my little underground

世を儚む地下生活者が珍文・奇文の類いを日々量産しています

沖縄旅行に行ってきた

前書き

今まで北海道には何度も行ったことがあったのだけれど、何故か沖縄には一度も訪れたことがなかったアタクシ。正直言って暑いのよりかは寒い方が好きなタイプであることもあって行く機会は無さそうだと思っていたのです。今までは。

しかし、何やら「沖縄アリーナがスゴいらしい」というウワサが聞こえてくるにつれ、ちょっと行ってみたい気持ちが湧き上がって参りまして。この度、上手い具合にチャンスが巡ってきたので4/8〜10にかけてエイヤとばかりに海を越えて行ってきましたよ、沖縄へ。

Day1 4/8 (土)

実は本日、アタクシの「生まれてきて早半世紀、本当にすみません」記念日。つまるところのバースディであります。が、そんなこととはまったく無関係に4:30起床。 普段より全然早起きでマジ辛い。でも起きれちゃうんだなあコレが… 5:30頃の電車に乗って一路羽田に向かう。

羽田は心なしか人出が多いような印象。やはり旅に出る人がかなり増えているのだろうか。大変いいことだと思う半面、やはり人混みは辛い。

羽田の保安検査場はPCやら電子機器の類いをかばんの外に出さなくてもいいからすごく助かる。これ、早く他の空港でも導入して欲しい。スルッと突破しようとしたらTシャツの上に着ていたカーディガンも脱ぐように指示を受ける。あ、コレも上着のカテゴリに入るのか。

機内では横田増生「トランプ信者潜入一年:私の目の前で民主主義が死んだ」をひたすら読む。めちゃくちゃオモロい。冷静に考えてそれはないと思うことが普通に起きていたことに驚く、それにしてもこういう分断の現場は当然のことながら我が国にもゴロンと横たわっておりまして、正直どうせいと言うんじゃいみたいな気分になることが多い昨今、海を渡ったお米の国の地べたレベルではこんなことになっとんたんかい!とさすがに驚く。民主主義の先輩の国はやることが違うなあ、などと笑いにならない笑い声が口からもれちゃう。いやーマジつれー。

 

 

そんなこんなで 11:00過ぎに那覇空港到着。日射しの具合はちょっと強いような気もするけれど、湿度も低く総じて過ごしやすい気候。なんか当たりクジを引いた気分。とりあえず空港直結のゆいレールに乗ってなんとなく移動。

 

基本的には旅の目的であるサッカー観戦とバスケ観戦以外は完全ノープランで現地に来てしまったアタクシ。とりあえず今日のサッカーは17:00キックオフなのでそれまでどうすべえと思案した結果、なんとなく行きやすそうな首里城へ向かってみることに。

ゆいレール首里公園駅まで移動し、徒歩でお城まで向かう。なんつーかこう、普通の街中にもかかわらず異国感を感じずには居られない。日射しのパキッとした具合(伝わります?この感じ)と明らかにウチの近所とは違うと言わざるを得ないそこらの植生。あと民家のスタイルも結構違う。コンクリ作りでなんかバルコニー広め?な感じ。こういう様式に名前はあるんだろうか。台湾なんかでも似たような様式を見たことがあるような。いや〜散歩してるだけでも相当面白い。

首里城は小高い丘の上にあって、那覇市内を一望できる。建物はいつぞやの火事で焼失しちゃったけど、石垣の組み方やらも本州のお城とはかなり違うので見所は多いに有り。いいところじゃないですかココ。

 

しかし、来てみて気づいたことはとにかく日本語が全然聞こえない!周りの8割くらいは海外からの観光客だったんじゃなかろうか。特に東アジア勢強し。やっぱりご近所だからですかねえ。

ぶらぶらと小一時間散歩を楽しんだあと、近所の沖縄そば屋さんで遅めの昼食。ここも日本語全然聞こえない。異国感をたっぷりと味わわせていただく。そばも美味し。

 

 

首里城から再びゆいレールに乗って牧志駅へ。本日のお宿へ移動。時間的にまだチェックインには早かったので荷物を預ってもらう。ここから本日のメインイベントへ向けて移動を開始。路線バスに乗ってタピックひやごん県総スタジアムを目指す。

