財布もクレカもキャッシュカードも家に置き忘れて外出してしまったピンチをセブンのスマホATMで乗り切った話
こんにちは。キャッシュレス推進過激派のしーたけです。
推しペイは Kyash と LINE Pay。
私に代金を立て替えさせるとキャッシュレスでの精算を強制され、このどちらかを使い始めてもらうことになります。以後お見知りおきをお願いします。
起こったこと
私はスマホで Suica、QuickPay (Kyash 連携)、Edy、LINE Pay、PayPay を使えるようにしているので、スマホさえ持っていればほとんどの支払いが完結してしまいます。
すると出かけるときに財布を持つことへの意識が薄れ、つい家に置き忘れてしまうんですよ。
それでも大体はなんとかなるのですが、今日は偶然知り合いのライブを見に行く日で、現金での支払いが必要でした。
今から家に戻るのは大変。さあどうしよう。なんとかスマホ使って ATM から現金引き出す方法はないか?
そう思って検索かけたところ、見つけました。
セブン銀行スマホ ATM
公式サイトはこちらです。
セブン銀行おもしろいことやってますね。愛してます。セブンペイのときあんなにdisってごめんよ。
対応しているサービスはこちら。
私の推しペイの Kyash と LINE Pay もしっかり対応しているじゃないか!やったぜ!
ただし気をつけてほしいのは、この一覧には入金・出金両方に対応しているものと、入金にしか対応していないものがあること。
Kyash は入金しかできません。Kyash はクレジットカードからチャージできるから、現金の出金ができたら実質キャッシングになってしまいますね。仕方ない。
LINE Pay は出金対応しています。なので LINE Pay 使って出金してみました。
手順
1. セブン銀行の ATM に行く
皆さんおなじみのこいつです。
2. LINE Pay で QR コード読み取り画面を開く
LINE アプリを開き、LINE Pay に移動します。
移動したら、「セブン銀行 ATM 」を選択。
今回は出金なので、「出金」を選択。
すると QR コードリーダが開きます。アプリ側の準備は以上です。
ATM を操作する
ATM の画面で、「スマートフォンでの取引」を選択します。
すると QR コードが表示されるので、それをアプリから読み取ってください。
以降は ATM の指示に従って会社番号などの入力を進めていけば大丈夫です。
こうして無事現金を引き出し、ピンチを切り抜けることができました!
手数料について
LINE Pay では220円。ちょっと高いですね。 ほんとにピンチのときに使うに留めよう。
LINE Pay 以外で出金できるサービスをリストアップしてみます。
これ以外は消費者金融という感じです。
消費者金融は使いたくない。銀行口座は開設がめんどう。
ということで、EPOS カードあたりでキャッシングして、すぐ返すのが一番安く済むかもしれないですね。
次はそうしてみよう。
おわりに
日本でもキャッシュレス化が進んできています。
キャッシュレス化に続いて、カードレス化ができるサービスも登場しています。
私は Google Pay を使っていて、Tカード、dポイントカード、Ponta カード、その他各種のバーコード読み取り式ポイントカードをスマホにまとめるようにしています。
今回使ってみたスマホ ATM を使えば、キャッシュカードもなくせますね。
この流れが進んでいって、スマホだけですべてが完結する時代が来るといいな。
最後までお付き合いいただきどうもありがとうございました。
平成の最後に学んだこと、令和でやりたいこと
令和あけましておめでとうございます。
皆さんにとって、平成はどんな時代でしたか。私を含め、平成生まれにとっては、どんな時代も何も 今までの人生そのものだよって言いたくなるかもしれませんね。笑
私は平成に生まれ、平成に育ち、そこで多くのことに悩み、その悩みに対処するたくさんのことを学びました。特に最後の1年は今までで最も学びの多い年でした。その学びをここで振り返ってみます。
平成で学んだことを活かし、令話という時代を切り開いていくためにも。
平成で学んだこと
私は典型的な「口はよく回るが手が動かない奴」です。やりたいことはたくさんあって、しかもそれはどんどん増えていく。一方で、ちゃんとできたことがほとんどない。
