールの扱いは置いといて、スタミナやスピード的にはどのぐらいオトクなの?ってところを書いていきたいと思います。
論文や実験データを参考にしていくので、競技中とは状況が異なります。ですのでプラスになるのかマイナスになるのか?ぐらいで捉えておいた方がいいかもしれません。
1.論文(Gravity-driven horizontal locomotion: theory and experiment|重力駆動水平移動:理論と実験)より
rspa.royalsocietypublishing.org
という英語の論文です。
実験内容ざっくり
トレッドミル(ランニングマシン)を使った実験で、トレッドミル上で①普通に走る②上から吊るして走る、の2つを比べて酸素消費量を比較した実験です。
結果
②上から吊るして走った方の 酸素消費量が10%減った そうです。(計測値は16~21%。歩行も含めているので差が出たっぽい)
余談ですが上下動なしで走った被験者の方の感想は「飛んでるみたいだ!」でした。
で、酸素消費量が10%減るってどのぐらいオトクなの?
という疑問が生まれたので調べたり計算したり、してみたいと思います。
2.サッカーじゃなくマラソンですけど最大酸素摂取量(VO2Max)で比較してみる
VO2Max酸素消費量が10%減るので、減った分上乗せしたと仮定して比較します。
※VO2Maxの単位は [ ml/kg/分 ] ですが省略します。あと計算も省略。
①VO2Max83と76とで3km走った時の時間を比べてみる(9.2%UP)
- 83 → 8分(3km) = 22.5km/h
- 76 → 8分45秒(3km) = 20.6km/h
➤3km走ると45秒の差になる。スピードの差は1.9km/h。
②VO2Max67と61とで3km走った時の時間を比べてみる(9.8%UP)
- 67→ 10分(3km) = 18.0km/h
- 61→ 11分(3km) = 16.4km/h
➤3km走ると1分の差になる。スピードの差は1.6km/h。
同じスタミナ消費で10%速い!…か、10%長い距離を走れる!
ちなみに数週間かけたコンディション調整では、パフォーマンスの上昇度が6~8%と言われています。そう考えるとめっちゃオトクですね。
考え方が間違っていたらご指摘ください。
ご指摘いただけるなら正しい考えもご教示お願いします。。。
3.国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量をマラソンの最大酸素摂取量に置き換えて比べてみる
◆国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量がそれぞれ10%上がった時の比較。
※最大酸素摂取量とマラソンの予想タイム にの表にある数値で比較するので
端数は四捨五入したり切り捨てたりします。
① 16~18歳 でのVO2Max 61.6 → 10分45秒
10%上がったらVO2Max 68 → 9分45秒
② 19~22歳 でのVO2Max 58.9 → 11分15秒
10%上がったらVO2Max 65 → 10分15秒
③ 23~25歳 でのVO2Max 55.0 → 12分
10%上がったらVO2Max 61 → 11分
④ 26~30歳 でのVO2Max 53.1 → 12分30秒
10%上がったらVO2Max 58 → 11分30分
➤すべての年代で3km走った時に1分ずつオトクになる。
グラフの抜粋:J - STAGE|国内一流サッカー選手の最大酸素摂取量 より
ここで面白いのは、16~18歳をピークに VO2Max が下がり続けることなんですが、
VO2Max が10%上がることで7~8歳年齢が下で上下動を減らさない年代とほぼ同じのVO2Max になることです。ああ、表現 が 難しい。
分かりやすく言うと、
オッサンと呼ばれる年代でも、走りの技術次第でハタチかそこい
らの若者と体力で渡り合える(かも)
ってことです。(サッカー選手の引退年齢って平均すると25~26歳と言われていますので、20代中頃だとけっこうオッサン扱いされます。)
これをもっと分かりやすく言いますと、
30歳と22歳が同じぐらい走れる可能性がある
ってことです。 いやあ、夢がありますね。
まとめ
- 酸素消費量が10%減ることでスタミナは10%増える(だいたい逆数)
- 酸素消費量が10%減ったら30歳が22歳と同じぐらい走れる可能性がある
- 選手寿命を延ばすなら、走り方を見直したほうが良い
- (身体の負担が減るなら、ケガのリスクも減るかも…?)
