先日、用事があって川崎に行ったついでにラゾーナを散策した。
歩いてるとここら辺でライブしてたなぁとか勝手に浸ってしまって、聖地巡礼をしに行ったわけではないけど、懐かしさに襲われた。
島村楽器にも寄ってメンバーのサインを一通り写真に収める自分に「おれファンなんだな…」って再確認したりなど。
余談から始まりつつ、以下5話の感想。
続きを読む演技と本音と感謝と。人情的な4話。
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冒頭の楽器屋の時点で、コミカルだけどどう見ても後戻りできない仁菜の姿が描かれるのが面白い。こういうコミカルな部分も含め、時間の積み重ねを経てバンドを本当にやり続ける覚悟を問う展開になってくるんだろう。
仁菜の思い込んだら一直線な姿勢は、時に宇宙に飛び出すイメージとして描かれるときがある。それぐらい自分の内面に没頭して浸れる人じゃなきゃフロントマンになれないことを示してるように思う。
スタジオ練習のシーンでメンバー間の練度の差が描かれたのが細やかだった。ダメ出ししてさらっとリテイクを要求する桃香、二人よりも明確に楽曲のビジョンが見えているのをさりげなく描くとこは、バンドマンとしてのレベルの差がはっきり表れていた。
続きを読む仁菜とすばるの掛け合い、二人を手のひらで踊らす桃香が面白い第3話。
どつき漫才のような会話劇、それでも噛み合っていくのがバンドなんだな。
ということで以下、感想。
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案の定、音楽にのめり込み勉強が手につかない状態になっている仁菜。スマホでDTMできる手頃さからずるずる沼にハマっていくとこがコミカルだけど、なんだかリアリティがあってさらなるドロップアウト(=大学進学じゃない戦い方)の布石のようにも見える。
今回、桃香に図星を突かれて仁菜が帰ろうとする展開が二度あった。音楽にのめり込んでることを指摘されたときと路上ライブの話を持ちかけたときーーいずれも桃香のもとに戻ってくる。どうせ戻ってくるのがわかっている(=仁菜の本心を掴んでいる)桃香の一枚上手な態度が印象的だけど、ここから仁菜が手のつけられない対等な存在になって、そこがどう変わるか楽しみ。
すばるの境遇も明かされた。祖母の言いつけでアクターズスクールに通っているだけで、本当は演技をやりたいわけではないことが語られた。親類の期待や押し付けをプレッシャーに感じている部分が実は仁菜と似ていることがわかる。
境遇が似た二人だが、同時に違いも浮き彫りになる。かたや環境に逆ギレして飛び出し、かたやなんだかんだ環境に合わせて生きることができるーーそして両者ともそんな自分の性質にうんざりしているように見える。
距離を取ろうとする仁菜に対する、すばるからの「やめた方がいい? バンド、やめた方がいい?わたし」という問いかけは両者の性質の違いがよくわかるし、すばるの境遇を紐解くシーンの始まりとして引き込まれるものがあった。
人に合わせるのは得意かもしれないけど、仁菜が知った風な口を聞くと即座にキレたり、仁菜に劣らない反発心もある。この一連のシーン、1話で桃香に「楽勝じゃん」と言われたときの仁菜とも重なる。他人の境遇なんて、ときに「楽勝」に見えたり「上から目線」に見えたりするけど、そういったところこそ当人にとっては繊細な部分なんだろうと思う。仁菜がすばるの言葉にちゃんと耳を傾けてから、一気にすばるのペースに持ってかれる流れは溌剌として好きだった。学生的なノリが素朴に馴染んでいて、仁菜が失ってしまったものを新しい形で手に入れた瞬間のように映った。
路上ライブに向けての打ち合わせ。急なライブに拒否反応を示す仁菜に対して、その本心を看破した桃香の「成功しようが、失敗しようが、お前はどっちにしろ後悔するんだ」ってセリフがやけにこっちにも刺さる。日常的なことに照らし合わせても何だか身に覚えがあるところがあるし、案外この感覚はわかる人も多いんじゃないかって思う。
