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日本発グローバルスタンダードになった最強コンテンツ

日本発グローバルスタンダードになった最強コンテンツ

 

日本発、グローバル市場で成功を収めているコンテンツといえば主に「マンガ」や「ゲーム」、「キティちゃん」などの可愛い系キャラクターがすぐに思い浮かびますが、これらは世界中の人々から受け入れられているというよりも、マンガ好きや可愛いもの好きの人々(ニッチ市場)で成功していると言えます。

それだけでも十分すごいのですが、今回、米CNNで取り上げられていた日本発の最強コンテンツは、ニッチ市場ではなく、世界中の人々に利用されているものです。

 

それは、私たちが普段からインスタントメッセージで利用している「絵文字(emoji)」です。

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写真:WhatsAppの絵文字から

 

今では世界で毎日60億個の絵文字がやりとりされており、現在1800個以上の絵文字がありますが、これら絵文字の基礎は1999年にドコモのiモード立ち上げメンバーであった栗田穣崇氏(45)が開発作成したものです。

 

この絵文字を開発した栗田氏は当時28歳ということになりますので、かなり若い時に日本発のグローバルスタンダードコンテンツを開発したことになります。ちなみに栗田氏は現在、株式会社ドワンゴで執行役員をしているようです。

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写真:栗田穣崇氏

 

なぜ絵文字が海外で使われるようになったかと言うのは、記事で多少書かれているのですが、主な理由は「同じ内容の文章でも、絵文字を入れることでその文章の感情(意図)を変えることができる」ということにあるようです。

 

例えば、メッセージに「さっきタンスに頭をぶつけた😢(涙する絵文字)」と書くのと「さっきタンスに頭をぶつけた😂(涙しながら笑っている絵文字)」と書くのでは相手に伝わる意図が頭をぶつけて悲しいのか、それとも面白いのか、絵文字を追加することでそのメッセージの伝える感情(意図)が大きく変わります。私もメッセージをする相手に自分の意図を伝えるために普段から絵文字を使用していますし、絵文字がなかったらちょっと不便かなと思います。

最近、日本では皆がLINEを利用しているので絵文字ではなく、代わりにスタンプを使用していますが、これも同じように感情を伝えるために使用しているはずです。

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写真:WhatsAppから

 

海外で日本のコンテンツが大きな成功を収めるにはやっぱり、それなりの理由があるはずですが、絵文字の場合は「感情(意図)を伝えるための利便性が成功の鍵になったのではないかと思います。

 

キティちゃんやLINEの可愛いキャラクターや、マンガなどもニッチ市場で販売できるすばらしいコンテンツですが、全世界の人達に受け入れられるようなものを作るにはユーザの「利便性の向上」が非常に重要になるのではないでしょうか。

 

例えば、コンテンツではありませんが、「利便性」を向上した日本発のものを考えると、1979年にSONYから販売されたウォークマンもそれにあたります。普段から音楽を聴きたい、持って運べる「利便性」を向上したのがウォークマンです。

他にも現在、皆が毎日使用しているパソコンも昔はほとんどがデスクトップパソコンでしたが、今では利便性の高いノートパソコンに置き換わってきています。

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写真:1979年発売初期のSONYウォークマン

 

余談ですが、2017年1月に米ミシガン大学で絵文字の利用に関する研究が発表され、その結果では、一番人気の絵文字は😂(涙しながら笑っている絵文字)その次が😍(目がハートの絵文字)らしいです。他にも使用する絵文字の好みは国ごと大きな違いがあり、フランスは愛に関する絵文字が多く、オーストラリア、フランス、チェコなどはハッピーな表現の絵文字が多く使われる一方、メキシコ、チリ、アルゼンチン、コロンビアなどの南米ではネガティブな絵文字が多く使われるとのことです。

個人的には南米人はすごくハッピーなイメージあるんですけど、心の中はハッピーじゃないんですかね。

 

参考資料:

http://edition.cnn.com/2017/05/29/design/emoji-digital-language/index.html

https://en.wikipedia.org/wiki/Emoji