awake
今目が覚めた
わたしたちは傷ついているのだ
計算機を片手にいのちの値段をはじく無神経に
わたしたちは傷ついているのだ
預金口座にお金が無くならないために生きている日々に
わたしたちは血を流しているのだ
ベルトコンベアに乗せられて身ぐるみはがされていくうすら寒い現実に
わたしたちはわずかな体温も奪われる
毎日テレビから流されるムチのしなる音
この世界には太陽があるのにそれを隠そうとする悪意に背筋が凍りつく
見えない眼と聞こえない耳を研ぎ澄まして
凍りついた体を 自ら温める他にない
世界に悪意はない 悪意に毅然とNoを突き付けるのだ
TRUE COLORS 和訳の創作。
TRUE COLORS
Cyndy Lauper
You with the sad eyes
Don’t be discouraged
oh I realize
It’s hard to take courage
in a world full of people
You can lose sight of it all
and the darkness inside you
can make you feel so small
But I see your true colors
shining through
I see your true colors
And that’s why I love you
So don’t be afraid to let them show
your true colors
True colors are beautiful,
like a rainbow
Show me a smile then,
Don’t be unhappy, can’t remember
When I Last saw you laughing
If this world makes you crazy
And you’ve taken all you can bear
You call me up
Because you know I’ll be there
And I’ll see your true colors
shining through
I see your true colors
And that’s why I love you
So don’t be afraid to let them show
your true colors
True colors are beautiful,
like a rainbow
<歌詞・日本語訳: 橘 弥宵生>
きみの悲しい目
自分をせめたりおちこまないで
ああ わかるわ
強くあろうとするには、辛いから
人であふれた世間では
全部視界ごと消えて 何も見えなくなったり
内がわの真っ暗な闇で
消えそうな気持になることも
でもわたしにはあなたの本当の色が見える
輝いて透ける光
私はあなたの真の光を見てる
それが、私があなたを愛する理由
だからその輝きを表すことを恐れないで
あなたの 真実の輝き
たましいの煌めきは うつくしく
虹のように …そこにあるから
そうして私に笑顔を見せて
不幸でいてはだめ 最後にあなたの笑顔を見たのが
いつだか思い出せないじゃない
この世界に気が狂いそうになったら
耐えられるものだけすべてまとめて手に
わたしを呼び出すのよ
わたしがそこにいると わかってるでしょう?
そうしたらまた私はあなたの輝きが見られる
輝きが透けて光るから
私はあなたの真の光を見てる
それが、私があなたへ語りかける理由
だからその輝きを見せることを恐れないで
あなたの 真実の輝き
たましいの煌めきは うつくしく
虹のように …そこにあるから
216.
「わたしのかわいそうなおもいつきが、
自分たちに名前を付けてほしいとせがむ」
生々しい言葉の 隊列
熱をもった気体
熱を持った気体が
からだの中から シューシューと抜けていく
時間をかけて 吹き出し口から
低くて高い 2重の音を奏でる
わたしはただの楽器になって
ただただ 音と気体を 眺めている
からだの力を抜いて 流れをさまたげないように
ただただ 虚空を見つめている
気体に色はなく 熱は大気へと放たれる
楽器になったわたしは からっぽを目指して
つぎからつぎへと 音が出てくるのを待っている
わたしは 気体のとおる くだ
ぐるぐる
洗濯機の中で
数日分のわたしの抜け殻が
水流にもまれている
ホーキ
古い生存戦略のホーキを試みる
息をするために
りんごの木
あらしのあとの りんごの木に
きびしくむちうつことなかれ
折れた枝に添え木を
落ちた実をていねいに拾い
あらしを耐えた生存を
ねぎらい いたわり
痛んだ枝葉 枝元 幹の
ひとつひとつに 親身な手当てを
それぞれには別個の傷と痛みが
無数に刻まれている
傷が膿むことのないよう 根気よく手当をつづけるのだ
内奥には無垢の魂 生命の光に祈りを
やがてふたたび陽の目を浴びる 魂の新芽
息吹きを待つ