沖縄での移動はレンタカー以外だと路線バス一択なんだとここでようやく理解。しかし運賃の支払いにSuicaのような交通系ICカードが使えないのがマジ痛い。すっかり現金を使わない生活に移行してから幾星霜。小銭を持ち歩く習慣から遠く離れてしまった故、ここから先バスに乗るたびにちょっとドキドキするようになってしまった。「小銭の持ち合わせが無いけどモバイルSuicaでチャージすればいいや〜」と軽くバスに乗れないのは漂泊の民にとってはちと辛い。対応してもらいたいけど、導入するのも大変なんだろうなあ。

Googleマップの移動経路検索に出る運賃表示額の小銭をにぎりしめ、車窓に目を移せば、先程のゆいレールで見た景色とはまた違った郊外の景色。やはり車窓は楽しいものです。まあ本音を言えば、乗り過ごしたらマズいからあんまり本を読む気分になれなかったっていうのもあるんだけど。

そんなこんなで約1時間、タピック県総ひやごんスタジアムに到着。「ひやごん」ってなんだろうと思ったら「比屋根」っていう地名なんですな。なにがしかのゆるキャラの名前かと思った。

 

 

バス停からスタジアムへ通じる道沿いに「ハブ注意」の看板が。これが沖縄のリアルか…

 

 

スタジアムはいわゆる陸上競技場タイプ。バクスタの裏に聖火台?のような建物があったけど、これが琉球っぽい様式でグッとくる。こういう独特のブツを見ると、やはりスタジアムには実際に足を運ばないとイカンという気分になりますな。

 

 

早めの夕食としてスタグルのタコライスを頂く。スタジアムの外にはキッチンカーも数台出店しているので食事には困らない感じ。近所にコンビニとかはあったのかな?バス停の近くには無かったような。アタクシはタコライスオリオンビールで沖縄気分を補充する。

 

 

本日のメインイベントであるJ3 FC琉球vs奈良クラブ。キックオフは17:00。琉球の2トップが阿部拓馬金崎夢生。めっちゃ豪華やないか!しかし今日に限って言えば不発でありました。控えには野田隆之介とかいるし、琉球うらやましいぞ。

対して奈良クラブは元J1みたいな選手は皆無とは言え、今日見た限りいいサッカーしてるなあという印象。守備力を売りにして昇格してきたクラブは上のカテゴリで苦労する、というイメージが個人的にはあるんだけど、奈良クラブはあんまりそんな感じじゃなさそう。スカウティングもばっちりハマッて2-0の快勝という試合でございました。

 


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試合後、「ハブ注意」の看板が点在する歩道を再び歩いてバス停へ。40分くらい待って 路線バスに乗りホテルへ帰る。一応シャトルバスが運行される試合もあるらしいのだけれど、今回は対象じゃなかったので一苦労。流石に40分待ちは…ねえ?アウェイ民は辛いぜ。

ホテルに戻るともう21:00過ぎ。ちょっと歩けば国際通りに行けなくもないものの、正直疲れ果てていたので近所のローソンでオリオンビールさんぴん茶、沖縄っぽいスパムおにぎりなんかを買ってホテルの部屋でそれを喰ってDay1は終了。

あ、部屋で旅のお伴ことFire TV Stickを使おうと思って設置したら、何故かうんともスンとも動かない。どっかにぶつけて壊しちゃったかな〜と思ってこの旅の最中で使うことはあきらめたんだけど、ウチに帰ったら無事使えたという。何故?呪い?

 

Day2 4/9(日)

7:00起床。ホテルの朝食バイキングにゴーヤチャンプルーがあってなんかちょっと嬉しい。例によって普段の倍の量の朝飯を食べ、8:00に出発。

まず、ゆいレールの終点であるてだこ浦西駅へ向かう。期せずしてゆいレール完乗。そこから徒歩で「幸地」バス停へ移動。高速バスで沖縄美ら海水族館を目指す。

 

