COVID-19 と外出禁止
2020年3月17日正午から フランス国にて外出禁止が発令されました
当時 3月初旬でも
私の居住するパリ郊外 そしておそらく国内各都市とも
騒然としてきた世界情勢に さほど動じず
普段と変わらない生活を営んでいたと思います
しかし 3月14日の夜 政府による突然の発表により
全てのレストラン カフェ 娯楽施設の閉鎖が決定
その後 畳み込むように各観光施設 美術館などが門を閉じて
(それでも15日は地方選挙の投票を開催)
いよいよ外出禁止令か とささやかれた16日には
スーパーマーケットに長蛇の列が出来て
ニュースで見ていたような光景が現実になりました
トイレットペーパーが消え
パスタとパスタソース そして穀類が消え
さらに缶詰 水 洗剤 ビニール袋類が殆どなくなっていました
そして 外出禁止が始まった日から
人々は 制限付き 目的も限定された外出を許され
その都度 外出証明と身分証を持参必須
先週からは 家を出た時間を書き入れる規則も付加されました
家からの距離 およそ1キロ圏内
運動 散歩のみの場合は1時間以内の行動制限です
内容の判断基準はそれでも割と曖昧ですが
罰則もあることから 個人の良識が問われます
買い物は必需品に限られますが
いずれにせよ 小規模のスーパーマーケットと
パン屋 八百屋 肉屋 惣菜屋などの類しか店は開いていません
在宅ワークが適応せず さらに不要不急でないと判断される職種
小売業 サービス業など 休業とともに従業員は一時解雇状態です
レストランなど今だけ転じて出前専門のお店になっている所もありますが
それ以前に 食材の供給ルートがかなり難しくなっているため
縮小規模でやりくりしていると聞きます
同様に 車関係の職種も営業は許可されるものの
部品の供給が不足し 結果的に続々と店を閉めて行きました
二週間たった今
スーパーに品物は戻り むしろ豊富です
パン屋を始め 当初は混乱していた売り方 買い方双方とも
ようやく この状態に慣れてきたような気がします
配達が主流になってきているようで
外出する人も 先週より少なく感じられます
毎日が休日です
外出制限はありますが 規則に従えば 不満に至らない程度の拘束です
人々がやたらに出歩かないので 町は静かです
車通りもまばらなので 危険は少なく のんびりしています
しかし
何か変です
とても 変です
また明日
Do you Do you St.Tropez とは
Do you do you Saint-Tropez とは
実際 Douliou Douliou Saint Tropezというようですが
すこし昔のフランス映画で サントロペのおまわりさんが主人公
Le Gendarme de Saint-Tropez という映画の中の一曲 らしいです
サントロペの町では その名前を冠したグッズがやまほど売られていますが
その中に このフレーズも良く見られます
サントロペ 少し昔までは 南仏の小さな漁港でしたが
女優ブリジット・バルドーが1960年代に訪れて以来
数々の逸話を残したことから世界的に有名な町となり
いまや 各国のセレブと称される人々の別荘に加え
港には大型クルーザーが常駐し 中心地にはハイブランドが軒を連ねる
たいへんに賑やかな場所となりました
BB(べべ=ブリジット・バルドー)が好んだお菓子 トロペツィエンヌは
そのままお店の名前となったタルト・トロペツィエンヌを始め
ほぼすべてのカフェのデザートメニューに載っています
サントロペの町を楽しむには 二通りあると思っています
今回は 半日コース
町の中心から港町にかけて散策し
港の目の前にある どこかのカフェに入る という感じでしょうか
車で来訪することを前提にしますが
まずは 町の入り口のあたりにある巨大な駐車場などは無視して
Place des Licesという広場を目指して中心まで入っていきます
広場の裏側にある地下駐車場(Parc des Lices)に車を停めて 港を目指して歩きます
広場からは 港に抜ける道が 並行して数本あります
どれを選んでもなんとなく楽しいですし
なんであれ駐車場との往復経路の範疇ですので いろいろ楽しめます
なかでも 私的おすすめは Rue Geprges Clemenceau
とても狭い 路地のような道ですが 左右は広場から港までびっしりお店です
フランスには これまたトロペツィエンヌという名称のサンダルがあるのですが
その元祖 と言われているお店 Sandals Tropeqiennes RONDINI は
この通りにあります
その道を港まで通り抜けたところで 海に向かって右方向
赤いテントのカフェが見えたら それが Cafe Senequier カフェ・セネキエ です
往年のスターが集った場所として有名 早朝から夜中まで営業しています
同じく右方向に見える銅像 そのちょうど後ろにある建物が Hotel Le Sube
ここのBARは なかなか良い立地で 常に人が集っています
ヨットの船内を思わせるインテリアも一興ですし
港を見渡す大きな窓 ソファに座って地産のロゼをたしなむ機会を持てたなら
それはきっと 忘れがたいひとときとなることでしょう
町のランドマークとなっている教会も 港から坂を登る感覚ですが 直近です
ブランド街となっている道は 上述の路地の一本横にあります
サントロペは 市内はすべて歩けるほど とてもこぢんまりしていますが
中身は幅広く充実していて 南仏では もっとも好きな町です
Sandales tropeziennes - Les tropeziennes - RONDINI
Le Sube – Bar et restaurant de Tapas à Saint-Tropez
Satierik
Satierikとは
おそらく皆さんご存知
19世紀末から20世紀初頭に活躍した 天才であり変人?
それまでの音楽の作曲方法の枠を ことごとく外し
彼の後進となった音楽家たちに 新しい道を開いた人物
フランス ノルマンディ地方の海辺の町
オンフルールで生まれ パリに移住
パリ音楽院で学び 退学
時を同じくして集まった 才のきらめく文人や芸術家たちと交流を持ち
たゆまぬ好奇心とともに 自由闊達に生き 60歳を待たず死去しました
サティの音楽 尽きない遊び心
もしも誰かに
フランスに行くのだけど おすすめは? と聞かれたら
サティエリックの人生に たとえ数時間でも触れること
と答えるでしょう
当時 世界中から集まった芸術家連中と互いに刺激しあいながら
近代への扉を開き 時代と時代を繋ぎ いまも愛される音楽を多々残しました
現在 美術館となっている生家を訪れたならば
その 実にユーモア溢れる感性と 偉大な才能を
直接感じることができるでしょう
もしも オンフルールにいらっしゃる機会のある方は
ぜひとも 『サティの家』にいらしてみてください
すこしだけ町外れに位置しますが
旧市街から歩いて10分もかかりません
* Satierikとは 彼が時折楽譜などにも書き記していた 独特のサインです