長男孫と次男孫はダンスを習いに行っている。
レッスンの参観に一度行ったことがある。
小学校に上がったばかりから就学前の一番年少のクラスに所属する孫たち。
参観の時には簡単な体操の様なダンスを緩い感じて見せてくれた。
ダンスというから今時の激し目のものを想像していたが、ちょっと違う。
一応振り付けがあるが、子どもたちはそれぞれに出来る範囲で手足を動かしている。
先生もそれ程厳しく指導することなく、楽しくやる事を優先していると思われた。
ダンスだけかと思ったら、途中お芝居の様に配役をしてセリフを練習する時間もある。
先生の口伝えで「はい、〇〇ちゃん言って」「次、☆☆ちゃんね」。
ウチの孫たちの様子を見ていると、ただただ先生の言葉のおうむ返しで、感情のこもったセリフには程遠い。
あれ?ダンスだけじゃないんだ、コレは何の練習?と不思議だった。
それにしてもウチの孫たちは、ダンスもセリフも今ひとつ。
というか、ふざけてちっとも集中しないので見ていてハラハラする。
やる気があるんだか無いんだか。
辛抱強く向き合ってくださる先生方に、申し訳ありませんと心の中で手を合わせるばかり。
それでも、広いフロアいっぱいに走り回り、大きな声を出し
何より孫たちが楽しそうなのが良かった。
ただ、
正直、このレッスンがその後何かの形になるとはその時はとても思えなかった。
8ヶ月程前の事である。
🕺
それが、
このゴールデンウィークにダンスの発表会があるというではないか。
どんなものかと期待と不安半々で観に行った。
それはなんと、ダンスだけでなく歌ありセリフありのミュージカルだった。
あの時、セリフの練習をしていたのはこれだったのだ。
あんなにおふざけ野郎だったウチの孫たちも、みんなと息を合わせて踊っている。
ポジションチェンジもスムーズに出来ている。
セリフの順番も間違えずに出来ている。
シャイな長男孫は緊張気味だったが、セリフの間が良く会場の笑いを誘うと、はにかんだ笑顔を見せた。
次男孫はソロの歌の時に野太い大声を響かせ、やっぱり会場を少し沸かせた。
驚いた。
8ヶ月前の参観日の時の、あれがこんなに素敵な形になることに。
そして、あんなに頼りなかった孫たちの成長に。
先生方のご努力とご苦労に頭が下がり、感謝の思いでいっぱいになった。
同じ年少クラスでも最初から先生の指導にきちんと応えられるお子さんたちもいて、ウチの孫たちとの差は歴然だった。
だが、彼らにも引っ張ってもらいながら、孫たちは成長出来たのだろうとも思う。
そんな仲間と出会えたことも孫たちにはラッキーだった。
幼いながらも、舞台に立つ一人一人が自分の精一杯を発揮しようとする素晴らしいミュージカルだった。
いや、幼いながらも、は余計だな( ̄▽ ̄)