本日は18:00TIPOFFのB.LEAGUE 沖縄ゴールデンキングス vs 京都ハンナリーズ@沖縄アリーナしか予定が無いので、それまでは完全フリー。なのでせっかくということで沖縄美ら海水族館へ行ってみることにしたのであります。が、美ら海水族館ってスゲー遠いのね!ホテルから約2時間半。行ったはいいけど本来の目的に遅刻するワケにもいかんし、色々考えた結果、早めに行くということで問題を回避することに。こういうことしてるから、旅がせわしなくなっていくのだよ…

バスが街を離れていくと、海あり自然ありで車窓は見ていて全然飽きない。やけに広い庭のある家が点在する場所があるなあと思ったら、成る程これが米軍基地なのか、とか。地名に普天間なんてのを見つけるとちょっとドキッとしてみたり。「ハブ注意」だけじゃない。これも沖縄のリアル。

2時間半の道中、車窓を見るのに疲れたらiPadでDisney+のドラマ「オビワン・ケノービ」の制作ドキュメンタリーを見たりして過ごす。iPadにはpovo2.0のSIMを入れて運用してるんだけど、旅行中はデータ一日使い放題330円のプランを使うとすこぶる具合が良い。気兼ねなく動画も見られるし、精神衛生も良い。povo2.0を契約して正解だったなあ。

そんなこんなで沖縄美ら海水族館に到着。この日はとにかくいいお天気。日射しは真夏のそれっぽいのに、湿度が低くてサラッとしてるので過ごし易さはMAX。こういう春の日が永遠に続けばいいのに、なんてことを思わずにはいられない。

 

 

 

着いてみて知ったんだけど、水族館は海洋博公園の施設なんですな。他にも中々に興味深い施設はあるものの、全部見て回ろうと思ったら今日だけではとてもじゃないが時間足りないだろうなあ。

アタクシ、水族館はかなり好きな方で、あちこち行ってるんだけど、まあ行くたびに感じるのは周りはカップルと家族連ればかりということ。いい年したおっさんが独りでいるとそりゃまぁ浮きますわな。ただでさえ白衣に何かしらの魚類を模した帽子といういでたち、その上独り言が甲高いと来ている。奇異な目も致し方なし。(すいません全部ウソです)

とは言え実際周囲から浮くのは間違いなく、自意識過剰の産物ではなく客観的事実であります。それでも各地の水族館の展示が、そんな些細なこと20億光年の彼方に追いやってしまう程に興味深いので結局行っちゃうんだけどね。今回も巨大水槽を悠然と泳ぐジンベイザメの巨大な姿を見て、やっぱり多少無理してでも来て良かった〜と心底感じたし。やはり水族館はいい。ちびっ子の邪魔にならないように細心の注意を払いつつ楽しませていただく。館内は元より、イルカショーまでガッツリ堪能。美ら海水族館、マジ最高です。

じっくり堪能した後、多少時間があったので、すぐ近くのおきなわ郷土村にも立ち寄ってみる。こちらは琉球王国時代の村落を再現した施設。なんとなくふらりと寄ってみただけだったんだけど、予想以上に興味深い展示で寄って大正解。やはり自分の中で大文字の歴史からは少し距離がある生活史みたいなモノに興味の対象が移ってきているからなのか、当時の人たちの暮らしが脳内再生されてなんだか不思議な感覚を覚えてしまった。もう少し時間取って見たかったかも。

 

 

そろそろ時間なので再び高速バスに乗り移動。沖縄アリーナへ向かう。多少の余裕を持って移動したのが大正解。途中で渋滞にハマり定刻の30分遅れで目的地である沖縄南バス停に到着。考えてみれば日曜日の午後の高速道路なんて混むに決まってるよなあ。危ない危ない。

バス停から徒歩で沖縄マリーナへ。入場してみてビックリ。これ、完全にNBAのアリーナみたいじゃん!日本にこういう場所があるなんて!試合を観る前からテンションMAX。ついにこういう時代が来たか… 成る程B.LEAGUEという存在が、今後日本における室内スポーツ用の体育館のスタンダードを書き換えていくことになるんだろうなあ。

今年の夏にバスケのワールドカップがフィリピン・インドネシア・日本の共同開催であるらしいんだけど、日本会場はここ沖縄アリーナ。そりゃまあ当然ですな。東京にはこういう場所無いもの。去年、新国立競技場に行って感じた「悪くはないが、特に良くもない」みたいな無感動な施設とは本当に対称的であると言わざるを得ない。やはり「ここをどういう場所にするか」という強い思いが無いとこういう熱量が宿る場所にはならないんだろうなあ。