路上ライブに向けての3人での初めての合わせ練習、ここでのセッションの多幸感が半端なくて、暗い展開が多かったガルクラで一気に"楽しさ"を解放した瞬間だったように思う(逆に1、2話が暗い流れでも、ここまでしっかり引き込んだ演出がすごいとも言える)。
仁菜の声出しに合わせて、ギターとドラムが一気に乗っかってくる。たった数秒のアンサンブルに観てるこっちも鳥肌が立った。「人間にはさ、音に合わせて体を動かす遺伝子が入ってるんだよ」ってすばるのセリフがわけもなく多幸感に包まれる気分を肯定してくれる。
帰り道の吉野家、声を張り上げすぎた仁菜のハスキーボイスをいじるすばるに立てられる小指。それを見たすばるのキョトンとした顔から、まだ共有されてないハンドサインなことがわかる。ルパと智がこれから絡んでくる伏線を張りつつ、後のトゲナシトゲアリのメンバーの集結がかなり丁寧に描かれるんだな、という印象を持った。
ラゾーナ川崎でのライブ本番、出番になっても人前に出れない仁菜に対してマイクを通して語りかける桃香。さすがのバンド経験者で、元々MCが上手いタイプのアーティストだったんだろうなと思った。
仁菜を煽りそのアンビバレンツな性格をあげつらって、それを踏まえた上で「それはまぎれもないロックだ」と仁菜を鼓舞する。 仁菜自身がネガに感じてる部分をあえて刺激して、それをステージに上げる起爆剤にしていく流れは桃香のMC巧者っぷりが存分に出てて好きなシーンだった。
そこから棘を纏った仁菜がステージに走るシーンが個人的にはハイライト。仁菜の棘のオーラが往年のアニメの集中線みたくなってるのも、演出の妙だった。
急造のバンド"新川崎(仮)"が放つ曲は『声なき魚』。歌詞を見ると、ニヒリスティックだけども実存を渇望している、今の仁菜を象徴する内容だ。それに呼応するようにオーディエンスやラゾーナを闊歩する人たちが、仁菜の姿になる演出が為される。もちろんイメージ的な絵面ではあるが、仁菜にとっては今わからせたい相手は過去の自分で、救いたい相手もまた過去の自分、という意識なのかもしれない。内容的には明るい楽曲ではないが、歌い切った仁菜の表情の明るさが良い。歌詞云々と書いたけど、まずやってることが音楽だから、身体を揺さぶられて気持ちよく音を奏でられたら勝ち!みたいな音楽のプリミティブなとこを押し出してるのが良かった。「なんかすごいロックだ」って締められちゃったら納得するしかない。
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ダイヤモンドダスト、現メンバーの街頭広告が出たぐらいでまだ絡みはなく…。というか思った以上に劇中では売れてるバンドみたいで、ただ街に広告だけが映るって演出もそのプロップスを後押ししてた。
智とルパの本格的な絡みはそろそろなのか…期待して次回。
約一年前、『ガールズバンドクライ』のメインスタッフが発表されて驚いたのを覚えてる。
『ラブライブ!サンシャイン!!』の酒井和男が監督で、花田十輝が脚本、平山理志がプロデューサー。
自分の中で色めきだつものがあったけど、あくまでサンシャインとは別物だし、劇中バンドのトゲナシトゲアリの活動も積極的には追ってなかった。
でも不思議なもので「次のクールか…あと数週間か…もう数日か…」と日増しに期待値が上がっていくのを感じた。
迎えた第1話、やっぱ酒井監督のフィルム面白い。
続きを読むずいぶんと放置してしまっていたけど、今なにか書きたいなと思ってiPhoneをフリックしている。
といっても気分だけが上向いてて、書くテーマが定まらないので"今週のお題"について書こうと思う。
何気にこのブログで初めて"お題"を使っての記事作成。ちょうどラップやってる身としてはおあつらえ向きなお題なのでゆるゆる書いていく。
ということで―――
今週のお題「練習していること」
数ヶ月前からボイストレーニングに通っている。
主な目的は音域を広げること。普通にラップする分には音域の高さはそこまで重要じゃないが、hook(いわゆるサビ)のメロディを安定させるためだ。
自作のラップ曲のリリックはhookから思いつくことが多く、そこにメロディが付いてることがしばしば。家でふんふんとメロ付けてる分には問題ないけど、いざスタジオに入ると自分が作ったメロディが高すぎて音域の瀬戸際を攻めることもあった。
