村上春樹 「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

今週のお題「人生に影響を与えた1冊」

 

皆さん、こんにちは。今は女子大学生の四年生です。就職活動中で学内のキャリアセンターに出向く中、そこで書棚を見つけ、いくつか就職やビジネス本に関した本が並べられており、中でも日本人作家として

著名な村上春樹さんの本「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を発見。

 

本を手に取り、冒頭を読めば、主人公である大学生の多崎つくるが、いきなり自殺をしようと、まさに人生どん底の状況で、かなりシビアなストーリーから展開していきます。一方で、私にとっては、その逆境に近いような境遇の中で、彼に同情とはまた少し違った、背後に何か冷たい魂のようなものを感じ、それが自分の意思ではどうしようもない虚無感に襲われながら読み始めました。

 

この本が私の人生に最も今、影響力を与えた理由は、大きく分けてふたつ。ひとつは、就職活動中、将来に絶望していた自分に、落ち込まない根性を与えてくれたから。それは、彼の引っ込み思案とコンプレックスが、実際に不可能と思われていた出来事を変えたから。そして、彼の核にある負のエネルギーと向き合う姿勢が、次のポジティブな行動に繋がり、最終的にこの物語の真相を明かす鍵に。

 

だが、くよくよ考え出来ない理由をいくつも並べ、負のスパイラルに陥ると意味はないので、まずは人に相談する。次に、計画を立て、行動に移す。実践後は礼儀としても、相談相手に内容を報告する。上手くいかなければ、原因を見つけ、課題をもつ。もちろん、運や不運も存在するのがよの常なので、失敗しても必要以上に落胆しない。

 

過去の失敗は、負の財産。それをスルーするか、モノにするかであれば、後者のほうがいいに決まっている。最後には、大きな成長に繋がると思えば、挑戦しても後悔は生まれにくい。

 

ふたつめは、自身の弱さや短所に向き合うことが、一番問題解決になると知ったから。私は、この就職活動を通じ、「学生時代に最も頑張ったこと」のエピソードとして、輝かしい活動ばかりを主張し、逆にそういう内容をアピールしないと、人事の方に評価を貰えないと思い込んでいた。

 

けれども、それで書類が通過しても、後々面接で落ちることが多くなってしまった。なぜかをよく考えれば、彼らが知りたいのは、逆に最も失敗した経験談や、自分の短所について言えるかどうか。その上で、厳しい状況の中で、どのように頑張ったのかという、そのプロセスが知りたい!だから、見栄張りエピソードは、等身大以上の自分を見せているので、内定を貰えることができてものちのちしんどくなる。(もちろん例外はあるだろうが)

 

失敗することは、恥ずかしいことじゃない。逆に、高いプライドで見栄を張ってしまう方が、どんどんと貧乏神を引き寄せることに繋がるし、成長もストップしてしまう。だから、まずは素直に一旦受け止める。それから、肯定するのか、否定するか。要は、受け止めたあとの行動が肝心なのではないでしょうか。

 

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