なにか新しいことに興味を持ち、これを頑張ってみよう!と自分を奮い立たせても、長続きしない。すぐに飽きて、怠けてしまう。
理想と現実のギャップにずっと苦しんできたし、自分は努力のできないダメなやつなんだってずっと思ってました。
でも、最近その理由が分かったんですよ。私は今の環境に居座ったまま、自分1人で頑張ろうとしていたんです。
何かを頑張りたいなら、失敗を恐れず「頑張らざるを得ない環境」に飛び込むこと。人の力を借りることが一番の早道だということをこの1年で学びました。
それを教えてくれた出来事はいくつかありますが、その中でもひときわ大きいのは、LLBSに参加するようになったことです。
私は2年半ほど前からキーボードを弾いています。しかし、昨年までは基本的に自室で孤独に練習するスタイルでした。バンドで演奏しきる自信がなかったんです。
1人でやっているとなかなかモチベーションが湧きません。楽器入門から昨年末までの間、お世辞にも頑張って練習しているとは言えませんでした。
そんな中、偶然知り合ったLLBS勢の1人に誘われて、軽率な心持ちでLLBS26に参加することになりました。今年の1月のことです。
期限が決まればもうそれに向かって頑張るしかない。頑張って練習して、迎えた本番。緊張してミス連発しました。しかし、その失敗が自分をめちゃくちゃ奮い立たせてくれたんですよ。もっと上手くなりたい、頑張りたいって。
また、LLBSをきっかけにキーボーディストの知り合いが何人もできました。その人たちにたくさんのことを教えてもらいました。
キーボードを始めて以来、今ほどモチベーションの高い時期はなかったです。この4ヶ月が、間違いなく今まででいちばん成長した期間です。
誘ってくれたモーリィさんと、主催ののえるさんには感謝の言葉もありません。
その他にも、こんなことがありました。
- 社内ライトニングトーク(5分間のプレゼン)大会に「機械学習の話やります!」と名乗り出て、それに向けて今まで触れたことのない機械学習に挑戦してみる
- 社外のTech系のイベントに参加するようになる。1人で勉強するだけではなく、他の人と情報交換する機会を得る
「人に披露できるだけの技術/知識がつくまで、アウトプットはしないでおこう」という考え方はせず、早い段階からアウトプットをしたほうがよい、ということはよく言われますよね。私もそれを分かってはいましたが、実際の行動に繋げることができていませんでした。
「アウトプットせざるを得ない環境」に身を置くことを覚え、具体的な行動ができるようになったこと、私にとって平成最大の学びでした。
人は、失敗から学んで成長する生き物ですから。
AIをゼロから勉強して本を書いたある会社の社長さん。AIについて全く素人の状態で出版社に「AIの本を書きます」と話を持ち込み、それに向けて毎朝数時間使って勉強したらしい。
— きの子🍄 (@sh_tkn) April 14, 2019
その人に出版経験があり、信用があるからこそできたことだろうけど、そういう「イキリ精神」はぜひ見習いたいと思った。
イキリ精神、大事にしていきましょう。
令和でやりたいこと
令和では、平成で学んだ「イキリ精神」を胸に、自分の「やりたいこと」に関係するたくさんの新しい環境に飛び込んでいきます。
LLBSには毎回参加するつもりだし、バンドリセッションにも参加してみたいですね。
Tech系のイベントでは、社内だけではなく社外者の前で発表する機会を持つことを目標に、多くのイベントに参加していきます。
また、今までは「人が作った環境に飛び込む」ことしかありませんでした。
令和では、新しい環境に飛び込むことを躊躇している人の背中を後押ししてあげること。さらには、そういった環境を自分自身で作ってしまうことに挑戦するつもりです。
皆さんにも声をかけたり、協力をお願いすることがあるかもしれません。よろしくお願いしますね。
あこがれのキーボーディストに個人レッスンを受けることになりました。
キーボードレッスンを受けてきました
昨日、劇場版ラブライブ!サンシャイン!!の舞台挨拶付き上映会に参加しました。映画ではポケットティッシュ1袋使い切るくらい涙と鼻水を垂れ流し、舞台挨拶では酒井監督の言葉にひとしきり感銘を受けて、そのあとに。
キーボードを背負って、新宿に立ち寄っていました。目的はキーボードの体験レッスンを受けること。それも、昔から知っているあこがれのキーボーディストに。この人です。
Mao、こと、山本真央さん!!イケメン!!!!