ということで、走りの上下動を減らすのはすんごいメリットがありそうです。
では、また。
サッカーに必要となる走りの目標を3つ叶えるための方法
サッカーに必要となる走りの目標を3つ叶えるための方法
サッカーに必要となる走りの目標、って何だと思いますか?
考えたことあります?サッカーに必要な走りの目標。
バスケットボールでも、野球でも、ラグビーでもテニスでもない、
サッカーに必要な走りの目標です。サッカーの試合を考えてみると…
ガーーッと走って、ボール受けてパス出して、空いてるスペースに走って、
相手DFと競り合って、シュート打とうとしたら防がれて、
カウンターになったら急いで自分の陣地に戻らなきゃいけない。
で、これを何回も行う・・・と。
やった人は分かると思いますが、これやると、
んめっっっっちゃ疲れますよね!
で、疲れればもちろん判断力は鈍るので、いつもはしない凡ミスをし、
プレーの制度は落ちてパスやトラップをミス、最後には監督を怒らせて交代させられる…と。
そんなあなた(というか過去の自分)に送るサッカーに必要となる走りの目標と、その叶え方を書いていきます。
1.サッカーに必要となる走りの目標3つ
- 速く走れて
- 疲れにくくて
- ボールが扱いやすい
まぁ!なんてシンプル!
2.目標を叶えるために変えるべきこと
- 全てを同時に叶える方法を使う
今までの練習って「速く走るためにダッシュ走と筋トレやって」「スタミナつけるために10km走って」「ボールタッチ上手くするためにパス練やドリ練やって」…という別々の練習方法が取り入れられてきたと思うんですよ。
でも実際、これ全部やる時間なんてそうそうありません。休息だって必要になります。特に学生だと絶対に勉学に差し支えます。だからいっぺんに全部を叶えてしまうんですよ。スピードもスタミナもボールの扱いも。大丈夫ですよ。叶いますから。
3.目標全てを同時に叶える方法とは
- 地面と平行に移動する
- 姿勢の力で重力を加速力に変換する
これだけです。さらっと書きました。
これは例えるなら、モータースポーツで言うところのドライビングテクニックを鍛えることと同じです。逆に筋トレやダッシュ走はマシンチューニング(車自体を速くする)と同じです。
今までは肉体を強化することでより速く走れる、というハード面重視の方法でした。
そこに身体のコントロール方法を覚えて性能を引き出しましょうよ、というソフト面を鍛える方法だと思ってください。効果は「上下動のロスが減る」です。
自転車で言えば平らな道を走るか、ガタガタした道を走るか…の違いです。
まとめ
◆サッカーに必要な走りの目標3つ
- 速く走れて
- 疲れにくく
- ボールが扱いやすい
◆目標全てを叶える方法
- 地面と平行に移動する
- 姿勢の力で重力を加速力に変換する
◆逆説的に言うと
上下動のロスをなくすことで、速くて疲れにくくてボールコントロールしやすい(サッカーにとって効率が良い)走りができる。
新しいサッカーの価値観
このブログはサッカーの新しい価値観を作るために開設しました。
新しい価値観とは、サッカー専用の走りに関する価値観です。
考えてみてください。
足でボールを扱う競技なのだから、特別な足の運びがあってもいいのでは?
速く走る必要があるのだから、速く走る方法を覚えてもいいのでは?
試合の99%を走りに費やすのだから、疲れにくい走り方を覚えてもいいのでは?
これらの疑問を全て解決する走り方があってもいいのでは?
目指すところは「より速く・より長く・ボールを扱いやすい走り方」です。
歴代から現在までのサッカー選手、書籍、論文、個人の経験を参考にしながら
理想となるサッカー専用の走り方を作っていきたいと思います。