自分でリリックメイクしてて気づいたが、ラップするのも好きだが声張って歌うのも好きらしく、それなりの音域に引っ張られてメロディを作る癖があるみたいだ。
独学で喉を鍛えることも考えたが、三日坊主で終わりそうなのと軌道に乗っても逆に加減がわからず喉を壊しそうな予感もあり、ボイトレの門を叩くことになった。
先生ごとの相性だったりスケジュールだったり紆余曲折あったが割愛。
今は理論的に説明してくれる先生のもとで練習している。
道標もなくスタジオでわめくのと違って、身体構造とかどう動いて音が鳴ってるかどうかってのを素人にもビジュアライズしやすく解説してもらうってのは大事だなと。
教えてもらうトピックは知らなかったこともあれば、自分で調べてたときにぼんやり知ったこともあったり。聞き齧っただけの知識が理論的に説明されて、実践も交えて自分に浸透していくのはなかなか面白い体験で、単にそれぞれのトピックがわかるだけじゃなくて、それぞれの点が繋がっていって線になり、目指す形がだんだんとわかっていくような感覚があった。専門知識もなく独学で練習してこの感覚に至るにはあまりに遠かったと思う(といってもまだまだ序の口の段階)。
例えば、知らないジャンルの音楽を聴くとき、まとまったプレイリストを聴いたりすることがあると思うが、やっぱ体系化したものに触れるってのは大事だなと。しかもボイトレみたく能動的にこちらが動作を行う必要があるものだとなおさらガイドがほしい。
地図なく暗中模索するのも楽しいかもしれないが、当方、あまりにも結果が出ないとさじを投げる。無駄に時間をかけられる歳でもない。
かけてきた時間も大事だが、何に時間をかけるのかも重要だ(大していつも有意義に過ごしてるわけでもないが)。引き続き、適したルートで時間をかけていきたい。
こんな感じでまた、日々のことやら感想やらエッセイみたいなのやら綴っていければなと思う。ということでmamiyaでした。
あけましておめでとうございます。mamiya(@mamiya_7)です。
久しぶりに映画感想を綴っていくよ。
今回は『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(原題:Spider-Man: No Way Home)。他のレビューと同じくネタバレかましていくし、他シリーズ作品やアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の話もしてるので、そちらを承知の上で読んでくださいまし。逆に物語の詳細をめちゃくちゃ知りたいよって方も、内容自体はかなりかいつまんで書いてるのでそちらもご承知くださいまし。
未見の方で本作が気になる方は、ぜひ映画を見てから本記事をご覧ください!
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今年一発目の映画にして、今年ベスト級の映画になることが約束されたシリーズ3作目『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』。
蓋を開ければ自分の期待してた方向のさらに上を行く演出と展開で、レイトショーのあと感慨に浸りまくるほどだった。
そもそもの世界観がごった煮のMCUだからこその展開やアクションの妙がすごくて、この一大作品を作り上げたジョン・ワッツ監督をはじめ、全てのスタッフ・キャストに本当に感謝を捧げたい。
予告の時点で壮大なクロスオーバーがあるのを予感させたが、シリーズを見てきた各世代に向けた目配りには感服で、現在のシリーズや前シリーズにどれか一作でも思い入れがあるならば食らっちゃう作りになっていた。
シリーズ未見の人でも一大スペクタクルヒーロー映画として楽しめると思うし、それもやはり物語や演出、テーマという根っこの部分がしっかりと構築されていたからだろう。
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