ラブライブ!で私と繋がった人はきっと「誰のこっちゃ??」って思いますよね、そうですよね。なので説明しましょう。
Maoさんは、私の大好きなボーカリストの「盟友」と言える存在です。
Fukiというボーカリスト
私はFukiというボーカリストがとても好きです。最愛の歌姫と言ってもいいでしょう。私のツイートにはたびたび「ふっきー」という名詞が登場します。
Fukiさんはメタルシンガーです。突き抜けるような超絶パワフル・ハイトーンボイスを武器に、メタルの激しいサウンドの中にあってひときわ大きな存在感を放つ歌声を届けてくれます。私は彼女をメタルバンド・Light Bringerの紅一点ボーカルとして2012年に知り、ライブにも足を運んでいました。
Light Bringerは2014年末、惜しまれつつも無期限活動休止します。しかしその後の2016年、FukiさんはFuki Commune名義でアニソンシンガーとしてソロデビューします。
まだまだタイアップ曲も少なく、アニソン界での知名度はさっぱりですが、今期は久しぶりのタイアップがありましたよ。W'zのエンディング主題歌「神様はきっと」です。
さて、Maoさんに話を戻しましょう。彼はLight Bringerのキーボーディストで、そしてFuki Communeのバックバンドでもキーボードを弾きバンマスを担っています。また、Fuki Communeの楽曲の多くを彼が作曲しています。
Fukiさんとは15年ほど前から知り合いで、その間ほぼずっと一緒にバンドをやってきた唯一の存在です。卓越したテクニックと音作りでFukiのボーカルを長く支えてきた、まさに「盟友」ですね。
下のライブ映像ではショルキーを弾いています。う~んイケメン。
www.youtube.com
レッスンを受けて
こんなふうに、長く見てきたあこがれの人に直接レッスンを受けるなんて嘘みたいな話ですよね。でも嘘じゃないんです。なんと、新宿の音楽教室でふつうに講師をされています。お金さえ払えば直々に個人レッスンを受けられます。
ドラマリン音楽教室 - 講師プロフィール - キーボード&作曲
教室に入ってくるその姿を見た瞬間から「Maoくんだ~~!!Maoくんだ~~!!」と内心興奮しきりでした。
レッスン内容はというと、ピアニストではなくキーボーディストとしての視点でアドバイスを頂けたのが私の目指す方向とも合致していました。また、私と同じKORGのキーボードのユーザーなので、その音作りについて熟知しているのも私にとってぴったりでした。
非常に親切に教えてもらい、あこがれの人であることを抜きにしても「この人に教えてもらいたい!」と心底感じました。特に役に立ったのはこんな内容です。
- アルペジオを練習するときは、いきなり弾くのではなくまずはコードで抑えて指の位置を固定してから、分散させると安定する
- メタルでチェンバロの音(Harpsichord)を使うときは、単音のHarpsichordでは音が他の楽器に埋もれてしまう。1オクターブ上の音が最初からミックスされているHarpsi. Oct. Mixを使うとよい
- Keyのバンドスコアは打ち込みを機械的に楽譜に起こしていることも多くそのままでは弾けないことがある。例えばこれは私(Maoさん)でも弾けないのでトップノートだけを弾いてそれっぽく聴かせよう
隣に見るMaoさんはやはりイケメンでした。髪型もばっちり決まっていたし、キーボードだけじゃなくて髪型のセットのしかたも教えてもらいたいw
帰りはおしゃべりしながら駅まで一緒に帰りました。最後まで興奮がおさまらなかったな~。
やー、数ある楽器の中でキーボードを選んで本当によかった。
次にFuki Communeのライブに行ったときに「Mao先生~~!!」ってやるのが楽しみですね。