 

試合が始まるまでアリーナ内をうろちょろ。トイレの混雑状況を示すモニタがあったり、電源の取れる休憩所があったり、施設としてちゃんとしてる感がマジですごい。スタンドの角度もばっちりで、どこから見ても観戦のしづらさはあまり感じないと思う。これは感動せざるを得ないですよ。バスケ以外の目的、例えばライブとかでも使うのかなあ。その辺ちょっと興味ありますな。

 



そんなこんなで18:00。スタグルのカレーを頂きつつ試合観戦。例によってバスケリテラシーの低さゆえ、相変らずオフェンスファールとディフェンスファールの違いがよく分からないまま。それでもスゲー面白く観戦できちゃうんだからバスケのゲーム性って完成度高いってことなんだろうなあ、試合はキングスが勝ってアリーナが湧く湧く。地元出身のヤングボーイが最後の最後に出てきたのも良かったなあ。

 


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観戦後、路線バスに乗ってホテルへ帰る。結局、沖縄の土地感が全然無いので適当に那覇周辺でホテルを取ったのは失敗だったのかも。移動時間がかなり掛かっちゃったから沖縄ならではのグルメみたいなの食べる時間が取れなかったのはちょっと勿体なかった。まあでも普段の遠征も大抵はそんな感じなので、特に問題はないのだ。

ホテルに戻ったらもう21:00過ぎ。今日もローソンで買い物して部屋で軽く一杯。そしてバタンと気を失う。流石に疲れましたわ…

 

Day3 4/10(月)

本日はもう帰るだけの日。ホテルの朝食を前日同様お腹いっぱいになるまで喰らう。

9:00過ぎにチェックアウト。特にどこに寄るでもなく、ゆいレールに乗り空港へ向かう。空港ではせっかくなのでブルーシールのアイスクリームを食べる。一応、こういうこともしておかないと。そして定刻通り、沖縄を後にする。

 


と言うわけで初の沖縄上陸。予想以上に楽しくて本当に行って良かった。特に沖縄アリーナはまた機会を作って再訪したいところ。あれだけ素晴らしいアリーナが出来ちゃったんだから、今後はアレをリファレンスにした素晴らしいアリーナが全国各地にたくさん作られることを期待せずにはいられない。そしたらまた遠征する目的が増えちゃう。いや、困りますな(えびす顔)。

 

 

湯宿温泉 湯治の旅

2023/1/31から2/2かけて群馬県の湯宿温泉まで湯治の旅に行ってきたので、その記録をここに記す。

 

前書き

年末年始が一年で最も忙しい仕事を始めてもうそれなりになるアタクシ。それに伴い、1~2月あたりに温泉でのんびりするのがここ数年のルーティンになっている。去年は鬼怒川温泉に行ってみたのだが、なんかこう今一つだったので、今年はどうしようかな〜なんてかなり思案していたのであります。

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松山と今治でサッカーを観てきた話

このブログもかなり放置してしまったので、ちょいと煤払いも兼ねて紙のノートにメモっていた話をアップしてみます。

 

2022年11月12日〜14日の2泊3日で松山と今治へ行って来たのでその記録。目的はサッカー観戦であります。

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映画「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」を観る

 

 

まあこっちも「大傑作!!!」と言い切れるような作品ではないんだけれども。前作のバディ的存在だった新人捜査官氏は南極にトバされたとかで一切出てこないし(おかげで前作で殉職したアイツがまるっきりの犬死だったってことに)代わりの存在とも言うべきクラウスのキャラが今ひとつ薄味だったり、途中で急に物分りが良くなったりするのも意味分からんし。(あのルックスであの能力なら活かし方はもっとあるじゃろがい!と一言物申したくなる気持ち、ご理解いただけますよね?)

