どうして人生に熱くなれないんだろう。

『どうして人生に熱くなれないんだろう』
 
ふと立ち寄った書店でこの文言に足を止められた。
数秒の間、その文言を見つめながら何度か反芻してみた。
何か自分がひた隠しにしてきたものを覗き見られたような感覚に血の気が引いた。
 
その言葉は、ミシェルウェルベックの『プラットフォーム』という小説の帯に書かれていた。ミシェルウェルベックの小説は大好きだ。世界をここまで冷え切った文章で語れる小説家は今少ない。現代世界というものの構造がこの人には手に取るようにわかるのだろう。
 
手に取ることはしなかった。いや、できなかった。
 
21年生きてきて、人生に本気で燃えたことがない。いや、確かに散発的に自分の中に熱いものを感じることは確かにあった。しかしそれはせいぜい続いたとしても1年かそこらの炎だ。その炎が仮初めで偽物であることは、誰に指摘されるまでもなく、自分が一番わかっている。熱意に燃えて人生を生き通せる人がこの上なく羨ましい。
 
僕の人生に命題のようなものはない。その都度その都度、ごまかしながらやってきた。ただ、他人より優れていたい、と思う虚栄心が人生を空費させた。あっちこっちに行ったり来たりしながら寄せ集めた知識も技術も、所詮上っ面だけのまがい物で、本物には到底かないはしない。僕はこれからもこうやって生きていくのだろうか。ただ目の前の見栄とか、プライドとかに振り回されて、無駄な知識と肩書きだけ背負い込んで、目的のない人生の空費を続けていくのだろうか。いろんな方面に奔走し、かき集めた、なけなしの燃料で炎を保とうとしたって虚しくなるだけだ。今の時点で実感としてそれがある。ならば、優秀とされる道に行く必要がどこにある?周りより自分が優れていることを証明するために奔走する理由がどこにある?そのさきにあるものが、虚しさ以外の何物でもないことに気がついていながら、そこに進もうとしている。
 
勇気がないからだろうか?
 
周りになんて流されない、自分の中に然として立つ信念が欲しい。自分の道に疑念など挟む余地がないような情熱が欲しい。
 
いや、見つかっていないのではない。
捨てきれないだけだ。
妥協を嫌う僕に待っているのは、自由か、破滅か。
でも妥協を甘んじて受け入れる僕に待っているのは、空虚と空費だ。

フランツ・カフカ 〜現代のお伽話〜

フランツ・カフカ 

誰もが一度は耳にしたことのある20世紀を代表する小説家です。僕の大好きな小説家の一人でもあります。

ミランクンデラ、サミュエルベケット、日本では村上春樹多和田葉子などの現代文学を代表する小説家の多くが、彼の影響を色濃く受けているとされています。現代文学の源流はカフカにあると言っても過言ではないと思います。

 

そんな文学史においてもかなり重要な位置に位置付けられているフランツカフカですが、その作品は難解であると有名です。サルトルカミュと並んで実存主義を代表する作家とされるだけあって、作品の裏を見通すようにちゃんと読み込んでいけば、現代社会への暗喩や示唆のようなものを見出すことができます。それもそれでとても面白いのですが(ミランクンデラの「小説の技法」におけるカフカ評はこの点において非常に面白いものです)、そんなにいちいち難しいこと考えたくねーよ。っていう人には敬遠されてしまうと思います。でも安心してください。そんな感じの人でも、カフカは楽しめるのです!なぜならカフカは現代のお伽話だから。

 

難しいのは苦手で、でもカフカを読んでみたいって方はどうかカフカ短編集から入ってください(城や審判などはもっての他です。笑)

カフカの短編には非常に空想的で現実とは少し離れた世界が描かれている作品が多くあります。それらは時にラ・フォンテーニュの寓話のようにキャッチーで、その表面的な物語だけでも楽しめてしまうものが数多くあります。世にも奇妙な処刑装置が登場する「流刑地にて」、謎の物体、オドラデグが我が家に住み着いていることを父が心配する、「父の気がかり」などはその真骨頂です。特に「父の気がかり」は3ページしかない作品にも関わらず読み終わった後、しばらく謎の余韻が残る不思議な物語です。

カフカの文章による説明に基づいて絵をかくと、オドラデグは以下のような姿をしているらしいです。(ネットの拾い物)

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こんな物体を考えついてしまうカフカの頭の中ってどうなっていたんでしょうか。溢れ出る創造力です。

そんなカフカはお役所勤めの役人だったそうです。しかも結構優秀な。意外ですよね。

 

カフカの作品はその背後に隠された意味の重要性もさることながら、その物語の発想の独創性や寓話性が読むものみんなを楽しませる、現代のお伽話です。

皆さんもぜひ一度カフカの短編を手にとって摩訶不思議なカフカワールドを体験してみてください。

 

 

 

スウェーデン・ルンド大学 留学日記① ルンドの紹介

こんにちは

 

現在僕はスウェーデンのルンド大学という大学に留学中です。

今回はルンドについて書きます。

 

ルンドはスウェーデンのほぼ南端に位置する小さな大学都市です。

中心街は非常に小さく、40分ほどあれば歩いて回れる程度です。

小さな街といっても、家電から寝具まで生活に必要なものはほとんどこの街の中でまかなえる、しっかりとした経済性を持った街で、人口もスウェーデン第10位の街です(まあ、スウェーデン自体の人口が500万人程度なので日本と比べるとかなり小さい街です)

首都のストックホルムへは電車で5時間近くかかりますが、スウェーデンのお隣の国、デンマークの首都コペンハーゲンへは30分程度で行けてしまいます。コペンハーゲン空港が近いのは大きなメリットですね。

 

ルンドの素敵なところは何と言ってもその街並みです。

まるでアンデルセンの絵本の世界から飛び出したような、誰もがヨーロッパの小都市と言われて頭に思い浮かべるような可愛らしい街並みが広がっています。

大学を中心に形作られているルンドの町は、少しデコボコとした石畳みの上に中世風の家々が立ち並び、街の中心には少しくたびれたロマネスク建築の教会や、壁面にツタの生い茂る趣ある図書館が威風堂々と構えています。そしてその周りには、豊かな自然を讃える草木の生い茂る公園や庭園が街を囲むようにして置かれています。

そして何よりルンドの町は非常に綺麗です。

ヨーロッパに訪れたことのある人は共感してもらえると思うのですが、ヨーロッパの都市は街並みはとても素敵なんだけど街のいたるところにゴミや落書きが、、、ってところが結構あります。パリなんか有名ですよね。

その点ルンドの町はゴミはほとんど落ちておらず、落書きもほとんどありません。

人も穏やかで住むには非常に心地いい町です。

 

お祭などの時以外は夜は町に人気がなく、日曜日ともなるとほとんどゴーストタウンのような状態になります。

 

娯楽は特にないですが、落ち着いていてとても愛着のわく町です。

 

あとで写真載せます。

 

 

 

ブログを始めます

はじめまして

 

都内の大学に通う大学3年生です。

 

現在、スウェーデンに留学中なのですが、持て余す時間をどうにか有効活用したいなあと思いブログをはじめてみました。

 

自分の趣味中心に書いていきます。