おわりに
Light BringerやFuki Communeのファンなら、キーボードをはじめてMaoさんに直々に教えてもらうという選択肢もありなのではないでしょうか。
そうではない人も、私と同じ視点で楽器の教室を決めてみるときっと楽しいと思います。継続できるのも、上達するのも、楽しんでこそですから。モチベーションに繋がることこの上ないですよ。
それでは今回はこんなところで。次回の、そしてそれ以降のLLBSに向けてがんばって参ります。最後まで読んでくれてどうもありがとう。
ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow 感想(ネタバレなし)
劇場版、観てきました。
ほんとうに、ほんとうに素晴らしい映画でした。涙と鼻水が止まりませんでした。私がラブライブ!に求めているもの全てがそこに詰まっていました。ラブライブ!を愛し、ここまで追いかけてきて良かったと心の底から思いました。
この映画に問題があるとすれば、そうですね。この感動の源泉となっている場所が「ここ!」と特定できないことです。この作品の背景、歌、ダンスの振付、セリフ、演出など、いたるところに散りばめられたものたちが、有機的に結びつき一本の線となることでここまでの感動がもたらされています。なので、ラブライブ!をよく知らない方にこの魅力を言語化して説明するのはとても難しいです。
閑話休題。
映画が終わったあと、私がどうしてこの作品にここまで心を動かされるのか、自分の心と向き合って考えてみました。そうして見えたものについて書き残しておきます。これは今回の劇場版に限らず、ラブライブ!シリーズ全体を通して言えることです。ただ、今回の劇場版では今までに輪をかけてそれを強く感じました。
この映画を観て私の心に強く印象づけられたものは2つあります。それは、この作品に関わる全てのスタッフたちによる、この作品にかける「信念」と「愛」です。
まずは「信念」について。
ラブライブ!のアニメシリーズは非常にメッセージ性の強い作品です。私たちを励まし、勇気づけ、「どんなときでも前向きに人生を楽しんで生きたい」と思わせてくれる、そんなメッセージをいつも強烈に伝えてくれます。
そのメッセージはいつも、言葉にしてしまえば非常にシンプルなもの。今回の劇場版も例外ではありません。しかし、そんなシンプルな言葉だけでここまで心を動かすことはできませんよね?
ラブライブ!では、そのメッセージを伝えるために2時間の映画を作ります。ストーリー、歌詞、振付、演出など、作品のあらゆる要素がそのメッセージのためにあります。
全ての要素がメッセージを媒介につながっている。それが、個々の要素が持つ魅力に留まらず、全てが一本の線として繋がり共鳴しあうことによる一段上の感動を生み出しています。
それだけのことができるのも、スタッフたちがそのメッセージを心の底から信じているからこそだと思うのです。だからこそそのメッセージは迫真のものとして私たちに伝わり、私たちを突き動かすのでしょう。
つぎに「愛」について。
この映画を観た人であれば、本作がたくさんの「愛」で満ちあふれた作品であることに誰もが同意することでしょう。
沼津への愛。スクールアイドルへの愛。夢を叶えられなかった者への愛。旅立つ者から残された者への愛と、その逆。
こうした数々の愛は、セリフだけでなく、背景画、歌詞、振付など、作品のあらゆる要素を尽くして色彩豊かに表現されています。スタッフが作品に対し尋常ではない愛をもって制作に取り組んでいることを、あらゆるシーンから感じ取ることができます。
スタッフというのは、制作スタッフだけではありません。キャストが作品の感想を語る様子が私はとても好きです。キャストがここまで興奮して作品への愛を語るコンテンツが他にあるでしょうか?