 

と言いつつもやっぱりこの作品、アタクシ好きなんですよ。なんと言ってもトロール市場のあの雰囲気と言ったら!タトゥイーンのカンティーノ酒場の正常アップデート版とも言うべき異形のキグルミ達が生き生きと動き回るシーンは本当に素晴らしい。匂い立つ怪物たちの生活臭が画面から漏れ出てきそう(まあスゲー悪臭でしょうけども)そして直後のバトルシーンでの森の神の造形!完全に「もののけ姫」のシシ神オマージュ(ですよね?)ちょっと呆気なさ過ぎる倒され方とも取れるけれど、これはヘルボーイ自身が己の存在に疑問を持つ展開へのブリッジと考えればアリではないかと(贔屓目)

 

そしてやはり挙げておかねばならないのがエルフ達が集うシーンの美しさ。常に落ち葉が舞うような光景にあの色調。「確実に滅びの日へと近づいていく種族の悲しみ」のようなモノが的確に表現されている!そしてエルフそのものの造形もまた美しい。異形の美がギリギリのバランスで成立しているところに星3つ。これは後の「シェイプ・オブ・ウォーター」で更にアップデートされることになる要素でもありますなあ。この辺りの監督の好みはピーター・ジャクソンとの比較論として考えてみると面白いかも。

 

物語終盤、ラストバトルにおけるゴールデンアーミーさんたちのCG臭はちょっとキツいけど(このゼロ年代CG超大作にもれなく存在してしまうキツさを我々人類はいつの日か「味」として受け入れられるのでありましょうか)、意味のよく分からん歯車上でのアクションは一作目に引き続いての完全な「カリ城」オマージュ!しかもより直接的なヤーツ。ギレルモ・デル・トロジョン・ラセターのこの辺のセンスはやはり最高である。(ジョン・ラセター宮崎駿オマージュについてはいずれ…)

 

前作における夜の屋上での男の子との「天使たちのシーン」に比肩するといっても過言ではないであろう「バリー・マニロウ聴きながら泥酔&女々しい会話に花を咲かせまくるフリークス2名」という映画史に残るシーンの素晴らしさについてはもう敢えて書きませんが(書いてる!)そのシーンの直前に掛かるEelsがまたイイんだよねえ。

 

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そんなワケでみんなも観よう「ヘルボーイ ゴールデン・アーミー」

映画「ヘルボーイ」を観る

なんだか急に観たくなってレンタルDVDにて鑑賞。一応、劇場公開時にどっかの映画館で観て以来のハズ。

ヘルボーイ [Blu-ray]

ヘルボーイ [Blu-ray]

 

 

正直言って「大傑作!!!」という作品ではないと思う。三悪人がパッとしないし(特に女)、ナチのアイツもゼンマイのギミックとか全体的なビジュアルは相当カッコいいのにイマイチ何考えてるか分からんし、ラスプーチンに至っては…ねえ?冒頭のシーンで右腕に装着したゴツいメカグローブがヘルボーイの腕と何か因果があるのかと思ったら特にそういうのもないし。

 

でも、でもですね。久しぶりに再見して確信致しました。アタクシこの作品好きだわー。気はネジ曲がってて力持ち、でお馴染みヘルボーイさん。猫と戯れてるシーンはラピュタのアレをどうしたって想起させるし、毎度山ほどのメシが運ばれてくるシーン、アレって本当は「カリ城」の「食いもん持ってこい。じゃんじゃん持ってこい!」のシーンみたくヘルボーイのあの腕でガバっと食べるシーンが撮りたかったんじゃないの?みたいな妄想を掻き立てるし。そこはかとなくなく漂う宮崎駿オマージュにアタクシ弱いのじゃよー。

 

そして、なんと言っても嫉妬の炎に身を焦がすヘルボーイさんがデートするリズを追いかけてビルの屋上からこっそり盗み見るシーンのキュートさと言ったら! 9歳の男の子、ママが焼いたクッキー、コップに入ったミルク等々、道具立ては完璧。あそこまでボンクラマインドを昇華させたダークヒーローがかつて存在しただろうか?いや、いない(反語は強い否定) あのシーン、男の子とヘルボーイが対等な立場で会話してる感じがたまらんのだよなあ。

 

他にもリズがタクシーから身を乗り出してポラロイドを撮りまくるシーンの開放感最高!とかラストダンジョンに見る「カリ城」時計塔オマージュ感イイね!とか。まあ色々ありますけど、とにかくアタクシの心に残る一本でございます。