ポタリとは
ポタリは2019年3月に解散した愛知発のスリーピースバンドだ。
彼女らのラストライブツアー「ポタリingtour2019 〜あなたのbestie"参"上!〜」を観賞した時のことを思い出しながら、彼女らのことを記す。
ポタリはボーカル、ギター、ベース、ドラムの4人で構成されている。
ボーカルのナツが中学時代に結成したバンドが原点である。
2019年2月に「ポタリの3」をリリースし、翌月解散となった。解散の理由について、アルバムの制作終了後に「これからのそれぞれの人生と向き合う機会である」「私たちはポタリでできることは全てやり尽くした」という結論に至ったためだと語っている。
ポタリ、3月30日のツアーファイナルをもって解散「できることは全てやり尽くした」 - ぴあ音楽
また、ラストアルバムについては「自分たちの作品の中で、最高の作品を完成させることができたと自負しています。」と語っている。
さて、私はYouTubeで彼女らの既存の曲を聞きかじっていたところに突然の解散、そしてラストツアーとの情報を得て、ヘビーファンではないながら、ライブへの参戦を決意した。しかしなんということだろうか、「ポタリの3」を入手せず、参戦することとなる。
ラストライブツアー
ライブ会場入りしたにわか参加の私と周囲の長年のヘビーファンとで明らかに、身につけているグッズから熱量の差を感じたが、私なりに楽しむことを決めていた。
一曲目はYouTubeでも聴いていた「JUST」。好きな曲が一曲目に来てテンションがぶち上がる。
そして2曲目「君のままで」で早速「ポタリの3」の洗礼を浴びる。
疾走感のロックナンバーが突如始まる。「ポタリの3」を聴いていない私にとって未知との遭遇だ。
新しいドアが開くその瞬間だという歌詞のとおり、私に新しい世界が待ち受ける。
という歌詞の通り私は新しい世界が待ち受けていた。
「MUSIC」「ハルノカゼ」といった往年の名曲、時折「ポタリの3」の曲達が披露されていく。
そしてラストライブツアーのタイトルにも含まれている「bestie」が披露された。メロディーも良いが、bestieとは親友の意であり、どんな時だって当たり前みたいにそばにいてくれたあなたに今伝えたいよ ありがとう という歌詞が、支えてきたバンドメンバー(親友)への感謝ともとれて胸が熱くなった。
限りなく赤、MONSTER
骨太のギターサウンドとともに疾走感あふれるエモーショナルなロックナンバーが始まった。後にラストアルバム収録の「限りなく赤」という曲名だと知る。ライブハウスの熱気が一気に高まる。初めて聴く曲にもかかわらず、これほど心を奪われる体験は初めてだった。涙が出そうになるほど感動した。明るい青色の衣装を着たエミがギターを掻き鳴らすのとは対照的に、歌詞には何度も限りなく赤と出てきて、狙っている訳はないのだろうが、コントラストが刺さった。
引き続きロックナンバー「MONSTER」が始まった。会場は骨太ロックナンバーの連続に熱気に包まれた。後から考えるとポタリの解散がコロナ禍に重ならなくて本当に良かったと感じる。
途切れた呼吸
ラストアルバムを象徴する一曲も披露された。アルバムのリード曲「途切れた呼吸」。爽やかながら、切なさも感じられる未来への希望を歌っている。エモーショナルな間奏ギターの後の 朝焼けが塗りつぶした街 やり直せる 何度だって という歌詞の部分が、早朝の静けさを印象付けるような透き通ったコーラスが入っており技巧的な面も好みだ。
総括
メンバーの言う通り「ポタリの3」はバンド史上最高の名盤として間違いないだろう。
ライブ直後は、ラストアルバムを予習してからライブに参戦するべきだったかと一抹の後悔も生まれた。しかし、知らない曲を初めて生で聴く体験もまた強烈な刺激があり、それがポタリのライブに関する強い記憶を生んだと前向きに考えている。
現在、メンバーは音楽に留まらずそれぞれ別の分野で活動されているようだが、この記事が目にとまったら幸いに限る。
ポタリ、名曲を沢山残してくれてありがとう。