作品への愛というのは、目には見えないものですが視聴者に確実に伝わるものです。全てのスタッフがこれだけの愛をもって制作に取り組んでいるからこそ、私たちファンも愛をもってそれに応えたくなるのでしょう。
感想は以上です。これまでのラブライブ!シリーズを愛してきた人であれば、歴代でも最高クラスの感動を体験できることを保証します。安心して観に行きましょう。
最後になりますが、劇中歌「Hop? Stop? Nonstop!」の歌詞を引用して締めとします。
Aqoursの9人 + 9人の
「みんながね!大好きだ!」
この作品に関わるスタッフの
「みんながね!大好きだ!」
この作品の魅力を一緒に語り合ってくれるファンの
「みんながね!大好きだ!」
後輩育成でやってよかったこと、悪かったこと
このエントリーは下記の続きです。 sh-tkn.hatenablog.com
はじめに
OJT担当として後輩育成をしたこの4ヶ月を振り返って、やって成功だったなということと、これは失敗だったなと感じたことを紹介していきます。
基本方針
まず、基本方針として、自発性と主体性を持って仕事をする人に育ってくれることを目指しました。上から細かく指示されなくても、自分の頭で考えて動いてくれる。上が間違っていることに気づいたとき、遠慮なく意見を言える。成長のために自発的に勉強をする。そんな人に。
はじめから明確にこの方針を立てていたわけではなく、OJT開始から少し経過したころ読んだ本に大きく刺激を受けて方針を固めました。この本です。
それまで私の頭の中になんとなくあった方針とも合致したため、この本の方針を全面的に採用することにしました。以下に述べることには、この本に書かれていることも多いです。興味のある方はご一読ください。
さて、結論から言うと、この方針で目標としていたことはそこそこ達成できたと思います。前回ご紹介した「後輩に助けられた話」は、まさに自分で考えて動いてくれた結果です。また、配属直後と比べるとだいぶ私に遠慮なくものを言うようになりました。端から見るとなめられているように映ることもあるかも知れません。でもこのくらいでちょうどいいんです。私が間違えることはよくあるし、後輩の視点だからこそ見えるものもあります。それを口にしてもらうには「遠慮なくものを言える関係」が何よりも大事です。
では、私がどんなことをしてきたか、個別にご紹介しましょう。
よかったこと
1. 興味を持って話を聞いてあげる
宴会の席などで、上司や先輩社員から長々とありがた~い(笑)アドバイスをもらった経験がある人は多いでしょう。これは絶対にやってはいけません。こんなことをされても、右から左だったでしょう?笑
アドバイスをもらうにしても、信頼している人からされるのとそうでないのとでは全然違います。まずは信頼関係を築きましょう。臨床心理学の用語で「ラポールを形成する」と言うそうです。
知り合って間もない状態からラポールを形成するには、話をするよりも話を聞いてあげましょう。趣味や好きなコンテンツなどを聞いてみてください。ぜんぜん知らない言葉が出てきても、その魅力を尋ねたり、好きになったきっかけを聞くなどして話を掘り下げていくことはできます。
私は後輩の好きなバンドを教えてもらい、それをSpotifyで聞いて「この曲が良かった!」と伝えるなどしていました。こうした会話が配属から間もない段階で距離を縮めるのにかなり役立ったのを実感しています。
2. 過去の失敗を聞いておく
どんな人にも苦手なことがあります。苦手なことを把握しておけば、予めそれに配慮した指導ができます。過去の失敗を聞いておくことは、苦手なことを把握するのに役立ちます。
後輩は「研究室時代、分からないことがあったときに一人で解決しようと時間を浪費しすぎ、あとで『なぜ相談しなかったの』とものすごく怒られた」という話をしてくれました。これを踏まえ、配属直後は私のほうから積極的に「なにか困っていることはある?」と話しかけるようにしました。やがて後輩は「気軽に相談してもいいんだ」と安心したようで、詰まったときは向こうから相談に来てくれるようになりました。振り返りの場で「質問するスキルが一番成長した」と喜んでいたのをよく覚えています。
3. 間違えたときもその間違いに至った意図への理解を示す
新人に仕事を任せるとき、1から10まで細かく指示はできないので、ざっくりと指示を与えてあとは自分で考えてやってもらうことになります。しかし、その結果こちらの意図とずれた成果物を持ってくることはよくあります。業務に関する知識が足りていないし、作業の目的もよくは理解していないので、これは当然のことです。
