進路指導教員の大学選び

高校教員として進路指導に携わってきた経験をもとに大学入試の最新情報、大学の情報をお伝えします。

なぜ良い大学に行くのか。

進路について先生や親に相談すれば、少しでも良い大学にいきなさい。

このように言われることが多くないですか?

そして、多くの受験生が実際にその言葉に従って、少しでも良い大学という観点で大学を選び、その大学に合格するために努力しています。

ではこれは本当に正しいのか?

①偏差値の高い大学が全てか?

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これは正しいようで、必ずしも正しいわけではありません。

偏差値が高いという理由は第一に優先されることではありません。

例えば、どこどこ大学で誰々先生の授業を受けたいからその大学に行きたいという生徒がいたとします。その生徒はしっかりとした目的を自分で見つけ、大学を選んでいます。

この生徒に偏差値が高いからあっちの大学にしなと言っても喧嘩になるだけです。

このようにしっかりと自分が学びたい場所や将来の夢のために学ぶにふさわしい場所を自分でしっかりと考え、選べる人にとっては偏差値は二の次になります。

 

②じゃあ偏差値はどうでもいいの?

それでも大学を選ぶ際に偏差値が利用されることは多々あります。

それはなぜかというと消去法です。

特にいきたい大学はないからじゃあ少しでも良い大学に行こうということです。

これは消極的な考え方のようで、実際にはそんなに消極的ではありません。

実際、18歳で自分の将来を見据えて進路を考えらる人がどれだけいるでしょうか?

そうであれば、少しでも偏差値の高い大学に行き、自分の将来の目標が見つかった時に選べる選択肢を多く確保しておくのは良いことだと思います。

なので、目的を見つけられない人がとりあえず、偏差値の高い大学を目標にするのはアリだということです。

 

え?今年は浪人できないってマジ?

5月ももうすぐ終わります。高校3年生になって、いよいよ受験生と決意してからあっという間ではなかったでしょうか?

実際に3年生の1年間はあっという間に過ぎていきます。

気づいたらもう入試!とならないようにしっかり情報を集めましょう。

それでは今年の入試のポイントを。

①絶対に浪人しちゃだめ!!

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今年の受験生が絶対に心がけて欲しいことです。なぜ今年浪人をしてはダメなのかというと、、、、

 

 

センター試験が終わっちゃうからです。

 

2020年1月に実施されるセンター試験は最後のセンター試験です。2021年からは大学入学共通テストが始まります。

 

大きな変更点はマーク式からの脱却、英語外部検定の導入です。

具体的には国語と数学において、記述式の問題が出題されます。

また、英語では今までの読む・聞くに加えて話す・書くが求められるようになります。

また、英検などの民間試験も利用可能ですが、浪人生は現役の時に取得した資格は使えません。

 

なので、今までの浪人生であれば、現役生よりも多く勉強できているという強みがあったのが、今年の高3生に関して言えば、浪人しても新しい入試への準備を現役生と同じタイミングで始めることになり、全く優位性がありません。

そのため今年の受験生は絶対に浪人しないことが一番大事。

 

 

②手堅くでも怯えず

①で述べたように浪人できない状況であるために、今年の入試のトレンドは「安全志向」です。これは、浪人ができないということに加え、文科省による入学定員超過率に対する指導の厳格化の影響による有名私大の難化も影響しています。文科省の件については、別途述べます。

この「安全志向」というトレンドがどのような影響を与えるかというと、みんなが安全志向で安全が安全ではなくなるということです。

昨年度もこの安全志向の結果、今までなら絶対に入れた大学に入れないという事例が多数発生しました。滑り止めで滑りどまらない。

具体的には近畿大学龍谷大学を狙える生徒が追手門学院大学に公募制推薦で不合格になる。このような事例が増えています。

みんながレベルを下げると下げた先も難化するという現象です。なので、滑り止めは本当に手堅い大学を狙ってください。

でも、みんながレベルを下げていった結果、上位がスカスカになるという現象も発生しています。

昨年度、関関同立の志願者数は前年比4%減少、産近甲龍は5%増加です。

つまり、みんなが安全を狙っていった結果、まだ上位大にもチャンスがあったということです。なので、今年も安全志向の入試の中、手堅く滑り止めを抑えつつ、志望校は諦めずに狙っていく。そのようなスタイルが大切だと考えます。