そんなとき、絶対に間違いを責めてはいけません。「自分で考えてやってみよう」という意思を摘むことになり、何から何まで指示されないと動けない人になってしまいます。
自分で考えたこと自体は否定せずに、軌道修正するよう促しましょう。まずは、どういう意図で作業をしてその間違いに至ったのかを正確に把握します。考えてみて分からない場合は、優しく聞いてみてください。そうして分かった意図に理解を示しつつ、こちらの意図を伝え、こういうふうに直してほしい、とお願いしましょう。
私は、なにか指摘をするときは毎回「うんうん、確かに、こういう視点で考えて作業をすればこういう結果になるよね。でも、私としてはこっちの視点で考えて欲しかった。だから、こういうふうにやり直してくれる?」という伝え方をするようにしていました。まずは相手の考えに理解を示してから、反論を伝える。相手の心を傷付けずに自分の意見もちゃんと伝えられる、鉄板フォーマットだと思います。
悪かったこと
1. 付きっきりで教えすぎる
後輩の配属直後は、1から10まで手取り足取り教えるという方法を取ることがありました。しかし、これはあまり良い方法ではありませんでした。理由は3つあります。
1つめは、自分で考える意思を損なってしまうこと。何から何まで教えてくれる人がそばにいると、人は「どうせこの人が教えてくれるから」と自分で考えることをやめてしまいます。
2つめは、教える側に負担がかかりすぎること。教えることに時間を使いすぎると、当然他の業務にしわ寄せが行きます。そのせいで残業が発生することがあって、しんどく感じることもあったし、後輩には「申し訳ない」と思わせてしまっていたようです。
3つめは、心理的距離が近くなりすぎること。会話をする時間が長くなると、仕事上のパートナーという枠を超えて距離が近くなりすぎ、無意識のうちに相手に対する期待が肥大して軋轢が生じるようになります。実はこれが原因で微妙に気まずい時期がありました。しかし、少し距離を置くことで良好な関係に戻ることができました。
仕事は付きっきりで教えないようにしましょう。まずはざっくりとした指示を与え自分で考えてやってもらい、ときどき様子を見て軌道修正を促すようにしましょう。
2. 単純に褒めすぎる
人には、他人から言われた言葉をそのまま受容するタイプと、「この人はどういう意図でこんなことを言ったのだろうか?」とあれこれ裏を読んでしまうタイプの2種類がいます。
前者なら単純な褒め方でもいいのですが、後者の場合は褒め方に気をつける必要があります。
私は褒めて育てることをモットーとし、お世辞は決して言いませんでしたが、小さなことでも見つけるたび褒めるようにしていました。しかし、後輩は後者のタイプで、素直に受け取ってはくれず、私の意図を訝しんでいたようです。
後者の場合どうやって褒めればいいのか、明確な答えは与り知らないですが、私の場合「ありがとう」を軸に褒めるようにするとうまくいきました。
「丁寧に仕事をしてくれてありがとう」「こんなことにまで気づいてくれてありがとう」こんな感じであれば後者のタイプでも受容しやすいです。相手のタイプを見極め、褒め方をいろいろ試行錯誤してみてください。
さいごに
いかがでしたでしょうか。参考になる情報はありましたか?
後輩や部下がいる方、またはこれからできる方のお役に立てれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございました。
後輩が頼りになりすぎる。
はじめに
ご存じの方も多いと思いますが、今年の8月末に私の部署に新入社員が配属され、私に初めての後輩ができました。女性です。新卒3年目の私がOJT担当を任され、4ヶ月間めんどうをみてきました。今回はその後輩の話をします。
この4ヶ月でずいぶんと成長してくれて、新人呼ばわりするのもそろそろ失礼な頃かと思うので、これからは後輩と呼ぶことにします。
後輩がいかに頼りになるかという話
1. 後輩に助けられた
先日、会社で使っているグループウェアに年明けの会議の予定を登録しました。うちの開発チームのほとんどが参加する会議です。
登録が終わり業務に戻ってしばらくしたころ、後輩が私の席までやってきてこんなやりとりが発生しました。
後輩「○○さん、xxの会議の件なんですが、日程が2018年1月で登録されていました。もしかして1年間違えて登録してませんか?」
私「え、マジで?全然気づかなかった、それは完全に間違いだ。気づいてくれてどうもありがとう。」
後輩「私が直しておきますよ。曜日は確定ではないですよね?」
私「それは本当に助かる。みんなが空いている日の午後だったらどこでも大丈夫。よろしくお願いします。」
かくして私は会議に誰も気づかない事態を免れたのでした。
些細なことに思われるかもしれないですが、こういうことがあったのは一回や二回ではありません。他者の仕事にまで気を回し、細部まで注意する細やかさがないとできないことです。
周囲への気配りが下手くそでおおざっぱな私にはとうてい真似できません。
2. 後輩がなぜ頼りになるか
後輩がなぜ頼りになるのか。その理由は彼女が私の苦手なことを得意としているから。これに尽きます。
私の能力にはかなりの凸凹があります。私が自信を持っているのは、現象に対する洞察力、概念に対する理解力、手探りで問題を解決する能力、大きな枠組みで構想する能力といったところです。一方で、複数の仕事を同時並行でこなすことや、計画を立ててその通りに仕事を進めること、細部を詰めていく作業など細やかな注意力を要する仕事には相当な難があります。主要な業務はともかく、それ以外の雑務では締切破りの常習犯です。ケアレスミスをしてきた数ではたいていの人に負けないし、事務処理なぞをやらせた日には一気にポンコツと化すでしょう。
一方で後輩は、作業を手順通りにきっちり終わらせること、よく注意を払ってミスなく仕事を完遂すること、計画を立ててその通りに実行することが得意です。OJTでは毎週末に週次ミーティングを行い、一週間の作業を振り返って課題を見つけ、次週以降のTRYを出しているのですが、私のときよりもはるかにきっちりと改善を回せていて、「この分野ではこの子に勝てねえ」と毎週感服しています。
私は下っ端なので毎日繰り返すルーチン雑務が回ってくることがあります。それをしんどいと感じたとき後輩に任せると、たいてい私よりうまくこなしてくれます。我ながらクソ野郎だなと思うので、ねぎらいの言葉をかけるのを忘れないようにしていますよ!笑
後輩は私の強みを尊敬してくれているようです。一方で、私は彼女の強みを尊敬し、頼り、惜しみない賛辞を送ります。こうすることで、彼女は教えられる立場でありながら「チームから必要とされている」という感覚を得ることができている、と私は思っています。彼女と私は能力だけでなく性格も価値観も真逆と言っていいほど違いますが、こんな感じで関係はそこそこうまく行っています。偶然とはいえ、これはとても幸運なことですね。人事部ナイス。
チームで仕事をするということ
チームにはいろいろな人がいるものです。何かが得意だということは、たいてい何かが苦手だということの裏返しです。この世に完璧超人がいないのと同じように、何をやらせてもダメな人もいないと私は信じています。どんな人と仕事をするにせよ、その人のいいところを見つけて生かしてあげられるようなチームワークを築いていきたいですね。
スティーブ・ジョブズとスティーブ・ウォズニアック。ダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキー。偉大な功績を残した人に「相棒」がいるというケースは枚挙に暇がありません。彼らの功績も、相棒と互いの能力を補完しあったからこそ成し得たことでしょう。
そこまで偉大な功績を残さなくても、そこまでぴったりの相棒が見つからなくても、「能力を補完しあう」ということはどんなチームでもできると私は信じています。自分と違う価値観を持つ人を大事にしましょう。
さいごに
当初、後輩を育成するにあたってどんなことに気をつけたのか、なにがうまく行きなにがうまく行かなかったのかまで書こうと考えていたのですが、思いの外長くなってしまったので分割します。 続きはこちらです。 sh-tkn.hatenablog.com 最後までお読みいただきありがとうございました。
私たちが知っているけど知らない日本語
まずは英語の話
突然ですがここで問題です。
皆さんは「白くて大きい老齢の猫」を英訳すると、次のうちどれになると思いますか?
まずは自分で考えてみてください。答えは下にあります。
- an old big white cat.
- a big old white cat.
- a white big old cat.
どれでもいいだろ!と思ったあなた、残念ながら間違いです。
正解は2番です。
英語において、1つの名詞を複数の形容詞で修飾するとき、その順番にはルールがあります。
下の図をご覧ください。このルールに従えば、2番が正解であると分かりますよね?
さて、この図を見てどう思いますか?
率直に言ってめんどくさいルールですよね。私はそう思います。
本当にネイティブはこのルールを知った上で、意識して使いこなしているのでしょうか。
実を言うと、ネイティブはこのルールを全く意識していません。
彼らに「形容詞を並べる順番を教えて」と尋ねると、答えに窮してしまうそうです。
しかし彼らは英語をしゃべるとき、当たり前のようにこのルールを守っています。
このルールに従わない文章を見ると、「何か知らないけど、気持ち悪い」という印象を抱くそうです。 彼らは自分たちがこのルールを知っていることを知らないのです。
人間の「無意識」のパワーを感じさせる、興味深い事例ですよね。Things native English speakers know, but don't know we know: pic.twitter.com/Ex0Ui9oBSL
— Matthew Anderson (@MattAndersonNYT) 2016年9月3日
ここでようやく日本語の話
日本語でも似たような事例はあるのでしょうか。
私が知っているものを挙げます。「連濁」です。
「連濁」という言葉を知っている人はあまり多くないと思いますが、聞けば「ああ、あのことか」と納得するはずです。
連濁(れんだく)とは、二つの語が結びついて一語になる(複合語)際に、後ろの語(後部要素)の語頭の清音が濁音に変化する、日本語における連音現象をいう。「ときどき」「いけばな」などがその例である。
連濁 - Wikipedia
例を挙げてみましょう。
- あき + はこ = あきばこ
- かわ + さいふ = かわざいふ
- うもう + ふとん = うもうぶとん
この通り、私たちの身の周りは連濁であふれています。
しかし、よくよく探してみると連濁しないパターンがいくつも見つかります。
- あい + かぎ = あいかぎ
- ふく + せん = ふくせん
- むし + タオル = むしタオル
さて、どういうときに連濁し、どういうときに連濁しないのでしょうか?
ここにも、ややこし~い法則があります。
まずは、和語(訓読みからなる言葉)・漢語(音読みからなる言葉)・外来語という軸で見てみましょう。
和語 | 漢語 | 外来語 | |
---|---|---|---|
連濁する | あき + はこ | ふうふ + けんか | あま + かっぱ |
連濁しない | あい + かぎ | ふく + せん | むし + タオル |
一般に、漢語や外来語は連濁せず、例外的に連濁するものがあります。
例えば、漢語では「喧嘩」や「会社」など一般化・日常化した語が、外来語では「かっぱ」や「かるた」など江戸時代以前に定着した外来語と認識されづらい語が連濁を起こします。
一方で、和語は基本的に連濁しますが、例外的に連濁しないものがあります。
例えば、「はる + かぜ」のように、後ろに来る語がすでに濁音を含んでいる場合に連濁が阻止されます。
他にも連濁が阻止される条件はいくつもありますが、趣旨ではないのでここらで割愛します!
お伝えしたかったのは、これだけ複雑な法則を私たちは無意識のうちに使いこなしていますよ、ということです。
例えば「あいがぎ」「ふくぜん」「むしダオル」などと言われたら何か違和感を感じますよね?それです!
私たちの言語能力はその大部分が「無意識」によって制御されているのです。
まとめ
無意識について
今回の例で実感してもらえたことと思いますが、私たちは無意識によってたくさんのことを判断しています。
私たちは自分の考えや自分の行動を自分の意思によって意識的に決定していると思いこみがちです。しかしその実、その決定には「無意識の判断」が極めて大きな影響を及ぼしています。
無意識はどのように判断し、またどのような時に間違いを犯してしまうのか?というのはとても興味深いテーマです。これを知っておくと、人というわけのわからない動物への理解が深まります。
私が最近このことに興味を持っているのは、「ファスト&スロー」という本を読んだ影響です。雑な紹介になりましたが、興味がある方はご一読ください。
英語を学ぶ戦略について
私たちは「連濁」の法則についてどうやって学んだのでしょうか?誰かに教えてもらった?
違いますよね。浴びるように日本語に触れているうちに、「無意識」がそのことを学習したのです。英語ネイティブが形容詞の順番を学んだのも同じ方法です。
これらの法則をいちいち覚えて、「意識」に判断させていたのではとても会話のスピードに追いつきません。
英語について何も分からないうちは、文法を覚えて「意識」による判断で英文を読んでいくしかないでしょう。
しかし、ある程度英語が分かるようになってからは、とにかく浴びるように英語に触れて、「無意識」に学習させるのが一番です。
多読をしましょう。私は最近始めました。純粋におもしろい名著を読むのは楽しいです。ぜひ習慣にしていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。皆さんが英語を学習する助けになれば幸いです。